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魔王の未来と街の準備
08話 魔王の休日 〜まおうず ほり でい ○〜(3/4)
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まもなく夕食時。しかし調理兵などいないため、これより魔王城城内の料理食堂にて魔王自らクッキングタイムに勤しむ次第だ。
それと自分の分だけ作るというのも何なので、ついでに暗黒騎士に夕食を振る舞うことにした。昨日は暗黒騎士が作っていたので、そのお返しである。
レインボーバードの卵が倒れぬよう近場に置いて調理開始だ。言うまでもないことだが、もちろんこの卵は食材ではない。
問題の料理であるが、今回は魔王城の資料室になぜか残されていた『魔王でも作れる簡単レシピ』という料理の本を参考に、シャークサーモンのグリルに挑戦する。
「なになに……まずは切り分けた魚に気持ち程度の塩を軽くふりかける、とーー」
はじめに手頃な大きさにカットしたシャークサーモンに商人さんから入手した教会印の塩をふりかけちゃうよ。
それからシャークサーモンをお皿に乗せたら魔法で冷やして、同じ要領で凍結させた宝箱に入れてね。それから宝箱に時間魔法をかけて加工したシャークサーモンの時を二時間ほど進めちゃおー。
次にグリーンベジタブルの葉を敷いて、その上にリトルコーンを乗せるの。
さらにその上に味付けがされたシャークサーモン、バターの順番で乗せてグリーンベジタブルの葉で包めば準備オッケー。
最後に熱魔法で十分ほどの時間をかけて加熱を行えば料理は完成だよっ。
「ふふふ、出来上がり……ん? おかしい。作った記憶がないのに料理が出来上がっているだと?」
気がつけば、なぜかシャークサーモンのグリル完成品が目の前にあった。しかも並行で調理作業が行われたのか、他の料理に関しても完成品が机に並べられている。
「まさかこの本のしわざか? レシピに目を通している一瞬のうちに料理を作り上げるとは……それに俺はレシピ本を手にとって読んでいたはずだが、いつの間に本を手放したのだ?」
本はいつの間にか背表紙が見える形で机の上に置かれている。
加えて今気づいたのだが、裏表紙になにやら記述がある。
「む、本の裏側に文字が書いてあるな……なになに、『この本は料理の精と作り上げた自動発動型の魔道書である。料理の間、体を乗っ取られるが害はない……はず。おそらく多分』って、おい!?」
まさかと思い、出来上がっていた料理に急いで目を通していく。
「卵料理は……ない、って俺は阿呆か。最初に見るべきは料理ではないだろうに」
レインボーバードの卵を先に見れば、それが無事であることなど一目瞭然だったのだが、突然の事態だったので柄にもなく慌ててしまったようだ。
それと自分の分だけ作るというのも何なので、ついでに暗黒騎士に夕食を振る舞うことにした。昨日は暗黒騎士が作っていたので、そのお返しである。
レインボーバードの卵が倒れぬよう近場に置いて調理開始だ。言うまでもないことだが、もちろんこの卵は食材ではない。
問題の料理であるが、今回は魔王城の資料室になぜか残されていた『魔王でも作れる簡単レシピ』という料理の本を参考に、シャークサーモンのグリルに挑戦する。
「なになに……まずは切り分けた魚に気持ち程度の塩を軽くふりかける、とーー」
はじめに手頃な大きさにカットしたシャークサーモンに商人さんから入手した教会印の塩をふりかけちゃうよ。
それからシャークサーモンをお皿に乗せたら魔法で冷やして、同じ要領で凍結させた宝箱に入れてね。それから宝箱に時間魔法をかけて加工したシャークサーモンの時を二時間ほど進めちゃおー。
次にグリーンベジタブルの葉を敷いて、その上にリトルコーンを乗せるの。
さらにその上に味付けがされたシャークサーモン、バターの順番で乗せてグリーンベジタブルの葉で包めば準備オッケー。
最後に熱魔法で十分ほどの時間をかけて加熱を行えば料理は完成だよっ。
「ふふふ、出来上がり……ん? おかしい。作った記憶がないのに料理が出来上がっているだと?」
気がつけば、なぜかシャークサーモンのグリル完成品が目の前にあった。しかも並行で調理作業が行われたのか、他の料理に関しても完成品が机に並べられている。
「まさかこの本のしわざか? レシピに目を通している一瞬のうちに料理を作り上げるとは……それに俺はレシピ本を手にとって読んでいたはずだが、いつの間に本を手放したのだ?」
本はいつの間にか背表紙が見える形で机の上に置かれている。
加えて今気づいたのだが、裏表紙になにやら記述がある。
「む、本の裏側に文字が書いてあるな……なになに、『この本は料理の精と作り上げた自動発動型の魔道書である。料理の間、体を乗っ取られるが害はない……はず。おそらく多分』って、おい!?」
まさかと思い、出来上がっていた料理に急いで目を通していく。
「卵料理は……ない、って俺は阿呆か。最初に見るべきは料理ではないだろうに」
レインボーバードの卵を先に見れば、それが無事であることなど一目瞭然だったのだが、突然の事態だったので柄にもなく慌ててしまったようだ。
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