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3章22話
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ルル姉の膝枕の事を聞いた神々達は急激にテンションが下がったが…邪神達は一気に士気が上がった。
「ウウォ…ルナサマノ…ヒザマクラ…」
「ウウォォ…イチニチチュウ…フカフカ」
「ウウォォォ…アノフトモモニ…カオヲスリツケタイ」
既に倒れていた邪神もゾンビのように起き上がって神々に襲いかかった。
「うわぁ!なんだ?こいつら…気色悪い!」
「く、来るな!」
「は、離せ!きゃー!」
「痛い痛い!ケツを噛むな!だ、誰か!助けて!」
邪神達の狂気に満ちた攻撃に神々は押され始めて戦局の風向きが変わった。
しかし、カオスの唯一の誤算があった。
「アダダダダダダ!アチョーウ!お前はもう…メタファールの膝枕の上で横になっている」
主神が猛烈な闘志で邪神達を次々邪神達を倒していた。
その姿を見てカオスがキョトンとした顔で見ていた。
「あ、あれぇ?ディンのやつ…なんであんなに張り切ってるの?意味わかんない…」
「ひょっとして…私の膝枕狙い?うへぇ…あいつキモい…」
カオスは主神が重度のシスコンの事は知らないようで、ルル姉もドン引きした。
もし、僕が実の妹にキモいと言われたら…ショックで死んだかも知れない。
可愛そうと思って僕は主神をさらっとフォローする事にした。
「きっとアレですよ…兄として妹の膝を守る為に奮闘している…そう!兄妹愛…」
「アレがそんなやつか?ハルト君も見ただろ?私が2000年ぶりに帰って来たのに無限光をぶっ放した奴だそ?」
「まじか?あいつエゲツないな!それでも兄か?信じられないね…」
「あの張り切っているのはきっと悪企みがあるに決まってる…クソ鬼め…」
「………うん、そうだね」
これ以上下手なフォローをしたらもっと拗らせる気がして黙って戦いを観戦した。
邪神達はルル姉の膝枕への執念は凄まじくて倒れても倒れても…また起き上がって天界の神々と主神を襲い続けた。
血塗れで目玉がはみ出して、足が折れて立てなくでも地に這い蹲っても神々に向かった。
戦いはホラ映画のワンシーンに変わってしまった。
その激戦も両陣営が全滅して終わった。
最後に残って戦場に立っているのは主神と邪神君主のみとなった。
「へぇ…いよいよ両代表のラストバトルか!面白くなってきたね」
「両方…かなりボロボロだけど…」
僕も天界と邪神界の頂点同士の対戦に興奮してしまった。
「はぁ…二人共…死んでくれないかな」
「あ、あの…ルル姉?」
「ハルト君は他の男が私の膝を枕にしてもいいの?」
「そ、それはいやだ…」
「だろー!」
ルル姉は憂鬱そうな顔で二人の共倒れを願っていた。
そして…二人は身構えながら互いの隙を探っていた。
「天界の主よ…随分ボロボロではないか…クク」
「こんか掠り傷などどうて事ない…貴殿こそ大丈夫か?あとちょっとで死にそうに見えるが…」
「ふふふ…お前はまだ若いな…見ろ!」
「なにっ!」
邪神君主は幻術を使って瀕死状態に見せかけて、実際には完全完全無傷だった。
「おのれ…小癪な」
「これは知能プレイだ…クク!」
「お主のような卑怯者にルナの膝は渡さん!」
「ふふふ…ルナ様の膝枕!頂きますぞ…お兄様」
「だ、誰が貴様の兄だ!」
「隙あり!行くぞー!邪王の覇撃!」
主神は挑発に隙を見せて…その機を逃さず邪神君主は猛烈な邪気を纏った拳で素早く突いた。
「あははは!どうした?天界の頂点の力はその程度か?」
「くっ!甘く見たが…中々やるな」
邪神君主は最初から全力で主神に攻撃を仕掛けて…かなり消耗している主神はその攻撃を防ぐだけで精一杯の様子だった。
「ボディが甘いぜ…うりゃ!」
「くはっ!」
消耗が激しい主神は攻撃を防げず横腹に強力な一撃がまともに食らった。
「おっ!これは…邪神君主の勝利か?」
「だな…あんな状態でまともに食らったには耐えられないだろ」
「使えねぇ…!もうちょっと踏ん張ってよ!道連れに自爆してよ!」
「ル、ルル姉…お、落ち着いて…」
その時!…主神の胸元から何かパラパラと落ちたものが邪神君主の目に留まった。
「こ、これは!」
「い、いかん!余の宝が!」
「ル、ルナ様の……し、し、下着姿!」
邪神君主は噴水のような鼻血を吹き出してふらついた。
「今だ!天の権威!アマダダダダダッ!アチョウーッ!」
隙を見せた邪神君主に主神は残り全ての力を絞って猛烈な連撃を打ち込んだ。
「くはっ!ま、まだ…そのような力が…残っていたとは…かはっ……無念なり!」
「はぁはぁ…余の勝ち…くっ!」
邪神君主を倒したが…主神も立っていられないようで同時に倒れた。
「くっ!そ、それを放せ…こ、こいつ!指の力に強っ!」
主神はその写真を必死に取り返したあと完全に力尽きて気絶した。
「ルル姉!主神様がやったよ!」
「あの鬼め…少しは役に立ったじゃない…ちょっとは褒めてやるか…」
「あははは…お厳しいですな」
「しかし…最後のあの紙切れはなんだ?二人共もそれを見て凄く動揺してたように見えたけど…」
「ん?な、何かの極秘書類じゃないかな?」
僕の記憶を複写した写真と知ったら主神はルル姉に殺され兼ねないので適当に誤魔化した。
今度何枚か複写して貰おう…。
「ウウォ…ルナサマノ…ヒザマクラ…」
「ウウォォ…イチニチチュウ…フカフカ」
「ウウォォォ…アノフトモモニ…カオヲスリツケタイ」
既に倒れていた邪神もゾンビのように起き上がって神々に襲いかかった。
「うわぁ!なんだ?こいつら…気色悪い!」
「く、来るな!」
「は、離せ!きゃー!」
「痛い痛い!ケツを噛むな!だ、誰か!助けて!」
邪神達の狂気に満ちた攻撃に神々は押され始めて戦局の風向きが変わった。
しかし、カオスの唯一の誤算があった。
「アダダダダダダ!アチョーウ!お前はもう…メタファールの膝枕の上で横になっている」
主神が猛烈な闘志で邪神達を次々邪神達を倒していた。
その姿を見てカオスがキョトンとした顔で見ていた。
「あ、あれぇ?ディンのやつ…なんであんなに張り切ってるの?意味わかんない…」
「ひょっとして…私の膝枕狙い?うへぇ…あいつキモい…」
カオスは主神が重度のシスコンの事は知らないようで、ルル姉もドン引きした。
もし、僕が実の妹にキモいと言われたら…ショックで死んだかも知れない。
可愛そうと思って僕は主神をさらっとフォローする事にした。
「きっとアレですよ…兄として妹の膝を守る為に奮闘している…そう!兄妹愛…」
「アレがそんなやつか?ハルト君も見ただろ?私が2000年ぶりに帰って来たのに無限光をぶっ放した奴だそ?」
「まじか?あいつエゲツないな!それでも兄か?信じられないね…」
「あの張り切っているのはきっと悪企みがあるに決まってる…クソ鬼め…」
「………うん、そうだね」
これ以上下手なフォローをしたらもっと拗らせる気がして黙って戦いを観戦した。
邪神達はルル姉の膝枕への執念は凄まじくて倒れても倒れても…また起き上がって天界の神々と主神を襲い続けた。
血塗れで目玉がはみ出して、足が折れて立てなくでも地に這い蹲っても神々に向かった。
戦いはホラ映画のワンシーンに変わってしまった。
その激戦も両陣営が全滅して終わった。
最後に残って戦場に立っているのは主神と邪神君主のみとなった。
「へぇ…いよいよ両代表のラストバトルか!面白くなってきたね」
「両方…かなりボロボロだけど…」
僕も天界と邪神界の頂点同士の対戦に興奮してしまった。
「はぁ…二人共…死んでくれないかな」
「あ、あの…ルル姉?」
「ハルト君は他の男が私の膝を枕にしてもいいの?」
「そ、それはいやだ…」
「だろー!」
ルル姉は憂鬱そうな顔で二人の共倒れを願っていた。
そして…二人は身構えながら互いの隙を探っていた。
「天界の主よ…随分ボロボロではないか…クク」
「こんか掠り傷などどうて事ない…貴殿こそ大丈夫か?あとちょっとで死にそうに見えるが…」
「ふふふ…お前はまだ若いな…見ろ!」
「なにっ!」
邪神君主は幻術を使って瀕死状態に見せかけて、実際には完全完全無傷だった。
「おのれ…小癪な」
「これは知能プレイだ…クク!」
「お主のような卑怯者にルナの膝は渡さん!」
「ふふふ…ルナ様の膝枕!頂きますぞ…お兄様」
「だ、誰が貴様の兄だ!」
「隙あり!行くぞー!邪王の覇撃!」
主神は挑発に隙を見せて…その機を逃さず邪神君主は猛烈な邪気を纏った拳で素早く突いた。
「あははは!どうした?天界の頂点の力はその程度か?」
「くっ!甘く見たが…中々やるな」
邪神君主は最初から全力で主神に攻撃を仕掛けて…かなり消耗している主神はその攻撃を防ぐだけで精一杯の様子だった。
「ボディが甘いぜ…うりゃ!」
「くはっ!」
消耗が激しい主神は攻撃を防げず横腹に強力な一撃がまともに食らった。
「おっ!これは…邪神君主の勝利か?」
「だな…あんな状態でまともに食らったには耐えられないだろ」
「使えねぇ…!もうちょっと踏ん張ってよ!道連れに自爆してよ!」
「ル、ルル姉…お、落ち着いて…」
その時!…主神の胸元から何かパラパラと落ちたものが邪神君主の目に留まった。
「こ、これは!」
「い、いかん!余の宝が!」
「ル、ルナ様の……し、し、下着姿!」
邪神君主は噴水のような鼻血を吹き出してふらついた。
「今だ!天の権威!アマダダダダダッ!アチョウーッ!」
隙を見せた邪神君主に主神は残り全ての力を絞って猛烈な連撃を打ち込んだ。
「くはっ!ま、まだ…そのような力が…残っていたとは…かはっ……無念なり!」
「はぁはぁ…余の勝ち…くっ!」
邪神君主を倒したが…主神も立っていられないようで同時に倒れた。
「くっ!そ、それを放せ…こ、こいつ!指の力に強っ!」
主神はその写真を必死に取り返したあと完全に力尽きて気絶した。
「ルル姉!主神様がやったよ!」
「あの鬼め…少しは役に立ったじゃない…ちょっとは褒めてやるか…」
「あははは…お厳しいですな」
「しかし…最後のあの紙切れはなんだ?二人共もそれを見て凄く動揺してたように見えたけど…」
「ん?な、何かの極秘書類じゃないかな?」
僕の記憶を複写した写真と知ったら主神はルル姉に殺され兼ねないので適当に誤魔化した。
今度何枚か複写して貰おう…。
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