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02 みんな進んでいて

午後にほころぶ百合

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06

 ある休日の午後、セミラミス寮の花壇に水をやっていたニコラは、気になるものをみかける。
 寮ではお隣さんのブロディア・ハーリングとナオミ・ケーニッヒが、手をつないで歩いて行く。
 ピンク髪に褐色肌、笹穂耳。サキュバスらしくいかにも遊んでいそうなブロディア。
 姫カットの長い黒髪、白い肌、柔らかい物腰。いいところのお嬢さんという感じのナオミ。
 並んでいるといささか奇異に映るが、仲はとてもいい。
 ルームメイトとしても、破天荒なブロディアを常識的なナオミが抑えるという関係でうまくやっているようだ。
 だが、その時の2人の様子がニコラにはどうにも気になった。
 向け合う笑顔が、いつもと雰囲気が違う。
 それに、心なしか2人の顔が赤く見えたのだ。

 裏山の高台に向けて、2人は歩いて行く。
 どうも気になったニコラは、こっそり後をつける。
 そして、仰天することになる。
 東屋についた2人は抱き合い、キスをし始めたのだ。
 (あの2人、レズなのか…?ブロディアならありそうとは思ったけど…。 
 ナオミも清楚に見えて実は…)
 衝撃を受けながらも、ニコラは2人の逢い引きから目が離せなかった。
 「なあ、いっそ裸になっちゃえよ」
 「もう…こんなところで…ハレンチなんだから…」
 完全にセックスのスイッチが入っているらしいブロディアが、服を脱いでいく。
 ナオミも恥ずかしがりながらも、同じように脱いでいく。
 (2人とも…すごく裸きれい…)
 風呂場で見るのとは全く違う。さんさんと降り注ぐ太陽に照らされるブロディアとナオミの裸は、信じられないほど美しかった。
 褐色肌で、爆乳と言って差し支えない、雄大だが張りのある胸の膨らみがまぶしいブロディア。
 色が白く、大きさではやや負けるが、出る所は出て締まるところは締まったナオミ。
 それぞれに性格の違う裸が、太陽を浴びて美しく映えている。
 「ナオミ…キスするからな…んん」
 「ブロディア…ああん…ちゅ…」
 美しい裸身を抱き合わせ、2人は再び口づけを交わす。
 最初は触れるだけ。序序に深く。
 ブロディアが積極的なのに対し、ナオミは受け身だ。
 責めと受けがはっきりしているように見える。
 (女の子同士って、きれいだけどエロいな…)
 逢い引きを覗いているニコラも、変な気分になりはじめていた。
 キスはどんどん深くなり、やがて舌をつきだしてつつき合わせ、絡ませあう。
 2つのかわいい舌の間に、唾液がつーっと糸を引く。
 「ああ…もうナオミのま○こ…ぬるぬるだぜ…ああん…」
 「んむむ…。ブロディアのおま○こだって…熱くてぬるぬるして…」
 がまんできなくなってきたらしい2人は、ベンチに隣り合って座り、キスを交わしながら互いの股間を愛撫し合う。
 やがて、くちゅくちゅと湿ったふしだらな音が、離れた場所にいるニコラにも聞こえるようになる。
 「ああ…俺もう…!ナオミ…ナオミィ…!」
 「あんっ!あたしも…あたしも…ブロディア…!」
 名前を呼び合いながら、互いに指の動きが激しくなる。
 そして、濃厚なキスを交わしながら2人がほぼ同時に硬直する。
 どうやら、一緒にアクメに達してしまったらしい。

 「ナオミ、一緒にもっと気持ち良くなろうぜ…」
 「ああん…恥ずかしいよお…」
 まだ興奮が収まらないらしいブロディアとナオミが、シックスナインの形になって互いの花びらを舐め合う。
 ナオミはふしだらすぎる状況に顔を真っ赤にしているが、ブロディアに股を開かされてしまう。
 (これがレズセックス…初めて見るけど…卑猥できれい…)
 ニコラは我知らず、パンツの上から自分の女の子の部分を指で愛撫していた。
 淫らな蜜がとろりと溢れて、パンツを汚してしまう。
 「やん…ナオミ…気持ちいいっ。イきそう…!」
 「あたしもイくよっ!ブロディアあ…とっても気持ちいいいい…!」
 互いの腰を強く引き寄せ合い、卑猥で下品な音を立てて花弁を舐め会いながら、2人はまた同時にアクメを迎える。
 ブロディアとナオミの体がひくんひくんと震える。
 褐色と白の肌のコントラストが、何とも言えずきれいだった。
 (ああ…私もイくかも…!イく…イくっ!)
 パンツのクロッチ部分を横にずらし、ぬるぬるになった花びらを自分で慰めていたニコラも、2人の痴態に耐えられず絶頂を迎えていた。
 白濁した愛液が糸を引いて地面に落ちていく。
 「じゃあ、今度はさ…」
 「ま…待って…」
 アクメの余韻が落ち着いたらしいブロディアとナオミは、再び濃厚なキスを交わす。
 (あれ…?)
 マスターベーションの後を紙で処理しながら見ていたニコラは、2人の体がぼんやりと光ったように感じた。
 日光とは別な光だった。

 「じゃあ、続きしようよ…」
 「ああん…待ってってば…」
 レズセックスには射精がないので明確な終わりはない。
 再び淫らな気分になったらしい2人が、戯れを再開する。
 (あれ…なんか違和感が…)
 ニコラはなにかおかしく感じた。
 「ほーら…ひくひくしてるよ。お尻の穴が気持ちいいか?うん?」
 「やだやだ…そこはだめだって…!ああ…お尻が…」
 ベンチの上にブロディアをよつんばいにさせ、ナオミが紫色にすぼまる菊の花を愛撫し始める。
 そこが弱点なのか、ブロディアが耳まで真っ赤になりながら嬌声をあげる。
 (なんかさっきまでと雰囲気が…)
 ニコラはどうも気になった。
 先ほどまで責め責めだったブロディアが、一転してナオミにされるがままになっている。
 だが、女の子同士の交わりのひわいさに、すぐにそんな違和感はどうでもよくなる。
 レズセックスは長く長く続き、ようやく2人が満足したころには日が傾き始めていた。

 (すごく卑猥だった…でも…きれいだったな…)
 寮に戻り、自慰の痕跡を洗い流すべく大浴場に端を運んだニコラは思う。
 レズというと背徳的だが、いかにも愛し合っているという雰囲気だった。
 それに、美少女2人の交尾は、ある種の芸術性さえ感じさせる美しさだった。
 王国では、宗教的、文化的に同性愛に対する禁忌はとくにない。
 同性婚だって認められているし、多少難しいが、同性同士で子をなす方法もある。
 女同士で愛し合ってもなんの問題もない。 
 いや、女同士だからこそ得られる快感や幸福感もあるかも知れない。
 (みんな進んでる…。私も、もたついてないでもっと進むべきかな…?)
 そんなことを考えながら思い浮かべたのは、シャルルの顔だった。
 ブロディアとナオミのことだけではない。
 カトリーナとセルジオも、セックスで愛を確かめ合い、幸せを感じていた。
 自分もシャルルに対してもっと積極的になるべきか。
 湯に口までつかりながら、ニコラは思うのだった。
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