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第14話 旧校舎の静寂
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「彼女と出会ってからモノクロだった僕の世界は色づき始めたんだ。」
というのは小説の一文だった気がする。
読んでいるときは特に気にも留めず、ただの文学的表現だと思っていた。
しかし、それは今の僕にピッタリ当てはまっていた。
彼女と出会ってからは苦痛だった学校生活は楽しいものに変わり、日常の退屈を感じることもなくなった。
それを邪魔する人間もいなかった。
谷さんの思いがけない質問は、はぐらかしてなかったことに出来たのも良かった。
すべては順調にいっている。
それは、時間が経っていくうちにいつしか僕の心に闇を作る。
もういいのではないか?と。
彼女との出会いは楽しく、新しいことの連続だ。今まで感じたことのない高揚感や、幸福感に包まれている。
彼女といろんなところに出かけて、彼女と一緒に体験することはこの上ない喜びなのだ。
なら、もうこのままでいいのはないだろうか。
彼女は一生、旧校舎にいるかもしれない。いや、語弊がある。
彼女の一生はもう終わったものだが、ずっとここにいるかもしれない。
それこそ、僕が死ぬまで。
ならば、一生このままでもいいのではないか?彼女と一緒にいられるなら。
学校が籠だというなら、僕という入れ物がある。
ならば、この時間が続く限り彼女を愛し続けて何が悪い?
それが間違っている事だとしても、だれがそれは悪だと決めたのか。
この旧校舎には僕と彼女しかいないのに。
そんなことを不意に考えてしまう。
そんなことばかりが今日の僕の頭の中を支配していた。
「あら、今日は早いわね。今日もどこかに行く?」
冴子さんは今日も旧校舎にいる。
その影が見えなくても、冴子さんは確かに僕を待っていた。
僕が教室に入った時、冴子さんは窓際の席で外を見ていたのはなぜだろう。
まだ、彼女の孤独は払拭できてはいないのかもしれない。
「冴子さん。今日はどこにも行かないで、ここにいようよ。」
「そうね。最近はいつも出掛けていたからね。たまにはね。」
冴子さんはそう言うと、漫画を読みだす。
「その漫画、面白い?」
「ん?まあまあね。いわゆるバトルモノね。力のインフレを楽しむものだと思ってたけど、最近は主人公の恋愛に話が割かれちゃって、なかなか進まないのよ。イライラするわ。」
冴子さんは口を膨らませると不満そうにつぶやき、また読書に戻る。
僕も自分の持ってきた漫画を読む。
そうすると教室は静寂に包まれる。
今日は吹奏楽部の演奏も、運動部の掛け声のような日常のBGMも聞こえない。
なにもない静寂だけがそこにある。
しかし、気分が落ち着く。
二人一緒にいながら、個人の時間を楽しむ。それを容認し、お互いに話していなくても気まずいという気持ちには一切ならない。
それでも一人ではいたくない。二人でいたい。
それが素直に嬉しくて、心はくすぐられたように恥ずかしくなる。
ふと彼女の顔を見る。
彼女は読書に集中している。
しかし、僕が読書に集中すると、彼女の視線を感じるときがある。
そうして、目があったらお互いに何故か赤くなって目を背ける。
彼女は全然見ていませんでしたよと、またすぐに視線を漫画に戻す。そんなことが続く放課後の旧校舎であった。
夕刻に入る。
真っ赤な太陽が山に落ちていくのが旧校舎からも見える。
僕の影が伸びて、彼女を透かして明日に落ちていく夕日。
それは、今日最後の太陽のきらめき。
平和な今日が明日もやってくるための工程なのだと思っていた。
夕焼けの空は、冬の空を赤く染め上げて、それは雲と混ざって幾何学模様になっていて目を奪われてしまう。
彼女もその空を見ていた。
そうして、二人して綺麗だとか、美しいと言わずに、ただ黙って見て、自然と笑みがこぼれて、また読書に戻っていく。
その漫画を何冊も読み終えた夕方、旧校舎のドアを開く音が聞こえた。
なんだろうと、不思議そうな顔で彼女と二人して見合わせる。
最近は旧校舎を訪れる人間もいなくなった。冴子さんが活動を最低限に抑えて行っているからだろう。
その足はこちらに向かってきていた。
そして、僕らの教室の前で止まると、教室の前方のドアが開かれた。
そこには谷さんがいた。
谷さんは僕を見て一瞬、安心した顔をするが、次にその表情は激変した。
まるで化け物でも見たような、恐怖に染まっていく表情。みるみるうちに白く、また怯えたように唇は紫に染まり震えている。
彼女の狼狽ぶりは見ているこちらが心配になるような様子で、彼女の体が震えて、その視線の先にいる冴子さんでさえ少し心配していた。
そう。谷さんは冴子さんを見て怯えていた。
彼女は何かを言おうとしているが、恐怖のせいか喉も締められ、空気がただ漏れ出ているのみであった。
見かねて僕は彼女に話しかける。
「谷さん。どうしたの?こんなところにきて。」
谷さんはまるで変人でもみるような顔でこちらを見ると、震えた口でようやく言葉を発した。
「え……………………だ、だって!おかしい。橘くん。何してるの?だって。」
「落ち着いて、谷さん。」
「なんで!おかしいよ!なんでそんな。だってあれはただの噂で。おかしい!」
「うん。で?」
僕は訝しげに彼女の顔を見る。
しかし、彼女は未だ狂ったように泣き喚く。
「とにかく、早く逃げないと。早く血みどろの女から逃げないと!早く橘君。早く。うわー!!来るな!!」
その時、冴子さんは僕の方に寄ると、そのまま後ろのドアから出ていった。
「もう遅いからちゃんと送ってあげなさい」と残して。
その阿鼻叫喚といった様子の谷さんの叫び声が落ち着くように、また冴子さんに頼まれたためしょうがなく外に出る。
校門を過ぎたところでようやくひと段落つく。
谷さんは呼吸を荒くして、少し泣いていた。
僕は彼女が落ち着くまで、隣で待つ。
僕は相当、頭にきていた。
彼女が何を見たのかは知らない。多分、彼女の想像する幽霊である冴子さんだろう。それが怖いと思うのは自由だ。
しかし、好きな人を目の前でコケにされ、あまつさえ冴子さんを化け物呼ばわりするとは。いや、彼女に悪気はないのは分かっている。
しかし、腹が立つ。心の底から怒りが湧く。はらわたが煮えくり返るほど。
冴子さんが何をした?
冴子さんと僕はただ平和に学生生活を送っていただけだ。
親族に化け物呼ばわりされる冴子さんの気持ちがお前に分かるか?
なんなんだ。この女は。
なんだ、また僕は他人に日常を壊されるのか?
なんだ、また日常を蹂躙されるのか。
またなにもない生活に戻るのか?
ああ、まだ泣いてやがる。
ああ、まだ苛立ちが消えない。
ああ、ああ。酷く鬱陶しい。
この女の鳴き声も、自分の器の小ささにも。
幸せな時間に羽音を立てて、近づき壊したこの女への苛立ちが消えない。
その時、ふと気づく。
僕はこんな人間だったのか。
僕は自分の認める人間にしか優しくできない狭量な人間だったのか。
ああ、こんな顔は冴子さんには見せられないな。
僕のこんな醜い顔は。
僕は彼女が泣き止むと、いつものように平静を装い彼女を介抱し、家まで送る。
「ねぇ。谷さんはなんで旧校舎に来たの?」
「え?…………橘君が入っていくのが見えて。まだいるなら、旧校舎はもう木も古いし、危ないからって言おうと思って。でも本当に幽霊がいるなんて思わなくて。闇子さんがいるなんて。」
「ううん。彼女は冴子さんだよ。」
「え?本田冴子さん?」
「そう。君の大叔母に当たる人だね。君はそんな人に化け物だなんだと言ったんだ。」
「え?橘君どうしたの?」
「ん?とりあえず今日は帰りな。あと、もう僕に話しかけないでくれるか?」
「え?なんで?」
「ん?言っている意味が分からないか?金輪際、僕に話しかけるな。」
頼むからソッとしておいてほしい。
誰も僕らに関わるな。
僕と彼女はそれで満足なんだ。
僕と彼女は。
彼女を帰すと、急いで旧校舎に戻った。
良かった。まだ校門は開いている。
外は暗い。
夜はすべてを包み込んで、もう月の光が僕を照らしていた。
学校もほとんどの教室が消えており、職員室だけに明かりがついていた。
旧校舎に入ると、冴子さんはいつもの教室に戻ってきていた。
そして、漫画を読んでいた。
月光が彼女を透かして、暗闇にボウっと彼女を映し出した。
「待って。もう読み終わる。……………………ふう。こういう終わり方なのね。良かったわ。」
「え?」
「いえ。もう漫画を読み終わったわ。亮介。谷さんを送ってあげた?」
「うん。大丈夫?」
「何が?あんなの驚かすとき散々言われてきたことよ。…………まさか、貴方、千歳ちゃんに何か言ってないでしょうね?」
「ああ。もう声をかけるなとは言ったけど。なんで?」
「そっか。」
冴子さんは何故か悲しそうに月を見て、僕の顔を一慶すると貸していた漫画を並べる。
「本当は前から言おうと思っていたの。でもあんまりにも楽しくて言いそびれていたの。」
「何が?どうしたの?」
その言葉は静寂なこの世界を二つに別つ言葉だった。
「私たちはもう会わないほうがいい。もうこんな関係はやめましょう。」
というのは小説の一文だった気がする。
読んでいるときは特に気にも留めず、ただの文学的表現だと思っていた。
しかし、それは今の僕にピッタリ当てはまっていた。
彼女と出会ってからは苦痛だった学校生活は楽しいものに変わり、日常の退屈を感じることもなくなった。
それを邪魔する人間もいなかった。
谷さんの思いがけない質問は、はぐらかしてなかったことに出来たのも良かった。
すべては順調にいっている。
それは、時間が経っていくうちにいつしか僕の心に闇を作る。
もういいのではないか?と。
彼女との出会いは楽しく、新しいことの連続だ。今まで感じたことのない高揚感や、幸福感に包まれている。
彼女といろんなところに出かけて、彼女と一緒に体験することはこの上ない喜びなのだ。
なら、もうこのままでいいのはないだろうか。
彼女は一生、旧校舎にいるかもしれない。いや、語弊がある。
彼女の一生はもう終わったものだが、ずっとここにいるかもしれない。
それこそ、僕が死ぬまで。
ならば、一生このままでもいいのではないか?彼女と一緒にいられるなら。
学校が籠だというなら、僕という入れ物がある。
ならば、この時間が続く限り彼女を愛し続けて何が悪い?
それが間違っている事だとしても、だれがそれは悪だと決めたのか。
この旧校舎には僕と彼女しかいないのに。
そんなことを不意に考えてしまう。
そんなことばかりが今日の僕の頭の中を支配していた。
「あら、今日は早いわね。今日もどこかに行く?」
冴子さんは今日も旧校舎にいる。
その影が見えなくても、冴子さんは確かに僕を待っていた。
僕が教室に入った時、冴子さんは窓際の席で外を見ていたのはなぜだろう。
まだ、彼女の孤独は払拭できてはいないのかもしれない。
「冴子さん。今日はどこにも行かないで、ここにいようよ。」
「そうね。最近はいつも出掛けていたからね。たまにはね。」
冴子さんはそう言うと、漫画を読みだす。
「その漫画、面白い?」
「ん?まあまあね。いわゆるバトルモノね。力のインフレを楽しむものだと思ってたけど、最近は主人公の恋愛に話が割かれちゃって、なかなか進まないのよ。イライラするわ。」
冴子さんは口を膨らませると不満そうにつぶやき、また読書に戻る。
僕も自分の持ってきた漫画を読む。
そうすると教室は静寂に包まれる。
今日は吹奏楽部の演奏も、運動部の掛け声のような日常のBGMも聞こえない。
なにもない静寂だけがそこにある。
しかし、気分が落ち着く。
二人一緒にいながら、個人の時間を楽しむ。それを容認し、お互いに話していなくても気まずいという気持ちには一切ならない。
それでも一人ではいたくない。二人でいたい。
それが素直に嬉しくて、心はくすぐられたように恥ずかしくなる。
ふと彼女の顔を見る。
彼女は読書に集中している。
しかし、僕が読書に集中すると、彼女の視線を感じるときがある。
そうして、目があったらお互いに何故か赤くなって目を背ける。
彼女は全然見ていませんでしたよと、またすぐに視線を漫画に戻す。そんなことが続く放課後の旧校舎であった。
夕刻に入る。
真っ赤な太陽が山に落ちていくのが旧校舎からも見える。
僕の影が伸びて、彼女を透かして明日に落ちていく夕日。
それは、今日最後の太陽のきらめき。
平和な今日が明日もやってくるための工程なのだと思っていた。
夕焼けの空は、冬の空を赤く染め上げて、それは雲と混ざって幾何学模様になっていて目を奪われてしまう。
彼女もその空を見ていた。
そうして、二人して綺麗だとか、美しいと言わずに、ただ黙って見て、自然と笑みがこぼれて、また読書に戻っていく。
その漫画を何冊も読み終えた夕方、旧校舎のドアを開く音が聞こえた。
なんだろうと、不思議そうな顔で彼女と二人して見合わせる。
最近は旧校舎を訪れる人間もいなくなった。冴子さんが活動を最低限に抑えて行っているからだろう。
その足はこちらに向かってきていた。
そして、僕らの教室の前で止まると、教室の前方のドアが開かれた。
そこには谷さんがいた。
谷さんは僕を見て一瞬、安心した顔をするが、次にその表情は激変した。
まるで化け物でも見たような、恐怖に染まっていく表情。みるみるうちに白く、また怯えたように唇は紫に染まり震えている。
彼女の狼狽ぶりは見ているこちらが心配になるような様子で、彼女の体が震えて、その視線の先にいる冴子さんでさえ少し心配していた。
そう。谷さんは冴子さんを見て怯えていた。
彼女は何かを言おうとしているが、恐怖のせいか喉も締められ、空気がただ漏れ出ているのみであった。
見かねて僕は彼女に話しかける。
「谷さん。どうしたの?こんなところにきて。」
谷さんはまるで変人でもみるような顔でこちらを見ると、震えた口でようやく言葉を発した。
「え……………………だ、だって!おかしい。橘くん。何してるの?だって。」
「落ち着いて、谷さん。」
「なんで!おかしいよ!なんでそんな。だってあれはただの噂で。おかしい!」
「うん。で?」
僕は訝しげに彼女の顔を見る。
しかし、彼女は未だ狂ったように泣き喚く。
「とにかく、早く逃げないと。早く血みどろの女から逃げないと!早く橘君。早く。うわー!!来るな!!」
その時、冴子さんは僕の方に寄ると、そのまま後ろのドアから出ていった。
「もう遅いからちゃんと送ってあげなさい」と残して。
その阿鼻叫喚といった様子の谷さんの叫び声が落ち着くように、また冴子さんに頼まれたためしょうがなく外に出る。
校門を過ぎたところでようやくひと段落つく。
谷さんは呼吸を荒くして、少し泣いていた。
僕は彼女が落ち着くまで、隣で待つ。
僕は相当、頭にきていた。
彼女が何を見たのかは知らない。多分、彼女の想像する幽霊である冴子さんだろう。それが怖いと思うのは自由だ。
しかし、好きな人を目の前でコケにされ、あまつさえ冴子さんを化け物呼ばわりするとは。いや、彼女に悪気はないのは分かっている。
しかし、腹が立つ。心の底から怒りが湧く。はらわたが煮えくり返るほど。
冴子さんが何をした?
冴子さんと僕はただ平和に学生生活を送っていただけだ。
親族に化け物呼ばわりされる冴子さんの気持ちがお前に分かるか?
なんなんだ。この女は。
なんだ、また僕は他人に日常を壊されるのか?
なんだ、また日常を蹂躙されるのか。
またなにもない生活に戻るのか?
ああ、まだ泣いてやがる。
ああ、まだ苛立ちが消えない。
ああ、ああ。酷く鬱陶しい。
この女の鳴き声も、自分の器の小ささにも。
幸せな時間に羽音を立てて、近づき壊したこの女への苛立ちが消えない。
その時、ふと気づく。
僕はこんな人間だったのか。
僕は自分の認める人間にしか優しくできない狭量な人間だったのか。
ああ、こんな顔は冴子さんには見せられないな。
僕のこんな醜い顔は。
僕は彼女が泣き止むと、いつものように平静を装い彼女を介抱し、家まで送る。
「ねぇ。谷さんはなんで旧校舎に来たの?」
「え?…………橘君が入っていくのが見えて。まだいるなら、旧校舎はもう木も古いし、危ないからって言おうと思って。でも本当に幽霊がいるなんて思わなくて。闇子さんがいるなんて。」
「ううん。彼女は冴子さんだよ。」
「え?本田冴子さん?」
「そう。君の大叔母に当たる人だね。君はそんな人に化け物だなんだと言ったんだ。」
「え?橘君どうしたの?」
「ん?とりあえず今日は帰りな。あと、もう僕に話しかけないでくれるか?」
「え?なんで?」
「ん?言っている意味が分からないか?金輪際、僕に話しかけるな。」
頼むからソッとしておいてほしい。
誰も僕らに関わるな。
僕と彼女はそれで満足なんだ。
僕と彼女は。
彼女を帰すと、急いで旧校舎に戻った。
良かった。まだ校門は開いている。
外は暗い。
夜はすべてを包み込んで、もう月の光が僕を照らしていた。
学校もほとんどの教室が消えており、職員室だけに明かりがついていた。
旧校舎に入ると、冴子さんはいつもの教室に戻ってきていた。
そして、漫画を読んでいた。
月光が彼女を透かして、暗闇にボウっと彼女を映し出した。
「待って。もう読み終わる。……………………ふう。こういう終わり方なのね。良かったわ。」
「え?」
「いえ。もう漫画を読み終わったわ。亮介。谷さんを送ってあげた?」
「うん。大丈夫?」
「何が?あんなの驚かすとき散々言われてきたことよ。…………まさか、貴方、千歳ちゃんに何か言ってないでしょうね?」
「ああ。もう声をかけるなとは言ったけど。なんで?」
「そっか。」
冴子さんは何故か悲しそうに月を見て、僕の顔を一慶すると貸していた漫画を並べる。
「本当は前から言おうと思っていたの。でもあんまりにも楽しくて言いそびれていたの。」
「何が?どうしたの?」
その言葉は静寂なこの世界を二つに別つ言葉だった。
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