41 / 286
Season 2
3Days(4)
しおりを挟む「それじゃ、二人は相変わらず進展がないままなの? もったいないね」
「まあ……その気がない相手に無理強いはしたくないですし。律と付き合うってなった時、ある程度の覚悟はしてましたから。律が大人になってくれるのを待ちます」
「そんな風に言われると、僕が完全に子供みたいな感じだ。確かに子供なのかもしれないけど」
「律はほんとに海と何もしたくないの? エッチなこととか」
「そう言われても……。僕は元々恋愛に興味がないし、海と付き合うようになって、そういう欲からは益々遠のいたっていうか、考えなくなってしまったので」
「男同士でも凄く気持ちいいよ? 俺も、最初は絶対痛いとか、無理なんじゃないかと思ったけど」
「怖くなかったんですか? その……初めてスる時」
「朔夜さんの時は怖いと思ったから無理だったけど、司の時は全然。司も凄く優しくしてくれたし。むしろ、好きな人と一つになれるのが嬉しかった」
「そ……そうですか……」
熱めのお風呂を入れ直し、やっぱり三人で湯船に浸かることになった僕達は、何故か恋バナに花を咲かせることになっていた。
僕はここで初めて知ったんだけど、悠那さんと朔夜さんって一体どこまでシたの? セックスする手前までは行ったってこと? 天下のAbyss相手に恐ろしすぎるんだけど。
でもって、朔夜さんもそんな悠那さんをよくドラマの共演者に指名したな。そこの関係どうなってるの? 僕にはちょっと理解できないんだけど。
「俺のイメージでは、海も凄く優しくしてくれそうだよ? 律も安心して身を任せてみればいいのに」
「なんで僕がされる側なんですか? まだそうとは決まってないのに」
「え? だって、どう見たってそうでしょ? ねぇ? 海」
「僕はそのつもりだったんですけど……。律は違うの?」
「~……」
一応男である以上、そこは簡単に譲りたくない。と思いたいところではあるけれど、実際、僕が海にそういうことをする姿は全く想像できなかった。海に初めて男同士でセックスできるって聞いた時も、瞬間的に自分がされる側だと思ってしまったし。
だから、ただ言ってみただけである。最後の悪足掻きみたいなものだ。
「せめて恋人同士のチューくらいはしてみなよ。夏休みの間に」
「夏休みって、そういうためにあるものじゃないですよね?」
「じゃあいつになったらスるの? 俺、二人を見てるとたまに凄く焦れったい」
「悠那さんは展開早過ぎなんです。節操ってものはないんですか?」
「節操くらいあるもん。誰でもいいわけじゃないもん」
確かに、大ファンだと豪語する朔夜さんを拒んだわけだから、最低限の節操は持っているのかもしれない。
でも、あくまでセックスしなかったってだけの話で、それ以外はシたってことなんだよね? それって節操があることになるのかな。司さんと付き合う前の話だから、浮気とかではないけれど。
「悠那君は司さんとスる時、どんな風に感じてるんですか? 精神的な面で」
僕と違って同性間での性交に興味津々な海は、これを機会に色々聞いてみたいらしい。
まあ……僕も参考程度には聞いてみようと思う。
「とにかく、司と一緒ってことが一番嬉しい。気持ち良くなるのも一緒だし、同じ時間を一つになって過ごしてるって思えるのも凄く幸せ。司を自分の中に感じられるのも嬉しいし、司が優しくしてくれる度、胸がキュンキュンしちゃってヤバいくらい」
本当に幸せそうな顔で言う悠那さんに、僕は素直に感心した。
ふーん……そんな風に思うんだ。そう思える悠那さんってちょっと可愛いかも。
だって、本当に司さんが大好きなんだってわかるし、司さんのことが大好きだから、あんな風に司さんにくっ付いたり、甘えたりしてるってことなんだから。
それに比べたら、僕は恋人の海にさえも塩対応な時があって可愛くないよな。
そこは僕自身の性格もあるし、僕と悠那さんは対照的と言っていいほど違うから、仕方ないのかもしれないけど。
「どれくらいの間隔でシたいと思うものですか?」
「付き合い始めたばっかりだからかもしれないけど、今は毎日でもシたい」
「ま……毎日ですか?」
「うん。俺、性欲は結構強いみたい。気持ちいいの大好き。好きな人とイチャイチャするのも大好き」
ここまでハッキリ自分の欲望を口にできるのも凄い。悠那さんって本当に素直だ。
でも、悠那さんは司さんと付き合う前から、司さんとエッチなことをするのが好きだったみたいだから、付き合い始めたら“セックスしたい!”って思うのは、極々自然なことなのかもしれない。
「律と海って仲はいいけど、あんまりイチャイチャしないよね? 律はイチャイチャするのも苦手なの?」
しばらくは聞き手に回っていようと思ったのに。急に悠那さんから話を振られ、ギクッとなってしまった。
「イチャイチャは……苦手だと思います。どうしても恥ずかしくなってしまうので。海にギュってされるのは好きなんだと思いますけど」
「可愛い~っ! 良かったね、海。ギュってされるのは好きだって」
「今度からいっぱいギュってします」
「しなくていいよっ! 恥ずかしいからっ!」
たまにギュってされるのも恥ずかしいのに。これがきっかけで、しょっちゅう抱き締められたりなんかしたら堪らない。たまにしてくれるからいいんだ。
「でも、律もちゃんと海のことは好きなんだね。時々海にも塩対応だから、ちょっと心配になっちゃうよ」
「好きだから付き合ってるんです。塩対応になるのは僕の性格というか……照れ隠しみたいなものです」
「こういう子なんです。そこが僕には可愛くもあるんですけどね」
「ラブラブはラブラブなのにね」
入浴剤を入れたお風呂は気持ち良かった。身体もじんわり温まって、気持ち的にも凄くリラックスしているからか、普段は口にしないようなことも喋ってしまった気がする。
これが、裸の付き合いの魔法なのだろうか。普段はしない会話をして、僕達の関係が少し親密になった気がする。
「ねえ。三人で背中の流しっこしよ。銭湯とかでやるやつ」
「いいですよ」
かれこれ一時間以上、三人一緒にお風呂場で過ごしている僕は
(今更恥ずかしがることなんかないよね)
という気持ちにさえなっていた。
0
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる