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Final Season
熱演! 恋人達の過激なラブシーン⁈(5)
しおりを挟む自分で言うのもなんだけど、俺と悠那のラブシーンはそれはもう……頗るいい感じに撮れているだろうという確信があった。
何せ実際の恋人同士が演じているわけだから、醸し出す空気というか、雰囲気が既に違う。
俺も悠那も特に意識をして演技をしているつもりはなく、むしろ俺達の日常をここで披露しているだけの感じでもあった。
「ぁっ…んっ……」
いろんな角度から何パターンも撮られるラブシーンでは、悠那と約束したキスマークも数カ所に付けてあげたし、俺の上に跨る悠那を背中から撮影するシーンでは、危うく悠那のお尻がカメラの前に晒されそうになったところを、悠那の腰を自然に抱き寄せる振りをして守ってあげたりもした。
俺とのラブシーンにどんどん気持ちが昂ぶっていく悠那は、必死に抑えようとする声を何度も漏らし――それでも、悠那にしては頑張っている方だ――、撮影現場を欲望渦巻く怪しげな空間へと変えていってしまうわけだけど、純粋にそそられるラブシーンを撮ろうとしている監督の目には、俺と悠那の演技に“大満足”といった感じでもあった。
問題の悠那への挿入のタイミングだけど、そこはあえて考える必要がなく、最初からそれに相応しいシーンがあるから、そこを利用させてもらうことにした。
俺と悠那のラブシーンにはお尻やおへそから下がカメラに映ってはいけないという規制があるため、腰から下は常にベッドの中にある。
だから、俺が悠那の中に実際にナニを挿入したところで、カメラからは死角になってくれるわけだけど、それでも挿入時には細心の注意を払った。
だって、本当に挿れるとなると、動きや表情が絶対に本物になってしまうから、多少は演技っぽく見せる工夫をしなくてはいけなくなる。
悠那への挿入はラブシーン内の挿入シーンを使った。
ここは挿入していることをあからさまにわからせるようなシーンというよりは、悠那の表情のみでそれを表現するように撮られるわけだけど、実際にそこで俺にナニを挿入された悠那は
「ぁんんっ……ぁあっ……んっ……」
とても演技だとは思えない反応と表情を見せ、その時ばかりは俺も内心ちょっとだけ焦った。
まあ……演技じゃないから演技だと思えなくても当然だよね。
この映画を見た人間は、実際に悠那が男に犯される時、どんな顔を見せるのかを知ることになる。それが俺にはやっぱり面白くない。
俺に犯されている悠那が世間に晒されていると思えば、興奮する気持ちも多少はあるけれど。
そして、前貼りを外したタイミングだけど、これは撮影が始まってわりと早い段階で外してしまっていた。
外す、と言うよりは、捲る、って感じかな?
もともと下着に近い形で装着していた前貼りだから、悠那がちょっと工夫をして、お尻側で留まっている粘着テープを剥がすだけで、ぺろんって上に捲れるようにしてくれたのだ。
ラブシーンの撮影が始まった途端、悠那は誰の目にも触れないことをいいことに、俺のナニをベッドの中で撫で回してきたついでに、そのテープもあっという間に剥がしてしまったから、悠那に撫で回されてすっかり勃ち上がってしまった俺のナニは、着けている意味がすっかりなくなってしまった前貼りを押し上げ放題だった。
悠那が俺にそんなことをしてくるものだから、俺も負けじと悠那のお尻の孔に貼っていた粘着テープを剥がしてしまうと、いつでもすぐに挿入できるよう、悠那を愛撫する演技の中で、悠那の中もいっぱい指で掻き回して解してあげた。
ただ、俺と違ってナニを剥き出しにする必要がない悠那の前貼りは俺も少々着け直させてもらった。
最初に悠那が着けていた前貼りだと、悠那のナニが勃ってしまった時、今の俺と同じような状態になってしまう。
いくら人に見られないからといって、二人揃ってナニをぷらぷらさせておく必要はあるのかな? って考えた時、悠那がぷらぷらさせていなくてもいいだろう、という結果に至った。万が一、何かの拍子に悠那のナニが見られてしまったら、そっちの方が大変だし。
なので、悠那の可愛いピンク色とその下の膨らみを一緒に上に持ち上げ、持ち上げた全体をガーゼで覆ってから粘着テープで固定すると、悠那の股間の防御力は格段にアップしたと思う。
最初から上向きで固定しておけば、いざ勃ってしまった時もそこまで目立たないかな? って思うし、少し余裕をもたせた貼り方をしておけば、勃ったからって前貼りが簡単に剥がれることもなさそうだしね。
最初、悠那は俺が貼り直した前貼りを見て
『これじゃ司に直接触ってもらえないっ!』
って拗ねたけど、そこは俺にも“悠那の股間を守る!”という大事な使命があるから
『後でいっぱい触ってあげるから、撮影中は少し我慢して』
と悠那を宥めすかし、どうにか納得してもらうことに成功した。
人前で俺にナニを触られて感じてしまう姿を見られたいだなんて、破廉恥な子である。
そりゃまあ、俺もせっかく人目を盗んで悠那とエッチをするのであればナニだって触りたいとも思うけど、悠那のナニだけは……。あのつるつるとした可愛いピンク色だけは、俺以外の人間の目に触れさせたくはない。
「うーん……いいねぇ。すっごくいいよ。思った以上にいい絵が撮れてるよ。じゃあ、ここで一旦休憩にしようか」
悠那とのラブシーンも半分くらいを撮り終わった時、20分間の休憩を挟むことになった。
(休憩って言われてもなぁ……)
俺と悠那、ベッドの中でずっぷりと繋がったままなんだけど。
休憩になったと同時に、慌てた様子で部屋を出て行く数人のスタッフを横目に、悠那に
『どうする?』
と目で問いかけてみると、悠那は
「あー。なんだかちょっと疲れちゃったから、このままちょっと寝ちゃおっかなぁ? ね? 司」
とまあ、急にわざとらしいことを言い始めた。
どうやら悠那にこの撮影が終わるまでの間、俺と離れる気はないらしい。
「司も一緒にお昼寝しよ。ね?」
「う……うん。いいけど……」
お昼寝しよ、って言われても。悠那と繋がったままで寝られるわけないじゃん。
もっとも、「お昼寝しよ」と言っている悠那自身にも本当に俺と昼寝をするつもりなどなく、ただ休憩中も俺と繋がったままでいたいだけなのだ。
昼寝を口実にベッドの中に留まり、休憩時間を俺とイチャイチャして過ごしたいだけのことである。
「すみません、監督。俺達少し仮眠しててもいいですか?」
思い立ったら即行動の悠那は、他のスタッフと一緒に煙草を吸いに行こうとする監督にそう言って、悠那にそんなことを言われた監督も監督で
「ん? そっかそっか。あの全力の演技じゃ悠那君も疲れたよね。なんなら二人だけにしてあげようか? ちょうどみんな部屋から出るところだし。誰もいない方が二人も仮眠が取りやすいよね?」
なんて言うから、悠那の思う壺って感じである。
案の定、悠那は
「えー? いいんですか? そうしてもらえると助かるかもです~」
お得意の可愛い子ぶりっこで監督をその気にさせてしまい、無事人払いに成功したという……。
ほんと、全世界が悠那に甘過ぎる。別にいいんだけど。
監督の心遣いを利用して、俺と二人っきりになれる時間を手に入れた悠那は
「司っ」
早速俺にぎゅうっと抱き付いてきて、俺の唇にちゅっ、てキスをしてきた。
お昼寝するつもりゼロである。わかりきってはいたけれど。けしからんけど可愛い。
しかし、悠那と繋がった状態でいる俺も、周りに誰もいないのであれば、思う存分悠那とイチャイチャしたい。なので――。
「悠~那。どう? 俺との本番込みのラブシーンは」
俺に抱き付く悠那の身体を抱き返し、お返しのキスもしてから聞いてみた。
「もう最高。司とラブシーンを演じられるだけでも嬉しいのに、そのラブシーンで本当にエッチしてるとかさ。俺としては一生忘れられない最高の思い出だよ」
俺とのラブシーンを撮影する日を心の底から心待ちにしていた悠那は上機嫌だった。
「でも、せっかく司とエッチしてるのに、やっぱりこれ、この前貼りが邪魔」
若干の不満はあるようだけど。
「まあまあ。そんなこと言わずに我慢して。悠那のソコだけは絶対に人に見せたくないから」
「むぅ……」
だけど、その不満も既に納得済みのことではあるから、不満そうに唇を尖らせる悠那の唇に俺が再度キスすることで、悠那もすぐに機嫌を直してくれた。
「ねえねえ。このままずっと司が俺の中にいるままだと、俺、ずっと気持ちいいのが続いたままで、いつイっちゃうかわからないんだけど」
機嫌を直した悠那はそう言って、少しだけ腰を揺らしながら中の俺をきゅうって締め付けてきたから、危うく俺の方がイってしまいそうになった。
こういうエッチな悪戯を普通に仕掛けてくるから悠那は困りものである。
「んっ……ダメだよ? 悠那。今イっちゃうわけにはいかないんだから」
俺はやんわりと悠那を窘めたけど、正直、今誰もいないこの瞬間にイってしまうのが一番いいって気がしなくもない。
でも、今イってしまったら、この後に始まる後半のラブシーンの撮影が惰性的なものになってしまいそうだ。
せっかく悠那が魂と運命を懸けて(?)挑んでいるラブシーンなんだから、「前半の方が良かった」とはなりたくない。シーン的にも当然前半よりも後半が盛り上がる作りになっているし。
「わかってるもん。俺も後半の撮影でもっと司に気持ち良くしてもらいたいもん」
悠那は意地悪く俺を締め付けるのはやめにしてくれたけど、悠那の中は相変わらず俺に甘く絡みついてきて、俺を堪らなく気持ち良くさせてくる。
「後半では俺の中でイっちゃってもいいからね」
「悠那……」
また、とんでもないことを……。俺にカメラの前でイけと言うのか。
確かに、今こうして悠那と繋がっている俺は、イっていいものならイってしまいたいけど。
でもなぁ……。俺達の演じるラブシーンにイくまでの描写は描かれていないんだよね。
前半が濃厚なキスシーン――からの愛撫と挿入までのシーンで、後半が挿入してから二人で一緒に昇り詰めて行くまでのシーン。って感じで、イく手前でフェードアウトしちゃうんだよね。
その中で俺がイってしまって、それを演技で誤魔化しきれなかった場合
『あれ? なんかあいつイってね?』
って思われちゃったら、さすがにちょっと格好悪過ぎるんだけど。
「うーん……俺もイきたいのは山々だけど、さすがにそれはちょっと不味くない?」
そもそも、俺が本番中にイってしまったら、その痕跡が絶対どこかに残ってしまいそうな気がする。
ぶっちゃけ、ここはラブホテルなわけだから、使用後の部屋の中にセックスした痕跡が残っているのは当たり前っちゃ当たり前なんだけどさ。
それ目的でラブホを利用しに来たカップルがセックスの痕跡を残して帰って行くのと、撮影で利用したアイドル――それも男同士が、セックスの痕跡を残して帰って行くのとではわけが違うよね。そうは言っても、既にその痕跡を残しちゃってはいるのだけれど。
悠那の中に挿入して、悠那の中を何度か突いたり、捏ね回した時、中のローションが零れてシーツを汚しちゃってるんだよね。これ、一体どうやって言い訳しよう。
今は撮影中だから、スタッフがベッドの上の布団を捲ってくることもないんだけれど、撮影が終われば布団を捲って中を覗かれちゃう可能性もあるよね。中に何か忘れ物がないかって確認するためとかで。
その時、ベッドの中が精液まみれでドロドロになっているのも気まずいけれど、撮影シーンがシーンなだけに、ローションが零れているよりも精液で汚れている方がまだ理解してもらえそう。ローションなんかが零れていたら、逆に“なんで?”ってなるよね。
しかもこのローション、温まると香りが増すのか、今ベッドの中が物凄くいい匂いで満たされているんだけど。
独特な匂いを放つ精液の匂いが充満するよりは不快な気持ちにならなくて済むのかもしれないけれど、謎の甘くていい香りが充満しているのも、それはそれで不自然な話である。
悠那とそこはかとなくイチャイチャしつつ、そのへんの対応も考えてしまう俺。
一方、悠那はと言うと
「大丈夫だよ。俺、司が挿入ってきた時に中でイっちゃってるもん」
とまあ、なんとも無邪気なものである。
実は知ってたけどね。俺が悠那の中に挿入っていった時、その感覚で悠那がイっていることは。
俺が悠那の中をゆっくり突き進んでいって、悠那の奥を先端でグッと突いた瞬間、悠那の中がビクビクッて痙攣して、俺をきゅうぅ……って締め付けてきたから。
俺とセックスするようになってすぐに中イキを覚えてしまった悠那は――多分、俺の前に朔夜さんに開発されかけたことがあるから、その影響もあると見た――、俺と違って出さなくてもイける身体になっているから、撮影中に悠那がイってしまっても問題がないと言えば問題はない。悠那がイったところで、悠那の精液でベッドが汚れることはないんだから。
ただ、本当にイってしまっているわけだから、悠那の本物のイキ顔は見られちゃうし、イってる時の悠那の声も聞けちゃうしで、そこはちょっと問題であった。
実際、俺達が本当にセックスをしているとは思っていないスタッフ達は、俺に挿れられてイってしまった悠那の反応を見た瞬間に身震いをし、その時にナニが反応してしまったようでもあった。
直接目で見て確認はしていないけれど、あの瞬間に室内の空気が一気にざわついたものになったことは、俺も充分に肌で感じられたから。
「でもさ、司とラブシーンを演じてると、今が撮影中だってことをついつい忘れそうになっちゃうよね。俺、何回も司の名前を呼びそうになっちゃったもん。このシーンにほとんどセリフがなくて良かった。セリフがいっぱいあったらそのぶんNGもいっぱい出しちゃって、今日中に撮影が終わらなかったかもね」
悠那は物凄く感じやすくて、俺に攻められるとすぐに何度でもイってしまう子ではあるけれど、俺とただ繋がっているだけの状態であれば、普通に会話をすることは可能だ。
俺とエッチな感じでイチャイチャしたい悠那も、後半の撮影に向けて体力は温存しておきたいのか、この休憩時間はお喋りをメインにすることにしたようだ。
悠那のその選択には俺も助かる。
「そうだね。俺も何度も悠那の名前を呼びそうになったよ。でも、このシーンってほとんど後から音を入れて編集するみたいだから、一回くらい間違えて本当の名前を呼んでも問題はないかもね」
悠那の振ってきた話題にすぐさまそう返した俺だけど、その場合、最早映画のラブシーン撮影ではなく、ただの俺と悠那の公開セックス映像になってしまうだけだ。
悠那が今言ったみたいに、今日の撮影では俺と悠那にセリフというものはほとんどない。あってもお互いに相手の名前(役名)を呼ぶくらいのもので、それ以外は吐息や息遣い、ちょっとした悠那の喘ぎ声のみを使い、後は全部音楽を被せて使うという話だった。
つまり、撮影中にそれなりに喘ぎっぱなしみたいになりつつある悠那の可愛い声も、そのほとんどが使われなくて済む、ということである。そこはちょっとありがたい。
っていうか、今日の撮影シーンの全音声をそのまま使ってしまったら、恋愛映画ではなくポルノ映画になってしまいかねない。
さすがにそんな映画に俺達が出たとなると、いくら俺と悠那の関係を認めてくれているという悠那のご両親や、もう俺と悠那の関係を認めているも同然の俺の両親も愕然とするだろう。
悠那の家族は
『アイドルなんか辞めて帰って来なさいっ!』
って言い出しそうだよね。俺も絶対家族会議に掛けられるよ。姉ちゃんとか無駄に激怒しそうだし。
でも、このシーンの音声がほとんど使われなかったとしても、俺の家族や悠那の家族は思うところがあるだろう。
今月中に全ての撮影が終わり、そこから半年ほど編集作業をし、映画の公開は年内を予定しているという話だけれど、それぞれの家族の映画を見た時の反応を考えると、映画の公開がちょっと怖くもある。
特に、俺の姉ちゃんと悠那の兄ちゃんの反応。できればあの二人にはこの映画を見て欲しくない気もする。
「だったら一回呼んでみちゃおっかな。そしたら俺、もっと感じてる演技ができちゃいそう」
もっとも、悠那は自分を溺愛している兄の存在など完全に忘れ去っているみたいだけれど。
「それは演技じゃなくて、本当に俺とエッチしてるから感じてるだけでしょ?」
「えへへ。そうとも言う」
ついに本番を迎えた悠那とのラブシーンで思うところは色々とあるにせよ、とりあえず、悠那が本当に嬉しそうにしていることが俺も何より嬉しい。
普段から悠那を抱き慣れている俺の目から見て、悠那が演技をしているとはとても思えないし、悠那本人も自分が演技をしているという感覚はないのだろうけれど、悠那はさっきからあえて“演技”という言葉を遣う。それは何故か。
それは悠那が俺の愛の深さを確かめるための方法の一つだったりするのかもしれない。
多分、悠那は俺に向かって
『司は演技で俺とどこまでシてくれる?』
『司は仕事中でも、俺がお願い事をしたら俺を優先してくれる?』
『司は人前で俺とエッチしてくれるくらい、俺のことを愛してる?』
というようなことを言いたいんだろうな。
悠那は俺のことが大好きなあまりヤキモチをいっぱい焼くし、俺に対する束縛感も強い。その延長みたいな感じで、時々こういう愛情確認みたいなことをしてくることがままにある。
いわゆる
『仕事と私、どっちが大事?』
的なやつだ。
よく、男が彼女から言われたくないセリフとしても挙げられているけれど、俺は悠那のそういうところを嫌だとか、面倒臭いとは思わない。
何故ならば、悠那が俺のことを大好きなことがわかって嬉しくなるからなのと、俺も悠那に負けず劣らず悠那に対してヤキモチを焼くし、束縛感も強いからだ。おそらく、俺もたまに悠那と似たようなことをやっている。
自分も似たようなことをしているから悠那のことをとやかく言われない、ということではなく、意外に俺自身が恋人からヤキモチを焼かれたり、束縛をされるのが好きみたいだ。悠那と付き合う前はそういうことを面倒臭いと思っていたのに。
「ねえ、司」
「うん?」
「後半の撮影に向けて、俺の気持ちをもっともっと昂らせてくれる? それこそ、撮影が始まったと同時に俺が中で何回もイっちゃうくらいに」
「えー?」
今日も今日とて、俺に向かってエッチで可愛い我儘を言ってくる悠那に、俺は顔中の締まりがなくなってしまうくらいにニヤついてしまいそうになるのを堪えながら
「いいけど、休憩中にイったらダメだよ? もし、悠那が休憩中にイったら、本番で二回はイかせるからね」
なんて。どっちもどっちだと思われるような発言をするのであった。
最早完全に仕事を忘れているバカップルのような会話だけど、なんと言ってもここはラブホテル。ラブホテルとは本来恋人同士がこういうことをするために利用するための施設である。俺と悠那は休憩時間を利用して、ラブホ本来の使い方を楽しんでいるだけなのだ。
とか言ったら、俺達の関係を嫌というほど知っている連中――主に陽平――からは
『わけのわからない言い訳をするな』
と怒られてしまいそうだ。
「悠那……」
本当は仮眠を取りやすいようにと、気を遣って二人きりにさせてもらっている部屋のベッドの中で悠那を抱き締めた俺は、悠那の唇に啄むようなキスを何度も落としながら、本当にゆっくりと、物凄く優しい動きで悠那の中を突き上げ始めた。
いつもの悠那なら絶対にもどかしくて我慢ができなくなるようなその動きにも、さっきからずっと俺と繋がったままの悠那は敏感に反応して
「ゃんっ……ぁっ、ぁっ……んん……っ」
俺達以外には誰もいない部屋の中で、本番中と何一つ変わらない可愛い喘ぎ声を上げた。
俺と悠那の初めてのラブシーンは演技をしているとは言えないのかもしれないけれど、本当にセックスをしているぶんリアリティーは充分。
俺は悠那の中を擽るように捏ね突きながら、この仕事がきっかけになって、俺や悠那――特に悠那に、今後この手の仕事が増えないことを切実に願っていた。
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