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第三章 芽生える思い
02 ついてないだろう……?
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ボーイッシュな少女は、ついに生まれたままの姿になっていた。
「どう……? ついてないだろう……?」
「う…うん……。女の子だね……ついてない……」
岬の間の抜けた問いに、司も間抜けに応答する。互いに恥ずかしさで、心臓がパンクしそうだ。
(見られてる……司に裸見せちゃってる……)
こんなことをしておいてなんだが、恥ずかしさで死んでしまいそうだ。
なにかを……なにかをしなければ……。
「司も……脱いでくれよ……」
そんな言葉が口を突いて出る。なにか考えがあったわけではない。自分だけ恥ずかしいのは不公平だと思っただけだ。
「うん……脱ぐからな……。いいんだよな……?」
そう言って、司も服を脱ぎ始める。男の脱衣は女よりずっと簡単だ。
少年は、すぐに裸になる。
(うわ……!? なんだこれ……? すごく大きい……司……興奮してる……!? 俺の裸に……?)
司の股間は、手で隠しきれないほど猛り狂っていた。
あまりの恥ずかしさに岬は両手で顔を覆ってしまう。だが、指の隙間からチラチラと見てしまう。初めて生で見る他人の勃起したものから、目が離せない。
恥ずかしさでどうにかなりそうな一方、司が自分の裸に興奮していることがなんだかうれしかった。
ちゃんと女としてみられていると思うと、岬の胸の奥が悦んでしまう。
そのまま無言の時間が流れる。
(ど……どうしよう……? あれを入れて欲しい……。司とセックスがしたい……。言わなきゃ……〝抱いて欲しい〟って……。それを覚悟して互いに脱いだんだし……。でも……あんな大きいのちょっと怖い……)
岬の頭の中はグルグルとして、どうしていいかわからなくなってしまう。
ボーイッシュな少女の秘部は、興奮して潤っていた。女の芯がザワザワとして、男を求めている。
だが、目の前で猛り狂うものを見ていると、怖くなってしまう。
どうしても、司とセックスをする決断がつかない。
そのときだった。一陣の風が屋上を吹き抜ける。
「へくしっ!」
岬の大きなくしゃみが、場の雰囲気を台無しにする。
「その……服……着ようか……」
「そだね……。寒くなって来た……」
ふたりは脱ぎ捨てた衣服を着直す。
先ほどまでのセックスの衝動は、すっかり消沈してしまっていた。
「その……さ……。岬……かわいかったよ……」
「あ……ありがと……」
そんなやりとりをしながら、岬はこっそり司の股間を見る。まだ興奮してテントを張っていた。
(ごめん……司……)
ただ……胸の内でわびることしかできなかった。
…………………………………………………………………………………………………………
「馬鹿……俺の馬鹿……なにやってるんだよ……」
寮の自室にもどった岬は、ベッドの上でひたすら悶々としていた。
自分の気持ちを確かめたかった。そのために、恐れてはいけないと踏み出したはずだった。なのに、肝心なところで怖がってしまった。
(気まぐれでめんどくさい女だって絶対思われたよ……)
司の立場になれば、登ったはしごを外された以外のなにものでもなかったろう。誘ったのは自分の方だったのだ。
(司に謝ってやり直さなきゃ……。言葉だけじゃなく……目に見える形で……)
そう思った岬は、クローゼットを開ける。普段使っていない、あるものを取り出す。
翌朝。
「じゃあ行こうか、司……」
「あれ……? 岬……」
登校するために寮の玄関で靴を取り出す司は、岬の姿に少し驚いた様子になる。
「今日はスカートなのか」
「うん……どうかな……? 変じゃない……?」
「変なんかじゃない。かわいいよ。すごく似合ってる」
司の返答に、岬は恥ずかしくもうれしくなる。スースーして落ち着かないが、思い切ってスカートにした甲斐はあった。
作戦を変えることにしたのだ。
いきなりセックスは、自分には無理ゲーだ。女をアピールして、少しずつでも女子力を高める。そして司との距離を縮めていく。そう決めたのだ。
「司……手……つないでもいいかな……?」
「うん……いいよ……」
重ねた少年の手は、大きくてあったかい。男の手だった。少し安心する。司は優しいから、まだ自分にチャンスをくれる。それが、すごくうれしかった。
「どう……? ついてないだろう……?」
「う…うん……。女の子だね……ついてない……」
岬の間の抜けた問いに、司も間抜けに応答する。互いに恥ずかしさで、心臓がパンクしそうだ。
(見られてる……司に裸見せちゃってる……)
こんなことをしておいてなんだが、恥ずかしさで死んでしまいそうだ。
なにかを……なにかをしなければ……。
「司も……脱いでくれよ……」
そんな言葉が口を突いて出る。なにか考えがあったわけではない。自分だけ恥ずかしいのは不公平だと思っただけだ。
「うん……脱ぐからな……。いいんだよな……?」
そう言って、司も服を脱ぎ始める。男の脱衣は女よりずっと簡単だ。
少年は、すぐに裸になる。
(うわ……!? なんだこれ……? すごく大きい……司……興奮してる……!? 俺の裸に……?)
司の股間は、手で隠しきれないほど猛り狂っていた。
あまりの恥ずかしさに岬は両手で顔を覆ってしまう。だが、指の隙間からチラチラと見てしまう。初めて生で見る他人の勃起したものから、目が離せない。
恥ずかしさでどうにかなりそうな一方、司が自分の裸に興奮していることがなんだかうれしかった。
ちゃんと女としてみられていると思うと、岬の胸の奥が悦んでしまう。
そのまま無言の時間が流れる。
(ど……どうしよう……? あれを入れて欲しい……。司とセックスがしたい……。言わなきゃ……〝抱いて欲しい〟って……。それを覚悟して互いに脱いだんだし……。でも……あんな大きいのちょっと怖い……)
岬の頭の中はグルグルとして、どうしていいかわからなくなってしまう。
ボーイッシュな少女の秘部は、興奮して潤っていた。女の芯がザワザワとして、男を求めている。
だが、目の前で猛り狂うものを見ていると、怖くなってしまう。
どうしても、司とセックスをする決断がつかない。
そのときだった。一陣の風が屋上を吹き抜ける。
「へくしっ!」
岬の大きなくしゃみが、場の雰囲気を台無しにする。
「その……服……着ようか……」
「そだね……。寒くなって来た……」
ふたりは脱ぎ捨てた衣服を着直す。
先ほどまでのセックスの衝動は、すっかり消沈してしまっていた。
「その……さ……。岬……かわいかったよ……」
「あ……ありがと……」
そんなやりとりをしながら、岬はこっそり司の股間を見る。まだ興奮してテントを張っていた。
(ごめん……司……)
ただ……胸の内でわびることしかできなかった。
…………………………………………………………………………………………………………
「馬鹿……俺の馬鹿……なにやってるんだよ……」
寮の自室にもどった岬は、ベッドの上でひたすら悶々としていた。
自分の気持ちを確かめたかった。そのために、恐れてはいけないと踏み出したはずだった。なのに、肝心なところで怖がってしまった。
(気まぐれでめんどくさい女だって絶対思われたよ……)
司の立場になれば、登ったはしごを外された以外のなにものでもなかったろう。誘ったのは自分の方だったのだ。
(司に謝ってやり直さなきゃ……。言葉だけじゃなく……目に見える形で……)
そう思った岬は、クローゼットを開ける。普段使っていない、あるものを取り出す。
翌朝。
「じゃあ行こうか、司……」
「あれ……? 岬……」
登校するために寮の玄関で靴を取り出す司は、岬の姿に少し驚いた様子になる。
「今日はスカートなのか」
「うん……どうかな……? 変じゃない……?」
「変なんかじゃない。かわいいよ。すごく似合ってる」
司の返答に、岬は恥ずかしくもうれしくなる。スースーして落ち着かないが、思い切ってスカートにした甲斐はあった。
作戦を変えることにしたのだ。
いきなりセックスは、自分には無理ゲーだ。女をアピールして、少しずつでも女子力を高める。そして司との距離を縮めていく。そう決めたのだ。
「司……手……つないでもいいかな……?」
「うん……いいよ……」
重ねた少年の手は、大きくてあったかい。男の手だった。少し安心する。司は優しいから、まだ自分にチャンスをくれる。それが、すごくうれしかった。
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