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第1章  山桜が綺麗すぎて

9話 君と僕の秘密

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あなたには掛け替えのない人はいますか?

当たり前の環境が少しでも変化すると、心に余裕がなくなったり、自信を失ったり弱くなりますよね。
あなたがいるからこその環境が大切なんだと思います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


真からの電話で朝向かえた。
起きたときには陽がカーテンから入り込み、寝坊したことはとっさに理解した。
それに、やけに頭痛がうるさく全身が痛む。
どうやら風邪を引いてしまったようだ。
結香もべちゃべちゃに濡れていた事を思い出し心配になる。

「おはよう。佑丞は体調大丈夫か」

「おはよう。あいにく風邪引いたけど何かあった??」

「結香も風邪でダウンしてるらしいぞ
本当にお前らは2人して何してんだよ」

結香にLINEを送ったのだが、昨日の事が頭をよぎり寒緋桜のように顔が赤く咲いてしまう。
でも、実感がないしまさか結香が昔の事を鮮明に覚えていたことが嬉しすぎた。
結香はLINEがきたことに気がついたが、なんて送ったらいいのか分からず送れなかった。
思い出せば思い出すほど熱が上がるように感じるがよく考えれば昨日の出来事は凄く長く感じるのだ。
2日後には風邪も治り教室でとうとう顔を合わせる。
何度も真顔の練習をし記憶をかき消してきた、だから大丈夫だと思う。
だが、いざ顔を合わせると恥ずかしすぎて寒緋桜が赤く咲いたのだ。
話しかけることは出来ず会釈しかしなかった。
それかというもの何度も話しかけようとチャレンジするがまぁ出来るわけもなく、真を通して話していた。
あの時雨と雫に濡れた熱がまだ、残ってているしふと目が合うだけで鮮明によぎる。
キザな昔の言葉すら思い出すだけで穴を探してしまう。
そんな月日がたつほどに付き合っているのだろうか?や寂しさが増していくのだ。

ある日、佑丞は法事で1週間休むことになった。
毎日が当たり前だからそこに、隣に佑丞がいるのに今はいない。
そんな佑丞の場所が空いていることに結香の中で寂しさがよぎる。
つきあうことになってから1度も言葉を交わしていないかった。
元気がない事や心がここにあらずの結香は真には見ていらなかった。
結香の家で真とテレビを見ていた。

「なぁ、結香
あの日さ佑丞と何かあった?」

「えっ!?な、、、、なにもないよ」

「なわけないだろ。もう結構なにも話してないだろ。
それにお前が嘘をつく時はだいたい分かるてーの」

「う、うん。クラスの人には黙っててくれる??」

「別に話すことでもないだろ」

「あ、あの日ね、佑丞と付き合うことになってキ、キ、キ、キスされて佑丞の顔見ると話し方が分からなくて」

「マジで、、、、まぁだいたい予想ついたけど、キ、キ、キスまでしたんだ
スゲーなあいつ、シャイと思ってたけどできるやつなんだな」

真はビックリしていた。
まさかあの2人がそこまでしていたとは思っていなかったが結香を見て別の事で悩んでいると思った。
結香は寒緋桜のように顔を赤く咲いていたが元気がないように見えたからだ。

「このままでいいんか!?
別の事でも悩んでんじゃないの?」

「怖いの。佑丞は私の昔の事を聞いて何も言わずに受け入れてくれたけど、私ってさぁ弱いし佑丞に頼ってしまいそうだし、昔の事忘れていた事に怒って責めたから。」

「別にさぁ昔の事とか気にしすぎなんだよ。
だから結香は回りとうまくやってるけど壁があるんだろ。
それに佑丞は優しいからこそ好きな女には頼ってほしいと思うんじゃないの。
そんなの謝ればすむ話だろう」

結香はそうは思えていなかった。
佑丞が話しかけてくれないのは別の事だと思えていたし、嫌われたとネガティブにしか考えられないからだ。
一週間会えない事や2日しかまだたってないように不安や寂しさが募っていく。
結香はLINEを送るが法事で忙しい佑丞は携帯を見ていなかった。
夜になれば、夜になるほど君の事を思い出し蕾から雫が垂れてしまう。
飛んでいきそうな、離れるのではないかと考えてしまい夢にも出る
君からの電話もLINEもこなかった。
佑丞はあまり生活に携帯を必要としない事から連絡はまめな方ではない。
佑丞も何故かあの時にキスをしてしまった事の後悔や忘れていた過去にショックで悩んでいたんだ。
そんなあまりにも長く穴の空いた1週間がやっと終わろうとしていた。

「結香、明日から佑丞も復帰なんだからちゃんと話しろよ。」

「うん。やっとなんだね」

もういたたまれなかった。
どれだけ長く話してないとか寂しさが夜にやってくる。
携帯を手に結香は電話をかける
佑丞の携帯は震えだし、声が思いが雫が溢れだすのだ。

「結香、どうした。」

「会いたい。お願い寂しいのもうわからない」

「わかった。すぐに行くよ。」

家を飛び出した。
ただ君の声が震えて雫が垂れているように感じたからだ。
そこには会いたいとしかなかった。
君に溶けてしまいそうだと、弱くなっていく自分が君を求める。
結香の家の近くの公園で会う事にして、ただ風をきるかのように走った。
そこには、街灯に照らされ儚くて小さく背中を丸める結香がそこにたっていた。

「結香、どうしたんだよ。
大丈夫か?」

「佑丞、、、、、ひどいこと言ってごめん。
でも、離れたくない。隣にいたいの。
どこにも行かないで」

「ごめんな、全然話せなくて。
俺は結香の側にいるよ。大丈夫、離れないから」

「怖かったの。ずっと話せなくて、1週間会えないだけで、怖い夢ばかり見るし
弱くなっていく私が嫌われそうで」

「俺さぁ、キスしたことを少し後悔してたんだ、許可とってないし、だから声かけずらくて
怖い時はいつでも電話してくれればいいし、弱いからって嫌いになるわけないじゃん、俺が守るから。」

佑丞を見ると安心しかなかった。
腕の中は温かく、熱が伝わってほしいとも思えた。
今まで頼ってくれる人なんていなかったし、頼る人も居なかった。
でもね俺は、守りたい君が側に居て、君が頼ってくれるのが嬉しく、支えにもなった。
強くしてくれるからこそ俺を肯定的になれるんだ。
はじめて、結香の家にその日は泊まる事にしたのだ。
ただ側にいたかった、離れたくはないとその夜だけは、温かく眠りに落ちていった


真に頼み制服を借りることにしたが、呆れていた。
無事に仲直りなのかは分からないができたのだ
それからというもの、クラスの友達には秘密ができた。唯一付き合っていることを知っているのは真だけだ。
真からすれば、すぐばれるだろうと思った。
今まで以上に一緒にいる時間が増えて、よくお互いの家に入り浸るようになっていたからだ。

2度目の秋桜が咲きはじめていた。
学校の秋桜は結構、お寝坊さんでもうすぐクリスマスで、クラスは賑やかにるが佑丞の気持ちはどんどん静かになっていく。
もうすぐ今年も終わろうとしているのだから
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