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第3話~ダンジョン攻略するんですが その2~
しおりを挟む「うぬ、決めたのじゃ!
妾は この『ドラゴンプリンセス』にするのじゃ」
『……………ハァ?』
大悟とアレクセイが 首を傾げた。
君達寝てたね、この間の【ダンジョン学】の授業
「あなた達、寝てましたわね。
この間の【ダンジョン学】で習いましたわよ。
護さんは分かりまして?」
「えェ~~~と、『特殊職種』だっけ?
強さは“上級”クラスの職種と変わらないんだっけ?」
「ベネ、さすがは護さんですわ!」
「うんじゃ、護先生ェ~ 質問!
たまちゃんが『上級攻略者』と同じくらい強いなら、オレ達は どれくらい強いんだ?」
「アレクセイ……まさか、君 授業の始めから寝てたのか?!」
僕は驚きを隠せないでいた。
だって、授業前 アレほど“ダンジョン攻略者の職種はカッチョイイのが、あるとイイな!”とか言っていたのに?!
「ダセェ~~ぜ、アレク。
オレなんて、アタッカーの上級職種だけ聞いて、後は寝てやったぜ」
大悟…… パーティーのリーダーならせめて他の職種も把握してほしいんだけど。
「ほら、ワカバちゃんドォードォー」
僕はワカバちゃんを宥めながら、アレクセイに話した。
「ハイハイ、質問に答えるよ。
僕達は まだ『見習い』クラスかな?」
「見習い?」
「見習い?」
「そう、見習いなのさ。
まずLv1ダンジョンをクリアして見習いから下級職種にランクアップしないと【ダンジョン攻略者】とは名乗れないかな?」
『見習い………Orz』
『………ゴチン♪』
あーーぁ、シビレを切らしちゃったワカバちゃんがまた“ゴチン♪”した。
「…………さぁ、行きますわよ」
外とは違って、ダンジョンの中だと補正が入るからね。
非力なワカバちゃんもいくらか、攻撃力が………うん。
「な……何なのじゃ、これは?!」
「アハハ、いつもの事なので………Aha~」
たまちゃんが唖然して、セドニアさんが苦笑いを浮かべる。
―――――――――――
さて、ここで【ダンジョン】とは何なのかと簡単に説明しよう。
【ダンジョン】とは、元々【魔王】が自身のスキルを用いて、異世界で【聖戦連合】の最終防衛として用意していたもの………
この地球に【竜人・魔人・獣人】達と転移した当初もダンジョンの防衛は機能していて、ダンジョンから這い出て来たるは魔物達。
やれ、スライムは出勤中のサラリーマンから“スーツという名の戦闘服”を消化して、働くお父さんを猥褻……の冤罪者に変えてしまい。
ゴブリンは農家の作った作物を勝手に採取してはダンジョンに持ち帰り、ダンジョンコアに捧げ、ダンジョンの維持に使ったり。
オークが相撲部屋に現れては出稽古をしたり。
日本は阿鼻叫喚に陥ったが、10年前 突如としてダンジョン機能が著しく低下した。
それに加え、魔物の被害も消極に向かっていった。
そう、魔王の転生体【真野 護】の誕生である。
そして、10年の月日と紆余曲折を経て、ダンジョンは【階層型アスレチック迷宮】へと変貌した。
ダンジョンは新国家【アニシャル】に近いほど“ダンジョンレベルの高い”高難易度ダンジョンとなる。
そして、最低難易度“Lv1”のダンジョンが日本の小学校、あっちこちに出現したのだった!
――――――――――――――――
ちなみに僕達は今【Lv2ダンジョン星5】の第1階層を攻略している。
ダンジョンレベルが『Lv3』まではモンスターはスライムだけ、ただトラップの量が増えてくる。
星1だと、スライム+落とし穴
星2だと、スライム+落とし穴+剣山(非殺傷性のもの)
星3だと、スライム+落とし穴+剣山(非殺傷性)+吹き矢(非殺傷性)の四段構えだ。
レベルダンジョンは星【10】まであり、10上がるとLvが1上がる仕組みになっているんだけど。
現在、僕達がいるのはLv2ダンジョンの星【5】
中3~高1の年齢がクリアできるレベルだ。
ありえない……ありえないけど、ダンジョンの設定が書き換えられた。
索敵が雑にならないように思案してたけど、最初の曲がり角に僕は皆より先行するとズボンのポケットから手鏡を取り出すと曲がり角の先の様子を手鏡越しに見る。
「アヤツは何をしておるのじゃ?」
「護さんの職種はスカウト。
スカウトは索敵が主な仕事ですわ、パーティーが不意討ちを受けないよう。
あぁして、護さんは先行して調べていてくれるのですわ」
「ふむふむ、ほぉーほぉー。
おい、護よ!」
う~~~ん、ちょっと困ったな。
そんな事を考えていた時に たまちゃんが大声で話しかけてきた。
………ッ!! マズイな、今ので気付かれたみたいだ。
「大悟ッ!! 戦闘準備、スライム3匹!」
駆け足で大悟達の所に戻る。
スライムはカタツムリみたいに動きがトロいから十分に準備に間に合う。
「うっしゃあッ!!
たまちゃんも皆も準備は いいな、顕現!」
「「「「顕現ッ!!」」」」
たまちゃんを除く僕達は攻略者カードを掲げるのだった。
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