わたくし、悪役令嬢なんですが? モテるのは破滅フラグだから勘弁して 外伝

ブラックウォーター

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錬金術の是非

淫夢とうつつと

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03

 イレーヌは意味不明の夢を見ていた。
 周りが真っ白で何も見えない空間の中に、自分はふわふわと浮いている。
 しかも生まれたままの姿まま。
 (ふわふわして気持ちいい)
 そう思っていると、突然後ろから誰かに抱きつかれた。
 イレーヌは悲鳴を上げて逃げるが、すぐに捕まってしまう。
 “やめて!犯さないで!”
 悲鳴を上げたつもりだが、声にならない。
 イレーヌは強引に四つん這いにさせられ、バックから貫かれる。
 “いや…こんなところで…犬の交尾みたいではしたない…”
 せめて、蜜壺に挿入されたものを無感動に受け入れようとした。
 が、イレーヌの身体は勝手に反応してしまう。
 挿入に応じて、蜜壺が勝手に剛直をぎゅっと締め付けてしまう。
 “ああ…イっちゃう…!”
 全身がばーーっとしびれたようになり、イレーヌはアクメを迎えていた。
 “夢イキなんて恥ずかしい…”
 これが漠然と夢であることを自覚しているイレーヌは、恥ずかしさでいっぱいになる。
 ただでさえ性欲が強かったのに、子供を産んで以来さらに快楽に貪欲になっている。
 “性生活は充実しているはずなのに…”
 四人の夫と一人の妻と、毎晩の用意に愛し合っているのに、まだ足りないというのか。
 夢イキが、往々にして性的な欲求不満が原因で起こるだけにイレーヌはショックだった。
 
 ぼんやりと半分寝ぼけたまま、イレーヌの意識は浮かび上がる。
 (なんでしょう…?気持ちいい…?)
 頭に霧がかかったようでよくわからないが、興奮して全身が敏感になっているのを感じる。
 なにかが。
 いや、正確に言って誰かの指と舌が、自分の身体を這い回っていることに気づく。
 寝間着の胸元を開かされ、胸の膨らみを撫でられ、乳首をつままれているのだ。
 (だめ…ああ…イく…!)
 弱点である乳首を口に含まれ、舌で愛撫された瞬間、イレーヌはあっさりとアクメに達していた。
 おぼろげだが、自分は眠ったまま何度もイかされてしまった感覚がある。
 ようやく意識がはっきりとして、視線を落とすと、自分の身体を愛撫している者に気づく。
 見事な金髪と、エルフ特有の笹穂耳。
 (アレクサンダー?なにしてるのよ…?)
 アレクサンダーはイレーヌが目を覚ましたことに気づく様子もなく、愛撫を続ける。
 どうやら彼は夜這いをかけてきたらしい。
 (眠っているところに忍び込んでこなくたって…普通に求めてくれればいいのに…)
 イレーヌにはなぜアレクサンダーが夜這いなどという怪しげな行為をするのか、理解できなかった。
 「きれいだよ…イレーヌ…」
 困惑しながらも、愛おしい夫にそう囁かれるのが嬉しく、イレーヌの女の芯が悦んでしまう。
 「はあん…」
 足を軽く開かされ、パンツのクロッチ部分をずらされて女の部分に舌が這わせられる。
 イレーヌは声を抑えられなかった。
 眠ったまま何度も達しているためか、信じられないほど身体が敏感になっているのだ。
 (三人目の子供を産んで…また感じやすくなったかしら…)
 そんなことを思う。
 出産後は感度が良くなるという人間の女の生理機能に、理不尽なものを感じずにはいられなかった。
 「ああ…やんっ…!」
 アレクサンダーが蜜壺に指を入れて、Gスポットを刺激したことで、イレーヌはまたアクメに押し上げられていた。
 なんとなくアレクサンダーをとがめる機会を逸してしまい、寝たふりを続けてしまう。
 「気持ちいいんだね、イレーヌ…。おま○こが大洪水だよ…」
 (そんな恥ずかしいこと言わないで…)
 夜這いをかけられて、眠ったまま蜜壺をぐしょぐしょにしているなど、すごい淫乱のよう。
 イレーヌは耳まで真っ赤になった。
 「じゃあ…入れるからね…?」
 アレクサンダーはパンツのクロッチ部分を横にずらし、そのまま蜜壺に屹立したものの先端をあてがう。
 (ま…待って…今入れられたら…)
 身体が敏感になりすぎて怖いイレーヌは、蜜壺の入口に感じる熱くて固い感触に戸惑う。
 だが、アレクサンダーがゆっくりと腰を進めてくると、剛直はぬるりと入って来てしまう。とろとろに溢れた蜜壺は、それを美味しそうに呑み込んでしまう。
 「あああ…あはああああああああっ…!」
 大きな声が出てしまうのを我慢できなかった。
 アレクサンダーの先端がずんと奥を突いた瞬間、イレーヌはまたアクメに押し上げられていた。
 「イレーヌ、キスするからね」
 「んん…」
 アレクサダーは、イレーヌの唇を奪う。
 最初は軽く触れるだけ、やがて深く。
 (あああー…キスも気持ちいいわ…)
 イレーヌは、アレクサンダーの舌が入って来た感覚で軽く達していた。
 「ああ…あっあっあっあっ…」
 アレクサンダーが優しく腰を動かすたびに、規則正しく声が出てしまう。
 イレーヌの全身がアレクサンダーから与えられる快感に支配されていた。
 「あっあっ…あっあっあっああっ…!」
 (恥ずかしい…声が出ちゃう…我慢したくても…)
 まるで楽器のように性運動に合わせて甘い声を上げてしまうなど、恥ずかしくてたまらなかった。
 なのに、我慢しようとしても全く抑えることができなかった。
 まるで声帯と女の部分が直結しているかのようだった。
 アレクサンダーは焦ることなくゆっくりとしたセックスを続ける。
 エルフは長寿ゆえに気が長く、セックスでもオーガズムを急がないと聞いたことがある。
 (でもこれ…たまらない…どうしよう…?何度もイっちゃうわ…)
 だが、イレーヌは感じすぎて辛かった。アレクサンダーのものが蜜壺の中で動くだけで小刻みにアクメを迎えてしまうのだ。
 アレクサンダーが果てるまで、イレーヌは数え切れない程絶頂に押し上げられ、最後にはオーガズムがずっと続いたままになってしまうのだった。
 「イレーヌ…中に出すよ…出すからね…」
 「あああっ!わたくしもまた…イくうっ…!」
 アレクサンダーが大量の白濁をイレーヌの子宮に浴びせた瞬間、イレーヌはひときわ大きなアクメを迎えていた。
 (すごい…身体が爆発したかと思った…)
 自分が飛んでいるのか落ちているのか、自分の体がどこにあるのかもわからない。
 それほどに強烈な快感だったのだ。

 「もう、なんで夜這いなんかするのよ?」
 穏やかだが淫蕩な交尾を終えて、湯を使った二人はベッドの上でピロートークに興じていた。
 イレーヌは、さっきまで感じすぎていた自分を思い出して、林檎のように赤くなったままだ。
 「いやあ、不満があるわけじゃないが。こういうのもいいかなと思ってね」
 アレクサンダーが悪びれることもなく、さわやかな笑顔で応じる。
 彼が言うには、最近イレーヌがセックスで積極的かつアクティブなのがマンネリ気味であったらしい。
 もちろん、騎乗位で自分にまたがり、アクロバティックに腰を使うイレーヌも素晴らしい。
 だが、たまには穏やかなセックスがしてみたくなったとのこと。
 いかにもアレクサンダーらしいと言えた。
 エルフは、セックスにも多様性や芸術性を見いだす文化があるのを思い出す。
 「最近のわたくし…そんなにふしだらでハレンチだったかしら…?」
 イレーヌは最近の性生活を思い出して、そう言えばそうだったかと思い当たる。
 和式便器に座るような姿勢で大きく股を開き、発情した獣のように腰を振っていた。
 出産後で感じやすくなっていることに加え、妊娠中は当然のようにセックスには制限があった。その反動かも知れない。
 そしてまた頬を赤く染める。
 「まあ、発情した牝犬みたいな君も好きだけどね」
 「もう…ばかあ…あむ…」
 イレーヌの口をキスで塞がれる。
 イレーヌとアレクサンダーは、抱き合って肌を触れあわせたまままどろみに堕ちていった。
 
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