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☆第10話 注目の的
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次の日、学校の教室に入ろうとすると、出入り口のところで、いつもは話しかけないクラスメート達が一斉に小夜子を取り囲んだ。
いきなりの事で訳も分からず困惑する小夜子を横目に、クラスメート達は口々に言葉を発した。
「立花さん、昨日、若菜先生に大怪我をさせたんですって!?」
「あの鉄面皮に怪我をさせたのだから、相当怒られたんじゃない?」
「下手したら一生恨まれるな。くわばら、くわばら。あぁ、可哀想な立花!」
クラスメート達は興味津々といった様子で、嬉々としながら、小夜子に次々と声をかける。
そんなクラスメート達の様子に混乱した小夜子が、恐る恐る声を出した。
「あ、あの、なんで皆、その話を知っているの?」
するとこのクラスの中の中心的な存在である川村美香が、クラスメート達を代表してこう言った。
「立花さんが若菜先生に怪我をさせたって話、学校中の噂になっているのよ。何でも立花さんが若菜先生に突進してぶつかって行って。倒れた拍子で頭を打った若菜先生は、打ちどころが悪くて、今、病院に入院しているんですって?」
「にゅ、入院!?」
「噂ではそうなっているけれど……。あれ?違うの?」
さぁーっと顔が青ざめていく小夜子をよそに、美香はどんどん話を続ける。
「物静かな立花さんが、そんなに大胆な事をするなんて意外だったわ。若菜先生に向かってぶつかって行くなんて。……立花さんって、意外と度胸があるのね。すごいわ、私には絶対に真似出来ない」
次々と言葉を紡ぐ美香の声も耳には入らない程、小夜子の頭の中は、昨日の若菜との一件でいっぱいだった。
――わ、若菜先生が大怪我。しかも、私のせいで。
――にゅ、入院ってことは、どこか打ちどころが悪かったのかなぁ。あぁ、どうしよう!
クラスメート達の質問も加熱し、収集が付かなくなり小夜子が困っていた、その時だった。
いきなりの事で訳も分からず困惑する小夜子を横目に、クラスメート達は口々に言葉を発した。
「立花さん、昨日、若菜先生に大怪我をさせたんですって!?」
「あの鉄面皮に怪我をさせたのだから、相当怒られたんじゃない?」
「下手したら一生恨まれるな。くわばら、くわばら。あぁ、可哀想な立花!」
クラスメート達は興味津々といった様子で、嬉々としながら、小夜子に次々と声をかける。
そんなクラスメート達の様子に混乱した小夜子が、恐る恐る声を出した。
「あ、あの、なんで皆、その話を知っているの?」
するとこのクラスの中の中心的な存在である川村美香が、クラスメート達を代表してこう言った。
「立花さんが若菜先生に怪我をさせたって話、学校中の噂になっているのよ。何でも立花さんが若菜先生に突進してぶつかって行って。倒れた拍子で頭を打った若菜先生は、打ちどころが悪くて、今、病院に入院しているんですって?」
「にゅ、入院!?」
「噂ではそうなっているけれど……。あれ?違うの?」
さぁーっと顔が青ざめていく小夜子をよそに、美香はどんどん話を続ける。
「物静かな立花さんが、そんなに大胆な事をするなんて意外だったわ。若菜先生に向かってぶつかって行くなんて。……立花さんって、意外と度胸があるのね。すごいわ、私には絶対に真似出来ない」
次々と言葉を紡ぐ美香の声も耳には入らない程、小夜子の頭の中は、昨日の若菜との一件でいっぱいだった。
――わ、若菜先生が大怪我。しかも、私のせいで。
――にゅ、入院ってことは、どこか打ちどころが悪かったのかなぁ。あぁ、どうしよう!
クラスメート達の質問も加熱し、収集が付かなくなり小夜子が困っていた、その時だった。
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