異世界で僕…。

ゆうやま

文字の大きさ
上 下
226 / 250

3章8話

しおりを挟む
そして…日が暮れてゲートを開く時間になった。

僕は完全装備をしてイビルゲートを立ち上げる場所に向かった。

この鎧を着た感触、オゥカスの重み…本当に久しぶりで感動した。

その場所に着いた僕は見覚えがある方を目にした。

「イヤーン!ハルトちゃん!」

「ラズリック姉さん…何故ここに?」

「ルナ様と天界のお偉い方々が視察に来るから下準備でね…」

「えっ?お偉いさん?そんな大げさな!」

「そりゃそうだろ…今天界と邪神界までここを注目している」

「お、お久しぶりです…」

レイラさんまで来て、相変わらず僕を見る目は冷たくて怖い。

「呆れるほど馬鹿な事抜かしてやがる、貴様は我が主!ルナ様を誑かして、バハムートとレヴィヤタン、ジズに元邪神君主とラグレシア、財欲の竜、エリニューエスの三女神までその魔の手にかけて我々が黙ってみないふりをすると思うか?」

「……す、すみません」

「それより一番問題は…まだお見栄にならないようだが…神カオス様だ!今天界と邪神界は大騒ぎだ!」

予想以上カオスの滞在は大問題になっているらしく、今後道見の振り方をするか考えるだけで胃が痛くなった。

「まったく!ここで貴様は一体何がしたいん…くえっ」

「黙れ、私とハルトちゃんの話を邪魔しないでくれる?」

僕を目の敵にしか見てないレイラさんをラズリック姉さんは蹴り飛ばした。

その蹴りは前より威力とキレが増して、鋭さは最早神話の領域に達している。

「ラズリックさん…助かりました」

「あのバカがごめんなさいね、私達はゲートが開くまであっちで見ていましょう」

僕とラズリックさんはVIP席のような派手な席に座って天界から視察が来るまで待つとバルちゃん達はゲートを開く準備を始めた。

「そろそろ始めるか、みんな準備はいいか?」

「ああ…問題ない、お前ら失敗るとイビルゲートの核にするからな…」

「ひ、ひぃ…!」

「オーディン様…」

いよいよイビルゲートの立ち上げが始まって、オーディンとバルちゃん、アレークトーとメガイラは円を描くように大きく回りながら歩いた。

「我らは願う…四罪四凶の扉よ開け…一つの罪と凶…窮奇と共工に命じる」

まず…オーディンが四罪四凶の一角、窮奇と共工を呼び出して具現化した。

「我らは求める…一つの罪と凶…混沌と驩兜
に命じる」

続けてバルちゃんも混沌と驩兜を呼び出しす事に成功した。

「我らは汝らを拒まぬ…一つの罪と凶…檮杌と鯀に命じる」

「我らは汝らを認める…一つの罪と凶…饕餮と三苗に命じる」

アレークトーとメガイラはかなり辛そうに息を切らしている様子だが、具現化には成功した。

「四罪四凶を持って魔境の門よ…ここに現れたまえ!」

儀式が終わると四罪四凶は地の底に入って、そのあと大きい地鳴りが始まった。

そして、地の底から歪な空間が現れてナーズラ村で見たイビルゲートと似たような門が現れた。

空間が消えたあと四人の邪神達に共鳴しているようにイビルゲートが光って門が開いた。

これがイビルゲート…あの中から凄い数の魔物の気配を感じた。

「あはは…これは大当りのようだね」

「うむ…中々の規模だ、よく頑張った」

力尽きたアレークトーとメガイラは器に戻って、オーディンがまた復活させた。







ゲームで夢中だった廃人組3人もイビルゲートの出現を感知した。

「カオス様、無事にイビルゲートを開いたようです」

「うん、上手くいったようだな…それより、そろそろ奴等が来るだろうな」

「そうですね…しかし、カオス様はどうなさるお考えですか?」

「決まってるたろ…ここが奴等にやられる前に先手を打って皆殺する」

「私も手遅れなる前にそうした方がいいと思います」

「だな…ふふふ」

「あはは…」

カオスとナイアは怖い顔で氷のように笑っていた。

[[緊急クエスト発生…オーガとサイクロプスの群れから村を守れ!制限時間20分…あと1分後に始まります]]

「き、来たぞ!ナイアは北門に行って殲滅しろ!1匹も漏らすなよ」

「へい!カオス様は正門を頼みます!」

「今回は時間が短いな……全力でいくぞ!皆殺しだぁぁああ!」

「イエスマム!」

二人はイビルゲートの出現には興味すらなさそうで、発生した緊急クエストを始めた。

「なあ…カオス」

「なんだ?今忙しい、この!この!」

「アプスーから連絡が来たけど…ギルタフリルを連れてこっちに向かったいるってさ」

「へぇ…そう?」

ウラノスからアプスーの連絡を聞いた二人は急に目付きが変わった。

「カオス様、そういえば…旦那のお屋敷は前の襲撃で廃墟になりましたね…」

「そうだね…ナイア!今うちに奴のレア素材を全部くすねておこうぜ!」

「へい!」

「……おまえら…最低だな」

ウラノスはナイアとカオスをゴミを見る目で見つめていた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

約束の子

月夜野 すみれ
ファンタジー
幼い頃から特別扱いをされていた神官の少年カイル。 カイルが上級神官になったとき、神の化身と言われていた少女ミラが上級神官として同じ神殿にやってきた。 真面目な性格のカイルとわがままなミラは反発しあう。 しかしミラとカイルは「約束の子」、「破壊神の使い」などと呼ばれ命を狙われていたと知る事になる。 攻撃魔法が一切使えないカイルと強力な魔法が使える代わりにバリエーションが少ないミラが「約束の子」/「破壊神の使い」が施行するとされる「契約」を阻む事になる。 カタカナの名前が沢山出てきますが主人公二人の名前以外は覚えなくていいです(特に人名は途中で入れ替わったりしますので)。 名無しだと混乱するから名前が付いてるだけで1度しか出てこない名前も多いので覚える必要はありません。 カクヨム、小説家になろう、ノベマにも同じものを投稿しています。

神々に見捨てられし者、自力で最強へ

九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。 「天職なし。最高じゃないか」 しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。 天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

処理中です...