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MAIN STORY
time09 悪魔の魔法
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高宮はダメ元でアドール社に電話をした。
それもかなり慌てた口調で...。
「もしもし」
「はい、こちらアドール社です。いかがなさいましたか?」
高宮は慌てて腕時計を確認した。
時計の針は朝の7時半を示していた。
「いきなりですけど、今から9時間、飛ばせますか」
そうすると、担当者はこう答えたという。
「大丈夫ですよ、お客様のおっしゃった通りに時を未来へと一瞬にして動かす、それがアドール社ですから」
そして、その瞬間、高宮の意識は遠のき、数秒後、気が付くと家の最寄り駅にいた...。
駅の時計や腕時計を何度も確認する。
どの時計も時間は午後4時半を示していた...。
ずっと今まで、魔法なんて存在しないものなんだと思ってた...。
でも、今となっては、魔法のようなものは、ここにあるんだ...。
そう思って、高宮はホッとした。
もう、あんな、いつもいじめられるような日常を送らなくていいんだ、って。
そう思うと、これからの人生が開けてきた。
でも、勉強はしないとな。
今から塾に行って勉強を教えてもらおう。
そして、それからというもの、高宮は毎日、アドール社の時間を飛ばすサービスを使い、そして勉強は塾に行って何とか追い付かせていた...。
そんな生活を送っていたとある月曜日の話...。
高宮は、いろいろとめんどくさくなり、一気に一週間を飛ばそうと、アドール社に電話をした。
「もしもし。高宮なんですけど、金曜日の午後五時まで飛ばしてもらって構いませんか?」
「大丈夫なんでしたら...分かりました」
いつも一日しか飛ばさなかった人が急に一週間も飛ばそうとする...。
アドール社の方には驚かれたが、そのまま、一週間を飛んだ。
また、最寄り駅に着くか、家にいるかのどちらかかとそのときは思っていた。
しかし、一週間後にたどり着いた時には、僕は、なぜか暗い牢獄の中にいた。
「え、ここどこ!?」
高宮は衝撃とともにとっさに声が出た。
そこには、就寝用のマットレスと、洋式のトイレ、そして水道に小さな机が置かれてあるだけの部屋で、高宮以外他には誰もいない。
それにどうやら少し老朽化が進んでいるようだ。
ここはどこなのか、そしてなぜこんなところにいるのか...。
高宮は真剣に考えるも、何も心当たりがない。
ここは間違いなく家ではない、そして、ここに出口らしきものはない...。
そして、考えていたそのとき。
「時間だ、一旦出てこい」
知らない中年の男にそう言われ、高宮は、暗い牢獄から出て、少しだけ明るい場所へと向かった。
そこには、何人もの“大人”がいたーーー。
そして、その中の一人がそこそこ大きな声でこう言ったんだ...。
「そこに座れ。今日も、取り調べを進めて行こうか」
いったい...
なんで、こうなった!?
to be continued......
それもかなり慌てた口調で...。
「もしもし」
「はい、こちらアドール社です。いかがなさいましたか?」
高宮は慌てて腕時計を確認した。
時計の針は朝の7時半を示していた。
「いきなりですけど、今から9時間、飛ばせますか」
そうすると、担当者はこう答えたという。
「大丈夫ですよ、お客様のおっしゃった通りに時を未来へと一瞬にして動かす、それがアドール社ですから」
そして、その瞬間、高宮の意識は遠のき、数秒後、気が付くと家の最寄り駅にいた...。
駅の時計や腕時計を何度も確認する。
どの時計も時間は午後4時半を示していた...。
ずっと今まで、魔法なんて存在しないものなんだと思ってた...。
でも、今となっては、魔法のようなものは、ここにあるんだ...。
そう思って、高宮はホッとした。
もう、あんな、いつもいじめられるような日常を送らなくていいんだ、って。
そう思うと、これからの人生が開けてきた。
でも、勉強はしないとな。
今から塾に行って勉強を教えてもらおう。
そして、それからというもの、高宮は毎日、アドール社の時間を飛ばすサービスを使い、そして勉強は塾に行って何とか追い付かせていた...。
そんな生活を送っていたとある月曜日の話...。
高宮は、いろいろとめんどくさくなり、一気に一週間を飛ばそうと、アドール社に電話をした。
「もしもし。高宮なんですけど、金曜日の午後五時まで飛ばしてもらって構いませんか?」
「大丈夫なんでしたら...分かりました」
いつも一日しか飛ばさなかった人が急に一週間も飛ばそうとする...。
アドール社の方には驚かれたが、そのまま、一週間を飛んだ。
また、最寄り駅に着くか、家にいるかのどちらかかとそのときは思っていた。
しかし、一週間後にたどり着いた時には、僕は、なぜか暗い牢獄の中にいた。
「え、ここどこ!?」
高宮は衝撃とともにとっさに声が出た。
そこには、就寝用のマットレスと、洋式のトイレ、そして水道に小さな机が置かれてあるだけの部屋で、高宮以外他には誰もいない。
それにどうやら少し老朽化が進んでいるようだ。
ここはどこなのか、そしてなぜこんなところにいるのか...。
高宮は真剣に考えるも、何も心当たりがない。
ここは間違いなく家ではない、そして、ここに出口らしきものはない...。
そして、考えていたそのとき。
「時間だ、一旦出てこい」
知らない中年の男にそう言われ、高宮は、暗い牢獄から出て、少しだけ明るい場所へと向かった。
そこには、何人もの“大人”がいたーーー。
そして、その中の一人がそこそこ大きな声でこう言ったんだ...。
「そこに座れ。今日も、取り調べを進めて行こうか」
いったい...
なんで、こうなった!?
to be continued......
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