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第三章 語られた真実

1 嫁を送り出した後は

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「ゆず君、最近なんかきれいになった?」
「え……?」
 いつも通りの朝。白木譲は、嫁の美緒の言葉にぎょっとする。よもや、ゲイセレブたちと不倫していることに気づかれたか。特に根拠はないが、そんな気がしたのだ。
「いや……男に〝きれいになった〟ってなんだよ……」
「うーん……。前より素敵になったんだけど……。イケメンになったとかかっこよくなったとかはちょっと違うというか……。強いて言うならセクシーになってる?」
(わが嫁よ……。カンが良すぎだぜ……)
 首をかしげる嫁に、譲は心臓が口から飛び出そうになる。
 隣人である不倫相手、北条明人のいいつけでいろいろ自分を磨いているのだ。ゲイセレブたちをより悦ばせることができるように。
 引き締まった身体は維持したまま、淫猥に見える体型に鍛え治している。肌の手入れやムダ毛処理も怠りない。
 夜更かしや栄養の偏りもないように気をつけている。
 それが、〝きれいになった〟ように見えるのだろう。
「まあなんだ。役者仲間に言われたんだ。いつまでも若いと思ってないで自分を磨くべきだってさ。言われてみればその通りだし、いろいろ試してるってところさ」
「へえ。さすがだね」
 譲の適当な返答に、美緒はさも感心した様子になる。
(美緒……ごめん……。本当にごめん……)
 青年は胸の内で謝罪する。いい加減な言葉で愛する嫁をだましている。罪悪感でいっぱいになる。
「それじゃあ、行ってきます」
「ああ、いってらっしゃい。気をつけてね」
 嫁を笑顔で送り出す。今日はドラマの撮影は午後からだ。つまり、午前中は家にいられるということだ。
「あら、おはようございます。今から出勤?」
 透き通った声がした。隣家の嫁。かつて譲が不倫をしてしまった相手。絵美香だ。
「あ、絵美香さん、おはようございます」
「おはようございます……」
 元気いっぱいにあいさつを返す美緒に対して、譲は気まずそうだ。
 自分と不倫をしてしまったことは、夫である明人との関係では保留になっているらしい。あの過ちの一夜以来、ありふれた隣人を互いに演じている。
 だが、いくら沈黙しようと連れ合いを裏切った事実は消えはしない。
「折角だから、途中まで一緒しましょうよ」
「はい。じゃあゆず君。行ってきます」
「行ってらっしゃい。美緒も絵美香さんも気をつけて」
 精一杯の笑顔でふたりを送り出す。やましさが顔に出ないようにするのが苦労した。
「支度しないと……」
 つぶやいて、譲はこの後の準備をする。

「Oh……。フェラがどんどんうまくなるね……。♡So cool……」
「ほんとですなあ……。そんじょそこらの風俗でも……こんなテクニックの持ち主はおらんでしょう……。♡おおおお……」
「じゅるるるっ! んれろれろっ……!♡ あむむ……。ありがとうございます……」
 白木家のリビング。
 譲はルーカスと塚田に口と手で奉仕していた。裸で仁王立ちになった金髪のクールガイとナイスミドルなおじ様の陰茎を、交互にしゃぶっている。
 嫁を裏切りこんなハレンチなことをしているのに、手管を褒められると無性にうれしくなってしまう。
 白木家は、ゲイセレブたちのヤリ部屋になっていた。
 スケジュールを合わせ、嫁たちの目を盗んでは男同士の肉の饗宴を繰り返している。
「Oh shit……shit……!♡ 出そうだ……!♡」
「私も……もう出るよ……!♡ おお……出る……」
 ふたりがほぼ同時に射精する。
 譲は口を大きく開けて、両方の白い飛沫を受ける。見事に、一滴もこぼさず口内に受け止めていた。

「くーーっ……!♡ すげえっ!♡ 譲さんのケツま×こ……また具合が良くなってらあ」
「おおおおーーーっ……!♡ ケツ舐めも最高だよ……。♡」
 倒錯した宴は続く。床に仰向けになって大股を開いた譲は、藤原に尻の穴を犯されながら、顔面騎乗した沢田にアニリングスをしていた。
「じゅるじゅるじゅるうっ……!♡ おおおお……ケツ溶けるう……。れろれろお……」
 若さのみなぎる陰茎に荒々しくピストンされながら、必死で紫のすぼまりに口奉仕し陰茎を手でしごく。うっとりして快楽に流されそうになるのを、必死でこらえる。
「すごい……!♡ おおお……。じゅるるるっ……! もっと突いて……!」
 青年は力強い性運動に、何度もドライオーガズムに押し上げられる。彼の菊の花は、すっかり性器に変っていた。
「おおおおおーーーーっ……!♡ 出ます……。♡中で出しますよ……」
「ふううう……!♡ たまらん……。ああ……イくイくっ……!♡」
 藤原のものがビクビクと震え、大量の熱いものが譲の腸の奥に浴びせられる。少し遅れて、沢田が果てて白いほとばしりが青年の腹に降り注ぐ。
(おおおお……。♡俺も出しちゃう……!♡)
 譲も限界だった。一度も触れていない勃起したものの先端から、ものすごい量の白濁があふれ出た。

「譲、まさかギブアップじゃないだろうな?」
「はあ……はあ……とんでもない……。♡明人さんに抱いて欲しくてたまらないです……」
 譲とゲイセレブたちの交尾を眺めていた明人が立ち上がる。荒々しく天井を向いたものが、目の前につきつけられる。
「あむむ……。♡じゅるじゅるじゅるっ……!うむうううう……」
 青年はメガネのイケメンのものにしゃぶりつき、愛おしそうに愛撫する。
「お前はいつも最高だよ。♡じゃあ、入れてやるからな」
「はい……。♡来て下さい……」
 譲がソファーに手を突いて尻を突き出す。明人のものがあてがわれ、立ちバックでゆっくりとつながっていく。
(あああああ……。♡やっぱり明人さんのち×ぽが一番いい……)
 二十五歳の青年は、愛おしい男の体温と固さに歓喜するのだった。

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