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3章16話
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ヤマタノオロチと交戦中のバムに加勢しようとした時、レヴィとジズが現れて…僕は大人しくオゥカスをさやにしまった。
こう見えても空気は読める男である…。
「あの…レヴィ、ジズさん、アレを止めたいんだが…」
「あれ?ばーちゃんが何かとやり合っているね」
「アレがここの主ね…」
レヴィとジズはバムとヤマタノオロチが戦っている姿を見るだけで手伝ってくれなかった。
「放って置いても大丈夫よ…疲れたらやめるから」
「あ、あれ?」
「そうですよ♪それより…若様?こいつらは何ですか?」
いつの間にレヴィはヤタガラスとキンシの首を握っていた。
「けっ…けっ!なんだお前…は、離して!」
「ア、アニキ…首が折れそう…私…死ぬ…た、助けて」
「レヴィ…離してあけて」
「はい…」
レヴィが手を離すと二羽の鳥は速やかに僕の背後に隠れた。
「なんだあの女は?凄い握力だったよ」
「お前の仲間のせいで首の骨にヒビが入ったようだ…痛たたた」
「ご、ごめん」
「あら?君達は…ヤタガラスとキンシじゃない?なんであんたらがここにいるの?」
ジズはヤタガラスとキンシと知り合いのようだった。
「ど、どなた様ですか?」
「私…ジズだよ」
「えっ?ジズ殿?」
「アニキ…空帝殿は死んだと聞いてるが?」
「ああ…人の姿だから分からないか…これなら分かるよね」
ジズは元の姿に戻したあとすぐまた人間の姿に変えた。
「ほ、本当にジズ殿ですね…」
「なんだ?あの噂はガセだったのか?」
「いや…ガセじゃなく本当に死んだわ…そうね…今戦っているアイツに食われたのよ…でも何だかんだで生き返ったけどね」
「アニキ、それじゃ…あの女が噂の…」
「あのバハムートですか?」
「そうだけど…?」
それを聞いたヤタガラスとキンシが僕を見て泣いている。
「バハムートの…」
「若旦那様……?」
「うん…一応ね」
「ジズ殿の」
「お知り合い……?」
「うん…そうたね…ちなみにこっちはレヴィヤターンね」
「ヤッホー♪宜しくね」
「ひぃー!あの海の」
「狂…」
「殺すわよ」
「ひぃー!」
そして…二羽の鳥は僕にしがみ付いて切ない目で見つめていた。
「すんません…先程の無礼をお許しください」
「お、お願いします…助けてください…殺さないで下さい」
「うーーん…唐揚げにしようかと思ったけど…もういいよ」
「よく見ると凄くカッコイイ方ですな」
「なんと凛々しいお姿でしょう!惚れてしまいそうです」
今までの横暴な態度が一瞬で変わった。
バムとヤマタノオロチとの戦いは益々激化していく一方で決着が着きそうにない…。
「あれ、バハムートの相手で中々やるね」
「若様?まだ時間かかりそうだし…昼寝でもしますか?」
「えー?本当に加勢しないの?」
「あいつ戦いになると味方も構わず攻撃するから…ちょっといやだね」
「そうですよ!前に私も敵と一緒に焼き払おうとしたんですぅ!酷くないですか?」
ジズとレヴィは酷い目にあった過去の話を長々と聞かせてくれたが…でも、その内容は常にレヴィのせいでジズはそれに巻き込まれていた。
しかし、バムとヤマタノオロチの体力が尽きてまで待っていたら僕の寿命が尽きそうだ…。
「レヴィ、ジズ姉さん…お願いだからバムに加勢してくれない?」
「仕方ないな…レヴィ、残念だけと今回は諦めようか?」
「チッ…惜しいなぁ…体力が尽きたやつに今までの恨みを払うチャンスだったのに!若様の頼みであれば仕方ないですね…」
「レヴィ…やはり何かを企んでいたのね?」
「ご、ごめん…バレちゃったよ…ジズちゃんの計画はまた今度ね」
「えっ?ジ、ジズさん?」
「ちょっと!バラさないでよ!」
「あ、あれ?ごめんね…えへへ」
レヴィと手を組んでそんな事を企んでいたとは…ジズも根に持つ性格だった…。
レヴィは前にバムの腹を斬りさばく為に作った鱗のデカイ二本の包丁を取り出して切りかかって、ジズは空気を操ってカマイタチを放った。
レヴィとジズが加勢によってヤマタノオロチは押されて危機感を感じたようで身を固めて防御に専念している様子だった。
その時…身を固めていたヤマタノオロチの周りから三つの五芒星が現れた。
「おい…ヤマタノオロチが何か召喚している!」
「アニキ…ひょっとしてあいつらか?」
その五芒星から巨大な白鳥と全身に雷を纏った歪な獣が現れた。
「あの方は…雷神カンナカムイ殿と奥方の高位女神の白鳥姫…レタッチリ様だよ」
そのあと…最後に人の形をした女性が巨木に登って現れた。
「アニキ…娘さんの木の精霊姫チキサニ様まで来たよ…」
「へぇ…ヤマタち一派全員揃ったな」
ヤマタノオロチは元々山の神…。
召喚されたカンナカムイ一家は地と山の守護神で…ヤマタノオロチと深い関わりを持っているとヤタガラスが言った。
「あはは!なんか楽しくなって来たじゃないか!ちょっと力を出してみようじゃないか」
「ふふふ…いいよ♪久々に思い切って暴れてみよう♪」
「うふふ…昔から白鳥姫と一度やり合って見たかったわ」
バム達は何故かテンションが上がってやる気になっている。
これは完全に目的を忘れているとしかみえない。
7つの怪獣達の激突によって最深部どころか…イビルゲート全体が揺れて崩壊するんじゃないかと不安になった。
……もう早く帰りたい。
ヤタガラスとキンシもその戦いに怯えて僕の後ろに隠れた。
「しまった!若旦那様!」
「若様!カンナカムイが!」
「ハルトちゃん!気をつけて!」
バム達もヤマタノオロチ一派全員を相手する余裕はなかったようでカンナカムイまで防ぎ切れなかった。
「うわー!こっちに来るな!ビリビリ系は苦手なんだよ!人に気を配る思い遣りなど持ってない訳?」
その雷神は僕に向かって猛突進して来て頑張って逃げ回った。
「うわっ!なんでこっちに来るんだ?」
「うちらは何もやってないよ!」
「ヤタガラス、キンシ!動きづらいから離して!」
二羽の鳥はパニックになって僕にしがみ付いて離してくれなかった。
こう見えても空気は読める男である…。
「あの…レヴィ、ジズさん、アレを止めたいんだが…」
「あれ?ばーちゃんが何かとやり合っているね」
「アレがここの主ね…」
レヴィとジズはバムとヤマタノオロチが戦っている姿を見るだけで手伝ってくれなかった。
「放って置いても大丈夫よ…疲れたらやめるから」
「あ、あれ?」
「そうですよ♪それより…若様?こいつらは何ですか?」
いつの間にレヴィはヤタガラスとキンシの首を握っていた。
「けっ…けっ!なんだお前…は、離して!」
「ア、アニキ…首が折れそう…私…死ぬ…た、助けて」
「レヴィ…離してあけて」
「はい…」
レヴィが手を離すと二羽の鳥は速やかに僕の背後に隠れた。
「なんだあの女は?凄い握力だったよ」
「お前の仲間のせいで首の骨にヒビが入ったようだ…痛たたた」
「ご、ごめん」
「あら?君達は…ヤタガラスとキンシじゃない?なんであんたらがここにいるの?」
ジズはヤタガラスとキンシと知り合いのようだった。
「ど、どなた様ですか?」
「私…ジズだよ」
「えっ?ジズ殿?」
「アニキ…空帝殿は死んだと聞いてるが?」
「ああ…人の姿だから分からないか…これなら分かるよね」
ジズは元の姿に戻したあとすぐまた人間の姿に変えた。
「ほ、本当にジズ殿ですね…」
「なんだ?あの噂はガセだったのか?」
「いや…ガセじゃなく本当に死んだわ…そうね…今戦っているアイツに食われたのよ…でも何だかんだで生き返ったけどね」
「アニキ、それじゃ…あの女が噂の…」
「あのバハムートですか?」
「そうだけど…?」
それを聞いたヤタガラスとキンシが僕を見て泣いている。
「バハムートの…」
「若旦那様……?」
「うん…一応ね」
「ジズ殿の」
「お知り合い……?」
「うん…そうたね…ちなみにこっちはレヴィヤターンね」
「ヤッホー♪宜しくね」
「ひぃー!あの海の」
「狂…」
「殺すわよ」
「ひぃー!」
そして…二羽の鳥は僕にしがみ付いて切ない目で見つめていた。
「すんません…先程の無礼をお許しください」
「お、お願いします…助けてください…殺さないで下さい」
「うーーん…唐揚げにしようかと思ったけど…もういいよ」
「よく見ると凄くカッコイイ方ですな」
「なんと凛々しいお姿でしょう!惚れてしまいそうです」
今までの横暴な態度が一瞬で変わった。
バムとヤマタノオロチとの戦いは益々激化していく一方で決着が着きそうにない…。
「あれ、バハムートの相手で中々やるね」
「若様?まだ時間かかりそうだし…昼寝でもしますか?」
「えー?本当に加勢しないの?」
「あいつ戦いになると味方も構わず攻撃するから…ちょっといやだね」
「そうですよ!前に私も敵と一緒に焼き払おうとしたんですぅ!酷くないですか?」
ジズとレヴィは酷い目にあった過去の話を長々と聞かせてくれたが…でも、その内容は常にレヴィのせいでジズはそれに巻き込まれていた。
しかし、バムとヤマタノオロチの体力が尽きてまで待っていたら僕の寿命が尽きそうだ…。
「レヴィ、ジズ姉さん…お願いだからバムに加勢してくれない?」
「仕方ないな…レヴィ、残念だけと今回は諦めようか?」
「チッ…惜しいなぁ…体力が尽きたやつに今までの恨みを払うチャンスだったのに!若様の頼みであれば仕方ないですね…」
「レヴィ…やはり何かを企んでいたのね?」
「ご、ごめん…バレちゃったよ…ジズちゃんの計画はまた今度ね」
「えっ?ジ、ジズさん?」
「ちょっと!バラさないでよ!」
「あ、あれ?ごめんね…えへへ」
レヴィと手を組んでそんな事を企んでいたとは…ジズも根に持つ性格だった…。
レヴィは前にバムの腹を斬りさばく為に作った鱗のデカイ二本の包丁を取り出して切りかかって、ジズは空気を操ってカマイタチを放った。
レヴィとジズが加勢によってヤマタノオロチは押されて危機感を感じたようで身を固めて防御に専念している様子だった。
その時…身を固めていたヤマタノオロチの周りから三つの五芒星が現れた。
「おい…ヤマタノオロチが何か召喚している!」
「アニキ…ひょっとしてあいつらか?」
その五芒星から巨大な白鳥と全身に雷を纏った歪な獣が現れた。
「あの方は…雷神カンナカムイ殿と奥方の高位女神の白鳥姫…レタッチリ様だよ」
そのあと…最後に人の形をした女性が巨木に登って現れた。
「アニキ…娘さんの木の精霊姫チキサニ様まで来たよ…」
「へぇ…ヤマタち一派全員揃ったな」
ヤマタノオロチは元々山の神…。
召喚されたカンナカムイ一家は地と山の守護神で…ヤマタノオロチと深い関わりを持っているとヤタガラスが言った。
「あはは!なんか楽しくなって来たじゃないか!ちょっと力を出してみようじゃないか」
「ふふふ…いいよ♪久々に思い切って暴れてみよう♪」
「うふふ…昔から白鳥姫と一度やり合って見たかったわ」
バム達は何故かテンションが上がってやる気になっている。
これは完全に目的を忘れているとしかみえない。
7つの怪獣達の激突によって最深部どころか…イビルゲート全体が揺れて崩壊するんじゃないかと不安になった。
……もう早く帰りたい。
ヤタガラスとキンシもその戦いに怯えて僕の後ろに隠れた。
「しまった!若旦那様!」
「若様!カンナカムイが!」
「ハルトちゃん!気をつけて!」
バム達もヤマタノオロチ一派全員を相手する余裕はなかったようでカンナカムイまで防ぎ切れなかった。
「うわー!こっちに来るな!ビリビリ系は苦手なんだよ!人に気を配る思い遣りなど持ってない訳?」
その雷神は僕に向かって猛突進して来て頑張って逃げ回った。
「うわっ!なんでこっちに来るんだ?」
「うちらは何もやってないよ!」
「ヤタガラス、キンシ!動きづらいから離して!」
二羽の鳥はパニックになって僕にしがみ付いて離してくれなかった。
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