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3章15話
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最深部の主は確認が出来て任務は終了したが、ヤマタノオロチを天界はどう思うか僕には判断出来なくて戻るしかなさそうだった。
しかし、最深部までショットカットしたせいで地上までどのぐらいかかるか…どんな魔物がいるかもわからない。
でも…このままヤマタノオロチと戦いになるよりはマシだと思ってこの階層から出る事にした。
「有益な情報ありがとうございました…では達者で…」
「おい待てこら…オレ達をおいて行くつもりか?」
「それでも人間か!薄情者め!血も涙もないんか?」
ヤマタノオロチを隣の同級生のように呼んだくせに…。
仕方なくヤタガラスとキンシと一緒に上に戻る事にした。
僕と二羽の神鳥は最深部から上に行くために入り口を隅々まで探したが全く見つからなかった。
「アニキ…入り口がどこにもないよ」
「小僧…どうやってここに入った?」
「えと…変な空間に落ちたらここだったよ」
「おい…まさか!ここを立ち上げてからどのぐらい経った?」
「痛いからクチバシで突かないで…10時間程度だよ」
「まじかよ!アニキ…それって!」
「そうだな…各階層がまだ構築中している最中だな、ヤマタノオロチがずっと寝ている理由もそのせいだろ」
イビルゲートは核になった主から強制的に魔力を吸って各階層を構築するらしく、その間に大量の力を消耗している主は眠りながら力を回復するとヤタガラスは言った。
「このまま構築が終わるまで待つしかなさそうだね…」
「とのぐらいかかるのかヤタガラスは知ってる?」
「ああ…大体は1年程はかかるが、ヤマタノオロチの力だと1ヶ月ほどかな…」
「えっ?まじ?1ヶ月もかかるの?」
「他の所より短い方だ」
「仕方ないね…」
それを聞いて僕はバム達が救助に来るのが早いと思って、待つことにした。
「アニキ…入り口が現れてもここからどうやって出る?」
「あ?無理だろ…普通に死ぬわ…しかし、小僧…怖くないのか?」
「大丈夫です…救助が来るはずなので」
「救助?」
「逸れた仲間達がここに向かっているはずです」
「おい…ここ最深部だぞ?」
「ここに着く前に軽く死亡だろ?」
「あはは…それは大丈夫かと思いますよ」
バム達ならそう時間はかからないと信じてヤマタノオロチから大分離れた場所で身を隠して待った。
二羽の鳥もそれに頼るしかないと判断したか大人しく一緒に待っている。
しばらく時間が経つと天井から爆音がして最深部が揺れた。
「うわー!今度は何だ?」
「と、どこのバカがオロチを起こした!ヤベー!まさか!お前の仲間か?」
「……間違いないと思います」
その爆音を聞いた僕はバム達がここに来たと判断してヤマタノオロチの所に戻ると…バムとヤマタノオロチが戦っていた。
「おい!止めろ!なんて事しやがる!」
「ア、アニキ…あの女…すげーよ…」
「あ?…な、なんだありゃ?」
バムはヤマタノオロチの巨大な尻尾攻撃を全て拳と蹴りで弾き返したあと飛び込み頭を殴りつけた。
キンシとヤタガラスは素手でヤマタノオロチとやり合っているバムの姿を呆然と見ている。
「早く吐き出せ!若旦那様を返せ!」
「くあああぁぁ!」
バムはヤマタノオロチに僕が食われたと思ったか怒り狂ったように殴り合っている。
急に攻撃されて怒りったヤマタノオロチも本気になって八つの首から強力な猛火を噴いたが…バムもそれをブレスで相殺した。
「な、なんだ!あの女…この大陸の人間って化け物なの?」
「アニキ…人間ってあんな恐ろしい者だったけ?」
バハムートが人間化して化けていると知らない鳥達は僕を見て静かに喋った。
「ア、アニキ…ひょっとして…この人も?」
「あ、あの……まさか…貴方も…アレぐらい強いとか?」
「いやいや…僕はあんな事出来ないよ」
「そ、そうか…そうだよね!ふぅ…ちょっとびびってしまったじゃないか…」
「確かに…こんな弱そうに見える小僧が…あんな事は出来る訳ないよな」
こいつらを唐揚げにしようかと本気で思った。
「うわぁっ!危ねぇ…」
「アニキ…飛び石が半端ないよ」
「身を隠せ…こんなのまともに食らったら即死だ」
最深部全体が崩れそうに二人の戦いは激化した。
しかし…バムでも今は人間化で弱っている状態…。
このままヤマタノオロチとガチでやり合うとタダでは済まないと思った。
それで僕はバムに呼びかけて戦いを止めようとした。
「バム!僕はここだよ!生きているから安心して」
「わ、若旦那様?ご無事でしたか!」
僕を見て安心したバムはもう戦う理由がなくなったが、いきなり襲われて怒っているヤマタノオロチはバムに攻撃を緩めなかった。
バムも仕方なく応戦するして…力づくで言うことを聞かせるしかないと判断した僕もオゥカスを抜いてバムと一緒に戦おうとした。
久々の大物との戦いで心も体も高揚した。
その時…。
またあの時の空間が現れてレヴィとジズが落ちて来た。
「レ、レヴィ、ジズさん?」
「若様!無事で本当に良かった!」
「ハルトちゃん!怪我はない?大丈夫だった?」
これは…また出番なしの流れになりそうだ。
しかし、最深部までショットカットしたせいで地上までどのぐらいかかるか…どんな魔物がいるかもわからない。
でも…このままヤマタノオロチと戦いになるよりはマシだと思ってこの階層から出る事にした。
「有益な情報ありがとうございました…では達者で…」
「おい待てこら…オレ達をおいて行くつもりか?」
「それでも人間か!薄情者め!血も涙もないんか?」
ヤマタノオロチを隣の同級生のように呼んだくせに…。
仕方なくヤタガラスとキンシと一緒に上に戻る事にした。
僕と二羽の神鳥は最深部から上に行くために入り口を隅々まで探したが全く見つからなかった。
「アニキ…入り口がどこにもないよ」
「小僧…どうやってここに入った?」
「えと…変な空間に落ちたらここだったよ」
「おい…まさか!ここを立ち上げてからどのぐらい経った?」
「痛いからクチバシで突かないで…10時間程度だよ」
「まじかよ!アニキ…それって!」
「そうだな…各階層がまだ構築中している最中だな、ヤマタノオロチがずっと寝ている理由もそのせいだろ」
イビルゲートは核になった主から強制的に魔力を吸って各階層を構築するらしく、その間に大量の力を消耗している主は眠りながら力を回復するとヤタガラスは言った。
「このまま構築が終わるまで待つしかなさそうだね…」
「とのぐらいかかるのかヤタガラスは知ってる?」
「ああ…大体は1年程はかかるが、ヤマタノオロチの力だと1ヶ月ほどかな…」
「えっ?まじ?1ヶ月もかかるの?」
「他の所より短い方だ」
「仕方ないね…」
それを聞いて僕はバム達が救助に来るのが早いと思って、待つことにした。
「アニキ…入り口が現れてもここからどうやって出る?」
「あ?無理だろ…普通に死ぬわ…しかし、小僧…怖くないのか?」
「大丈夫です…救助が来るはずなので」
「救助?」
「逸れた仲間達がここに向かっているはずです」
「おい…ここ最深部だぞ?」
「ここに着く前に軽く死亡だろ?」
「あはは…それは大丈夫かと思いますよ」
バム達ならそう時間はかからないと信じてヤマタノオロチから大分離れた場所で身を隠して待った。
二羽の鳥もそれに頼るしかないと判断したか大人しく一緒に待っている。
しばらく時間が経つと天井から爆音がして最深部が揺れた。
「うわー!今度は何だ?」
「と、どこのバカがオロチを起こした!ヤベー!まさか!お前の仲間か?」
「……間違いないと思います」
その爆音を聞いた僕はバム達がここに来たと判断してヤマタノオロチの所に戻ると…バムとヤマタノオロチが戦っていた。
「おい!止めろ!なんて事しやがる!」
「ア、アニキ…あの女…すげーよ…」
「あ?…な、なんだありゃ?」
バムはヤマタノオロチの巨大な尻尾攻撃を全て拳と蹴りで弾き返したあと飛び込み頭を殴りつけた。
キンシとヤタガラスは素手でヤマタノオロチとやり合っているバムの姿を呆然と見ている。
「早く吐き出せ!若旦那様を返せ!」
「くあああぁぁ!」
バムはヤマタノオロチに僕が食われたと思ったか怒り狂ったように殴り合っている。
急に攻撃されて怒りったヤマタノオロチも本気になって八つの首から強力な猛火を噴いたが…バムもそれをブレスで相殺した。
「な、なんだ!あの女…この大陸の人間って化け物なの?」
「アニキ…人間ってあんな恐ろしい者だったけ?」
バハムートが人間化して化けていると知らない鳥達は僕を見て静かに喋った。
「ア、アニキ…ひょっとして…この人も?」
「あ、あの……まさか…貴方も…アレぐらい強いとか?」
「いやいや…僕はあんな事出来ないよ」
「そ、そうか…そうだよね!ふぅ…ちょっとびびってしまったじゃないか…」
「確かに…こんな弱そうに見える小僧が…あんな事は出来る訳ないよな」
こいつらを唐揚げにしようかと本気で思った。
「うわぁっ!危ねぇ…」
「アニキ…飛び石が半端ないよ」
「身を隠せ…こんなのまともに食らったら即死だ」
最深部全体が崩れそうに二人の戦いは激化した。
しかし…バムでも今は人間化で弱っている状態…。
このままヤマタノオロチとガチでやり合うとタダでは済まないと思った。
それで僕はバムに呼びかけて戦いを止めようとした。
「バム!僕はここだよ!生きているから安心して」
「わ、若旦那様?ご無事でしたか!」
僕を見て安心したバムはもう戦う理由がなくなったが、いきなり襲われて怒っているヤマタノオロチはバムに攻撃を緩めなかった。
バムも仕方なく応戦するして…力づくで言うことを聞かせるしかないと判断した僕もオゥカスを抜いてバムと一緒に戦おうとした。
久々の大物との戦いで心も体も高揚した。
その時…。
またあの時の空間が現れてレヴィとジズが落ちて来た。
「レ、レヴィ、ジズさん?」
「若様!無事で本当に良かった!」
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これは…また出番なしの流れになりそうだ。
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