僕らの恋愛経過記録

藤宮りつか

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Final Season

    前途洋々! 無敵の二人♡(5)

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「なんかさ、自分が思っていた以上に映画の反響があって、自分のことなのに自分のことじゃないような気持になっちゃうね」
 毎年恒例になったクリスマスライブを終えて家に帰って来た俺達は、一緒に家に連れて帰って来たCROWNのメンバーとクリスマスパーティー&司の誕生日会をして、午後11時を少し過ぎた頃に自分達の部屋に戻った。
 明日は一週間後に控えたCROWNとの合同カウントダウンライブに向けての最後のレッスン日。明日が終わればカウントダウンライブ前日まで予定が詰まっていて、俺達とCROWNが次に顔を合わせるのは、カウントダウンライブ当日のリハーサルになってしまう。
 今日はうちに泊まることになっているCROWNのメンバーは大喜びだったし、特に湊さんはようやく陽平と一緒に過ごせるクリスマスに、傍から見てもわかりやす過ぎるくらいに浮かれていた。
 毎年クリスマスライブでは顔を合わせているけれど、その後に陽平と湊さんが一緒に過ごすことなんてなかったもんね。
 今年に入ってやっと陽平と付き合えるようになったし、クリスマスも一緒に過ごすことができれば、そりゃ湊さんだって浮かれちゃうか。
「そうだね。俺、まさか樹さん達まで映画を見てくれるとは思わなかった」
 毎年恒例になったクリスマスライブのせいで、司の誕生日を二人きりで心置きなく祝うことはできなくなってしまったけれど、それでも、一日中司と一緒に過ごすことはできる。ようやく司と二人きりになれた俺は、あと一時間くらいしか残っていない司の誕生日を、心行くまで司とイチャイチャして過ごす気満々だった。
 司もそのつもりでいるのか、部屋に入るなりベッドの上に腰を下ろした俺達は、今日一日を振り返りながら、もう身体がお互いに引き寄せられている感じだった。
「それも悠那のおかげって感じだよね」
「俺の? どうして?」
「だって、あの事件があった時、悠那の発言がなかったら、今頃BREAKは存在していなかったかもしれないんだよ? 悠那がBREAKの解散や解雇を嫌がったから、今のBREAKがいるんじゃない。BREAKからしてみれば悠那は恩人。その恩人の出る映画なら、見に行こうって思うんじゃない?」
「そうかなぁ? あの三人が俺を恩人だと思っている風には全然感じられないんだけど……」
 司とイチャイチャしようという時にする話でもなかったけれど、俺が樹さんの名前を出しちゃったから仕方がないか。
 当時はとんでもない目に遭わされたと思ったし、デビューから半年しか経っていない時点で、いきなり芸能界の怖い一面を見せられたって感じだったりもしたけれど、その後、真面目にちゃんと更生してくれたらしいBREAKを見ると、「そんなこともあったな」と思えるようになっている。
 そりゃまあ、今だって思い出したら嫌な気分になるし、「酷いことをされた」って気持ちにもなるけれど、ドラマで共演した樹さんには危ないところを助けてもらったこともあるし……。BREAKのほうも俺達には遠慮しているところもあったりするから、もう怒ってはいないかな。
 BREAKがアイドルとして頑張るなら許す、って言っちゃってるし。
「あの時の悠那の選択が今の結果を作っているんだよ。そう考えると、悠那の選択は間違っていなかったし、悠那の偉大さみたいなものを感じちゃうね」
「偉大って……。それはちょっと大袈裟だよ。俺はただ自分が思ったことを言っただけなんだから」
 一真さんからBREAKの解散、解雇の可能性があると聞いた時、俺は咄嗟に“それは違う”と思ってしまって、「それはしないで欲しい」と言ってしまったけれど、その選択が正しかったのかどうかはわからなかった。
 ただ、BREAKを応援しているファンのことを思うと、黙っていられないだけだった。
 本当なら、応援してくれるファンの前で、何があったのかをちゃんと説明したうえで、ファンへの謝罪と年内いっぱいの活動休止宣言をするのが一番だったんじゃないかとも思う。
 だけど、デビューから半年しか経っていない俺達に、いきなりそんな生々しいスキャンダルがあったことを明かすわけにはいかなかったし、危ない目には遭ったものの未遂に終わっている。
 襲われたのは事実でも大事には至っていないのだから、無駄に世間を騒がせたり、お互いのファンを心配させたくない気持ちが強かった。
 結果として、BREAKは突然の年内活動休止を発表しただけに終わり、年明けにはAbyssのカウントダウンライブにスペシャルゲストとして登場して活動再開に至っている。
 もちろん、その際にも活動休止の理由は明らかにされていないけれど、活動再開後のBREAKには反省の色が窺えたから、俺も「これで良かったんだ」と思っているだけ。
 自分の選択が「正しかった」という自信があったわけじゃない。ただ、それで自分が納得しただけだ。だから、“偉大”と言われるほどに立派なことをしたわけでもないんだよね。
「ううん。悠那は凄いよ。俺なんか、未だに樹さん達を許せない気持ちがどこかにあるもん」
「俺ってお人好しなのかな?」
「悠那はお人好しなんじゃなくて、いい子なんだよ。人を思い遣る優しい気持ちがあるんだ。俺の自慢の彼女だよ」
「えへへ♡」
 偉大、と言われることには抵抗があるけれど、自慢の彼女だと言ってもらえることは素直に嬉しい。そういう褒め言葉なら大歓迎。
「いい子で、可愛くて、エッチで我儘な自慢の彼女だよ」
「えー? エッチで我儘なところも自慢になるの?」
「なるよ。だって、そこが悠那の可愛さを引き立てる魅力でもあるんだから」
 エッチはともかく、我儘は自慢にならないような気もするけれど。
 でも、司の中ではそこも自慢になるって言うなら、俺はこれからも司の前ではエッチで我儘な彼女でいようと思った。
「司だって俺の自慢の彼氏だよ。俺、司に不満なんて一つもないもん。いつだって俺を喜ばせてくれるし、俺をいっぱい幸せにしてくれる。司と恋人同士になれて良かったって、いつも思ってるよ」
 今度は俺が「お返し」と言わんばかりに司を褒めてあげると
「俺達ってほんと、相思相愛で理想的なカップルだね」
 司は嬉しそうに笑って、俺の唇にちゅっ、とキスを落としてきた。
 唇に触れるだけの軽いキスが、早速俺の心を幸せ気分にしてくれる。
 もう何度交わしたかわからないキス。司と付き合い始めてから絶対に一万回――いや、一万回以上は確実にしているキスなのに、俺は何度だって司とキスしたいって思ってしまう。
「きっと俺と司だからそうなるんだよ」
 司からのキスに応えるように、今度は俺から司にキスをすると、それを合図にキスの応酬が始まった。
 何度も何度も重なり合うキス。その一つ一つにちゃんと愛情がしっかり込められていて、唇が重なり合うたびに、俺はうっとりした夢見心地気分になっていく。
 キスをしているだけでもこんなに気持ちいいんだから、更にその先へ……ってなると、その快楽は言葉では言い表せない。そりゃ俺も司とするエッチにはまっちゃっても仕方がないし、一度嵌ってしまったら二度と抜け出せない底なし沼みたいなものなんだよね。
「んっ……ぁっ……」
 司からのキスに感じた俺が小さな吐息を漏らすと、薄く開いた口の中に司の舌がするんと滑り込んできて、俺の舌に絡みついてきた。
「んんっ……んっ……ぁ、ん……」
 司の舌にくにゅくにゅって弄ばれる舌が気持ち良くて、身体がどんどん熱くなる。
「ぁんっ……ぁっ……んんっ……んっ……」
 司に愛撫されるだけじゃなくて、俺からも司の舌に自分の舌を絡めていくと、絡まり合う舌がより深く、複雑に絡まり合う感じがして、気持ちがどんどん昂っていった。
「んんっ……司ぁ……」
 身体中にゾクゾクとした感覚が走るのと同時に、司が欲しくて欲しくて堪らなくなる。
 欲望に支配されてどうにかなってしまいそうな自分の身体がまた、俺自身の興奮を昂らせてしまうようでもある。
「ん? もっといっぱいキスして欲しいの?」
 甘くて優しい司の声に尋ねられて
「うん……でも、キスだけじゃ足りない……」
 俺もすっかり甘えた声になって司に返した。
「そうだよね。悠那はエッチだから、キスだけで満足なんてしないよね。むしろ、キスしたらもっと先が欲しくなっちゃうもんね」
「うん……」
 声も表情もとびっきり優しい司は、俺の頭を撫でてくる手も優しかった。
 いつも俺にめい一杯優しくしてくれて、これでもかってくらいに甘やかしてくれる司に、俺の司を好きだと思う気持ちが止まらなくなる。
 付き合い始めたばかりの恋人同士がラブラブなのは当たり前って感じだし、相手の一挙一動に胸がキュンキュンしてしまうのも仕方がないと思っていたけれど、俺と司って付き合い始めてから今までの間、そういう気持ちがちっとも変わらないんだよね。
 もちろん、今まで付き合ってきた中で慣れてきたこともあるけれど、俺の司に対する気持ちが落ち着くことはないし、司の俺に対する気持ちも落ち着かないっていうか……。
 とにかく、お互いがお互いのことを大好きなままで、その気持ちは大きくなっていく一方って感じ。
 それって物凄く理想的なカップルの形だよね。だからって、俺と司が特別だとは思わない。きっと世の中には俺達みたいに理想的なカップルはいっぱいいると思う。
 だけど、自分とその恋人が“理想的”だと思える関係って、物凄く幸せなことだよね。
 さっき、司は俺がBREAKに対する選択を「正しかった」って言ってくれたけど、俺が自分のした選択の中で自信を持って「正しかった」と言い切れるものは、司を好きになったことだよ。俺、司を好きになって良かったって、毎日のように思っているんだから。
「司……」
「うん?」
「今日は朔夜さんから貰ったプレゼントは使わないの?」
 俺にたくさんキスをしてくれながら、俺の服を一枚ずつ脱がせていく司に、ちょっとだけ不安な顔になって聞いてみた。
 毎年司の誕生日にはプレゼントをくれる朔夜さん。そのプレゼントはいつも決まってエッチなものばかりで、司の誕生日にするエッチでは、朔夜さんからのプレゼントが大活躍していたりもする。
 一年目はローターとローション。二年目はアナルビーズ。そして、三年目の今年はバイブだった。
 どうして毎年毎年エログッズを送り付けてくるんだろう、って思うけど、それも朔夜さんなりの気遣いだったりするのかな?
 俺も司を喜ばせようと思って、エッチな下着なら買ったことがあるけれど、さすがにアダルトグッズにまでは手が出せないっていうか、買うのが恥ずかしくて買ったことがないし、司も買わないもんね。
 たまには大人のオモチャでも使って、いつもと違うエッチをしたら? ってことなんだろうと思う。
「そうだねぇ……。朔夜さんからのプレゼントはありがたいんだけど、毎年朔夜さんのプレゼントを使ってエッチするのもどうなの? って気がするから、今回は年が明けてから使おうと思うんだけど。悠那は使って欲しい?」
「う……ううん。今日じゃなくてもいい」
 確かに、「どうして毎年エログッズを?」と思いながらも、結局は朔夜さんからのプレゼントをしっかり使っているというのもおかしな話。
 一年目と二年目は見たことのないアダルトグッズに興味をそそられたし、「使ってみたらどうなるんだろう?」という好奇心もあったけど。今年はそれがどういうものかはもうわかっているから、何も司の誕生日にするエッチで使わなくてもいいと思う。
 エログッズはエログッズでいつもと違うエッチができて新鮮だったりもするんだけれど、やっぱり司の誕生日にするエッチは、司のことだけを感じていたいって思うもんね。
「今日は司の誕生日だもん。だから俺、司のことだけ感じていたい」
 俺がそう言うと
「うん、俺も。俺も今日は悠那だけを感じていたい」
 って言ってくれた。
 お互いに同じ気持ちでいる俺達は、言葉の通り、早くお互いだけを感じたいという気持ちに駆られ、司が俺の服を脱がし終わった後には、俺が司の服を脱がしに掛かった。
 ただ服を脱がすだけじゃなく、ちゃんと司への愛撫も忘れない俺に
「悠那も俺の服を脱がすのが随分と上手くなったよね。俺、悠那に服を脱がされてると物凄くエッチな気分になるし、興奮しちゃうよ」
 って、またまた俺のことを褒めてくれた。
「司がいつも俺の服を脱がしながらいっぱい気持ちいいことしてくれるから、俺も司にしてあげたいの」
 ボタンを外したシャツを司の腕から抜き取りながら、去年よりも逞しくなっている司の胸元に唇を這わせると、司の胸の上の小さな膨らみにキスをした。
 そして、司の乳首を舌先で愛撫しながら、ズボンの上から司を撫でていると、ズボンの下の司が少しずつ形を変えてくる。
 俺の愛撫に感じてくれる司が可愛い。
「んっ……悠那……」
 ズボンを脱がし、少し膨らんだ司のナニを更に撫で回し、司の胸にもいっぱいキスをしてあげると、俺の手の下の司がぴくぴく震えながら、どんどん大きくなっていった。
 熱を持った膨らみを、更に熱く大きくしてあげようとまさぐる俺は、自分のナニも一緒に大きくなっていくのを感じていた。
「ねえ、悠那。俺も悠那にシてあげたい」
「ん……じゃあ、一緒にシよ……」
 俺は静かに身体を起こすと、司の足からパンツを抜き取って素っ裸にしてから、司の上に改めて跨った。
 司の顔にお尻を向けて司に跨った俺は、その状態から身体を沈めていくと、すっかり勃ち上がっている司を両手で包み込んだ。
 そして、司をゆっくりと口の中に呑み込んでいく。
「ん……」
 生暖かい俺の口の中に包まれた司は小さく声を漏らし、俺のお尻を掴んでくると、俺のナニを口に咥えてきた。
「んんっ……」
 今度は俺が声を漏らす番だった。司にナニを咥えられた瞬間、腰から下が溶けてなくなりそうなくらいに気持ち良くなっちゃって、その感覚だけでもイけそうになる。
「んっ……んんっ……んっ……」
 それでも、まだイくのには早過ぎるから、司が与えてくれる快感をグッと堪えて、口に含んだ司をゆるゆると扱き上げ始めた。
 俺の口の中をいっぱいに満たす司を舐めてあげるのはとても好き。俺の動きに合わせて、司が「気持ちいいよ」って言ってくれているみたいな反応をしてくれるのが、堪らなく嬉しくなっちゃうんだよね。
「んんっ……ぁっ、んっ……んんっ……」
 でも、今は俺も司から同じようにされちゃっているから、あんまり余裕というものがない。
 俺が口で司を気持ち良くしてあげているのと同様に、司も俺を口で気持ち良くしてくれているから、司の口の中の俺も、俺の口の中の司と同じ反応をしているんだと思う。
 しかも
「ぁんんっ……! んんっ……ぁんっ……」
 司は俺を口で気持ち良くしてくれるだけじゃなく、俺の中まで指で解してくるから、感じる刺激は俺のほうが強くなってしまう。
 前も後ろも一緒にされちゃうと、堪え性のない俺はすぐイっちゃうそうだよ。
69シックスナインってエッチで興奮するけど、悠那の顔が見えないのが残念」
「ゃんっ……舐めながら喋っちゃやだぁ……」
「ごめんごめん。でも、それはちょっと無理だよ。だって俺、悠那とエッチなことしてる時は、悠那といっぱいお喋りしたくなっちゃうから」
「そ……それは俺も一緒だけどぉ……」
 俺の中を指で掻き回しながら ナニの先端を擽るように舌先で舐めてくる司に、身体がビクビクと震えてしまう。
 司はそうやってお喋りしながらでも俺を気持ち良くさせることができるけど、俺は司を咥えることに必死なんだから。司に話し掛けられると、ついついお口がお留守になっちゃうじゃん。
 そりゃさ、俺だって司とエッチしている時はいっぱいお喋りしたいし、司から沢山愛の言葉を貰いたいし、俺も言ってあげたい。
 でも、こうして口でシている時は身体の会話でいいっていうか、司を気持ち良くしてあげることに集中したいんだよね。
「司に話し掛けられちゃうと、俺が司を気持ち良くしてあげられなくなっちゃうよぉ……俺ばっかり気持ち良くなるのはダメなのにぃ……」
 司の長い指が俺のいいところを刺激してきて、司を気持ち良くしてあげるどころじゃなくなりそうな俺は、必死になってそんな言い訳をする。
「わかったわかった。じゃあちょっとの間は身体と身体のお喋りをしていようね。俺も目の前にある悠那の可愛いお尻に集中するよ」
「んんっ……」
 俺の可愛いお尻に集中って……。それはそれで俺がいっぱい気持ち良くさせられる予感しかないから不安である。
 だけど、実際今司の目の前に映る景色って、俺のお尻しかないんだよね。今現在、俺のお尻は完全に司の顔に乗っかっているようなものだから。
 そういう俺も、目の前には完全に勃ち上がった司がいて、俺の愛撫にピクピク反応してくれる可愛い司を堪能し放題ではある。
 いつもこうして間近で見させてもらっている司だけど、俺とは違って本当に立派だよね。
 別に大きければいいものでもないけれど、初めてエッチした時より明らかに大きくなっている司を見ると――言っても、司は最初から俺とは比べ物にならないくらいに大きかった――、なんだかちょっと誇らしい気分になっちゃう。
 俺とエッチすることで、司が男として成長してるって気分になれるから。
「んっ……」
 その大きくて立派に育った司を再び口の中に咥え込み、いつも俺をいっぱい気持ち良くしてくれるお返しとばかりに、司のナニを余すところなく丁寧に舐め上げていく。
 どれくらいの力加減で、どういう風に舐めてあげると司が気持ち良くなるのかは研究済みだけど、俺はいつだって、もっと司を気持ち良くしてあげられる方法を探している。
「んっ……っ……」
 俺が一生懸命かつ丁寧に司を舐めてあげると、司も俺を気持ち良くしてくれながら、時々小さな声を漏らしてくれた。
 ちゃんと気持ち良くなってくれている反応が嬉しくて、俺は司からの愛撫に感じながら、司を気持ち良くしてあげることにも夢中になっていった。
「ぁっ……待って、悠那……イきそうだから……ちょっとストップ……」
「んんっ……どうして? イってもいいのに」
「ダメ。今日は悠那の中でイきたいから」
「ん……わかった」
 本当はこのまま司をイかせてあげたかったりもするんだけれど、俺の中でイきたいって言う司を無視するわけにはいかない。
 俺は俺で司に前も後ろも気持ち良くしてもらって限界だから、早く司にいっぱい中を突き上げてもらいたいと思っているし。
 身体を起こして向きを変えると、俺は司の上に跨ったまま、司が充分解してくれて柔らかくなった中に、自分から司を呑み込んでいった。
「んっ……ぁあっ、んっ……」
 自分から司を身体の中に取り込んでいっている癖に、中を押し広げて挿入はいってくる司に物凄く感じちゃう。
「ぁんっ……んぁっ……ぁっ……」
「自分から俺を呑み込んでる癖に。物凄く感じちゃう悠那が淫乱で可愛い」
「んぅ……だって……司が挿入はいってくるの、凄く気持ちいい……」
「俺も気持ちいいよ。悠那の中って本当に最高……」
「んぁあっ……!」
 ゆっくりと腰を落としていく俺だったのに、司が俺の腰を掴んでグッと下に引き寄せてくるから、まだ半分だった司が一気に根元まで挿入はいってきて、急に奥まで突き上げられる衝撃に、俺は堪らず声を上げてしまった。
 ズンッ、と強く突き上げられる感覚に、一瞬で頭の中が真っ白になっちゃうよ。
(今……ちょっとイっちゃった……)
 司に奥をズンッ、と突き上げられたのと同時に、俺の先端からぴゅって白いミルクが飛び出しちゃったけど、まだほんの少し出しただけだし、射精の感覚にも襲われていない。
 少し前の俺だったら今ので完全にイっていたと思うから、俺も少しは我慢強くなったのかな?
「今、ちょっとだけイっちゃったよね? かわい」
「ん……だってぇ……司が急に奥まで突き上げてくるから……」
「でも、まだまだ全然足りないでしょ? もっともっとがいいよね?」
「うん……」
 俺と繋がったまま上半身を起こした司は、俺が好きな対面座位の形を取ってくると、司の首に腕を巻き付ける俺のお尻を掴んできた。
 そして、しばらくは俺と舌を絡ませ合うキスをしてイチャイチャしてくれたのち――。
「んんっ……! ぁっ、ぁあっ、ん……ゃあっ……んんっ……」
 掴んだ俺のお尻を持ち上げて、俺を何度も突き上げてきた。
「ゃんっ……ぁっ……ぁんっ、ぁんっ……」
 ズンッ、ズンッ、と奥を突き上げられるたびに意識が飛びそうなくらいの強い刺激に襲われる。
「司っ……気持ちいいっ……ぁんっ……司っ……」
「んっ……俺もっ……凄く気持ちいい……イきそうだよっ……」
 触れ合う素肌はしっとりと汗ばみ、熱を持った身体が触れ合う感触はとても心地良かった。
 肌を通してお互いの気持ちまでもが触れ合うような感じがして、この感覚は愛し合っている者同士だからこそ……って気持ちにもなった。
 この一体感が堪らなく幸せな時間でもある。
 イきそう、と言いながらも、そう簡単にはイかない司は、イきそうでイかないギリギリのラインで俺を突き上げてきては、俺の反応を楽しむ余裕すらある様子だった。
 対する俺は、司にいいところを的確に何度も突き上げられて爆発寸前。先端からは我慢をしても透明な蜜が溢れてきちゃうし、感じる声も止められない。
「あぁっ、んっ……ゃっ、ん……ぁっ、あんっ……あっ……」
「悠那っ……もっと激しくしてもいい? 俺……もっといっぱい悠那を突き上げたい……」
「んんっ……いいよっ……俺ももっと……もっといっぱい……激しくされたいっ……」
 司には何をされても感じるだけの俺だから、遠慮も許可も必要ないと思うのに。俺の身体を気遣ってくれる司は、いつだって俺に確認を取ってくる。
 俺から許しをもらった司は、俺を抱えたまま身体を前に倒し、俺をベッドの上に仰向けに転がすと、太腿の裏に腕を挿し込んできて、俺の身体を大きく穿ち始めた。
「ぁあんっ! ぁっ、んっ……ぁっ、ぁっ……んんっ……ぁあっ……!」
 肌がぶつかる音と、俺の中を司が擦るたびに立つ濡れた音が、俺の喘ぎ声と一緒に部屋の中に響いている。
「っ……はぁっ……悠那っ……気持ちい?」
「んっ……ぅんっ……凄く気持ちいいっ……も……頭の中……真っ白っ……」
「俺も意識が飛びそう……凄く気持ちいいっ……」
 息を弾ませる司が、襲い掛かってくる快感に耐えながら切なげな笑顔を見せると、その表情にどうしようもなく愛しさが込み上げてきた俺の身体が、中の司をきゅうぅっと締め付けてしまった。
「っ……悠那っ……それはダメっ……」
「んんっ……だってぇ……」
 司が可愛い顔をするから、、俺の中が「司大好き」ってなっちゃうんだもん。俺が悪いんじゃないもん。
「エッチしてる時の司……格好いいけど可愛くて……大好き……」
 司としては、俺に「可愛い」と言われることが若干の不本意であるそうなのだけど、格好いいと可愛いが絶妙なバランスで存在する司は、俺にとって最高に格好いい彼氏であり、最高に可愛い彼氏でもある。
 さすが、格好いいと可愛いの黄金比率。
 デビュー直後からそう言われている司は、デビューから三年目に突入しても、そのどちらかに偏ることはなかった。
「立場的に、エッチをしている時に可愛いって言われるのは複雑だけど……悠那が大好きって言ってくれるなら、可愛いでもいいよ」
 さすがの司もそろそろ限界が近いのか、乱れた呼吸でそう言ってきたけれど
「でも……悠那の可愛さには敵わないよっ……」
 と付け加えることは忘れなかった。
「ほんと……自分の誕生日に悠那とこうして過ごせる時間が、何よりも大切で幸せだよ……」
 12月24日。クリスマスイブに誕生日を迎える司は、聖なる夜に恋人と愛し合う時間を、何よりも大切で幸せだと言ってくれた。


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