14 / 16
第十章
ジス VS ヴァンパイア
しおりを挟む雨が降り始めている。
ジスは、朤独谷の入口付近まで歩いた。
ふと、空を見上げる。
一正との楽しい思い出と、ヴァンパイアたちに蔑まれるシーンが、頭の中で交互に入り乱れている。
ジス「今日は疲れたな…」
強い疲労を感じながら歩き続け、
気がつけば、一正がよくお参りに行く神社の前に立っていた。
お参りを済ませ、振り返り、
じっと目の前を見つめると、8歳の一正と純が走り回りながら、楽しそうに遊んでいる。
ジスは口を開き、
「楽しかっ…」
と呟いた瞬間、
一正「…あれ?ジスどうしたの?」
神社の入口から、一正が現れ、声をかけてきた。
一正の方へ駆け寄ろうとしたとき、
目の前に、ヴァオパルトが現れる。
一正は驚き、立ち尽くす。
ヴァオパルト「お前とは、大して話もしてこなかったが、なんとなく気に食わんかった」
「だが、最近になってもっと気に食わん」
ヴァオパルトは、長い爪を伸ばし、ジスの首を狙い向かってきた。
間一髪で避けたが、ジスの首には傷がつき、ポタポタと血液が垂れる。
ほぼ互角と見える戦いをしたが、
ヴァオパルドの渾身の一撃が、一正に向かう。
それを、ジスが庇い、強く投げ飛ばされる
「ジス-----!!!!!」
一正の大声が響く。
一正は直ぐにジスに駆け寄り、ゆっくりと上半身を起こす。
ジスは、口を少し開けながら、
「俺の役目は、お前を守ることだ。その使命が、こうやって、目に見えて果たせた。本望だ」
ジスは八重歯を思いきり見せながら笑った。
…その後は、一正が声をいくらかけても、ジスが動くことはなかった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる