19 / 64
初任務
ルイスー2
しおりを挟む
ルイスが、生物の心臓部分に向けて、剣を刺そうとする。
だが、生物の表皮が突然燃え出した。
「なるほど!炎の精霊か何か取り憑いたな」
「ルイス!俺も手伝うぞ」
アクセルが剣を持ち、ルイスの横に進み出る。
「勝手に。ただ、メインは僕だ!」
「はいはい。わかってるよ」
ルイスが剣に風をまとわせながら、走る。その後ろで、アクセルが剣を前に構え、先端に雷の力を溜め込んでいる。
「サード・ウィンドカット」
最初に放った技の3倍の威力もあり、生物の胴にかなり深い傷を負わせることに成功する。そして、傷の中心部にアクセルが、雷の玉を撃ち込んだ。
生物の心臓辺りに大きめの風穴が空いた。
「さて、今度こそ終わりだ!」
3本の小さな槍を風の力を使い、作り出す『ブラスト・スピア』を風穴、脳天、首元の3箇所にぶつける。
生物は、3箇所の急所を同時に攻撃され、動きが止まり倒れ込んだ。
「突然変異型生物は危険と聞いていたが・・こんなものなのか」
「やっぱり強いな、ルイスは」
アクセルは、すごく感心した顔でルイスのことを見ている。
「こいつが弱かっただけだろう。それに、アクセルの援護もあったからだ」
「そう・・で、どうする?これ・・」
突然変異型生物の前に立ち、燃えた表皮をジロジロ眺めている。
「国に提出はしない。これは、僕達だけの研究サンプルとして、使わせてもらおう」
「・・ルイスがいうなら・・まっ、いいか」
そして、現在。
「そういうことで、これがあるわけだ」
「・・な、なるほど」
「何だ?チクるつもりなら、ここで眠っててもらうが・・どうする?」
ルイスが蒼を睨みつけ、剣を構える。
「そんなことしないですって。」
蒼が両手を上げ、首を横に振る。
「ならいいんだが・・で、ここに来た理由は?聞かなくても分かるがな」
「昨日言ってた研究、お願いします!」
「フッ、決心がつくのが早いな!気に入った。戻るぞ」
ルイスが横目で静かに笑ったようだった。
ルイスの家に戻ると、庭に設置されている小屋に連れて行かれた。
「少し危険な実験は、ここですることにしている。・・今更、ビビってるのか?」
ルイスは、少し上から目線な態度で腕組みをしている。
「そんな訳ないです!改めて、よろしくお願いします!」
「失敗はしないよう努力する。もし死んだら、丁寧に弔ってやるから、安心しろ」
蒼は今一番、冗談でも言われたくないこと、だと心底感じた。だが、蒼の決心はとうに決まっている。自分自身が強くなれるなら、何でも・・とは言わないが、頑張れる。
「あと、成功したとしても、その力はできる限り使うな!適応できるまで、時間がかかるからな!君達の任務後、僕がその手伝いをする」
そう言うと、実験を開始したようだった。なぜ、過去形かというと・・。蒼は、ルイスのその言葉の後から気絶してしまっていたらしい。
「おい!さっさと、起きろ!」
「うん?あれ、俺は・・?」
意識が朦朧とする中、ルイスの声が聞こえる。最初の数分は何言ってるか、あまり聞き取ることができなかったが。それも回復してきた。
「成功だ!今の君には、前とは比べ物にならない程の力が流れ込んでいる。適応が完了するまで、その腕についている制御板を外すな」
「成功したのか・・。あ、ありがとうございます」
そして、ふと壁の時計を見ると、時間は2時を指している。あと2時間ほどで、鉱山前集合の時間になる。
「俺、行ってきます。任務の準備をしなくてはいけないので・・」
蒼は、バッグを手に取り、急いで駆け出そうとする。
「そうだったな。いいか、その制御盤は、まだ外すな。外さずとも、今まで通りの力は使える」
ルイスは、強く念を押して、言った。
蒼は、その言葉をしっかりと肝に銘じた。
部屋に戻ると、二人は食事を済ませたあとだった。
「どこ行ってた!?」
「少し、町長の息子さんと話をしてただけだよ」
蒼の返答を、サンダーは「そう。ならいいが」と軽く受け流した。
「まぁ、無事で良かった。ほら、昼食は買ってきてるから、食べちゃって。ちなみに、サンダーが買ってきてくれたのよ。」
蒼は、素早く食事を済ませると、任務に向けての準備をし始める。刀の最終調整、応急処置用の医療具の確認など準備を徹底した。
準備を済ませている内に1時間が過ぎ、あと30分ぐらいで集合時間になろうとしていた。
「そろそろ、行くぞ!蒼」
ギガントから集合場所として伝えられた所は、最低でも歩いて10分くらいはかかる。ルイスがいた山の隣がそうらしい。
蒼は、必要なものを全て持ち、サンダーとランツェの後を追いかけた。
集合場所に着くと、まだギガントは来ていないようだった。まだ、集合まで20分も時間があるので、来ていないのも納得だ。
「早く来すぎたな」
「そうね」
そして、20分後。ギガントは、時間きっかりにやって来た。かなり待ったが、遅れてはいないので、責めることができない。
「早いね、ランツェ達は。それじゃあ、作戦を説明しようか」
ギガントは、地図のようなものとペンを取り出した。
だが、生物の表皮が突然燃え出した。
「なるほど!炎の精霊か何か取り憑いたな」
「ルイス!俺も手伝うぞ」
アクセルが剣を持ち、ルイスの横に進み出る。
「勝手に。ただ、メインは僕だ!」
「はいはい。わかってるよ」
ルイスが剣に風をまとわせながら、走る。その後ろで、アクセルが剣を前に構え、先端に雷の力を溜め込んでいる。
「サード・ウィンドカット」
最初に放った技の3倍の威力もあり、生物の胴にかなり深い傷を負わせることに成功する。そして、傷の中心部にアクセルが、雷の玉を撃ち込んだ。
生物の心臓辺りに大きめの風穴が空いた。
「さて、今度こそ終わりだ!」
3本の小さな槍を風の力を使い、作り出す『ブラスト・スピア』を風穴、脳天、首元の3箇所にぶつける。
生物は、3箇所の急所を同時に攻撃され、動きが止まり倒れ込んだ。
「突然変異型生物は危険と聞いていたが・・こんなものなのか」
「やっぱり強いな、ルイスは」
アクセルは、すごく感心した顔でルイスのことを見ている。
「こいつが弱かっただけだろう。それに、アクセルの援護もあったからだ」
「そう・・で、どうする?これ・・」
突然変異型生物の前に立ち、燃えた表皮をジロジロ眺めている。
「国に提出はしない。これは、僕達だけの研究サンプルとして、使わせてもらおう」
「・・ルイスがいうなら・・まっ、いいか」
そして、現在。
「そういうことで、これがあるわけだ」
「・・な、なるほど」
「何だ?チクるつもりなら、ここで眠っててもらうが・・どうする?」
ルイスが蒼を睨みつけ、剣を構える。
「そんなことしないですって。」
蒼が両手を上げ、首を横に振る。
「ならいいんだが・・で、ここに来た理由は?聞かなくても分かるがな」
「昨日言ってた研究、お願いします!」
「フッ、決心がつくのが早いな!気に入った。戻るぞ」
ルイスが横目で静かに笑ったようだった。
ルイスの家に戻ると、庭に設置されている小屋に連れて行かれた。
「少し危険な実験は、ここですることにしている。・・今更、ビビってるのか?」
ルイスは、少し上から目線な態度で腕組みをしている。
「そんな訳ないです!改めて、よろしくお願いします!」
「失敗はしないよう努力する。もし死んだら、丁寧に弔ってやるから、安心しろ」
蒼は今一番、冗談でも言われたくないこと、だと心底感じた。だが、蒼の決心はとうに決まっている。自分自身が強くなれるなら、何でも・・とは言わないが、頑張れる。
「あと、成功したとしても、その力はできる限り使うな!適応できるまで、時間がかかるからな!君達の任務後、僕がその手伝いをする」
そう言うと、実験を開始したようだった。なぜ、過去形かというと・・。蒼は、ルイスのその言葉の後から気絶してしまっていたらしい。
「おい!さっさと、起きろ!」
「うん?あれ、俺は・・?」
意識が朦朧とする中、ルイスの声が聞こえる。最初の数分は何言ってるか、あまり聞き取ることができなかったが。それも回復してきた。
「成功だ!今の君には、前とは比べ物にならない程の力が流れ込んでいる。適応が完了するまで、その腕についている制御板を外すな」
「成功したのか・・。あ、ありがとうございます」
そして、ふと壁の時計を見ると、時間は2時を指している。あと2時間ほどで、鉱山前集合の時間になる。
「俺、行ってきます。任務の準備をしなくてはいけないので・・」
蒼は、バッグを手に取り、急いで駆け出そうとする。
「そうだったな。いいか、その制御盤は、まだ外すな。外さずとも、今まで通りの力は使える」
ルイスは、強く念を押して、言った。
蒼は、その言葉をしっかりと肝に銘じた。
部屋に戻ると、二人は食事を済ませたあとだった。
「どこ行ってた!?」
「少し、町長の息子さんと話をしてただけだよ」
蒼の返答を、サンダーは「そう。ならいいが」と軽く受け流した。
「まぁ、無事で良かった。ほら、昼食は買ってきてるから、食べちゃって。ちなみに、サンダーが買ってきてくれたのよ。」
蒼は、素早く食事を済ませると、任務に向けての準備をし始める。刀の最終調整、応急処置用の医療具の確認など準備を徹底した。
準備を済ませている内に1時間が過ぎ、あと30分ぐらいで集合時間になろうとしていた。
「そろそろ、行くぞ!蒼」
ギガントから集合場所として伝えられた所は、最低でも歩いて10分くらいはかかる。ルイスがいた山の隣がそうらしい。
蒼は、必要なものを全て持ち、サンダーとランツェの後を追いかけた。
集合場所に着くと、まだギガントは来ていないようだった。まだ、集合まで20分も時間があるので、来ていないのも納得だ。
「早く来すぎたな」
「そうね」
そして、20分後。ギガントは、時間きっかりにやって来た。かなり待ったが、遅れてはいないので、責めることができない。
「早いね、ランツェ達は。それじゃあ、作戦を説明しようか」
ギガントは、地図のようなものとペンを取り出した。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
付与って最強だと思いませんか? 悪魔と呼ばれて処刑されたら原初の悪魔に転生しました。とりあえず、理想の国を創るついでに復讐しようと思います!
フウ
ファンタジー
勇者にして大国アルタイル王国が王太子ノアールの婚約者。
そんな将来を約束された一人の少女は……無実の罪でその人生にあっさりと幕を下ろした。
魔王を復活させて影で操り、全てを赦そうとした聖女様すらも手に掛けようとした公爵令嬢。
悪魔と呼ばれた少女は勇者ノアールによって捕縛され、民の前で処刑されたのだ。
全てを奪われた少女は死の間際に湧き上がるドス黒い感情のままに強く誓い、そして願う。
「たとえ何があったとしても、お前らの言う〝悪魔〟となって復讐してやる!!」
そんな少女の願いは……叶えられた。
転生者であった少女の神によって与えられた権利によって。
そうして悪魔という種族が存在しなかった世界に最古にして始まり……原初の悪魔が降り立ったーー
これは、悪魔になった一人の少女が復讐を……物理的も社会的にも、ざまぁを敢行して最強に至るまでの物語!!
※ この小説は「小説家になろう」 「カクヨム」でも公開しております。
上記サイトでは完結済みです。
上記サイトでの総PV1200万越え!!
私は聖女ではないですか。じゃあ勝手にするので放っといてください。
アーエル
ファンタジー
旧題:私は『聖女ではない』ですか。そうですか。帰ることも出来ませんか。じゃあ『勝手にする』ので放っといて下さい。
【 聖女?そんなもん知るか。報復?復讐?しますよ。当たり前でしょう?当然の権利です! 】
地震を知らせるアラームがなると同時に知らない世界の床に座り込んでいた。
同じ状況の少女と共に。
そして現れた『オレ様』な青年が、この国の第二王子!?
怯える少女と睨みつける私。
オレ様王子は少女を『聖女』として選び、私の存在を拒否して城から追い出した。
だったら『勝手にする』から放っておいて!
同時公開
☆カクヨム さん
✻アルファポリスさんにて書籍化されました🎉
タイトルは【 私は聖女ではないですか。じゃあ勝手にするので放っといてください 】です。
そして番外編もはじめました。
相変わらず不定期です。
皆さんのおかげです。
本当にありがとうございます🙇💕
これからもよろしくお願いします。
前世持ち公爵令嬢のワクワク領地改革! 私、イイ事思いついちゃったぁ~!
Akila
ファンタジー
旧題:前世持ち貧乏公爵令嬢のワクワク領地改革!私、イイ事思いついちゃったぁ〜!
【第2章スタート】【第1章完結約30万字】
王都から馬車で約10日かかる、東北の超田舎街「ロンテーヌ公爵領」。
主人公の公爵令嬢ジェシカ(14歳)は両親の死をきっかけに『異なる世界の記憶』が頭に流れ込む。
それは、54歳主婦の記憶だった。
その前世?の記憶を頼りに、自分の生活をより便利にするため、みんなを巻き込んであーでもないこーでもないと思いつきを次々と形にしていく。はずが。。。
異なる世界の記憶=前世の知識はどこまで通じるのか?知識チート?なのか、はたまたただの雑学なのか。
領地改革とちょっとラブと、友情と、涙と。。。『脱☆貧乏』をスローガンに奮闘する貧乏公爵令嬢のお話です。
1章「ロンテーヌ兄妹」 妹のジェシカが前世あるある知識チートをして領地経営に奮闘します!
2章「魔法使いとストッカー」 ジェシカは貴族学校へ。癖のある?仲間と学校生活を満喫します。乞うご期待。←イマココ
恐らく長編作になるかと思いますが、最後までよろしくお願いします。
<<おいおい、何番煎じだよ!ってごもっとも。しかし、暖かく見守って下さると嬉しいです。>>
ハズレスキル《創造》と《操作》を持つ俺はくそみたいな理由で殺されかけたので復讐します〜元家族と金髪三人衆よ!フルボッコにしてやる!~
ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ハルドン伯爵家の三男として生まれた俺、カインは千万人に一人と言われている二つのスキルを持って生まれてきた。だが、その二つのスキルは〈創造〉と〈操作〉というハズレスキルだった。
そんな俺は、ある日、俺を蔑み、いじめていたやつらの策略によって洞窟の奥底に落とされてしまう。
「何で俺がこんな目に……」
毎日努力し続けてきたのに、俺は殺されそうになった。そんな俺は、復讐を決意した。
だが、その矢先……
「ど、ドラゴン……」
俺の命は早々に消えそうなのであった。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる