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美少女クラス委員は隠れオタ

衣装合わせで変な気分になって

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 数日後、今度はパトリシアがメリーアンを自宅に招待していた。
 「けっこうシンプルでいい感じの部屋ですわね」
 (良かった。違和感はないみたいだ)
 メリーアンを招くに当たり、いつも散らかった部屋を急いで片づけた。
 が、そこで問題が生じる。
 女の子の部屋としてはあまりに飾り気がないのだ。
 もともとパトリシアが部屋を飾る習慣がなかったことに加え、前世での記憶がよみがえって心と感性が男になってしまった。
 部屋をかわいく飾るという感覚がそもそもないが、そのままではまるで男の部屋だ。
 町へ出て、申し訳程度にぬいぐるみや装飾品を買い求めて飾ったのだ。
 「まずはお茶でも」
 パトリシアはそう言って、用意しておいた茶と茶菓子を振る舞っていく。
 (まずは焦らずに)
 本日、メリーアンには恥ずかしくハレンチなお願い事をする予定だ。
 がっついた態度は厳禁だ。
 他愛もない雑談をしながらしばし時を過ごす。

 「じゃあ、衣装合わせしようか」
 「そうですわね」
 茶を飲み干した二人は、本日の目的であるコスプレ衣装の合わせに入ることにする。
 「着替え手伝うよ」
 「あら、ありがとう」
 下心丸出しのパトリシアの申し出を純粋に善意と解釈して、メリーアンは快諾する。
 (うわ。
 肌きれい。腰細い。お尻小さい!)
 目の正月といえる光景だった。
 メリーアンはいわゆるグラマーではない。
 だが、しなやかで細く美しい。かといって痩せすぎていることもない。
 見事なスレンダー体形だった。
 「ホック外してくださるかしら?」
 「え…ええ…」
 パトリシアはごくりと唾を飲み込んでしまう。
 コスプレ衣装が胸の空いたタイプだから、ブラも外す必要がある。
 女の子のブラのホックを外す。心が男だから、ロマンともいえるシュチュエーションではないか。
 (これが…メリーアンのおっぱい…)
 衣装を着つけるメリーアンに目を奪われる。
 格別大きくはないが、きれいなお椀型をしていたのだ。
 (落着け、鎮まれ、私…)
 パトリシアは深呼吸をする。
 埋まり声をあげてメリーアンに襲い掛かりそうになっているが、がっついてはいけない。
 ムード作りが重要なのだ。

 「すごいすごい!
 かわいいじゃない。似合うねー!」
 「もう…おだててもなにも出ませんわよ」
 パトリシアのほめ言葉にまんざらでもない様子のメリーアンは、衣装を次々と変えていく。
 メイド、姫騎士、尼僧、そしてゲームや漫画のキャラ。
 「こちらはあまり見かけませんわね。
 どういう衣装なんですの?」
 「ああ、本で読んだんだ。遠い国ではそういうのが用いられているとか。
 まあ用途は良く知らないし、形だけ再現したんだけどね」
 (やっぱりメリーアンは可愛いから似合うじゃないか!)
 パトリシアは心の中で快哉を叫んだ。
 セーラー服、ナース服、巫女服、くノ一、フライトアテンダント、そしてミニスカポリス。
 わざわざ作った甲斐があったというものだ。
 「ねえねえ、これ、折角だから広めてみませんこと?」
 「いいねえ」
 (どんな使い道か説明するのが大変そうだけどね)
 セーラー服は単に女子学生の制服という意味合いしかない。
 ミニスカートにナースキャップの看護師など、地球でも絶滅している。
 巫女は、神道という概念から説明する必要がある。
 現実のくノ一は、網タイツに凶悪に短い腰巻きというスタイルなどするわけがない。
 こちらの世界には飛行機という概念自体存在しない。
 なんとか説得力があるのは、ミニスカポリスが異国の官憲の制服というくらいだろうか。
 まあ、深く考えずに、「かわいいからいいじゃない」で通すのが無難だろう。
 「じゃあ、次はこれを着てみない?」
 「う…それは…」
 差し出された衣装を見て、さすがにメリーアンがためらう。
 「私も一緒に着るからさ」
 「そういうことなら…」
 パトリシアの言葉に、メリーアンが腹を括る。
 女の子としての羞恥心と、コスプレイヤーとしての矜持と好奇心が拮抗していた。
 パトリシアが一緒に着るという申し出が、彼女の振り子を後者に傾かせたのだ。

 「さすがにこれは…」
 「うん…今になって恥ずかしくなってきた」
 ならんで姿見に自分たちを映して、二人は顔を上気させる。
 それは、人気のコミックの劇中で、ヒロインが精霊を召喚する儀式を行うときの衣装だった。
 きらびやかでエキゾチックなのだが、とにかく肌の露出が多い。というか、最低限シークレットゾーンを隠す程度。
 ほとんど紐でしかない凶悪に布地の少ないビキニがベース。
 一応腰布はついているものの、スケスケのシースルーで、むしろエロティックな感じを助長している。
 全身に身に着けた豪奢なアクセサリーが実に華やかだが、露出度を減らすことには全く貢献していない。
 パトリシアは赤、メリーアンは青の、対となる色違いのものをまとっている。
 「さすがに、これはコスプレイベントでも見せられませんわね」
 「うん、運営の人たちに連行されるね」
 コスプレイベントも、最低限ルールはある。
 シークレットゾーンを隠していない衣装は問題外だが、極端に布地の少ない衣装もだめなのだ。
 (それにしても…。メリーアン、きれいでかわいい…我慢できないかも…)
 鏡に映ったあまりにも美しくエロティックな姿のメリーアンを見ていると、パトリシアは変な気分になっていってしまう。
 胸の奥がもやもやとして、股間がじゅんと熱くなるのを感じる。
 「ねえ…メリーアン、キス…するね…」
 「はい…」
 パトリシアが目をのぞき込んでそういうと、メリーアンは目を閉じた。
 「んん…」
 「んんむ…」
 唇が軽く、本当に軽く触れ合う。
 ゆっくりとついばみ合い、時間をかけて触れ合うだけのキスを楽しむ。
 やがて、キスは深くなっていき、舌同士が絡み合う。
 「ああ…ちゅっ…メリーアンのキス…甘い…」
 「んん…パトリシア…もっとキスして下さい…」
 突き出された舌同士をつつき合わせる。唾液が舌の間につーっと糸を引く。
 パトリシアとメリーアンは、コスプレ衣装のままベッドに倒れこんだ。
 「あああん…メリーアンの指…気持ちいいよ」
 「パトリシア…素敵…とっても素敵…」
 幻想的な光景だった。宝石を散りばめた露出度の高い衣装をまとった美少女二人が、濃厚なキスを交わしながら互いの股間を指で愛撫し合っている。
 パトリシアとメリーアンが深い絶頂に沈むのに時間はかからなかった。
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