勇者とプレイヤー

アゲハ

文字の大きさ
上 下
5 / 9
本編

第5話 二人の行動

しおりを挟む
episode5

三人で逃げたのがまずかったんだ。

......と思い、僕はやり直す。

ハッピーエンドにたどり着くまでもう一秒たりとも目が離せない。

数十分ぶりに魔王の間。

勇者たちは再び、魔王と対峙する......。

もう、決まり文句となった、例の選択肢。

(戦うor勇者だけ逃げる)

僕は戦うを選択した。

もう、やることは決まってるからーーー。

1ターン目、コマンドが姿を表す......。

勇者のコマンドで僕が選択したのは、「逃げる」。

でも、もう逃げたって、同じことにはならない。

どう逃げるかの選択肢があるから。

(姫とだけ逃げるor三人で逃げる)

もちろん僕は、姫とだけ逃げるを選択。

勇者「姫、二人だけで逃げよう!」

姫「はい!勇者と二人なら!」

二人だけで魔王の間からの脱出を試みる。

も、カイが追いかけてくる。

カイ「お前ら、俺を騙す気か!」

勇者には案があった。

魔王の間に続く一本道、裏道もない、たった一つの一本道。

そこに......勇者は柵を打ち付けた!

カイ「最初からそういう手だったのかよ!柵をはずせ!殺してやる!」

そんな願いもむなしく、柵は殴っても押し込んでも、外れることはなかった。

魔王「お前はカイというんだな。お前だけでも殺そうか!」

カイ「ひ、ひぃ~~~~~!」

......そこからカイがどうなったかは知らない。

何一つ知らない。

だってこのゲーム、このまま勇者に視点が行くから。

勇者と姫はやっとの力で外までたどり着いた。

勇者「なんとか......逃げられたね。これから、どうしよっか。」   

姫「まだ、ここじゃ追い付かれるかも......だから、だから、もっと遠くに、遠くに、あなたと逃げたい!」

勇者「分かった。もっと、逃げよう。」

勇者と姫はもっと遠くに逃げることになった。

どこに逃げるか、二人の決意は、速くも、話さずとも、固まっていた。

「あの」場所に向かって......。

新大阪から乗った、東京行き新幹線、やっと岐阜羽島を過ぎた。 

もうすぐ名古屋だ。

ちょっとここで一旦ゲームをやめて大阪で買ったグルメを食べてみよう。

(ハッピーエンドまで一秒も目が離せないって言ったの、誰だっけ?)

続く。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

Gate of World前日譚―これは福音にあらず―

三浦常春
ファンタジー
117番植民地こと「カップランド」。 広大な土地と堅牢な壁に囲まれた国には孤児院ある。 孤児を集め、兵を育てるその院で、優等生の名を欲しいがままにする少年がいた。 その名もイアン。 明るくムードメーカーの彼であるが、彼が選んだのは心優しき「村長」を売る修羅の道。 相棒も恩人も、全てを裏切って国へと尽くしたのだった。 大好評『Gate of World―開拓地物語―』の前日譚。 謎に包まれた少年イアンの胸中が今明かされる!! ――――― ★本編『Gate of World―開拓地物語―』はこちら!! https://www.alphapolis.co.jp/novel/937119347/327568237 ★本作品はカクヨムでも投稿しております。

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~

むらくも航
ファンタジー
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。 ☆10/25からは、毎日18時に更新予定!

物理系魔法少女は今日も魔物をステッキでぶん殴る〜会社をクビになった俺、初配信をうっかりライブにしてしまい、有名になったんだが?〜

ネリムZ
ファンタジー
 この世界にはいくつものダンジョンが存在する。それは国ごとの資源物資でもあり、災害を引き起こすモノでもあった。  魔物が外に出ないように倒し、素材を持ち帰る職業を探索者と呼ぶ。  探索者にはありきたりなスキル、レベルと言った概念が存在する。  神宮寺星夜は月月火水木金金の勤務をしていた。  働けているなら問題ない、そんな思考になっていたのだが、突然のクビを受けてしまう。  貯金はあるがいずれ尽きる、生きる気力も失われていた星夜は探索者で稼ぐ事に決めた。  受付で名前を登録する時、なぜか自分で入力するはずの名前の欄に既に名前が入力されていた?!  実はその受付穣が⋯⋯。  不思議で懐かしな縁に気づかない星夜はダンジョンへと入り、すぐに異変に気づいた。  声が女の子のようになっていて、手足が細く綺麗であった。  ステータスカードを見て、スキルを確認するとなんと──  魔法少女となれる星夜は配信を初め、慣れない手つきで録画を開始した。  魔物を倒す姿が滑稽で、視聴者にウケて初配信なのにバズってしまう!  だが、本人は録画だと思っているため、それに気づくのは少し先の話である。  これは魔法少女の力を中途半端に手に入れたおっさんがゆったりと殴り、恋したり、嘆いたり、やっぱりゆぅたりする話だ。

推しのVTuberに高額スパチャするために世界最強の探索者になった男の話

福寿草真
ファンタジー
とあるVTuberを長年応援している主人公、柊木蓮也。ある日彼はふと思った。 「高額スパチャしてみてぇ」と。 しかし彼はしがないサラリーマンであり、高額スパチャを躊躇する程度の稼ぎしかない。そんな折、蓮也はダンジョン探索者の稼ぎが良いことを思い出し── これは『推しに高額スパチャしたい』という理由で探索者になり、あれよあれよと世界最強になってしまう1人のぶっ飛んだ男の物語。

就職面接の感ドコロ!?

フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。 学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。 その業務ストレスのせいだろうか。 ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。

ねこのせいかつ

はやしかわともえ
ファンタジー
主人公の幸が猫になって、近所に住んでいるお兄さんに飼われるお話。

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

処理中です...