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二
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地下牢につながれた従者は、数日経っても、何も話そうとはしなかった。医師によれば、兄君も目を覚ます気配がないらしい。
官憲に届け出るべきことかどうかを、執事や侍女頭はひたすらに討議していたようだが、結論は出ない。ご隠居様に判断を仰ぐべきではないかという意見もあったが、それではことが大きくなりすぎて、官憲どころの騒ぎではなくなりそうだった。
そうこうしているうちにどういうわけか、私に白羽の矢が立った。私と従者とが親しくことばをかわす仲であったことをだれかが吹聴したらしい。地下牢へ行って、従者から何か聞きだしてこいと言うのだ。
要らぬことを。私は片時もお嬢様から目を離したくないというのに!
断れるものでもなかった。私はしぶしぶながら承知して、執事の先導のもと、食事の盆を持って地下への階段を下りていった。
地下の壁は石造りで、雨水が漏れ出ているらしく、絶えず滴の垂れる音がした。冷たく湿った空気には、かび臭さが混じる。ここに数日いるだけで、未知の病を得そうである。
息を浅くして、執事のかざす手燭を頼りに足下を確かめ、私は廊下を奥へ進んだ。予想とは異なり、向こうに見えたのは鉄格子ではなかった。
鉄扉だ。ちょうど目元が覗く高さに四角いのぞき穴があり、格子が入っている。足下のほうには、食事の盆を差し入れるためか、切り込みが薄く入っている。ごく浅めのスープ皿しか通りそうにない。せっかくふんわりと焼いたパンは、押し込めとでも言うのか。
考えていると、牢の中から声がかかった。
「食事なら、無用です。お気遣いなく」
「それでは、いずれ倒れてしまいますよ」
つい返答した私の声を聞きとがめたのだろう。中で身じろぎする音がある。ややあって、従者は鉄扉ののぞき穴へと顔を見せた。
「なぜ、あなたが」
「お食事を召し上がっていただくためです」
私は懐から手巾を取り出し、パンにかぶせ、鉄扉の切り込みから盆を差し入れた。すると、前の食事の盆が戻ってきた。表面が黒ずんでぼろぼろになったパンと、冷えて脂の浮いたスープ。いずれもまるまる残っている。
苦笑して、執事に視線を投げる。執事は嘆息し、手燭を床へ置き、かわりに不要の食事の盆をとると、来た道を戻っていった。見届けて、口を開く。
「あなたではないのでしょう?」
「……。」
だんまりに、私は微笑む。
「あなたの腕前ならば、未遂ではなく、きっとやりおおせたはずです。わざわざひとを呼んだのは、他に理由があるのではありませんか」
従者は、のぞき穴から姿を消した。座り込む気配がある。そして、パンをちぎる音。
「あなたはここに──地下牢に入れられたかった。クロッコ家の地下牢から、当主の赦しなしに生きて出た者はおりません。当主が目覚めなければ、あなたはここで死を待つだけです。あなたの家には、消えない汚点がつく。一方で、ひとたび地下牢に入れば、たとえ冤罪であり、当主の赦しがあろうとも、人の口に戸は立てられない。あなたは職を免ぜられるでしょう。妹御もろとも、ね」
スープは皿から直接すすったようだ。さじがないから、行儀も何もあったものではない。
「あなたの考えには、大きな抜けがありますよ。クロッコ家はヴェローナの名家。妹御が側仕えにあがらなくなったからといって、愛妾候補がいなくなったわけではないのですから」
「では、どうすればよかったと」
ようやく返った問いに私は、微笑した口の端をさらに引き上げた。
「私に、任せてくださればよかったのです」
従者との面会後、執事に何と報告したか。私はカラの食器を掲げて、こう言っただけだ。
「食事には、手をつけました。気を許せば、自分から話しだすかもしれません」
執事は首肯し、侍女頭と目配せしあった。そうして、次回以降の食事も配膳するようにと命じた。これに対して、私は断固として首を横に振った。
「毎度毎度は、承伏できかねます。私のつとめは、お嬢様のお身のまわりのお世話です」
「では、侍女の配置を調整して、一日か二日に一度、うまく空き時間を作りましょう」
侍女頭が引き取って、有無を言わせぬ口調で押し切った。さすがに、ここまで譲歩されては、私もうなずかざるを得なかった。
ただでさえ少なかった空き時間を従者との面会にとられた今、よほど上手に立ちまわらなければ、事態の解決策は見いだせそうにない。私は、実際、少し焦っていた。
お嬢様を学習室にお連れして、家庭教師に引き継ぐや、足早に図書室へとむかった。
南向きの暖かい部屋にある学習室等とは違い、図書室は屋敷の北、めったに日の差さない一角にある。クロッコ家はかつて、大学に在籍する学者もあったほどの一族だ。哲学書と医術書を中心に充実した蔵書量は、おそらくヴェローナ随一だろう。
本来であれば、使用人の入るべき部屋ではない。鍵を管理する執事には、嘘をついた。「お嬢様がご所望の本をお探ししたい」と。借り受けた鍵を使い、図書室の扉を開ける。ほこりっぽさのなか、奥へ進めば、古びた紙とインクの甘いにおいがたちこめる。
私は目当ての棚を端から眺めていった。過去に図書室に入ったのは、お嬢様とご一緒した一度きりだ。だが、この医術の棚に紛れていた書名のことは、よく覚えていた。
やがて手に取ったのは、一冊の図鑑だった。表紙には美しい二枚貝が描かれている。海洋生物図鑑だ。私はあるページを探しだし、懐からとりだした端布へと手早く端書きをした。これが役に立つかどうか。
図鑑を元通りにし、足跡に気をつけながら戯曲の棚へ向かい、お嬢様の好みそうなシェイクスピアあたりを二、三、適当に見繕う。『夏の夜の夢』、『テンペスト』。『ハムレット』は……、今日はよしたほうがよいか。お嬢様はともかく、勘のいい誰かに気づかれては困るのだ。手に取りかけたが、棚へと戻す。
靴のかかとを鳴らす。身を翻して、図書室を出ようとした私の視界に、あるべきはずのない影が映った。
「探しものは済んだか?」
顔をむけた私を壮年の男性がひとり、まなざしていた。立派なひげをたくわえた口元を引き結び、椅子に腰かけている。机に両肘をつき、手指を組んで、値踏みするような視線だけをこちらへ投げる。
ご隠居様だった。よもや、こんなところにいらっしゃるとは。私はとっさに頭を垂れた。
「ええ、済みましてございます。こちらはすぐに閉めてしまいますが、よろしいですか」
鍵をちらつかせると、男性は薄く笑った。
「構わん」
短く言い、立ちあがった。
「あれが倒れたと聞いて飛んできたが、大事無いようだな。最初に話を耳にしたときは、てっきり其方が手にかけたのかと思った」
「──滅相もないことでございます」
「安心した」
ご隠居様は胸の隠しから取りだした小瓶を、ことりと机の端に据えた。
「地下牢の囚人に食事を届けているのだろう。これも渡しておけ」
目で訊ねる私を残し、ご隠居様は行こうとしていた。戸に手をかけ、肩越しに流し目をよこす。
「最期の酒にふさわしい美酒だ」
去り際、かすかに目尻が笑った。戸のむこうに消えたはずの背にいま一度頭を下げながら、私は彼のことばの意味をはかりかねていた。
毒酒、ということだろうか?
青みを帯びた細身の瓶は、私のてのひらに収まるくらいの大きさだ。ほんのひとくちだろう。日に透かしても、水と区別がつかない。とろみも、色もない液体だ。この場でコルク栓を抜くべきか迷い、よした。
小瓶を懐に忍ばせ、図書室をあとにする。鍵を戻し、シェイクスピアを借りたことを執事にことさら印象づけ、学習室の前へ戻る。その道すがら、お嬢様が勉学を終えられたときのためにと、茶や菓子を厨房で手配した。お嬢様のお着替えも手伝い、お好みに応じた晩餐を用意させもした。
つとめは問題なく果たしていたつもりだ。
うわのそらだった。幾度か、衣服のうえから胸元を押さえた。抑えきれない鼓動が、激しくてのひらを打つ。
私は、試されていた。
図書室で思いがけず出会ったのは、私のほんとうの雇い主だ。私は表向き、クロッコ家の当主たる兄君に雇われて、お嬢様にお仕えしている。否、いまではこころからお仕えしている。私のこころの主はお嬢様おひとりだ。だが、遠方の名家のつてを使って私をお嬢様のお側に送りこんだのは、他ならぬご隠居様なのである。
ご隠居様の意に添わない動きをすれば、私はたちまち、お嬢様のお側から引きはなされてしまう。それだけではない。ある朝、私はアディジェ川に浮かぶのだ、身元もわからぬ浮浪者として。
まぶたを伏せ、額に手をあてる。
これが毒酒ならば、従者は死ぬ。毒を盛った私は地下牢の新たな囚人となるか、殺される。お嬢様には他の側付きが雇われ、快復した兄君は恋人の外にだれか愛妾を置く。
そして、──これが毒酒でないならば、私がこれから行おうとしていることは、ご隠居様の意に反してしまう。なにしろ、クロッコ家の地下牢から出られるのは、ただ死人だけなのだから。
ご隠居様は、兄君を嫌っていただろうか。彼の不運を喜ぶだろうか。
布越しに小瓶を握りしめ、深く息を吐く。
胸がからっぽになるころには、こころは決まっていた。
官憲に届け出るべきことかどうかを、執事や侍女頭はひたすらに討議していたようだが、結論は出ない。ご隠居様に判断を仰ぐべきではないかという意見もあったが、それではことが大きくなりすぎて、官憲どころの騒ぎではなくなりそうだった。
そうこうしているうちにどういうわけか、私に白羽の矢が立った。私と従者とが親しくことばをかわす仲であったことをだれかが吹聴したらしい。地下牢へ行って、従者から何か聞きだしてこいと言うのだ。
要らぬことを。私は片時もお嬢様から目を離したくないというのに!
断れるものでもなかった。私はしぶしぶながら承知して、執事の先導のもと、食事の盆を持って地下への階段を下りていった。
地下の壁は石造りで、雨水が漏れ出ているらしく、絶えず滴の垂れる音がした。冷たく湿った空気には、かび臭さが混じる。ここに数日いるだけで、未知の病を得そうである。
息を浅くして、執事のかざす手燭を頼りに足下を確かめ、私は廊下を奥へ進んだ。予想とは異なり、向こうに見えたのは鉄格子ではなかった。
鉄扉だ。ちょうど目元が覗く高さに四角いのぞき穴があり、格子が入っている。足下のほうには、食事の盆を差し入れるためか、切り込みが薄く入っている。ごく浅めのスープ皿しか通りそうにない。せっかくふんわりと焼いたパンは、押し込めとでも言うのか。
考えていると、牢の中から声がかかった。
「食事なら、無用です。お気遣いなく」
「それでは、いずれ倒れてしまいますよ」
つい返答した私の声を聞きとがめたのだろう。中で身じろぎする音がある。ややあって、従者は鉄扉ののぞき穴へと顔を見せた。
「なぜ、あなたが」
「お食事を召し上がっていただくためです」
私は懐から手巾を取り出し、パンにかぶせ、鉄扉の切り込みから盆を差し入れた。すると、前の食事の盆が戻ってきた。表面が黒ずんでぼろぼろになったパンと、冷えて脂の浮いたスープ。いずれもまるまる残っている。
苦笑して、執事に視線を投げる。執事は嘆息し、手燭を床へ置き、かわりに不要の食事の盆をとると、来た道を戻っていった。見届けて、口を開く。
「あなたではないのでしょう?」
「……。」
だんまりに、私は微笑む。
「あなたの腕前ならば、未遂ではなく、きっとやりおおせたはずです。わざわざひとを呼んだのは、他に理由があるのではありませんか」
従者は、のぞき穴から姿を消した。座り込む気配がある。そして、パンをちぎる音。
「あなたはここに──地下牢に入れられたかった。クロッコ家の地下牢から、当主の赦しなしに生きて出た者はおりません。当主が目覚めなければ、あなたはここで死を待つだけです。あなたの家には、消えない汚点がつく。一方で、ひとたび地下牢に入れば、たとえ冤罪であり、当主の赦しがあろうとも、人の口に戸は立てられない。あなたは職を免ぜられるでしょう。妹御もろとも、ね」
スープは皿から直接すすったようだ。さじがないから、行儀も何もあったものではない。
「あなたの考えには、大きな抜けがありますよ。クロッコ家はヴェローナの名家。妹御が側仕えにあがらなくなったからといって、愛妾候補がいなくなったわけではないのですから」
「では、どうすればよかったと」
ようやく返った問いに私は、微笑した口の端をさらに引き上げた。
「私に、任せてくださればよかったのです」
従者との面会後、執事に何と報告したか。私はカラの食器を掲げて、こう言っただけだ。
「食事には、手をつけました。気を許せば、自分から話しだすかもしれません」
執事は首肯し、侍女頭と目配せしあった。そうして、次回以降の食事も配膳するようにと命じた。これに対して、私は断固として首を横に振った。
「毎度毎度は、承伏できかねます。私のつとめは、お嬢様のお身のまわりのお世話です」
「では、侍女の配置を調整して、一日か二日に一度、うまく空き時間を作りましょう」
侍女頭が引き取って、有無を言わせぬ口調で押し切った。さすがに、ここまで譲歩されては、私もうなずかざるを得なかった。
ただでさえ少なかった空き時間を従者との面会にとられた今、よほど上手に立ちまわらなければ、事態の解決策は見いだせそうにない。私は、実際、少し焦っていた。
お嬢様を学習室にお連れして、家庭教師に引き継ぐや、足早に図書室へとむかった。
南向きの暖かい部屋にある学習室等とは違い、図書室は屋敷の北、めったに日の差さない一角にある。クロッコ家はかつて、大学に在籍する学者もあったほどの一族だ。哲学書と医術書を中心に充実した蔵書量は、おそらくヴェローナ随一だろう。
本来であれば、使用人の入るべき部屋ではない。鍵を管理する執事には、嘘をついた。「お嬢様がご所望の本をお探ししたい」と。借り受けた鍵を使い、図書室の扉を開ける。ほこりっぽさのなか、奥へ進めば、古びた紙とインクの甘いにおいがたちこめる。
私は目当ての棚を端から眺めていった。過去に図書室に入ったのは、お嬢様とご一緒した一度きりだ。だが、この医術の棚に紛れていた書名のことは、よく覚えていた。
やがて手に取ったのは、一冊の図鑑だった。表紙には美しい二枚貝が描かれている。海洋生物図鑑だ。私はあるページを探しだし、懐からとりだした端布へと手早く端書きをした。これが役に立つかどうか。
図鑑を元通りにし、足跡に気をつけながら戯曲の棚へ向かい、お嬢様の好みそうなシェイクスピアあたりを二、三、適当に見繕う。『夏の夜の夢』、『テンペスト』。『ハムレット』は……、今日はよしたほうがよいか。お嬢様はともかく、勘のいい誰かに気づかれては困るのだ。手に取りかけたが、棚へと戻す。
靴のかかとを鳴らす。身を翻して、図書室を出ようとした私の視界に、あるべきはずのない影が映った。
「探しものは済んだか?」
顔をむけた私を壮年の男性がひとり、まなざしていた。立派なひげをたくわえた口元を引き結び、椅子に腰かけている。机に両肘をつき、手指を組んで、値踏みするような視線だけをこちらへ投げる。
ご隠居様だった。よもや、こんなところにいらっしゃるとは。私はとっさに頭を垂れた。
「ええ、済みましてございます。こちらはすぐに閉めてしまいますが、よろしいですか」
鍵をちらつかせると、男性は薄く笑った。
「構わん」
短く言い、立ちあがった。
「あれが倒れたと聞いて飛んできたが、大事無いようだな。最初に話を耳にしたときは、てっきり其方が手にかけたのかと思った」
「──滅相もないことでございます」
「安心した」
ご隠居様は胸の隠しから取りだした小瓶を、ことりと机の端に据えた。
「地下牢の囚人に食事を届けているのだろう。これも渡しておけ」
目で訊ねる私を残し、ご隠居様は行こうとしていた。戸に手をかけ、肩越しに流し目をよこす。
「最期の酒にふさわしい美酒だ」
去り際、かすかに目尻が笑った。戸のむこうに消えたはずの背にいま一度頭を下げながら、私は彼のことばの意味をはかりかねていた。
毒酒、ということだろうか?
青みを帯びた細身の瓶は、私のてのひらに収まるくらいの大きさだ。ほんのひとくちだろう。日に透かしても、水と区別がつかない。とろみも、色もない液体だ。この場でコルク栓を抜くべきか迷い、よした。
小瓶を懐に忍ばせ、図書室をあとにする。鍵を戻し、シェイクスピアを借りたことを執事にことさら印象づけ、学習室の前へ戻る。その道すがら、お嬢様が勉学を終えられたときのためにと、茶や菓子を厨房で手配した。お嬢様のお着替えも手伝い、お好みに応じた晩餐を用意させもした。
つとめは問題なく果たしていたつもりだ。
うわのそらだった。幾度か、衣服のうえから胸元を押さえた。抑えきれない鼓動が、激しくてのひらを打つ。
私は、試されていた。
図書室で思いがけず出会ったのは、私のほんとうの雇い主だ。私は表向き、クロッコ家の当主たる兄君に雇われて、お嬢様にお仕えしている。否、いまではこころからお仕えしている。私のこころの主はお嬢様おひとりだ。だが、遠方の名家のつてを使って私をお嬢様のお側に送りこんだのは、他ならぬご隠居様なのである。
ご隠居様の意に添わない動きをすれば、私はたちまち、お嬢様のお側から引きはなされてしまう。それだけではない。ある朝、私はアディジェ川に浮かぶのだ、身元もわからぬ浮浪者として。
まぶたを伏せ、額に手をあてる。
これが毒酒ならば、従者は死ぬ。毒を盛った私は地下牢の新たな囚人となるか、殺される。お嬢様には他の側付きが雇われ、快復した兄君は恋人の外にだれか愛妾を置く。
そして、──これが毒酒でないならば、私がこれから行おうとしていることは、ご隠居様の意に反してしまう。なにしろ、クロッコ家の地下牢から出られるのは、ただ死人だけなのだから。
ご隠居様は、兄君を嫌っていただろうか。彼の不運を喜ぶだろうか。
布越しに小瓶を握りしめ、深く息を吐く。
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