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Season 1
ファーストキスの責任 ~後編~
しおりを挟む司にキスされた俺は、最初にされたキスとは全く別物みたいなキスに戸惑った。戸惑ったけど、すぐに脳が気持ちいいって言ってきた。
「んぅ……っ……ぁ、ん……」
優しいキスから段々深いキスへと変わっていくほど、胸の奥がぎゅぅって締め付けられるみたいに苦しくて、切なさみたいなものも込み上げてくる。
(もっとシて……)
そう思ってしまう俺はおかしいのかな。
「ゃっ……舌……気持ちぃ……ん……」
本能的にそう言ってしまった自分が恥ずかしい。しかも、自分の声とは思えないほど、甘ったるくて甘えた声にも戸惑ってしまう。
「キス……好き? 気持ちいい?」
司に聞かれて
「好き……もっとして欲しい……」
と答えたのもほぼ無意識のうちだった。
脳味噌なんて溶けてなくなっちゃいそう。キスってこんなに気持ちいいものなんだ。
身体の熱がどんどん上がっていく感じがして、なんだかちょっともどかしい。
俺、司のこと怒ってるはずだったのに。
「ゃっ……なっ、何?」
キスの感触に満たされていく俺は、いきなりシャツの中に滑り込んできた司の手にびっくりした。
司は俺の脇腹辺りを擽るように撫でながら
「悠那……エッチなこと……シよ?」
熱っぽいけど甘い声で言ってきた。
その声といい、表情が格好良くも可愛くも見えて、俺はどうしていいのかわからなくなってしまう。
ただ、嫌だと思わなかったから
「司がシたいなら……いいよ」
そう答えてしまった。
ほんとにいいんだろうか。俺、早まったりしてない?
自分の選択に不安を抱いていると、司の手が胸の辺りまで這い上がってきて、俺の小さな胸の膨らみをキュッと摘んでくる。
「ぁんんっ……!」
頭のてっぺんからつま先まで電流が走るみたいな刺激がきて、俺は甲高い声を上げた。
「悠那の声可愛いね。声聞いてると興奮しちゃう」
「やだ……変な声出ちゃうの……恥ずかしいよ……」
「なんで? 凄く可愛いのに」
「んっ……ぁ、んんっ……」
最初に意地悪く摘んだことを謝るみたいに、今度は優しく撫でられる乳首に腰がもぞもぞしてくる。
「ゃっ……待って……ちょっと待って……俺……っ」
司の指先に乳首を弄ばれながらキスもいっぱいされてるうちに、俺の下半身に変化が起き始めてしまう。
「ん? どうしたの?」
俺のそんな変化に気付いているのか、いないのか。司は焦る俺にも余裕の笑顔だ。
それが悔しいんだけど、そんな余裕を見せる司にもドキドキしちゃう俺はどうしちゃったんだろう。
「俺……勃っちゃいそう……」
恥ずかしいのは承知だけど、このまましれっと勃たせちゃうのも恥ずかしいから告白すると
「もう……なんでそんなに可愛いの?」
司は困ったような、嬉しそうな顔になって、俺の唇にチュッ、って音を立ててキスしてきた。
これ、可愛いんだ。
キスされたり乳首を弄られて勃たせちゃうなんて恥ずかしい奴だと思われるかと思ったのに。
「悠那って感じやすくてエッチな身体してるんだね。ほんと……堪んない」
そう言って、下半身に伸びてきた司の手が緩く勃ち上がりかけている俺に触れてきた。
「んんっ……! ぁ、ん……ゃあ……っ」
司の手にズボンの上から撫でられて俺の身体はビクビク震えた。
今まで自分でしか触ったことないのに。俺、司に触られちゃってる……。
「ほんとだ……勃っちゃったね。かわい……」
司の手にゆっくり何度か撫でられただけで、緩く勃ち上がりかけていた俺は完全に勃ち上がってしまった。
うぅ……ほんと恥ずかしい。如何にも免疫ゼロって感じで。
「やだぁ……恥ずかしい……泣きたいぃ……」
ほんと泣く寸前だった。
だって、さっきから俺ばっかり恥ずかしいんだもん。司はこんなに余裕があるのに。
俺と司って一つしか違わないのになんでこんなに差があるの? 体格だって全然違うし。不公平じゃない?
「恥ずかしくないよ。俺も勃ってるから」
「え……」
言いながら司は俺の手を掴み、俺に自分のを触らせた。
ほんとだ……司も勃ってる……でも……。
「司の……おっきいんだけど……」
俺と全然サイズが違う。体格差があるからかもしれないし、司はそもそも背が高いから普通の人より大きいのかもしれないけど。
「そりゃ悠那とは体格差があるからね。大きさも違うんじゃない?」
司は俺のズボンを下着ごと引き下ろしながら、俺に何度もキスしてくれる。
「悠那。ちょっと腰上げて?」
「ん……」
言われるままに腰を突き出して浮かせると、司の手は俺のズボンを膝あたりまで引き下ろし、そのまま両足から抜き取ってしまった。
司の前に晒されることになってしまった下半身。
「……マジか……」
何も隠すものがない俺の下半身を見た司は、どう解釈していいのかわからない顔になって顔を押さえたりする。
やっぱり実際に男の証拠を目にすると萎えちゃったのかな。司、男の身体に欲情できるとは思えないって言ってたし。
「悠那っていくつだっけ?」
「え? 18……になったけど?」
「だよね。なのにまだ生えてないの? それとも一生生えてこない身体なの?」
「しっ……知らないっ! そんなの俺にもわかんないよっ!」
そうだった。俺、なんか知らないけどまだ生えてないんだった。この歳になっても生えてないってちょっと異常だよね? 司も驚いちゃうよね。
でも、生えてこないものは生えてこないんだからしょうがないじゃん。それ以外のところは問題なさそうだから、俺もあんまり考えないようにしててすっかり忘れちゃってたよ。
俺は元々体毛が薄いらしく、いわゆるムダ毛と呼ばれるものが全然生えてこなかった。ムダ毛の処理をしなくていいのは羨ましがられたりもするけれど、下の毛が生えてないのはさすがにちょっと恥ずかしいのかも……くらいには思っていたりする。
そんなこと、誰にも相談したことないけど。
「でも納得。生えてないとか益々やらしいけど、悠那にそういうのって想像できなかったし」
「わかんないよ? そのうち生えてくるかもしれないもん」
「そうだね。でも、今は全身つるつるすべすべじゃん。可愛い」
もう……全部可愛いって言う。そんな風に甘やかされたら、俺、司のこと好きになっちゃいそうなんだけど。
「ねえ……俺だけ恥ずかしいから司も脱いでよ」
「いいよ」
ちょっと拗ねたみたいに言うと、司はあっさり承諾してくれて自分のズボンに手を掛けた。
「あ……待って。俺が脱がす」
「え?」
「だって、さっきから俺ばっかりやられっぱなしみたいで悔しいんだもん。俺が司のズボン脱がす」
「……どうぞ」
俺からの申し出に司はちょっとびっくりした顔になったけど、ズボンから手を放すと俺にその後を委ねてきた。
恐る恐る司のズボンに手を伸ばす俺は、ズボンの上からでもハッキリわかる膨らみに息を呑む。
ズボンを脱がす前にその膨らみに手を伸ばして触れると
「っ……! こらっ。ダメでしょ?」
怒られた。
自分は触った癖に。なんで俺はダメなんだよ。俺だって司の触ってみたっていいじゃん。司のケチ。
でも、一瞬息を詰めて歪んだ司の顔は可愛かった。
気を取り直し、改めて司のズボンに指を掛けると、ボタンを外してその下のジッパーを引き下ろした。
この下に俺と同じようになってる司がいると思うと、凄くドキドキしちゃう。
「エッチな眺めだなぁ……」
「え?」
床に膝立ちになって俺を見下ろす司は、司の前で四つん這いになり、司のズボンを下ろそうとしている俺に欲情した目を向けていた。
そんな目で見られると俺も凄くエッチな気分になってくる。
「だって……エッチなことするんでしょ?」
司からの視線が恥ずかしくて、俺はサッと目を逸らせると司のズボンを下着と一緒にゆっくり引き下ろした。
目の前に露になった司にドキドキが止まらない。こんな風になってる人のを見るのは初めてだ。
司の……ほんとに大きくて太い。俺のとはちょっと形も違って見えるし……。
「やらし……そんなに見詰めちゃって。悠那はコレが好きなの?」
「違っ……だって……こんなになってる人の見るの初めてだから……」
「悠那ってほんとエッチなことに興味津々だね」
「そういうわけじゃ……そうだけど……」
「どっちなの?」
司は俺の頭を優しく撫でると、そのまま俺の身体を静かに押し倒して俺の上に覆い被さってくる。
司が俺を凄く丁寧に扱ってくれるのが嬉しかった。
「セックスするの?」
「シたい?」
エッチなことって具体的にどんなことをするのかがわからなかったから聞いてみたら、クスって笑われながら逆に聞き返されちゃった。
さすがにそこまでシたいと思っていなかった俺は、ふるふると首を横に振った。
「大丈夫。そこまではシないよ。俺も勉強不足だし。だから……」
「ふぁっ、んんっ……!」
「今日は一緒に気持ち良くなるだけ」
俺の上に覆い被さった司は、その大きな手で勃ち上がった俺と自分を一緒に包み込んできた。
司の手に触れられるのももちろんだけど、俺にグッと押し付けられてくる司にも感じてしまう。
「ん? もう感じちゃうの? 先っぽからエッチな蜜が溢れてきたんだけど?」
「や……言わないで……」
初めての感覚にエッチな気分は高まる一方で、どうしていいのかわからない。こんな姿を見られたくないと思う反面、もっと気持ち良くして欲しいって思ったり。恥ずかしい気持ちがあるのに、司に甘えたいって気持ちも同じくらい強かったり。
「司ぁ……俺、変になっちゃいそう……」
「うん……一緒に気持ち良くなろうね」
半泣き状態の俺をあやすみたいに優しく言うと、司は俺達を握ったままゆっくり腰を送り始めた。
「ゃあっ、ぁ……んっ、んっ……ダメっ……ゃんっ……」
「気持ちい?」
「んんっ……気持ちいぃ……っ……気持ちいいよぉ……」
司の腰が動くたびに、俺と司が擦れて凄く気持ちいい。
一人でスる時と全然違う。こんなに気持ちいいのなんか知らない。腰が溶けちゃいそうなくらいに気持ち良くてすぐイっちゃいそう。
「ぁんっ……ぁ、ダメっ……イきそ……イっちゃいそう……」
「もう? そんなに気持ちいいの?」
「うんっ……ぃい、っ……凄く気持ちいぃっ……」
「かわい……っ、でも……俺もイきそ……」
息が乱れ、頭もどんどん真っ白になっていく俺は、怖くなって司にぎゅぅっとしがみついた。
司の掠れた声がすぐ耳元でして、その声にさえも感じてしまいそう。
司の腰の動きも速くなって、ぬるぬるになった俺達もいっぱい擦れて……。
「んんっ…司ぁ……ィくっ……イくっ……」
「んっ……いいよっ……一緒にイこっ……」
「ぁ、ん……ぁっ、あっ……あぁぁんんっ!」
「んっ……!」
括りの部分が強く擦れた瞬間、俺は司の手の中で射精してしまった。
司も俺と一緒にイったみたいで、俺と司の出した精液が俺のお腹の上に飛び散った。
「はぁっ……んんっ……」
射精した後も司の手は何度か俺達を扱き、全部を搾り出すとようやく俺達を解放した。
ほんともう……全部が真っ白になっちゃうくらいに気持ち良かった。誰かとエッチなことするのって凄く気持ちいんだ。
「悠那……」
肩で息をしながらぐったりしている俺を抱き締めると、司はとびっきり優しいキスをしてくれた。
もう……そういうところが大好きになっちゃいそうだよ。
俺はゆっくりと身体を起こすと司に甘えるみたいに抱き付いて、今度は自分からキスをした。
ファーストキスを奪った司に腹を立てていた気持ちはもうすっかりどこかへ消えていた。
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