異世界で僕…。

ゆうやま

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3章17話

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ヤマタノオロチに召喚されたカンナカムイは素早さでバムの隙をつき僕に突進して来た。

初対戦が雷神カンナカムイになったのは想定外だが…僕も一応上級冒険者だ。

しかし…よく考えたら今はルル姉の加護もない…カンナカムイが相手では勝ち目はない。

あ…やばい!

このままずっと逃げ回るのは無理と判断して覚悟を決めて有りだっけの強化魔法をかけた。

カンナカムイの猛攻をギリギリ避けながらカウンター攻撃を首辺りに切り刻んだ。

カーーン!

重い衝撃音がしてカンナカムイは飛ばされたが…身軽く着地して僕を睨んでいた。

それに再生能力もあって首に出来た傷も治り始めた。

やはり、再生能力がある敵と戦うのはやはり面倒で辛い。

「だ、旦那…嘘つき!めっちゃつえーじゃねえかよ」

「アニキ…本当に人間は信用できないね」

「はあ?嘘つきって?あのね!あちらさんの戦いをご覧になってください」

「はい?」

「あ……」

二羽の鳥は怪獣達の破壊の限りを尽くすダイナミックな大激戦を見たあと…素直に謝った。

「す、すみません、嘘つきと言って…」

「そうですね…あれに比べれば旦那なんかアリみたいなもんです…ごめんなさい」

こいつら…謝ってるのか?貶してるのか?

でも…僕も前のルル姉の加護によって、今までの戦いの中の経験ですごく成長したようだ。

そのおかげで雷神カンナカムイの攻撃をなんとか耐える事ができた。









イビルゲートの外てハルト達の戦いを見ていた神達はバム達とヤマタノオロチの激突に興奮している。

「やれ!バハムート!アルケーミュスの天界のプライドは君が守るんだ!」

「レヴィヤタン!オノゴロの者に負けるなよ!」

「ジズよ空帝の名は伊達じゃないとやつらに思い知らせろ!」

オノゴロの神々の力はこのアルケーミュスの神々と完全に異なる形で…特に言霊(コトダマ)という力はここの神々には脅威的な力だった。

それでここの神達はオノゴロの神々を敵視する者が多い。

その理由でオノゴロの神々は完全独立し、天界と邪神界と不可侵の神約を結んだ。

そのあと…ダースアクリア大陸の列島に自分らの神界を作りあげて断絶している。

ハルト達の奮戦を見ていた神々と邪神達の雰囲気が妙に騒ついている…。

「なんだろ?猛烈に暴れたくなった」

「お、お前もか?あんなの見てしまったら…仕方ない」

「長い間に神争をしてないからな…血が騒ぐね」

いきなり…天界の神々と邪神達の目が合うとお互い睨み合った。

「ほう…盛り上がってきたじゃないか!この雰囲気…いいね」

「カオスよ…何を企んでおる?」

悪の顔をしてクスクス笑っているカオスを見て何を考えてるか気付いたアプスーは呆れた顔をした。

「おーい!お前ら!ひと暴れしたいか?」

カオスの言葉を聞いた神々と邪神全員は目を光らせてカオスを注目した。

「イエスマム!」

神と邪神達は全員…ずれ一つない力強い返事をした。

「なら…私が許可する!今から神versus邪神のバトルロイヤルを始めよう!私特製の結界を張るから思い切って暴れていいぞ」

「おおー!」

「でも…死人は出すなよ!興醒めになるし、後味悪いからな」

「イエスマム!」

しかし、カオスの許可はあったとしても、双方の代表の意思を無下に出来ないくて両神達は主神と邪神君子の顔色を伺がった。

「カオス様の好意を無下には出来ないが…あまり気が乗らん」

政権を受け継いだばかりの邪神君主は無駄に力を消耗したくない様子だった。

「うむ…今はこっちも事情があって同じだ」

主神もルルが天界の機能を停止させた事と聖都のイビルゲートの件で悩んでいた。

それで両代表に取ってこのバトルロイヤルはなんのメリットが無くて気が乗らない様子だった。

「破壊の女神よ、ちょっと力を貸せ」

「ん?私?」

「これは君が一番適任者だ」

「ああ…なるほどね」

ルルもカオスの意図を気付いてまず…邪神君子に仕掛けた。

「ねぇ?ビュルネール会長さん…みんなの逞しい姿が見て見たいな……私の為に戦ってくれない?」

ルルは邪神君主の耳元で甘い声で頼むと邪神君主は席から立って邪神達に命じた。

「……お、お、お前らルナ様が見ておられる!我らの力を見せて差し上げろ!」

「おおー!ルナ様!ルナ様!ルナ様!」

ルルは次に主神の元に行った。

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!あの人達…私を見る目が怖いよ…助けて!………………………ぉぇ」

ルルは主神に抱きついて助けを求めると主神も席から立ち上がって天界の神々に命じた。

「………全員立ち上がれ!邪神共を一人残さず蹂躙せよ!今こそ我ら天界の力を見せる時!薙ぎ払え!」

「うおおぉぉぉおおおー!」

ティルナノクのイビルゲート一帯は神々と邪神達の大激戦区になった。

「へぇ…カオスよやるじゃない」

バルちゃんもカオスの意図に気付いて感心した。

「あはは…おチビちゃんも気付いた?奴らの血の気を抜いておけば…満足して下界の事はどうでもよくなるからな…」

「そんなもんかな……って誰がおチビだ!」

今まで戦いを禁止された双方は力を持て余して欲求不満状態で…それをカオスが利用した。


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