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2章91話
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僕は姉キラーモードを使って、カオスとルル姉を骨抜きにし、最悪の事態になる事は免れた。
しかし、双子に会うまで僕の体力や精神力が持つか不安になった。
「はぁはぁ…これ以上カオス様を刺激しないで下さい!本当に頼みますよ!」
「か、感謝する…」
クルールが頭を下げて礼を言って、先までの大きい態度と殺伐とした雰囲気は完全に消えた。
それに…彼等は傷だらけで戦える状態じゃなかった。
これで眷属達とは戦いにならずに済みそうで安心した。
その時…遠い砂浜から何かが埃を撒き散らしながら凄いスピードでこっちに走って来た。
[[おい、ハルト!気を引きしめろ…本命のお出ましだ]]
[[本命?……まさか!]]
カオスの怒りで本命のティアマトが釣れた!
超ーラッキー♪
ヴァースがティアマトの気配を感知したその周辺を拡大してくれると、ティアマトの姿が見えた。
あの方が…大海母神ティアマト!
しかし、彼女の顔は凄く焦っている様子で歯を食い縛って全力で走っているその姿を見た僕は思わず…ぷっっと吹いて笑ってしまった。
「はぁはぁはぁはぁ…カ、カオス!」
「おおー!ティア!元気そうだな」
「な、何故貴女がここにいるの?」
「冷たい言い方だな…来たらダメなのか?」
「なんの連絡もなく来たから…少し驚いただけよ」
少し?あの時…いきなり猛獣に遭遇でもしたかのような表情に見えたがな…。
「カオス…またここを壊したら二度と口聞かないからね!」
「わかってるって」
激しく打ち合った関係の割には二人は親身な感じで…僕はホッとした。
「それより…君の眷属達はなっとらんな、うっかり殺すところだったぞ?」
「はぃ?」
「ティアマト様…申し訳ありません」
クルールがテ その事を説明してティアマトは眷属達をかなり叱っていた。
「ごめんなさいね…後で二度とそんな事はないようにしっかり言い聞かせておくわ」
「うむ…それならいい」
「しかし…急にどうしたの?私に何か用があるの?」
「用があるのは私では無くこの子がね…」
ティアマトは身なりを整えてから僕の前に来た。
「あら、はじめまして…人間の少年よ」
「はじめまして…ティアマト様、お目にかかり光栄と存じます…今後ともお見知り置きを…」
「ふーーん…人間の身でここに来られるとは大した者ね…私に何の用かしら?」
ティアマトは僕に用件を尋ねているが、その顔は全て分かってるような表情だった。
「大海母神ティアマト様…お願いがあります、イリヤとリリヤに会わせてください」
「あれー?そのイリヤとリリヤって誰~?」
「ティアマトよ…貴女が人間の生を与えて下界に送った君の眷属と言えばわかるだろ」
ティアマトのあからさまに知らないと惚けている様子にルル姉はイライラしていた。
「ふふ…私の眷属だとよく気付いたわね」
「お願いします…会わせてください」
「会ってどうするの?」
「伝えたい事が…いいえ…伝えないといけない話しがあります」
ティアマトはしばらく考え込んで口を割った。
「あの子達を守れなかったくせに…よく言うね」
「そ、それは……ごめんなさい」
それには返す言葉が見つからず…ただ謝るしかなかった。
「ティアマトよ、いい加減にしないか?大人気ないぞ」
捻くれたようなティアマトの態度にルル姉が我慢出来ずまた話に入ってきた。
「破壊の業を受け継いた者よ…これは貴女が口出す問題ではない…黙ってくださる?」
「ルル姉…ごめんなさい、今はティアマト様と話をさせてくれる?」
「……ふん!」
ティアマトの正論にルル姉も言い返せなく、話がややこしくならないように僕も堪えるように頼んで話を続けた。
「ティアマト様……お願いします!二人を会わせてください」
「ふーん…いいわ…頑なに拒む理由もないしね」
「あ、ありがとうございます!」
「ただし…条件があるわ」
「その条件とは?」
「最近退屈な日々が続いてね…ちょっと刺激が欲しいわね」
「し、刺激ですか?」
「何を言ってる?先カオスを見て凄い刺激を受けたじゃないか!あれは刺激ところか悪夢でも見た顔だったぞ?」
「あ…う、、ん」
ティアマトもそれには返事に困っていた。
「ルル姉…ごめん、ちょっと黙っててくれ」
それは僕もそう思って言いたかったが…これ以上ティアマトの機嫌を損ねる前に話を続けた。
「僕は何をどうすればいいんですか?」
「ゴホン!私が呼び出した者と戦って勝ってば会わせてあげてもいいわよ」
ティアマトの眷属は強い…武器も防具もない今の僕には勝ち目がない。
しかし、主導権を握ってるのティアマトであり、僕には拒否出来ない。
それに、せっかく掴んだチャンスだ…二人に会えるならなんだってやるとその条件を受け入れた。
「分かりました、それで二人と会えるならやります!」
「ふふふ…気持ちが返事だね!嫌いじゃないわ…出よギルタフリル!」
ティアマトの呼び声で山からもう一匹の眷属が飛んで来た。
その眷属は下半身がサソリで背中に人の形をした二つの上半身が付いていた。
今まで姿を見せなかった最後の眷属…ギルタフリル!
右の猛勇と左の賢と知を持っている神獣…。
そう簡単に会わせてくれるとは思ってなかったが、他の眷属より手強い気がした。
「さあ…ギルタフリル…その子を殺せ」
「えっ?」
ティアマトの命令が出るとギルタフリルは容赦なく襲いかかって来た。
武器も防具もなく、ナイア兄さんの力も使えない。
これを倒すのは無理と思ったが…諦めるわけにはいかなかった。
これは双子に会える最後のチャンス…このティアマトがほいほいっと次の機会を与えてくれると思えない…。
僕はギルタフリルの攻撃をよけながら反撃のチャンスを待った。
「おい、今殺せと言った?何の真似だ!これは保護者の私達の立場を無視してる行為だぞ!」
「まあまあ黙ってて!彼は今頑張ってる…信じよ」
「しかし!……くっ!」
カオスも一回のみのチャンスとわかってルル姉を止めてくれた。
ルル姉は不満そうな表情をしながらも我慢してくれた。
そして、僕はギルタフリルのハサミ攻撃を避けながら懐に入って反撃をしようとしがサソリの毒尾で高速で突いてきた。
その早いスピードについていけなさそうで慌てて距離を取ると、今度は高熱の光線を撃ってきた。
その光線は威力も凄いが速すぎて避けるだけで僕はどんどん体力と集中力を削られた。
それに…格闘戦が苦手な僕は一回も反撃も出来ず、どんどん時間が経った。
しかし、粘って隙を探るしかないと思って僕は回避に専念した。
「ギルタフリル、なに遊んでるの?本気で殺しにいきなさい!」
ティアマトの命令で接近戦をしながら隙があれば光線を撃ってきた。
「うわっ!あぶねー!」
今度はスピードも威力も桁違いで…避けるのがほんの一瞬でも遅れたら当たって僕は死んでいた。
今まで本当に手を抜いていたとは…これは絶望的な状況だな…。
しかし、双子に会うまで僕の体力や精神力が持つか不安になった。
「はぁはぁ…これ以上カオス様を刺激しないで下さい!本当に頼みますよ!」
「か、感謝する…」
クルールが頭を下げて礼を言って、先までの大きい態度と殺伐とした雰囲気は完全に消えた。
それに…彼等は傷だらけで戦える状態じゃなかった。
これで眷属達とは戦いにならずに済みそうで安心した。
その時…遠い砂浜から何かが埃を撒き散らしながら凄いスピードでこっちに走って来た。
[[おい、ハルト!気を引きしめろ…本命のお出ましだ]]
[[本命?……まさか!]]
カオスの怒りで本命のティアマトが釣れた!
超ーラッキー♪
ヴァースがティアマトの気配を感知したその周辺を拡大してくれると、ティアマトの姿が見えた。
あの方が…大海母神ティアマト!
しかし、彼女の顔は凄く焦っている様子で歯を食い縛って全力で走っているその姿を見た僕は思わず…ぷっっと吹いて笑ってしまった。
「はぁはぁはぁはぁ…カ、カオス!」
「おおー!ティア!元気そうだな」
「な、何故貴女がここにいるの?」
「冷たい言い方だな…来たらダメなのか?」
「なんの連絡もなく来たから…少し驚いただけよ」
少し?あの時…いきなり猛獣に遭遇でもしたかのような表情に見えたがな…。
「カオス…またここを壊したら二度と口聞かないからね!」
「わかってるって」
激しく打ち合った関係の割には二人は親身な感じで…僕はホッとした。
「それより…君の眷属達はなっとらんな、うっかり殺すところだったぞ?」
「はぃ?」
「ティアマト様…申し訳ありません」
クルールがテ その事を説明してティアマトは眷属達をかなり叱っていた。
「ごめんなさいね…後で二度とそんな事はないようにしっかり言い聞かせておくわ」
「うむ…それならいい」
「しかし…急にどうしたの?私に何か用があるの?」
「用があるのは私では無くこの子がね…」
ティアマトは身なりを整えてから僕の前に来た。
「あら、はじめまして…人間の少年よ」
「はじめまして…ティアマト様、お目にかかり光栄と存じます…今後ともお見知り置きを…」
「ふーーん…人間の身でここに来られるとは大した者ね…私に何の用かしら?」
ティアマトは僕に用件を尋ねているが、その顔は全て分かってるような表情だった。
「大海母神ティアマト様…お願いがあります、イリヤとリリヤに会わせてください」
「あれー?そのイリヤとリリヤって誰~?」
「ティアマトよ…貴女が人間の生を与えて下界に送った君の眷属と言えばわかるだろ」
ティアマトのあからさまに知らないと惚けている様子にルル姉はイライラしていた。
「ふふ…私の眷属だとよく気付いたわね」
「お願いします…会わせてください」
「会ってどうするの?」
「伝えたい事が…いいえ…伝えないといけない話しがあります」
ティアマトはしばらく考え込んで口を割った。
「あの子達を守れなかったくせに…よく言うね」
「そ、それは……ごめんなさい」
それには返す言葉が見つからず…ただ謝るしかなかった。
「ティアマトよ、いい加減にしないか?大人気ないぞ」
捻くれたようなティアマトの態度にルル姉が我慢出来ずまた話に入ってきた。
「破壊の業を受け継いた者よ…これは貴女が口出す問題ではない…黙ってくださる?」
「ルル姉…ごめんなさい、今はティアマト様と話をさせてくれる?」
「……ふん!」
ティアマトの正論にルル姉も言い返せなく、話がややこしくならないように僕も堪えるように頼んで話を続けた。
「ティアマト様……お願いします!二人を会わせてください」
「ふーん…いいわ…頑なに拒む理由もないしね」
「あ、ありがとうございます!」
「ただし…条件があるわ」
「その条件とは?」
「最近退屈な日々が続いてね…ちょっと刺激が欲しいわね」
「し、刺激ですか?」
「何を言ってる?先カオスを見て凄い刺激を受けたじゃないか!あれは刺激ところか悪夢でも見た顔だったぞ?」
「あ…う、、ん」
ティアマトもそれには返事に困っていた。
「ルル姉…ごめん、ちょっと黙っててくれ」
それは僕もそう思って言いたかったが…これ以上ティアマトの機嫌を損ねる前に話を続けた。
「僕は何をどうすればいいんですか?」
「ゴホン!私が呼び出した者と戦って勝ってば会わせてあげてもいいわよ」
ティアマトの眷属は強い…武器も防具もない今の僕には勝ち目がない。
しかし、主導権を握ってるのティアマトであり、僕には拒否出来ない。
それに、せっかく掴んだチャンスだ…二人に会えるならなんだってやるとその条件を受け入れた。
「分かりました、それで二人と会えるならやります!」
「ふふふ…気持ちが返事だね!嫌いじゃないわ…出よギルタフリル!」
ティアマトの呼び声で山からもう一匹の眷属が飛んで来た。
その眷属は下半身がサソリで背中に人の形をした二つの上半身が付いていた。
今まで姿を見せなかった最後の眷属…ギルタフリル!
右の猛勇と左の賢と知を持っている神獣…。
そう簡単に会わせてくれるとは思ってなかったが、他の眷属より手強い気がした。
「さあ…ギルタフリル…その子を殺せ」
「えっ?」
ティアマトの命令が出るとギルタフリルは容赦なく襲いかかって来た。
武器も防具もなく、ナイア兄さんの力も使えない。
これを倒すのは無理と思ったが…諦めるわけにはいかなかった。
これは双子に会える最後のチャンス…このティアマトがほいほいっと次の機会を与えてくれると思えない…。
僕はギルタフリルの攻撃をよけながら反撃のチャンスを待った。
「おい、今殺せと言った?何の真似だ!これは保護者の私達の立場を無視してる行為だぞ!」
「まあまあ黙ってて!彼は今頑張ってる…信じよ」
「しかし!……くっ!」
カオスも一回のみのチャンスとわかってルル姉を止めてくれた。
ルル姉は不満そうな表情をしながらも我慢してくれた。
そして、僕はギルタフリルのハサミ攻撃を避けながら懐に入って反撃をしようとしがサソリの毒尾で高速で突いてきた。
その早いスピードについていけなさそうで慌てて距離を取ると、今度は高熱の光線を撃ってきた。
その光線は威力も凄いが速すぎて避けるだけで僕はどんどん体力と集中力を削られた。
それに…格闘戦が苦手な僕は一回も反撃も出来ず、どんどん時間が経った。
しかし、粘って隙を探るしかないと思って僕は回避に専念した。
「ギルタフリル、なに遊んでるの?本気で殺しにいきなさい!」
ティアマトの命令で接近戦をしながら隙があれば光線を撃ってきた。
「うわっ!あぶねー!」
今度はスピードも威力も桁違いで…避けるのがほんの一瞬でも遅れたら当たって僕は死んでいた。
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