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第二話 『春の嵐』

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「うおぉぉぉーっ! やっぱ可愛いーっ! 頼斗の姉ちゃんっ!」
「黒髪猫目の美人って最強っ! 俺もあんな姉ちゃんが欲しいーっ!」
「なあ、頼斗っ! 俺の姉ちゃんと交換してくれよっ!」
 実家の家業を時々手伝っている頼斗の五つ年上の姉、戸塚ひかるさんがめちゃくちゃ美人だからだ。
 そうなのだ。頼斗にはお姉ちゃんがいる。頼斗があまりにも俺の家にしょっちゅう遊びに来るものだから、頼斗も俺と同じ一人っ子なのだと思う人間もいるかもしれないけれど、頼斗は何も一人っ子というわけではなかった。
 ただ、大学進学と一緒に光さんは実家を出ているから、今は頼斗も一人っ子のようなものだった。
 頼斗と光さんは仲が悪いわけではないけれど、仲がいい姉弟というわけでもなかった。気が強く、男勝りなところがある光さんのことを、頼斗は「合わない」と言っている。
 それでも、一応は姉を慕う気持ちはあるようだから、光さんの言うことにはわりと素直に従ってしまうところもある。
 そして、光さんも一応弟の頼斗を可愛いと思う気持ちはあるようで、今日は俺達の卒業祝賀会を自分の親の店でやると知るなり、予定を空けて店の手伝いに来てくれていたりする。
 光さんが実家を出た理由だけど、親には「大学生らしいことがしたい」ということにして、頼斗には
『実家だと男が連れ込みづらいんだよね。あんたもいるし』
 と言ったらしい。
 光さんは恋愛方面ではかなり奔放でお盛んな人だから、実家暮らしは性に合わないのかもしれない。
 しょうがないよね。美人だし。ほっといてもあっちこっちから男の人に声を掛けられて、中学生の頃から彼氏が途切れたことがないって話だもん。そんな人に実家暮らしは無理だよね。
 頼斗がしょっちゅう俺の家に遊びに来ていたのも、光さんが頼斗に気を遣わず、家にしょっちゅう彼氏を連れて来るのが嫌だったからかもしれない。
 昔は頼斗のお母さんも子供の夕飯が済むまでは家にいたらしいけれど、それも頼斗が小学校の高学年になると仕事に出るようになった。自分の代わりに光さんに頼斗の面倒を見て欲しかったんだろうけれど、その頃にはもう彼氏が常にいた光さんは、親の居ぬ間に……ってやつだったんだと思う。
「ちょっと男子ー。戸塚のお姉さんに群がるのは後にしてよ。まずは乾杯をしなくちゃ、祝賀会がいつまで経っても始められないじゃん」
 自分達の祝賀会だというのに、自分のお姉ちゃんが中心になっている状況が頼斗も面倒臭いらしい。
「そうだぞ、お前ら。姉貴には後で好きなだけ相手してもらえよ」
 光さんに群がる男子に呆れた顔でそう言った。
 そして
「アレのどこがいいんだ。顔だけだぞ、あいつ」
 俺にしか聞こえない声でそうぼやいてもいた。
 俺には血の繋がった兄弟姉妹なんてものがいないからよくわからないんだけど、本当の兄弟姉妹なんてそんなものなのかな?
 まあ、俺も現時点では間もなく弟になる雪音に対して同じことを言うかもしれないけれど。
「さて、それじゃ三年E組の卒業を祝って……乾杯っ!」
「乾杯~っ!」
 乾杯の音頭は担任の古川先生が取ってくれた。
 乾杯が済むとすぐに店内は賑やかになり、座っている場所が近い者同士で他愛ない会話が始まった。
「頼斗ー。これ運んでー」
「は? 俺も今日は客なんだけど?」
「いいじゃない。ちょっとくらい手伝えや」
「何でだよ。他にも従業員いるじゃん」
「いいから運べ」
「へいへい」
 乾杯が終わった直後から料理が運ばれ始めたんだけれど、座ったばかりの頼斗がすぐに光さんに呼ばれてしまった。
「俺も手伝う」
 文句を言いながらも立ち上がる頼斗に俺もついて行こうとしたんだけれど
「深雪はいいよ。座ってな」
「そうだぞ深雪。お前は座ってろ」
 光さんと頼斗の二人から追い返されそうになった。
「でも……」
 俺、こういう大人数ってちょっと苦手だから、頼斗がいないとどうしていいのかがわからない。俺の隣りに座っている女子ともほとんど喋ったことがないから、頼斗に席を立たれちゃうと……。
「わかった。じゃあこれ運んで」
「うんっ!」
 明らかに困った顔をしている俺を見て、頼斗は俺の気持ちを察してくれたらしい。前言を撤回して、俺に手伝ってもらうことにしてくれた。
「おい。深雪まで働かせるな」
「いいだろ。本人が手伝うって言ってんだから」
 光さんに怒られる頼斗に申し訳ないと思いながら、頼斗から受け取った大皿をテーブルに運んで行くと
「お? 深雪もここの店員さん? じゃあさ、ビール持ってきて」
 早速悪ノリしている奴らにからかわれた。
「ダメに決まってるでしょ? ジュースで我慢して」
 もちろん、そんな悪ふざけに付き合う俺ではない。
 何がビールだよ。飲めもしない癖に。
 料理はあらかじめすぐに出せるものが何品か作られていたようで、俺が四往復くらいして大皿を運んだところで
「もういいよ、深雪。手伝ってくれてありがと。深雪も食べな」
 光さんにそう言われて、俺は頼斗と一緒に空いている席に戻った。
 個人経営の居酒屋だから、めちゃくちゃ店内が広いわけでもなく、テーブルと座敷に分かれて座ることにもなっているけれど、みんなあちこち移動しながら楽しそうに盛り上がっていた。
「悪いな、深雪。手伝わせちゃって」
「ううん。大変だよね。こんなに大勢のお客さんを一気に相手するのも」
「いや。俺のクラスメイトだからって甘えてるんだよ。本当の客なら自分達で対応してる」
「でも、安くしてもらってるんだから、少しくらいは手伝いしなくちゃ」
「そんな風に思うのもお前くらいのものだって」
 本当は頼斗と一緒じゃないと心細いから、って理由も含まれているんだけれど、そんな事を言ったら俺の方こそ甘えているよね。
 俺と頼斗が料理を運んだ後も、大皿に乗った料理は何度も運ばれてきた。そのどれもが美味しくて、俺はもちろん、クラスのみんなも大満足だった。
 頼斗は俺の作った料理の方がお母さんの料理より美味しいって言っていたけれど、俺は頼斗のお母さんが作る料理の方が美味しいんじゃないかと思う。

 そして、祝賀会が始まって一時間も経つと、全ての料理は出終わり、後はデザートを残すだけになった。
 品数も量も充分だったため、みんなのお腹もしっかり満たされて、残り時間はお喋りメインの時間になった。
 そうなると、お店の従業員も手が空くから、カウンター席の隅で順番にまかないを食べ始めたりしていた。
 約一名、光さんを除いて。
 その光さんはどこで何をしているのかと言うと――。
「光さんっ! 目当ての女を落とす方法を伝授してくださいっ!」
「んー? そうだねぇ……絶対とは言えないけど、大概の女は自分が望んでいるものを与えてもらえれば堕ちるよ。外見的な好みもあるだろうけど、ぶっちゃけそれは二の次っていうか。よっぽど見た目が悪くない限り、そこはいくらでもカバーできると思う。女ってのは愛されることに喜びを感じる生き物だからね。自分の望みを叶えてもらえれば叶えてもらうほど、愛されている実感に溺れて堕としやすくなる」
「マジっすか! じゃあ、そうやって堕とした女と長続きする秘訣は?」
「そりゃまあ、彼女の理想的な彼氏であり続けることじゃね? ああ、あとキスやセックスが上手いのも重要だよね」
「おおー……」
 中学生男子に囲まれて、恋愛相談なのかただの下ネタなのかわからない話に花を咲かせていた。
 そうなんだよね。こういう人なんだよ、光さんって。ざっくばらんで恥じらいに欠けるというか……。妙に男前なところがある人なんだよね。
「ったく……。中学生捕まえて何の話をしてるんだか。アレが自分の姉貴だと思うと死ぬほど恥ずかしいわ」
「うーん……〈捕まえて〉って言うよりは、光さんがみんなに捕まってるんだと思うけど」
「だとしても、女子大生が中学生相手にする話じゃないだろ」
「でも、みんな喜んで聞いてるよ?」
「それが嫌なんだって」
 光さんを取り巻くテーブルからは少し離れ、心底嫌そうな顔をしている頼斗を慰めてあげる俺。
 光さんと頼斗の両親は、光さんが年下相手に赤裸々なトークを繰り広げていることに気が付いていないのか、忙しそうに厨房の中で作業を続けていた。
「戸塚のお姉さんって男子に大人気だね。まあ、あれだけ美人だったらそうなるか」
 まったりとした時間に突入すると、自然といつものメンバーで固まっているようだったけれど、男子のほとんどが光さんの周りに集まってしまっているから、俺と頼斗は少し浮いた存在になっていた。
 そこへ、「チャンス!」とばかりに日高さんがやって来た。
「あんなの顔がいいだけだ。見た目に騙されているあいつらが可哀想だな」
「顔がいいのは認めてるんだ」
「実際に美人は美人だと思うからな。全く俺の好みではないけど」
「ふーん……」
 何故今このタイミングで日高さんが頼斗のところへやって来たのだろう。
(もしかして、場合によっては頼斗に告白……なんて流れも有り得る?)
 だとしたら、俺が完全にお邪魔虫になっちゃうよね。どうしよう……。
「だったらさ、戸塚の好みってどんな子?」
 おっと……早速探りを入れてきた。日高さんも結構積極的というか、なかなか攻める子なんだな。
「んー……そうだなぁ……」
 自分に対する日高さんの気持ちには気付いている頼斗。それでも、今の質問が自分に気がある相手からの質問だという風に捉えない頼斗は、頼斗の隣りでそわそわしている俺をチラッと見てきた。
 いやいやいや。何で今俺のこと見たの? まさか、日高さんの前で俺のことが好きだとか、好みのタイプが俺だなんて言い出さないとは思うけど、ここで俺をチラ見してくることも結構な危険行為だと思う。勘がいい子なら、「何で七緒君見たの? 好きなの?」って疑っちゃうじゃん。
「よくわかんね。でも、姉貴とは真逆のタイプがいいかな。おとなしくて可愛いのがいい」
「おとなしくて可愛い……」
 頼斗の好みを教えてもらった日高さんは、これまでの頼斗に対する自分の態度を思い出しているようだった。
 頼斗には強気な態度で上からの物言いをし、憎まれ口を叩くことも多かった日高さんは、残念ながら、どちらかと言えば光さん寄りの人間である。
 その自覚が多少は本人にもあるのか、「聞くんじゃなかった」という顔をしているように見える。
「たとえるなら、深雪を女にした感じかな」
「えっ⁉」
 何で俺の名前を出した⁉ それ、今一番言っちゃいけないやつっ! 自分が頼斗の好みではなかった日高さんに俺が恨まれちゃうじゃんっ!
「え……。戸塚って七緒君みたいな子がタイプなの?」
「おう。深雪が女だったら絶対にコクってる」
 ちょっとーっ! 更に余計なことを言わないでよっ! そもそも、俺が女じゃなくても告ったじゃんっ! 危険極まりない綱渡りとかやめてよっ! 頼斗が澄ました顔をしていても、俺の顔に色々出ちゃってバレたらどうするつもり⁉
 それにほら、そんな事を言われた日高さんが凄い顔で俺を見て来るじゃんっ!
「でも、男だからなぁ……。残念だ」
「そ……そうだね。七緒君が男の子で残念だったね……」
 あー……俺、多分日高さんに恨まれた。
 頼斗の幼馴染みということで、いつも頼斗と一緒にいる俺には好意的に接してくれていた日高さんだけど、俺が頼斗の好みのタイプだと知ったら、高校では俺のことをライバル視してくるかもしれない。
 先日。俺を巡って雪音と頼斗がライバル関係を成立させたばかりなのに。頼斗を巡って俺と日高さんでライバル関係になんてなりたくないよ。
 っていうか、本気で真に受けたりなんかしていないよね? 日高さんは男の俺をライバル視なんかしないよね?
「そ……そう言えば、戸塚って今日告白されたって聞いたけど」
 これ以上、頼斗の好みについては触れないことにしたらしい。日高さんは半ば強引に話題を変えてしまった。
 その方が俺も助かる。このまま頼斗の好みについての話を掘り下げていかれると、いつどこで頼斗が俺のことを好きだと言い出すかわかったものじゃないもん。
「何で知ってんの? お前、卒業式が終わったらすぐ帰ってなかった?」
「さっき伊藤から教えてもらった」
「あー……」
 伊藤のお喋り。まあ、その伊藤に頼斗が女の子に呼び出されたことを喋っちゃったのは俺だけど。
 伊藤は自分のこともよく喋る奴だけど、人の噂なんかも大好きなんだよね。特に恋愛方面。恋愛関係の話になると、伊藤は常に四方八方にアンテナを張り巡らせているって感じなんだよね。
 そんな伊藤は、現在率先して光さんに話を振っている男子の一人でもある。
「誰に告白されたの?」
「言わない。そういう事を言い触らす趣味はないんだよ」
「真っ面目~。結構いい奴じゃん、戸塚って」
 頼斗の好みを知り、本当は少しずつおとなしくて可愛い女の子にシフトしていきたいところなんだろうけれど、これまでがこれまでだったから、急にキャラは変えられないとみた。
 キャラを変えられない代わりに、とりあえず頼斗を褒めて上げるスタイルに変えてきたようだった。
(好きな相手を目の前にすると、人って簡単に操られちゃうものなんだな……)
 頼斗に日高さんを操っているつもりは微塵もないのだろうけれど、俺は内心そう思ってしまった。
 と同時に
(頼斗も俺の一言で操れちゃったりするのかな……)
 なんて馬鹿なことを考えてしまって、俺は危うく自己嫌悪に陥りそうになった。
「どうした? 深雪」
「う……ううん。何でもない……」
 頭の中から馬鹿な考えを追い出そうとして首を左右に振る俺を見て、頼斗に不思議そうな顔をされてしまった。
 危ない危ない。最近の俺、何かちょっと挙動がおかしいよね。頭の中で急に変なことを考えちゃったりするし。
 平常心平常心。俺が普通にさえしていれば、俺の日常だって何事もなく平凡に過ぎて行くんだ。ちょっとした事で心を乱されていちゃダメだよね。もっと毅然としていなくちゃ。
 今週末には雪音との共同生活も始まるんだ。俺には今以上の冷静さや平常心、毅然とした態度が必要になってくるってものだよ。
「おい、頼斗。ちょっとこっち来な」
「は? 何でだよ」
「いいから来い。深雪も」
「え? 俺も?」
 日高さんとの会話がいまいち盛り上がらないままでいると、大層盛り上がっている話の中心にいる光さんに呼ばれた。
(何やら非常に嫌な予感……)
 そう思ったんだけど、俺も頼斗も光さんにはなかなか逆らえないし、日高さんと一緒にいるのも少し気まずい。だから、渋々腰を上げ、日高さんをその場に残して男子の輪に入って行った。
 光さんの隣りに頼斗、その隣りに俺の順で腰を下ろすと、光さんの手がいきなり頼斗の肩をガシッと組んできて――。
「あの女、どうやらお前に惚れてるそうじゃん?」
 とても女性の発言とは思えない男前な口調で頼斗に尋ねる光さんの声が俺にも聞こえてきた。
 一体どこの姉御だよ。前世は盗賊か女海賊か何かなの? 将来は極道の妻なの?
「しっ……知らねーよっ!」
 日高さんの気持ちには気付いている頼斗だけれど、それを光さんには知られたくないと思っているようである。
 当然と言えば当然か。知られれば次に何を言われるかがわかったものじゃないもんね。
 でも
「は? 知らねーって何だよ。知らねーわけないだろ。誰が見てもバレバレだっつーの」
 光さんに頼斗の嘘は通用しなかった。
 そして、通用しなかったということは当然――。
「何純情ぶってんだよ。せっかく夜は家に誰もいないんだからさ。この後お持ち帰りでもして、中学卒業と一緒にさっさと童貞も卒業しちまいなよ。わりと可愛い子じゃん」
 余計なアドバイスをちゃっかり頼斗に授けていた。
 だから、一体どこの姉御なの? 弟に童貞を捨てさせようとするお姉ちゃんなんている? 今まさに目の前にいるけれど。
「うるせーよっ! 余計なお世話だっつーのっ! ってか、お前のそういう性格、マジで直した方がいいと思うっ!」
「ああっ⁉ お姉様に向かってどういう口利いてんだっ! 舐めてんのかっ!」
「口悪っ! 引くっ!」
「上等だっ! やんのか? こらぁっ!」
 そして、突然始まる姉弟喧嘩。
 ほんと、光さんが大学生になって家を出たのは正解だったと思う。
 そうじゃなきゃ、頼斗は光さんからの弟虐めに嫌気がさして、家出をし、俺の家の居候になっていたかもしれない。
「大体なっ! 光は女の癖にガサツ過ぎんだよっ! そんなんでよく彼氏に愛想尽かされないよなっ!」
「アホかっ! 好きな男の前じゃ猫被るに決まってんだろがっ!」
「あーあー、そうかよっ!」
「てめーこそいつまで深雪と仲良し幼馴染みやってんだよっ! お前の年頃ならもっと女のことで頭いっぱいになっててもいいくらいだろっ! お子様かっ!」
「はあ⁉ お子様とか関係ねーしっ! 幼馴染みと仲良くしてて何が悪いんだよっ!」
「悪いねっ! お前がそんなだと深雪も彼女作れねーだろがっ!」
 あー……。これはもう……ガチな姉弟喧嘩じゃん。さすがに頼斗がちょっと可哀想。
 あと、姉弟喧嘩の中で普通に俺の名前を出すのとかやめて欲しい。そもそも、これまで一度も女の子から告白された経験がない俺は、頼斗以上に彼女なんて作れないと思う。
「こらっ! 光っ! そんなところで油売ってないで、そろそろこっちを手伝いなさいっ!」
 店中に響き渡る声で派手な姉弟喧嘩を始めた二人に、さすがに親も黙っていられなくなったらしい。光さんを怖い顔で呼びつけ、頼斗から引き離すことで、この騒がしい姉弟喧嘩に終止符を打ってくれた。
 俺はずっと一人っ子であることを少し寂しいと思う気持ちがあったけれど、光さんを見ていると
(俺、一人っ子で良かったのかも……)
 と思うことがある。
 まあ、その一人っ子生活も、もうすぐ終わりを迎えちゃうんだけどね。
(俺、雪音と兄弟になって本当に大丈夫なんだろうか……)
 今の一件でその心配は増すばかりだった。


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