【完結】彼女が幸せを掴むまで〜モブ令嬢は悪役令嬢を応援しています〜

かわもり かぐら(旧:かぐら)

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悪役令嬢エリザベス

10. プロポーズと婚約破棄

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 はい、とイェーレが返事をすると「イェソンだ。イェルク殿下をお連れした」とイェソンの声が響く。入室を許可するとドアが開き、ひょっこりと黒髪がドアから覗く。


「エリザベス!」


 突如やってきて驚くエリザベスに対し、花が咲いたようにぱあ、と表情を明るくさせたイェルクは、部屋へ足を踏み入れるとソファに腰掛けていたエリザベスに近づく。隣に座っても?と首を傾げる彼に、断る理由はないとエリザベスは頷いた。

 ふと、イェーレに視線を移すと彼女はあからさまに視線を外した。それと同時に、エリザベスの手が取られてエリザベスの意識はそちらに向けられる。


「エリザベス、エリザベス!やっと会えた・・・…!」
「っ、え、エル?」


 距離が近い。頬を染めながらルビーの瞳を細め、嬉しそうにエリザベスを見つめてくるイェルクの様子に困惑する。あまりの近さに心臓がドキドキと音を立てていて、先ほどのダンスのときのように心臓の音が聞こえてしまうのではないかと心配してしまうほどだ。


「あ、あの、舞踏会は…?」
「ちょっと呼ばれたていで抜け出してきた。またすぐ戻らなきゃいけないんだけど…どうしてもすぐにエリザベスに伝えたくて」


 なにか伝え漏れでもあったのだろうか?それにしたって、この距離感はドキドキするから少し離れてから話してほしい。
 そんなことを考えているエリザベスの耳に、衝撃の言葉が届く。


「エリザベス、僕と結婚してほしい。共にヴェラリオン皇国で生きてほしい。いらない苦労もかけるかもしれないけれど、僕は君にそれを押し付けることなく、共に乗り越えていきたい。好きなんだ、エリザベス。ずっと、ずっと君のことが好きだった」


 きらきらと目を輝かせて、その瞳にエリザベスを映してイェルクは言う。惚れているとは言われたが、こうも直接的に求婚されたのは初めてだった。
 エリザベスの顔へ急速に熱が集まる。言葉にならず、パクパクと何度も口を開閉した。
 イェルクはじっとエリザベスを見つめたまま黙り込んでいる。その瞳には熱が篭もっていて、ああ、この人は本気でそう言っているのだとエリザベスでも理解した。

 どうして、と思うこともある。どうして、そこまで自分に好意を寄せてくれるのか、分からない。


「…わ、わたくし」


 ごくり、と生唾を飲み込んだ。エルは催促せず、口を閉ざしてエリザベスの言葉を待っている。


「わたくし、エルと一緒にいるとドキドキするけど、一緒に過ごすのは嫌じゃないの…あなたが壇上からわたくしのもとに来てくれたときはすごく嬉しかったわ。壇上にいたときのあなたはとても遠く感じられたから。これが…あなたのことを好きという気持ちなのか、よく分からないけれど、わたくしもあなたと一緒にいたい」


 エリザベスがそう告げると、イェルクの目が大きく見開かれた。だが次の瞬間には破顔し、取られていた手がぐいと引っ張られるとそのままイェルクに抱き込まれた。ダンスのときよりも近く、エリザベスはとうとう悲鳴を上げる。


「ありがとう!愛してるエリザベス!!」
「ひぇえ!あの、あのっ」


 ダンスのときも感じていたが、ひょろりと見えたイェルクは意外とがっしりと男らしい。父親のクリストフと兄以外からは抱擁を受けたことがないためエリザベスは耐性がなかった。顔から湯気が出るのではないかと思われるぐらいに顔が真っ赤になったし、イェルクの体からいい匂いがして頭がクラクラする。
 あわわとエリザベスが目を回しかけていると、盛大なため息がどこから聞こえてきた。


「エル。まだ婚約前」
「おっと、嬉しさのあまりつい。エリザベス…大丈夫?ごめんね」


 イェルクの体が離れていく。あ、と思った瞬間にはエリザベスの手がイェルクの服を掴んでいた。目を瞬かせるイェルクに、自身の行動に驚くエリザベス。固まっているふたりの様子を見ていたイェーレがあらまあ、とのんびりとした声色で呟いた。


「そういえば、先日エルが中庭から消えたときも手を伸ばしてましたね」
「エレン!!」


 羞恥のあまり思わず声を荒げるが、イェーレはどこ吹く風といった様子だ。
 恐る恐るイェルクの様子を窺えば、イェルクは両手で顔を覆って天を仰いでいる。


「いますぐにでもつれてかえりたいぃ…!」
「まだ婚約の書類にサインもらってないしそもそも卒業してないから無理ね。あとエル、あんたはこの国に来たばっかりでしょうが。最低限留学期間はいなさいよ」
「留学なんて言わないで普通に外遊として来れば良かった…!」
「あ、あの」


 エリザベスが声をかけると、ふたりの視線がエリザベスに向けられる。頬を赤くしたまま、エリザベスは視線を彷徨わせながらぽつりと呟く。


「さすがに、授業は一緒にできないかもしれないけれど、一緒にご飯とか…食べてみたいわ。いつもエルは見てるだけだったし…」
「ああ…エルはいつも分体でこちらに来てましたからね。そうですか、エリザベス。家族のように同じ物を食べたいと…」
「あああああ、エレンってば!!」


 なぜだろう。イェーレが嬉々としてエリザベスをからかっているような気がしてならない、と思いながらもエリザベスはとうとう両手で顔を覆った。だって、イェーレが言っているとおりなのだ。
 イェーレが精霊エレンとしてその場にいたときは、ひとりで食べていた。イェーレとして一緒にいるようになってからは中庭でランチを共にしていたけれど、そのときイェルクは微笑ましそうにこちらを眺めながら一緒にお喋りしていただけなのだ。
 だから、きっとイェルク本人が来たのなら、あの中庭で、もしくは食堂でみんなでランチをしたい、とずっと思っていた。それでもイェーレが言う家族のようにとは、ちょっと違う気がしないでもないが。


「エリザベス」


 イェルクの優しい声色に、恐る恐るエリザベスは両手を顔から離す。
 目の前にいるイェルクは瞳を細めて照れたように笑っていた。


「ありがとう。僕も、君と一緒に食べたいし、過ごしたいよ。学園へは週明けの明後日から通うことになってるんだ。僕、食堂に行ったことないから案内してほしいな」
「…分かったわ。クラスはどちらなの?」
「エリザベスのひとつ上の学年の、魔術学科Bクラス」
「では、お昼休みに迎えにいくわ。エレンと一緒に」


 楽しみにしてる、とイェルクが笑うと、エリザベスもつられて笑みを浮かべた。

 そのとき、ココン、とドアがノックされる。もう時間か、とエリザベスは少し残念に思うが、イェルクは会場から抜け出してきたと言っていたのだから仕方がない。主賓である彼が長時間離れているのは問題だ。
 見送りを、と立ち上がろうとしたエリザベスの両肩をイェルクは抑えた。そのまま、座らざるを得なかったエリザベスはきょとんとイェルクを見上げる。


「エル?」


 イェルクはドアを  ―― いや、正確には音がする方向をじっと見つめていた。誰かが駆けてくるような足音。お待ちください!と悲鳴にも近い声が廊下から微かに聞こえる。
 エリザベスがイェーレへ視線を向けると、彼女はこくりと頷いてからバルコニーに通じる窓を指差した。


「行って」
「すまん、イェソン!」


 素早く部屋に入ってきたイェソンは、失礼します、とエリザベスに軽く頭を下げるとエリザベスの傍を早足で抜ける。イェソンが窓を開けてバルコニーへと出ると、イェルクは頭だけエリザベスに向けて告げた。


「僕がここにいると厄介なことになりかねない。慌ただしくて悪いけど、また明日ね。エリザベス」
「え、ええ…また明日」


 イェルクが窓からバルコニーへと出る。すぐにイェーレが窓の鍵を閉め、カーテンを引いた。エリザベスの隣に素早く移動して、ゆっくりとソファに腰掛ける。


「…エレン?一体どうしたの?」
「ええ、厄介事がこちらに来ています。エリザベス、あなたは気分を悪くして休んでいて、ここには誰もこなかったエリザベスと私しかいなかった、いいですね?」


 こくりと頷く。それを見たイェーレがパチンと指を弾くと、防音結界が解除された。
 少し遅れて、廊下の足音と喧騒がより近くなり、バンと乱暴にドアが開けられた。


「エリザベス嬢!!」


 マナーの欠片もない開け方をして部屋に踏み込んできたのは、イーリスだった。その様子からして、おそらく婚約破棄の件を伝えられたのだろう。
 足音荒く近づいてくるイーリスに思わず腰が引けそうになるが、エリザベスは耐えた。それにイェーレがエリザベスの前に立ってイーリスを牽制してくれたのもある。そんなイェーレを忌々しげに睨みつけたイーリスは、どけ、と声を荒げた。


「私はエリザベス嬢に用がある。部屋から出ていけ!」
「未婚の女性とおふたりにするとでも?」
「私とエリザベス嬢は婚約者だ!!」

「もうエリザベス嬢は関係ないだろう、イーリス」


 は、とイーリスが振り返る。部屋のドアには、近衛騎士を連れたレオナルドが立っていた。


「エリザベス嬢、今日の夜会での様子からして察していただけたと思うが、イーリスと君の婚約が正式に・・・破棄された。慰謝料に関する事柄は後日改めてフェーマス卿にお伝えする」
「…そうですか」
「エリザベス嬢、君はなぜそんなに冷静なんだ?!君だって知らなかっただろう!」


 エリザベスに詰め寄ろうとするイーリスに、イェーレが盾となる。邪魔なイェーレを睨みつけるイーリスだが、きっとイェーレはどこ吹く風だろう、と逞しく見える彼女の背中を見上げながら、エリザベスは扇を広げて口元を隠した。


「…もう随分前から婚約破棄は事実だと思っておりました」
「なんだと?」
「だって、殿下。半年以上前からわたくしのことを邪険にし始めましたし、何よりダンフォール嬢に真名を呼ぶことを許しましたわよね?」
「は…?なにを言って、」
「わたくし、3ヶ月前のあの空き教室で、見てしまいましたの。あなた方が真名を呼び合って、キスをしているところを」


 淡々とエリザベスがそう告げればイーリスの顔色が青くなった。
 レオナルドが静かに入室し、イェーレと挟み込むような形で立ち止まる。


「そ、んなことは、ない。断じて、そんなことは…見たのは君だけなら、証言に信憑性はないじゃないか」
「そうですか…では半年以上もわたくしを蔑ろにした理由をお聞かせいただいても?」
「忙しかっただけだ…君も、私が兄上のため、国のために外交について学び歩いていることは知っているだろう」


 この人は学園内で流れていた噂を知らないのだろうか?思わず、エリザベスの口元が歪んだ。
 あの空き教室の出来事の翌日には、すでにふたりがキスしていたという噂が出回っていた。つまりは、エリザベス以外の誰かもあの空き教室での出来事を見たか、あの日以前にもキスをしていて誰かが見たということなのだろう。

 外交について学び歩いていたと言うが、それも苦しい言い訳だ。
 だって、ダンフォール伯爵は外交官ではない。国立図書館を管理する館長で、外交に関連することがあるとすればその蔵書を借り受けるときに助言を受けるぐらいだろう。それを「学び歩いている」範囲内とするのは、まあ理解できる。
 だがかと言って日常的にレアーヌと共に行動し、彼女のためにドレスを用意する理由にはならない。これが、寵妃として側妃に迎えるというのであれば、エリザベスにも理解できた。

 だがイーリスは、いまもそんなことは一言も告げていない。


「学び歩いている、なぁ」


 ふ、と嘲笑したレオナルドが腕を組む。兄上…?とイーリスが恐る恐る声をかければ、レオナルドは軽蔑の眼差しをイーリスに向けていた。


「エリザベス嬢、君、イーリスから最後になにか贈られたのはいつだ?」
「前シーズンの夜会が最後ですわ。ドレスと、アクセサリーを…」


 それがなにか、と首を傾げていると、ああ、とイェーレが小さく呟いた。


「そういえばダンフォール嬢、城下町におでかけになる際は毎回新しいドレスにアクセサリーをつけられていましたね」
「王家では婚約者との交際費として予算をつけてあって、目的外の利用は厳しく禁じられている。半年ほど前からそこから支出されるようになってね。私や両陛下は、ああ、イーリスがエリザベス嬢になにか贈っているのか、と思っていたのだが…どうやらそうではなかったようだ」


 イーリスの顔色はもう青を通り越して白くなっていた。
 レオナルドが腕を緩め、右手を振る。上に向けられた手のひらに、近衛騎士から差し出された書類が渡されてレオナルドはそれに目を通しながら告げた。


「予算の不正使用も婚約破棄の理由のひとつだが、不貞がでかいな。このままでは外交官など任せられん。さっきは逃げ出したから言いそびれたがイーリス、お前は当面の間自室にて謹慎処分。追って、細かい処分は連絡する。これは決定事項でここに陛下のご捺印がある」
「わ、私は不貞などしていない!」
「この期に及んで何を言う。エリザベス嬢の前だから明言は避けるが、俺が知らないとでも思ったか」


 イーリスは言葉にならず口を何度か開閉して、それからがくりとその場に膝から崩れ落ちた。
 レオナルドは明言を避ける、と言っていたが、何かエリザベスの知らない不貞が行われたらしい。内容は教えてもらえないだろうな、と思いつつ、エリザベスはそっとため息をつく。

 近衛騎士に立たされて連行されていくイーリスの背に、かつて抱いていた憧れはどこかに消え去っていた。

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