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04 ただの昔なじみのはずが

たらしこまれるのはあなたの方

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02

 「ちょっと…困ります!アレクサンダー、やめて…!」
 「いいではないか。
 台所に立っている後ろ姿があんまり素敵で、我慢できないんだよ」
 ヴェルメール家の台所、イレーヌはアレクサンダーに後ろから抱きしめられていた。
 (男ってケダモノばかり!)
 胸の内でそうは言ってみても、結局彼を家に迎え入れてしまったのはイレーヌ自身だ。
 アレクサンダーは女ったらしと評判だが、わかる気がする。
 とても褒め上手でお世辞がうまく、どうしてもお引き取り願う決断がつかなかった。
 “あなたは美しいだけでなくすごい女性だ”“貴族のお嬢様にこれほどお優しく気さくな方がいるとは”と言われると、どうしても嬉しくなってしまうのだ。
 (あくまでカステラの作り方を教授するだけ)
 そんな言い訳をして、結局彼の口のうまさに負けてしまったのだ。
 「待って…。人とエルフの交際って難しいのはご存じでしょう?」
 「かまわないとも。
 君の美しさと素晴らしさ。後先のことなんか考えられないよ」
 人よりはるかに長い時を生きて、人間が落ち着いているはずのアレクサンダーには珍しい、情熱的で直情的な行動と言葉だった。
 人とエルフは寿命が違う上に、一応子供を作ることができるが、その子供も寿命が長い。
 夫婦として家族として、どう暮らしていくか難しいのだ。
 だが、今のアレクサンダーはそれさえ考えが及ばないらしい。いや、考えてはいるがどうでもいいと言うところか。
 すでに興奮している彼は、屹立したものをイレーヌの尻の割れ目に服越しに擦りつけてくる。 
 「あ…」
 その固く逞しい感触に、イレーヌの身体から力が抜けていく。
 股間がじゅんと熱くなってしまう。
 (いつもうこう…。なんでこんなに簡単に興奮するのよ…)
 相変わらず、貞淑そうな顔をしていても根っこのところでビッチである自分の気性に辟易してしまう。
 (とにかくフラグは回避しないと)
 イレーヌは取りあえずそう考える。
 盛りのついた犬のようになった男に言葉が通じないのは、今までの経験でわかっている。
 「アレクサンダー、どうしてもというならやぶさかではないわ。
 でも、あなたにわたくしが満足させられますかしら?」
 挑発的な表情と口調で肩越しに問う。
 アレクサンダーは一瞬驚いた顔になり、ついで不敵に笑う。
 「ほう…?僕が君の20倍以上生きていることを承知でおっしゃる?」
 「まあ、まずはお持ちのものを確かめさせていただきましょう」
 イレーヌはアレクサンダーの前にしゃがむと、ズボンの前のボタンを外していく。
 (すごく固くて…大きい…)
 服越しでも立派なのがわかる。イレーヌの女の部分は早くもとろりと溢れ始めていた。
 「きゃっ…!」
 ズボンとパンツを下ろし、ぶるんと解放されたものを見て、イレーヌは思わず声を上げてしまう。
 すらりとしたアレクサンダーからは想像もつかないほど大きくグロテスクなものがそこにあったからだ。
 (こんなに大きいなんて…それに固くて…濃い雄のにおいが…)
 理性を蕩かされそうになるのをこらえて、“お試し”を開始することにする。
 「じゃあ、行きますわ…れろれろ…」
 「おお…」
 イレーヌが屹立したものの先端を舌でちろちろと刺激し始める。
 上下左右によく動く舌が、敏感なところを舐め回す感覚に、アレクサンダーが声を漏らす。
 「ここはどうかしら…?じゅりゅう…」
 「うう…上手だよ…イレーヌ嬢…」
 舌先を尖らせて裏筋を上下になぞる。
 そして、手でしごきながら玉袋に舌を這わせ、玉を口に含んでころころと転がす。
 (すごい…まだ大きくなるの…?)
 アレクサンダーのそれは、さらに膨張し先端から透明な汁を滴らせていた。
 イレーヌはさらに身体の奥が熱くなり、興が乗ってくるのを抑えられなかった。
 「ごめん遊ばせ、力を抜いて下さいな…じゅるじゅる…」
 「え…?そこは…!」
 イレーヌはアレクサンダーの腰に手を回し、唾液をたらした指先で尻の穴のすぼまりを刺激する。
 他の貴族の令嬢と違い、料理や音楽をする彼女は、爪はつねに短く切っている。指先のおしゃれにはつけ爪を用いているのだ。粘膜を切ってしまう危険はない。
 (あら、ここが弱点なのかしら?)
 こころなしか、アレクサンダーの先走りの量が多くなった気がした。
 すぼまりは、ゆっくりとくりくりと刺激しながら拡げていくと、やがて柔らかくなる。
 「ああ…?イレーヌ嬢…!」
 アレクサンダーが切羽詰まった声を上げる。
 イレーヌの中指がすぼまりを押し広げて、排泄のための場所に入り込んで来たからだ。
 「れろれろれろ…!じゅりゅじゅりゅ!」
 当然、熱っぽく激しい口奉仕は続いている。
 イレーヌは先端を浅くくわえ込み、激しく頭を前後させる。口の中では舌が別の生き物のように蠢いている。
 (練習の成果は出てますわね)
 最近、フリードリヒやリュック、ついでにヴァンサンにもだが、より快楽(ヴァンサンの場合は苦痛も)を与えることができるように研鑽を重ねている。
 女の子向けのハウトゥーものの本で勉強をし、毎日鏡の前で舌を上下左右に素早く動かす練習をしている。
 大人のおもちゃでも練習を重ねているが、最初のころに比べて驚くほど器用に舌が動くようになっている。
 アレクサンダーのものがびくびくと震え始め、さらに膨張する。
 「イレーヌ嬢…出るよ…!」
 「だあめ」
 アレクサンダーが果てる寸前、イレーヌが口を離し、びくびくと震えるものの根元を強く握る。
 「ええ…イレーヌ嬢…どうして…?」
 「この程度ではわたくしを満足させることはできませんわよ?
 もっと楽しませていただかなくては」
 情けない顔をするアレクサンダーを見上げるイレーヌが、妖艶だが意地の悪い笑みを浮かべる。
 (その顔最高。もっと辛くしてさしあげますわ)
 イレーヌの愛撫はより激しく、よりいやらしくなっていく。
 だが、アレクサンダーが果てようとするたびに寸止めを繰り返す。
 果てたくとも果てることができない。アレクサンダーの表情が切迫したものになっていく。
 「あああ…イレーヌ嬢…!頼む!もうイかせてくれ…!」
 とうとうアレクサンダーが情けない顔で懇願し始める。
 (狙い通りですわ)
 前立腺を指で刺激されていると、男は心理的に女に逆らうことができなくなると本で読んだ。半信半疑だったが本当だったらしい。
 前立腺は他の場所とは性格の違う快感を与える。逆らえば気持ち良くなくなってしまうのだから、されるがままというわけだ。
 アレクサンダーは、果てたくても果てられない状態にも関わらず、勝手に腰を振ったりイマラチオをしたりということさえできないでいた。
 全てはイレーヌの手の内なのだ。
 「アレクサンダー、イかせてあげてもいいけど、出したものは自分で飲んでもらうわよ?」
 アレクサンダーは一瞬ためらった顔になる、だが、すぐに屈する。
 「わかった。飲みます。なんでもするから!」
 「ふふふ…よろしい。ほら、イきなさいれろれろれえ…!」
 イレーヌは前立腺をぐりぐりと刺激しつつ、しょっぱいものを滴らせるグロテスクなものを浅くくわえる。そしてそのまま力の限りバキュームし、激しく頭を前後させる。
 (お尻の穴きゅってさせちゃって、かわいい)
 前立腺への愛撫に尻の穴が反応して、指を締め付けるのが心地よかった。
 「ああああー…出るうううう…!」
 「んんん…!」
 アレクサンダーのものがびくびくと震え、イレーヌの口の中に大量のドロドロとした飛沫を注ぎ込んでいた。
 (すごい量…それに濃い…頭がくらくらしちゃう…)
 ビッチな感性のせいか、イレーヌにとってその感触と味とにおいは、媚薬のように感じられた。
 (ああ…わたくしも…)
 「ああ…ううううううううん…!」
 アレクサンダーの情けない姿と、逞しく固く熱い感触に興奮していたイレーヌは、口の中が性器になったようだった。気がついたら絶頂に押し上げられていた。
 女の部分から淫らな汁が溢れて、パンツを汚していく。
 そのまましばらく二人は絶頂の余韻に浸っていた。
 先にうっとりとした心地から覚めたのはイレーヌだった。
 両手で器を作ると、口の中に溜めていた白濁を吐き出す。
 「さ、アレクサンダーどうぞ」
 「うう…」
 射精して賢者タイムになったアレクサンダーは、出させて欲しい一心で自分で出したものを飲むと約束してしまったことを後悔しているようだった。
 目の前のイレーヌの手の中にある、卵の白身のようなものを見て顔を青くしている。
 「口移しで飲ませてもらえるとでも思ったのかしら?」
 「い、いや。わかったよ。約束だからな」
 アレクサンダーはイレーヌの手を取ると、自分の白濁を飲み下していく。
 (その表情、本当に最高)
 ヴァンサンを相手にしていて最近サド性に目覚めたためだろうか。アレクサンダーがこの世の終わりのような顔で、のどに引っかかるものを飲み下していく姿が楽しくて仕方がない。
 「どうぞ」
 イレーヌは水を差し出す。
 「あれがとう。
 それにしても、僕はイレーヌ嬢を甘く見ていた。
 あの小さくて生意気だったお嬢さんが、こんな手管を身につけていたとは」
 アレクサンダーの物言いに、イレーヌは恥ずかしくなる。
 誰でもそうだろうが、あの頃の自分が目の前にいたら恥ずかしくて見ていられないだろう。
 「アレクサンダー、申し訳ないけど、あなたではわたくしを満足させられるかどうか微妙ね。
 それに、わたくしはもうあなたの知るわたくしではない。
 とってもふしだらで意地悪なの。
 火傷したくないなら近寄らないのが賢明ですわ」
 少し寂しかったが、悪女ぶって突き放す。
 この上アレクサンダーのフラグまで立つのはなんとしても避けたい。
 それに、自分が老いていくのにアレクサンダーがいつまでも若い姿のままという未来を想像してしまう。
 (そうまでして添い遂げる自信はわたくしには…)
 彼の事は嫌いではない。だが、それだけではどうにもならないことはあるのだ。
 が…。
 「イレーヌ嬢、たのむ!
 僕にチャンスをくれ!
 君を満足させるように頑張るから!」
 そう言ってアレクサンダーはイレーヌの手を取ってひざまずく。
 その目は完全に恋に盲目になっていた。
 (なんでこうなるの…)
 ふしだらさと意地悪さをアピールするためだったはずの手管が、むしろ彼を本気にさせてしまったらしい。
 またしても立ちつつあるフラグに、もうイレーヌは困惑することさえ面倒な気分であったのである。
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