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☆第4話 出逢い
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本が好きという同級生は今まで何人か知ってはいるが、詩集が好きという同級生に出会ったことが、小夜子は今まで余りない。
――うーん、何でかなぁ?
教室から逃げるように立ち去った小夜子は、悶々と自問自答しながら、靴箱のある一階の正面玄関の方へと歩いて行った。
――私が詩集を読んでいると、同級生は不思議そうな顔をするし、お兄ちゃんは『詩なんて子供が読むものだろう?』と言って、私の事をからかうし。……でもそんな事はないと思うんだけれどなぁ。
胸まである長い三つ編みの黒髪を左右に揺らしながら、小夜子は一階の生徒用の靴箱の方へと向かって歩いて行った。
本や教科書やノートが沢山入った重たい学校鞄を前後に揺らしながら、小夜子が歩いていた、その時だった。
「っ!」
どんっと言う音が廊下に響いて、慌てて音がした方に小夜子は目をやる。
すると誰かの黒いズボンのすねの部分に、自分の大きな鞄が当たっている事に気が付いた。
驚いて慌てて顔を上げると、目の前には背の高い華奢な男性が立っていた。
「わ、若菜先生!」
びっくりした拍子に持っていた鞄を手から落とす。
するとまた「っ!」という声にならない叫び声が聞こえてきた。
足下をよく見ると、自分の重たい学生鞄が、若菜の足の甲の上に完全にのっかっている。
自身の顔から血の気が引いていくのが、小夜子には分かった。
――うーん、何でかなぁ?
教室から逃げるように立ち去った小夜子は、悶々と自問自答しながら、靴箱のある一階の正面玄関の方へと歩いて行った。
――私が詩集を読んでいると、同級生は不思議そうな顔をするし、お兄ちゃんは『詩なんて子供が読むものだろう?』と言って、私の事をからかうし。……でもそんな事はないと思うんだけれどなぁ。
胸まである長い三つ編みの黒髪を左右に揺らしながら、小夜子は一階の生徒用の靴箱の方へと向かって歩いて行った。
本や教科書やノートが沢山入った重たい学校鞄を前後に揺らしながら、小夜子が歩いていた、その時だった。
「っ!」
どんっと言う音が廊下に響いて、慌てて音がした方に小夜子は目をやる。
すると誰かの黒いズボンのすねの部分に、自分の大きな鞄が当たっている事に気が付いた。
驚いて慌てて顔を上げると、目の前には背の高い華奢な男性が立っていた。
「わ、若菜先生!」
びっくりした拍子に持っていた鞄を手から落とす。
するとまた「っ!」という声にならない叫び声が聞こえてきた。
足下をよく見ると、自分の重たい学生鞄が、若菜の足の甲の上に完全にのっかっている。
自身の顔から血の気が引いていくのが、小夜子には分かった。
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