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Season 2
先輩カップルにご教授を⁈(4)
しおりを挟む今時珍しいくらいのピュア天使だと思っていた律が、オナニーさえも未経験者であったという事実に、僕は戸惑いを隠せなかった。
しかし、そうだと知ると納得できることもいくつかあって、どうして今までそのことに気付かなかったのだろうと、自分を責めたい気分にもなった。
恋愛に対するイメージやら、律なりの恋愛観というものもあるようではあるけれど、いざ、僕と恋人らしい雰囲気になると、どうもぎこちなさが抜けないし、反応もいまいちよくわからないというか、全然雰囲気に流されてくれないな、と思っていた。
それもこれも、律が勃起自体を経験したことがないからだったのだろう。性に対する意識があまりにも低すぎて、性欲を刺激されることがなかったということなんだろう。性欲が刺激されないから、キスより先に進むこともなかったということだ。現に、律は僕とキスをしたところで、目に見えるような身体的変化は全く起こったことがない。今日までは――。
そして今、初めて僕とのキスで明らかな身体的変化を起こしたのは、律の中でも色々な変化があったからなのかもしれない。
まず一つに、律自身がセックスについて考えるようになったこと。そしてもう一つは、身近に性に対して頗る奔放な司さんと悠那君がいること。
律自身が僕とのセックスに関心を抱くことにより、司さんと悠那君――特に、悠那君の態度や反応には、並々ならぬ関心があるだろう。これまでは、二人がそういうことを始めても、なるべく知らない振りを決め込んでいた律も、さすがに目の前で二人のラブシーンを見せられたら、自分のことのように思えたのかもしれない。
もしかしたら、司さんからのキスや愛撫で感じる悠那君に、男として欲情したというのもあるのかもしれない。その感情を引き摺ったまま、僕とキスをして、僕に触れられた律は、初めて自分の中に昂ぶるものを感じたのかもしれない。
律が悠那君に欲情したのだとしたら、それはやや不安を感じる事案でもあるけれど、性に目覚めるきっかけは、やはり何かに欲情することから始まると思う。今まで普通に見えていた女の子が、急にいやらしく見えたとか、雑誌のグラビア写真に興奮したのがきっかけ……という話はよく聞くし。
それはさておき――。
「勃っちゃったなら抜かなきゃだね。やり方は知ってる?」
「一応。でも……」
今は勃ち上がってしまった律をどうにかしてあげないと。やり方は知っていると言っても、律のことだから実際にしてみるとなると戸惑いそうだし。
「ここでスるの? 海がいるのに……」
戸惑う理由に、“僕がいるから”というもの当然入る律だった。
「他にどこでするの?」
逆に聞き返すと、律は黙って俯いた。
僕は律をベッドの上に連れて行ってあげると、律のズボンを下ろそうとした。
「待っ……待ってよっ! え? 海がスるの?」
自分ではなかなか行動に移れない律を手伝ってあげようとしたら、律は慌てて僕の手を掴んできた。
僕がシていいのならシたいけど。
「律が困ってるみたいだから、手伝ってあげるだけだよ。シていいならスるけど?」
「困ってなんか……」
手は掴まれたけど、律のズボンからは手を離さないままでいると、律は一瞬強がろうとした。
でも
「うん……困ってる……」
ここで強がってもしょうがないと思ったらしく、僕からゆっくり手を離してくれた。
これはどう解釈したらいいんだろう。僕は律のズボンを脱がしてもいいということ?
口数が少ない律に戸惑いながら、僕の手が律のズボンを引き下げると、律は僕から顔を背け、恥ずかしそうに唇を噛んだ。
うわ……その表情に物凄くそそられる。
「脱がしちゃうよ?」
最後にもう一度確認すると、律は小さく頷きながら
「ぅん……」
僕に聞こえるか聞こえないかの小さな声で返事をした。
そんな律を見ているだけで、僕のナニも元気になってしまいそうである。
僕は律と違って性欲は普通にあるから。これまでだって、律を思い浮かべて何度も自分を慰めてきたんだ。自分が今から律にエッチなことをしようとしていると思うと、当然ナニも反応するよね。そこはもう逃れられないし、隠す気もないけど。
一瞬、息を呑み、一呼吸してから律のズボンを下着と一緒に引き下ろすと、パンツの下から可愛く勃ち上がった律が現れた。
前に一緒にお風呂に入った時は、そこはなるべく見ないようにしてしまったから、こうして律をまじまじと眺めるのは初めてだった。
色素が薄く、量も少ない毛の下の律は、悠那君に負けず劣らずの綺麗なピンク色で――悠那君のをじっくり見たわけじゃないけれど、高校三年生にもなってまだ生えていない悠那君のナニは、一緒にお風呂に入った時にどうしても目に入ってしまった――、勃ち上がっても被ったままの律は、余計にいやらしく見えた。
精神的にも未熟な律は、身体もまだまだ子供ってことなんだろうか。そんな律にエッチなことをしようとするのは、なんだかとてもいけないことをしている気分になっちゃうな。
「あんまり見るな……」
ついつい勃ち上がった律から視線が離せなくなる僕を、律が横目で睨んでくる。
その顔は真っ赤で、恥ずかしさからか、律はタオルケットをギュッと握り締めていた。
「ごめんごめん。あまりにも可愛くてつい……」
自分のものとは少し違う律を、可愛いと思ってしまったのは事実である。この幼さの残る律を、僕は今から虐めちゃうんだなぁ……。
(でも、これも大人になるための第一歩と言いますか、男なら避けて通れない道なんだよ、律)
なんて。心の中で言い聞かせながら、僕は可愛らしく存在を主張している律の先端を指先でツンッと突いた。
「んっ……!」
僕が与えたほんのわずかな刺激に、律は息を呑み、握っていたタオルケットに顔を埋めたりする。
思わず反応してしまった自分が恥ずかしくて、僕に見られたくないのだろう。恥ずかしがらずに全部見せてくれればいいのに。そもそも、顔より見られたら恥ずかしい場所を、僕に好き放題見られている状況なのに。
「このまま僕がシていいの? それとも、律が自分でシてみる?」
これが初めての自慰行為になる律に、どっちがいいか聞いてみたところ
「自分でスる……」
律はちょっとだけ悩んだあと、のろのろとした動きで、勃ち上がった自分に手を伸ばしてきた。
僕の目の前で、律が自分のを握っている。
(ヤバ……)
自分の手で律を気持ち良くさせてあげたいという願望はもちろんあるけれど、律が自分でシているところを見るというのも、想像以上に興奮するシチュエーションだった。
律の手が恥ずかしそうに自分を握り込むのを見て、僕の下半身に変化が起こるのがわかった。
「そのまま擦ってごらん」
「うん……」
僕に促されて、律はおずおずと自分の手を上下に動かし始めた。
その動きはぎこちなくて、見ている方はもどかしくもなるけれど
「んっ……っ」
律の方は初めての感覚に感じてしまうようだった。
本当にただ擦っているだけって感じだし、力加減も弱いように見える。擦るというよりは、撫でると表現した方がいいくらいだ。
「どう? 気持ちいい?」
相変わらず、僕に顔を見られたくない律は、タオルケットに顔を埋めたままである。タオルケットの下の律が、どんな顔をしているのかが気になる。
「わかんない……背中がゾクゾクするけど……」
「もうちょっと強く擦ってみたら?」
「ぅ、ん……」
勝手がわからず、僕に言われるがままの律は、今までよりも少し強く自分を握り直し、やはりゆるゆるとした動きで自分を扱いてみる。
多少力が強くなったぶん、さっきよりは刺激が強くなったようで
「んんっ……は、ぁっ……」
律の口からは、吐息混じりの声が漏れ始めた。
それでも、なるべく声を出したくないのか、声を上げたと思ったら、すぐに口をキュッと結び、必死になって耐えるのであった。
まあ……普段から遠慮ない悠那君の喘ぎ声を聞かされているからな。律がそうなりたくないと思う気持ちはわからないでもない。やっぱり人に聞かれたら恥ずかしいもんね。自分の喘ぎ声って。男なら、あまり喘ぎ声自体上げないものだし。
でも、悠那君ほどじゃなくてもいいから、少しは声を出して欲しいし、僕に聞かせてくれないかなって思ってしまう。綺麗な歌声を持つ律は、こういう時にどんな声で歌うのかなって気になるし。
「どんな感じ?」
いい加減、苦しいんじゃないかと思い、律の顔の前からタオルケットを取り除きながら聞くと、律は潤んだ瞳で僕を見て
「なんか……身体が熱い……身体が変……」
一体自分の身体はどうなってしまったんだろうと、不安を隠せない様子だった。
あー……なんて初々しいんだろう。僕も初めてオナニーした時は、こんなに気持ち良くなって大丈夫なの? って不安になったものだ。
「変じゃないよ。それ、律が気持ち良くなってる証拠だから」
一生懸命自分を擦ってあげる律の頭を撫でてあげると、律はちょっとだけ安心した顔になった。
「これで合ってるの? 間違ってない?」
自分のやっていることが正しいのかがわからない律が聞いてくるから
「うん。気持ちいいなら間違ってないけど……」
そう返しながら、律の手に自分の手を重ねた僕は
「こうしたらもっと気持ちいいんじゃない?」
と、更に強く自分を強く握らせて、控えめだった手の動きを、大きく大胆にさせてみた。
「ふぁっ……!」
自分の手の上から僕の力が加わった律は、思わず声を上げてしまったが、すぐに空いた方の手で自分の口を押さえ、ギュッと目を閉じて突然の刺激をやり過ごした。身体は小さく震え、耳まで真っ赤になる律は、可愛い以外の何物でもなかった。
反応全てが初々しいのに加え、恥じらいや理性を捨てきれないところがとても律らしい。
僕はそのまま律の手の上から律を扱きながら、僕から顔を背けたままの律の耳朶に、チュッてキスをした。
「律。手が止まっちゃってるよ?」
僕に動かされるままになっている手を、律の耳元で囁くように指摘すると、律は涙目になって僕を見て
「もう……海がシて……」
消え入りそうな声でそう言ってきた。そして、僕の手の下から自分の手を引き抜くと、僕に全てを委ねてきた。
自分でスるより、僕にサれる方がいいと思ったんだろうか。恥ずかしがり屋の律のことだから、自分でシているのを僕に見られるのが恥ずかしくなってしまったのかもしれない。
どちらにしても、僕にシて欲しいというのであれば、僕に断る理由なんてない。
「いいよ」
律にお願いされて、俄然やる気になった僕は、もうすっかり硬くなった律を握り直すと、力加減に気をつけながら、ゆっくりと律を扱き始めた。
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