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04 フィットネスラブパニック
許せない気持ち
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05
運動が一段落した瞳たちは、意外な人物に遭遇していた。
「あら、つかさちゃんじゃない。こんにちは」
「あ、瞳さん、こんにちは。
兄貴たちも…今日はここだったんだ…」
吊り目がちな美少女、勇人の妹、澄野つかさである。
「つかさちゃんもジムに通ってるの?」
「ええ…ここのインストラクターの方にお世話になってて」
瞳には、まだ中学1年生であるつかさが、ジムでインストラクターの指導を受けているのが意外だった。
自分がこの年齢の頃は、学校の体育さえ大した機材も施設もなかったものだ。
「つかさはテニス部で、けっこう強いんです。
ただ、中学1年生のあたりって怪我もしやすいから、専門家に指導してもらいながら体作った方がいいってことで通い始めたんです」
勇人が補足する。
瞳はなるほどなと思う。
スポーツは根性論や精神論でどうこうなるものではない。
科学に基づいて体を作る必要があると聞いたことがある。
まして、部活のホープであるつかさなら、いい加減な練習方法で万一にも怪我をさせるわけにはいかない。
しっかりしたカリキュラムとインストラクターの指導の下にトレーニングをするのは、極めて合理的なことに思えた。
「そうなのかあ。つかさちゃん、すごいじゃない」
「いえ…。大したことはないです…」
瞳の褒め言葉が照れくさくも嬉しいのか、つかさが頬を赤く染める。
(やっぱりかわいいな)
瞳はそう思わずにはいられなかった。
「インストラクターさんが待ってるので、これで」
「うん、がんばってね、つかさちゃん」
その場を辞すつかさに、ひとみは笑顔で声をかける。
「なんか最近先輩、つかさのこと好きすぎじゃないすか?」
つかさの姿が見えなくなると、勇人が苦笑しながらそんなことを言う。
「だって、私末っ子だったから、年の離れた妹ができたみたいで嬉しくて…」
瞳が悪びれることもなく答える。
「やっぱり、趣味が合うのも嬉しいのかな?」
「もちろんです!同士ですから!」
克己の言葉に、瞳はキラキラしながら答える。
オタクもここまで熱心だと感動してしまう。
「なんか、俺たちよりつかさちゃんの方が好きみたいじゃあ?」
意地悪な表情で、龍太郎が言う。
「…。そんなことは…ないですよ?
課長も係長も澄野君も、好きですから…」
瞳の返答は、間が微妙だった。
ここまで瞳がつかさを好きだと、3人とも笑うしかなかった。
そんなやりとりを、物陰から黒いオーラをまといながら見ている人物がいた。
瞳たちの話題の中心であるつかさであった。
(許せない。兄貴を他の男どもと天秤にかけるなんて…)
瞳が兄勇人も含めた男3人と談笑している光景に、すごく許せない気分になる。
百歩譲って、瞳が勇人と本気で愛し合っていたなら、いくらブラコンの自分でも許せたかも知れない。
だが、瞳が互いに恋敵であるはずの3人の男と楽しそうに話していることが、どうにもいやだったのだ。
(まるでモテるのを周りに見せびらかしてるみたいじゃないか)
つかさの瞳に対する感情は複雑だった。
兄を自分から取ろうとしている女、という感情もある。一方で美人で大人の女である瞳のことが好きでもある。
(でも、やっぱり兄貴は任せられない!)
許せない気持ちが胸の奥からわき上がってくるのを感じる。
瞳のことは好きだし、アニメ好きという意味では同士だとも思う。
だが、兄の問題は別だ。
(他の男が一緒なのは好都合だしね)
つかさは、瞳という魔女から大好きな兄を守るために一計を案じることにした。
運動が一段落した瞳たちは、意外な人物に遭遇していた。
「あら、つかさちゃんじゃない。こんにちは」
「あ、瞳さん、こんにちは。
兄貴たちも…今日はここだったんだ…」
吊り目がちな美少女、勇人の妹、澄野つかさである。
「つかさちゃんもジムに通ってるの?」
「ええ…ここのインストラクターの方にお世話になってて」
瞳には、まだ中学1年生であるつかさが、ジムでインストラクターの指導を受けているのが意外だった。
自分がこの年齢の頃は、学校の体育さえ大した機材も施設もなかったものだ。
「つかさはテニス部で、けっこう強いんです。
ただ、中学1年生のあたりって怪我もしやすいから、専門家に指導してもらいながら体作った方がいいってことで通い始めたんです」
勇人が補足する。
瞳はなるほどなと思う。
スポーツは根性論や精神論でどうこうなるものではない。
科学に基づいて体を作る必要があると聞いたことがある。
まして、部活のホープであるつかさなら、いい加減な練習方法で万一にも怪我をさせるわけにはいかない。
しっかりしたカリキュラムとインストラクターの指導の下にトレーニングをするのは、極めて合理的なことに思えた。
「そうなのかあ。つかさちゃん、すごいじゃない」
「いえ…。大したことはないです…」
瞳の褒め言葉が照れくさくも嬉しいのか、つかさが頬を赤く染める。
(やっぱりかわいいな)
瞳はそう思わずにはいられなかった。
「インストラクターさんが待ってるので、これで」
「うん、がんばってね、つかさちゃん」
その場を辞すつかさに、ひとみは笑顔で声をかける。
「なんか最近先輩、つかさのこと好きすぎじゃないすか?」
つかさの姿が見えなくなると、勇人が苦笑しながらそんなことを言う。
「だって、私末っ子だったから、年の離れた妹ができたみたいで嬉しくて…」
瞳が悪びれることもなく答える。
「やっぱり、趣味が合うのも嬉しいのかな?」
「もちろんです!同士ですから!」
克己の言葉に、瞳はキラキラしながら答える。
オタクもここまで熱心だと感動してしまう。
「なんか、俺たちよりつかさちゃんの方が好きみたいじゃあ?」
意地悪な表情で、龍太郎が言う。
「…。そんなことは…ないですよ?
課長も係長も澄野君も、好きですから…」
瞳の返答は、間が微妙だった。
ここまで瞳がつかさを好きだと、3人とも笑うしかなかった。
そんなやりとりを、物陰から黒いオーラをまといながら見ている人物がいた。
瞳たちの話題の中心であるつかさであった。
(許せない。兄貴を他の男どもと天秤にかけるなんて…)
瞳が兄勇人も含めた男3人と談笑している光景に、すごく許せない気分になる。
百歩譲って、瞳が勇人と本気で愛し合っていたなら、いくらブラコンの自分でも許せたかも知れない。
だが、瞳が互いに恋敵であるはずの3人の男と楽しそうに話していることが、どうにもいやだったのだ。
(まるでモテるのを周りに見せびらかしてるみたいじゃないか)
つかさの瞳に対する感情は複雑だった。
兄を自分から取ろうとしている女、という感情もある。一方で美人で大人の女である瞳のことが好きでもある。
(でも、やっぱり兄貴は任せられない!)
許せない気持ちが胸の奥からわき上がってくるのを感じる。
瞳のことは好きだし、アニメ好きという意味では同士だとも思う。
だが、兄の問題は別だ。
(他の男が一緒なのは好都合だしね)
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