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番外編
愚か者どもが選んだ結末(大鷹レグルス)
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ギルディア王国と呼ばれてはいるものの、現在は人口が減り国として体をなしていない地域がある。
人々の営みはあるが数年前ほどではなく、人々は噴火と地震、氾濫、旱魃に怯えながら暮らしている。
数百年前と同じ ―― いや、山岳の神マオのみを祀られていた時期よりも暮らしぶりは酷い。
これはある神の愚かな行為と、それにつられた愚かな人間共の選んだ結末に過ぎない。
「オレリア、集中が途切れているぞ。そら、また瘴気が集まり始めている」
「くっ…!眷属様も手を貸してくださいまし!今まで払ってきたものよりも瘴気の量が多すぎます!」
「いいや、お前の加護の使い方の問題だ。もう少し力を出しても問題ないレベルだ。瘴気の量に合わせて加護の力を使え」
「そう簡単に仰っていますけどもっ」
「そら、喋っている間にも制御が揺らいでいる。集中しろ」
オレリア・テーバイ。愚かな行為をした神―― 太陽の神グエルナフが加護を与えた聖女。
本人も生来神聖力を持っており、扱いは長けていたはずだが…まあ、精神面が不安定だから、力が安定しないのも致し方ないだろう。
そうはいっても、以前は出来ていたのだからやれないわけじゃない。
多いときで1日で2ヶ所、大瘴気を払っていたのだから。
瘴気の周りには、モンスターが多い。
オレリアに襲いかかるモンスターたちを護衛騎士と協力して倒す。
だが、長時間瘴気の傍にいるのは並大抵の人物ではできない。神聖力を持つ騎士が必要だ。
そのため、護衛騎士たちは交代でオレリアをモンスターから守っている。
だからこそ、聖者・聖女は早く力に慣れなければならない。
払いに時間がかかればかかるほど、護衛騎士たちに危険が及び、後々自身も危うくなるのだから。
『レグルス』
(なんですか)
『その…少し、力を貸してやってくれないか』
不意に、念話で飛んできた内容に呆れる。
(いいえ。それでは聖女オレリアのためになりません)
『だが』
(いいですか。あなたの力に見合う聖女になってもらわねば困るのは、あなたです。他にも良い条件の者がいたのに、彼女を選んだのはあなたなのですから)
『…レグルス』
(縋るような声を出しても甘やかしたりしませんよ)
私はほんの数年前に太陽の神グエルナフの監視役になった。
私は神名を呼ぶことすら畏れ多い、最高神の眷属だ。
だが、太陽の神グエルナフが引き起こした騒動は人間たちの営みに大きな影響を及ぼし、本来であれば庇護対象であるべき治水の女神の眷属ヴァイスと治水の聖女マキを瀕死の状態に追い込む事件にまで発展してしまった。
すでに、他国の歴史書にはこう記載されている。
山岳の神マオと治水の女神エリスの庇護の放棄騒動。
原因は太陽の神グエルナフによる乱心。
グエルナフによって命じられた太陽の聖女が治水の聖女と、治水の女神の眷属を瀕死にまで追い込み、それを見たマオとエリスがギルディア王国の庇護を放棄した。
事態を重く見た最高神は、グエルナフの眷属を見せしめで処刑。
眷属とは、神のストッパーであるべしという初心を忘れた結果だ。
そうして空いた席に、監視役として私たちが就いたというわけだ。
ちなみに、グエルナフの近くでは私の片割れが監視し、最高神に逐一報告している。
そら。出てきた。
『グエルナフ様。勝手に念話を使ってはいけません』
『し、しかし』
『さぁさぁ、まだまだやることがあります。あなたが庇護すべき国はここだけではないのです。…レグルス、邪魔したね』
(いつものことさ、レグラス)
念話が途切れる。
内心ため息を吐きながら、目の前の苦戦しているオレリアに声をかけた。
「今度は強すぎる。この辺りを焦土化させる気か」
「うぐっ」
この聖女の人生は、グエルナフの加護を得たばかりに転落した。
もともとあまり良い性格ではなかったそうで、かつての治水の女神の眷属ヴァイスに「自分を選ぶべきだ」と厚かましくも進言したらしい。
それだけならまだ、可愛い範疇だ。だが治水の聖女マキを貶したのがよろしくない。
そのせいでヴァイスからは、まああいつ自身が蛇だが、蛇蝎のごとく嫌われている。私だって、何の否もない裁判の聖者・聖女を貶されたら嫌うだろう。
神聖力もない、当時は(魔素に体が馴染んでいなかったがゆえに)魔法すら使えない、パッとしない女が聖女の役目を担うなんてと言ったらしい。
それを本人から聞いたとき、愚かだとレグラスと一緒に笑って激怒されたがだって愚かだろう。
聖者・聖女に求められるのは神との相性と素質。
容姿や神聖力や魔力などは関係ないのだから。
グエルナフは治水の女神エリスの関心を引きたかった。
オレリアはマキよりも自身が聖女に相応しいと強く感じていた。
そしてオレリアは、グエルナフとの相性もよく、聖女の素質を持っていた。
偶然にも、ギルディア王国には聖女の素質を持つオレリアがいて、それが治水の女神エリスの関心を引きたいグエルナフだった。
この奇跡とも最悪とも言える偶然が起こってしまったのが、ヴァイスとマキの災難だっただろう。
オレリアはあっという間に、今では信じられないほどに力を精密に制御して、ギルディア王国にあった10ヶ所の大瘴気のうち7ヶ所を払った。
治水の女神エリスからの加護が得られず、ヴァイスの力を借りて進めていたマキの2倍以上の速さで。
とある貴族の暗躍もあって、世論はオレリアに傾いた。
心理は分かる。誰だって、自分の住んでいる地域を早く払ってくれた方を崇拝する。
だが、マキが加護を得られなかった原因である神が加護を与えた聖女を持ち上げるとは何とも皮肉な光景だ。
しかも、マキが襲われたのは王都。
瘴気払いが遅れた地域じゃない。
自身が任命した聖女と、自身の眷属を殺されかけた治水の女神エリスが怒り狂う…前に、山岳の神マオが封印を力づくで破って、治水の女神エリスを救出した。
グエルナフは手も足も出なかったという。
最も、力づくで封印を破った相応に山岳の神マオも満身創痍になったそうだが。
後日、私たちがグエルナフの監視を命じられたことを聞いた二柱が声をかけてくれた。
そのときに聞いた話だ。
「あの国はそろそろ見放したかったんだよなぁ。エリスはともかく、俺の信仰がほとんどなくなってたから。ああ、今はユーゲンって地方かな。そこだけだよ、まともに祀ってくれてたのは。あとはえーっと、第二王子のリーンハルトだ。あの子と一部の神殿関係者だけかな。最近は王族もほとんどなかったから」
「ギルディアの民は王族含めもう駄目だったな。妾に対してですら形骸的な祈りしか行わん。ああ、ユーゲンの民とリーンハルトの坊主とその周辺、あとはバチスの辺りは問題なかったよ。特にリーンハルトの坊主は王族だったにも関わらず早めに気づいて、熱心に祭祀を執り行ってくれたから」
神は人間の信仰心から力を得ている部分がある。
それが得られないのであれば、庇護をやめるのは当然だ。無駄な力を使うことになるから。
ギルディア王国はもともと、二柱への信仰を失っていた。
グエルナフの件がきっかけになっただけであって、もともと二柱が離れる下地はこの国にはあったのだ。
オレリアや残った神官、神殿騎士たちはボロボロになりながら大瘴気を払う。
大瘴気を全て払い切れば、かつての栄光が戻ると信じて。
だがそれは叶わぬ夢。
オレリアたちは辺境を巡回しているためまだ知らないが、すでに王都は壊滅している。
王城に残っていた王と王妃、王太子は先日の噴火の影響で発生した大地震で瓦礫の下敷きとなり、死んだ。
貴族も少なくない数の人間が死んでいる。オレリアの父や兄もそうだ。
唯一残っているのは、神聖力を持つ第一王女が悔い改めて各地の小規模な瘴気払いをしている第一王女だが、彼女は国を継ぐ器ではないだろう。
グエルナフはギルディアの庇護を辞めることができない。
最高神から「最後まで責任を持つように」と厳命されているから。
ギルディアの民が尽くこの地から消えるまで、グエルナフはここを庇護し続けるしかない。
そして、太陽の神グエルナフが庇護する限り、この地域を山岳の神マオと治水の女神エリスが再び庇護することはない。
「…っ、お、わりましたわ!」
「よくやった」
「はぁ、はぁ…」
なんで自分がこんな目に、と未だ思っているのが丸わかりだ。
そしてそれはオレリアに限らず周囲の神官や護衛騎士も同じ。
もうすぐ、まだ残っている大きな街に入ることになるだろう。
そのときには王都の状況がオレリアたちの耳に入るはずだ。
その後、彼女たちがどう行動するか。
私はグエルナフの庇護がこの国からなくなるまで、オレリアを監視し続けるだけだ。
オレリアがギルディアの民でなくなるか、オレリアの生命が尽きるまで。
それは神々や我々眷属にとっては、僅かな間の出来事でしかない。
人々の営みはあるが数年前ほどではなく、人々は噴火と地震、氾濫、旱魃に怯えながら暮らしている。
数百年前と同じ ―― いや、山岳の神マオのみを祀られていた時期よりも暮らしぶりは酷い。
これはある神の愚かな行為と、それにつられた愚かな人間共の選んだ結末に過ぎない。
「オレリア、集中が途切れているぞ。そら、また瘴気が集まり始めている」
「くっ…!眷属様も手を貸してくださいまし!今まで払ってきたものよりも瘴気の量が多すぎます!」
「いいや、お前の加護の使い方の問題だ。もう少し力を出しても問題ないレベルだ。瘴気の量に合わせて加護の力を使え」
「そう簡単に仰っていますけどもっ」
「そら、喋っている間にも制御が揺らいでいる。集中しろ」
オレリア・テーバイ。愚かな行為をした神―― 太陽の神グエルナフが加護を与えた聖女。
本人も生来神聖力を持っており、扱いは長けていたはずだが…まあ、精神面が不安定だから、力が安定しないのも致し方ないだろう。
そうはいっても、以前は出来ていたのだからやれないわけじゃない。
多いときで1日で2ヶ所、大瘴気を払っていたのだから。
瘴気の周りには、モンスターが多い。
オレリアに襲いかかるモンスターたちを護衛騎士と協力して倒す。
だが、長時間瘴気の傍にいるのは並大抵の人物ではできない。神聖力を持つ騎士が必要だ。
そのため、護衛騎士たちは交代でオレリアをモンスターから守っている。
だからこそ、聖者・聖女は早く力に慣れなければならない。
払いに時間がかかればかかるほど、護衛騎士たちに危険が及び、後々自身も危うくなるのだから。
『レグルス』
(なんですか)
『その…少し、力を貸してやってくれないか』
不意に、念話で飛んできた内容に呆れる。
(いいえ。それでは聖女オレリアのためになりません)
『だが』
(いいですか。あなたの力に見合う聖女になってもらわねば困るのは、あなたです。他にも良い条件の者がいたのに、彼女を選んだのはあなたなのですから)
『…レグルス』
(縋るような声を出しても甘やかしたりしませんよ)
私はほんの数年前に太陽の神グエルナフの監視役になった。
私は神名を呼ぶことすら畏れ多い、最高神の眷属だ。
だが、太陽の神グエルナフが引き起こした騒動は人間たちの営みに大きな影響を及ぼし、本来であれば庇護対象であるべき治水の女神の眷属ヴァイスと治水の聖女マキを瀕死の状態に追い込む事件にまで発展してしまった。
すでに、他国の歴史書にはこう記載されている。
山岳の神マオと治水の女神エリスの庇護の放棄騒動。
原因は太陽の神グエルナフによる乱心。
グエルナフによって命じられた太陽の聖女が治水の聖女と、治水の女神の眷属を瀕死にまで追い込み、それを見たマオとエリスがギルディア王国の庇護を放棄した。
事態を重く見た最高神は、グエルナフの眷属を見せしめで処刑。
眷属とは、神のストッパーであるべしという初心を忘れた結果だ。
そうして空いた席に、監視役として私たちが就いたというわけだ。
ちなみに、グエルナフの近くでは私の片割れが監視し、最高神に逐一報告している。
そら。出てきた。
『グエルナフ様。勝手に念話を使ってはいけません』
『し、しかし』
『さぁさぁ、まだまだやることがあります。あなたが庇護すべき国はここだけではないのです。…レグルス、邪魔したね』
(いつものことさ、レグラス)
念話が途切れる。
内心ため息を吐きながら、目の前の苦戦しているオレリアに声をかけた。
「今度は強すぎる。この辺りを焦土化させる気か」
「うぐっ」
この聖女の人生は、グエルナフの加護を得たばかりに転落した。
もともとあまり良い性格ではなかったそうで、かつての治水の女神の眷属ヴァイスに「自分を選ぶべきだ」と厚かましくも進言したらしい。
それだけならまだ、可愛い範疇だ。だが治水の聖女マキを貶したのがよろしくない。
そのせいでヴァイスからは、まああいつ自身が蛇だが、蛇蝎のごとく嫌われている。私だって、何の否もない裁判の聖者・聖女を貶されたら嫌うだろう。
神聖力もない、当時は(魔素に体が馴染んでいなかったがゆえに)魔法すら使えない、パッとしない女が聖女の役目を担うなんてと言ったらしい。
それを本人から聞いたとき、愚かだとレグラスと一緒に笑って激怒されたがだって愚かだろう。
聖者・聖女に求められるのは神との相性と素質。
容姿や神聖力や魔力などは関係ないのだから。
グエルナフは治水の女神エリスの関心を引きたかった。
オレリアはマキよりも自身が聖女に相応しいと強く感じていた。
そしてオレリアは、グエルナフとの相性もよく、聖女の素質を持っていた。
偶然にも、ギルディア王国には聖女の素質を持つオレリアがいて、それが治水の女神エリスの関心を引きたいグエルナフだった。
この奇跡とも最悪とも言える偶然が起こってしまったのが、ヴァイスとマキの災難だっただろう。
オレリアはあっという間に、今では信じられないほどに力を精密に制御して、ギルディア王国にあった10ヶ所の大瘴気のうち7ヶ所を払った。
治水の女神エリスからの加護が得られず、ヴァイスの力を借りて進めていたマキの2倍以上の速さで。
とある貴族の暗躍もあって、世論はオレリアに傾いた。
心理は分かる。誰だって、自分の住んでいる地域を早く払ってくれた方を崇拝する。
だが、マキが加護を得られなかった原因である神が加護を与えた聖女を持ち上げるとは何とも皮肉な光景だ。
しかも、マキが襲われたのは王都。
瘴気払いが遅れた地域じゃない。
自身が任命した聖女と、自身の眷属を殺されかけた治水の女神エリスが怒り狂う…前に、山岳の神マオが封印を力づくで破って、治水の女神エリスを救出した。
グエルナフは手も足も出なかったという。
最も、力づくで封印を破った相応に山岳の神マオも満身創痍になったそうだが。
後日、私たちがグエルナフの監視を命じられたことを聞いた二柱が声をかけてくれた。
そのときに聞いた話だ。
「あの国はそろそろ見放したかったんだよなぁ。エリスはともかく、俺の信仰がほとんどなくなってたから。ああ、今はユーゲンって地方かな。そこだけだよ、まともに祀ってくれてたのは。あとはえーっと、第二王子のリーンハルトだ。あの子と一部の神殿関係者だけかな。最近は王族もほとんどなかったから」
「ギルディアの民は王族含めもう駄目だったな。妾に対してですら形骸的な祈りしか行わん。ああ、ユーゲンの民とリーンハルトの坊主とその周辺、あとはバチスの辺りは問題なかったよ。特にリーンハルトの坊主は王族だったにも関わらず早めに気づいて、熱心に祭祀を執り行ってくれたから」
神は人間の信仰心から力を得ている部分がある。
それが得られないのであれば、庇護をやめるのは当然だ。無駄な力を使うことになるから。
ギルディア王国はもともと、二柱への信仰を失っていた。
グエルナフの件がきっかけになっただけであって、もともと二柱が離れる下地はこの国にはあったのだ。
オレリアや残った神官、神殿騎士たちはボロボロになりながら大瘴気を払う。
大瘴気を全て払い切れば、かつての栄光が戻ると信じて。
だがそれは叶わぬ夢。
オレリアたちは辺境を巡回しているためまだ知らないが、すでに王都は壊滅している。
王城に残っていた王と王妃、王太子は先日の噴火の影響で発生した大地震で瓦礫の下敷きとなり、死んだ。
貴族も少なくない数の人間が死んでいる。オレリアの父や兄もそうだ。
唯一残っているのは、神聖力を持つ第一王女が悔い改めて各地の小規模な瘴気払いをしている第一王女だが、彼女は国を継ぐ器ではないだろう。
グエルナフはギルディアの庇護を辞めることができない。
最高神から「最後まで責任を持つように」と厳命されているから。
ギルディアの民が尽くこの地から消えるまで、グエルナフはここを庇護し続けるしかない。
そして、太陽の神グエルナフが庇護する限り、この地域を山岳の神マオと治水の女神エリスが再び庇護することはない。
「…っ、お、わりましたわ!」
「よくやった」
「はぁ、はぁ…」
なんで自分がこんな目に、と未だ思っているのが丸わかりだ。
そしてそれはオレリアに限らず周囲の神官や護衛騎士も同じ。
もうすぐ、まだ残っている大きな街に入ることになるだろう。
そのときには王都の状況がオレリアたちの耳に入るはずだ。
その後、彼女たちがどう行動するか。
私はグエルナフの庇護がこの国からなくなるまで、オレリアを監視し続けるだけだ。
オレリアがギルディアの民でなくなるか、オレリアの生命が尽きるまで。
それは神々や我々眷属にとっては、僅かな間の出来事でしかない。
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