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2章80話
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ルル姉は…向こうの世界からずっと…アレを何故か欲しがっていて…手に取ったごっつい物…全てにミョルニルと名付けていたほどだった。
我が息子よ!お前もミョルニルの称号を頂く為に精進しなければな…。
本物を目にしたルル姉がそれを欲しがらない訳がない。
でも…プライドが高くてそれに僕の為の器の材料だ…。
欲しくても言え訳ない。
「あの…神カオス…これ程の物を一体どうやって集めたのですか?」
「えへへ…企業秘密だ!これで足りるか?」
「余る程ですが…これを壊すのは何故かバチが当たりそうで…」
「ん?神が何を言ってる?」
「あはは…ですよね」
ラグレシアは勿体ないような表情と名品を壊す罪悪感に気が重いようだ。
ラグレシアが余る程と言ったので僕はこっそりカオスにお願いをした。
「カオス様…あのミョルニルを僕に譲って頂けませんか?」
「余るって言ってたし別にいいけど…」
「本当に!ありがとうございます!」
「まあ…代わりに一つ聞いていいか?」
「は、はい…何でしょう?」
神の絶対者であるカオスが何を質問して来るか分からなくて緊張した。
「あのぷにぷに魔王の最後の必殺技…どうやって防げるの?」
……この神…。
期待を裏切らないね。
ミョルニールを譲ってもらう代わりに僕は大脂肪プレスの回避方法を教える事になった。
「全部教えたら面白くなくなるんですが…」
「うむ…それもそうだな」
「ヒントだけでいいですか?自力で倒した方が達成感があって嬉しいと思います」
「そうだね!ヒントだけでいい!」
「攻略のカギは周辺環境を利用する事です」
「ん?なるほど!あのオブジェクトはその為か!」
カオスもそれに薄々気づいていたようだが…そう簡単に利用出来る物では無い。
完璧なタイミングど絶妙なコントロールがないと使えないし…風圧すらちょっと掠っただけで即死だ。
「ほれ、約束の物だ」
「ありがとうございます!」
それを聞いたカオスは躊躇なくミョルニルをほいっとくれた。
しかし…このミョルニルは雷神トールの物、その父であるオーディンに許可をもらわないといけない…。
トールはロキの奴と相討ちして死んで息子の形見でもあるからだ。
「あの…このミョルニルをルル姉に渡してもいいですか?」
「うむ…壊されるより誰か使ってもらった方がトールも喜ぶだろ」
「ありがとう…」
よし!ミョルニルはゲット出来た。
あとは…タイミングよくルル姉に渡そうと思った。
その時…誰か工房に入って来た。
「皆様♪御機嫌ようー♪」
それは頭の中がイカれた…バルちゃんだった。
[はぁ?バ…バル?どうした?一体何があった!]
「まあー♪この声はお兄様!まあまあ♪」
「うううう…気色悪い!」
「や、やめて!全身が痒くなった!」
バム、レヴィは鳥肌が立ってその肌をかいている。
「チビ…やっと来たか」
「あら?なになに?」
ルル姉は指を鳴らして手のストレッチをしながらバルちゃんの頭に手を置いた。
きっとアイアンクローでプレスだ…。
しかし、その状況にも拘わらずバルちゃんはヘラヘラしている
それを見たルル姉は一旦手を止めた。
「ん?この昇天しそうな表情……まさか!お前…ハルト君のアレを受けたのか!」
げっ!完全にバレてしまった。
「あら?あらまあ~♪貴女は牛チチの…力バカのくっそルナじゃないか♪」
頭が可笑しくなってもルル姉の呼び方は間違えないバルちゃんだった。
「ふんっ!」
くっちゃっ!
トマトの刑が1回目が実行されて…バルちゃんの潰れた頭からすごい湯気が出て来た。
「うわっ!アチっ!こ、こいつの頭の中…オーバーヒートしてるじゃない!」
「………」
「ハ、ハルト君?一体どのレベルでやったの?」
「あの…それが…ゴットバスターモードで…リミッター解除しちゃった…てへっ!」
「ああ…なるほどね」
「破壊の女神が言っていた事は本当だったな…」
「すごい…」
オーバーヒートしているバルちゃんの潰れた頭をバムとレヴィが凄く興味深々に見ている。
「うう…ここは?お兄ちゃんと会ってから記憶がないや…」
バルちゃんの潰れた頭はサンチュアリーの効果ですぐ再生して…その影響で正気に戻ったようだ。
くっちゃっ!
「あと98回……ククク」
あの容赦ない握り方!ルル姉は本気で100回やるつもりのようだ。
また…バルちゃんはすぐ再生して起き上がって何が起きたか分からないようなキョトンとした顔をした。
「うう…なんか目の前が急に真っ黒になって…」
「うふふ…サンチュアリーって便利だね!」
「げっ!牛チチ!もう戻って…あれ?」
「よう…チビ!これが何か分かるかい?」
「その手に持っているのは…まさか!」
「そのまさかだよ!さあ!トマトの収穫の時間…いや加工の時間だ!ククク!」
ルル姉…それは廃棄だよ。
「うそだろ!何かの間違いよ!きっとイカサマだ!」
「往生祭が悪いな!諦めて頭の中身ぶち撒けろ!あははは!」
機嫌が悪いルル姉は手がつけられない。
「やめてやめて!いやーー!」
「逃げんなよ!」
バルちゃんはその小さい体を利用してちょこまかと逃げ回った。
[[ハ、ハルト!済まないが…バルを助けてやってくれないか…問題ばかり起こすどうしょもない悪戯っ子だが…私には一人しかいない妹なんだ…」
ナイア兄さんの切実な声に僕はルル姉を止めるしかなかった。
「ルル姉…もう…許してあげてよ…」
「ふんっ!私よりあのチビの味方するのか?」
心にもない事を言ってるのは分かっているし…拗ねてるルル姉を見たのは始めてでちょっと新鮮な感じだ。
「ルル姉、それよりね…はいこれ!」
「ん?」
僕はミョルニルをルル姉に見せた。
「ルル姉が前から欲しかった事は知ってたよ…」
「こ、これを私に?」
ミョルニルを見たルル姉の手が震えていた。
「実はあの約束したデートの時に渡したかったけど…こめんね」
「…お、おほぉ…ミョルニル!」
…これは手応えありの表情だ。
「もう~ハルト君たら…そうだねー!デートの前にこんな血生臭いのは良くないわね!ちょっと体洗って来るから待っててねー♡」
機嫌が直った。
ていうか…超ご機嫌になった。
「うふふっ!そうだな…それより…まず!」
「ん?」
「お風呂入る前にちょっと汗を掻きたくなったから…試し打ちしてくるか♪」
そう言ってルル姉は天界に戻った。
……やばい!
僕は鬼に金棒を渡してしまった事に気付いた。
しかし…最早手遅れだ…。
僕は出来るだけ被害者が少なくなるように祈るしかなかった。
我が息子よ!お前もミョルニルの称号を頂く為に精進しなければな…。
本物を目にしたルル姉がそれを欲しがらない訳がない。
でも…プライドが高くてそれに僕の為の器の材料だ…。
欲しくても言え訳ない。
「あの…神カオス…これ程の物を一体どうやって集めたのですか?」
「えへへ…企業秘密だ!これで足りるか?」
「余る程ですが…これを壊すのは何故かバチが当たりそうで…」
「ん?神が何を言ってる?」
「あはは…ですよね」
ラグレシアは勿体ないような表情と名品を壊す罪悪感に気が重いようだ。
ラグレシアが余る程と言ったので僕はこっそりカオスにお願いをした。
「カオス様…あのミョルニルを僕に譲って頂けませんか?」
「余るって言ってたし別にいいけど…」
「本当に!ありがとうございます!」
「まあ…代わりに一つ聞いていいか?」
「は、はい…何でしょう?」
神の絶対者であるカオスが何を質問して来るか分からなくて緊張した。
「あのぷにぷに魔王の最後の必殺技…どうやって防げるの?」
……この神…。
期待を裏切らないね。
ミョルニールを譲ってもらう代わりに僕は大脂肪プレスの回避方法を教える事になった。
「全部教えたら面白くなくなるんですが…」
「うむ…それもそうだな」
「ヒントだけでいいですか?自力で倒した方が達成感があって嬉しいと思います」
「そうだね!ヒントだけでいい!」
「攻略のカギは周辺環境を利用する事です」
「ん?なるほど!あのオブジェクトはその為か!」
カオスもそれに薄々気づいていたようだが…そう簡単に利用出来る物では無い。
完璧なタイミングど絶妙なコントロールがないと使えないし…風圧すらちょっと掠っただけで即死だ。
「ほれ、約束の物だ」
「ありがとうございます!」
それを聞いたカオスは躊躇なくミョルニルをほいっとくれた。
しかし…このミョルニルは雷神トールの物、その父であるオーディンに許可をもらわないといけない…。
トールはロキの奴と相討ちして死んで息子の形見でもあるからだ。
「あの…このミョルニルをルル姉に渡してもいいですか?」
「うむ…壊されるより誰か使ってもらった方がトールも喜ぶだろ」
「ありがとう…」
よし!ミョルニルはゲット出来た。
あとは…タイミングよくルル姉に渡そうと思った。
その時…誰か工房に入って来た。
「皆様♪御機嫌ようー♪」
それは頭の中がイカれた…バルちゃんだった。
[はぁ?バ…バル?どうした?一体何があった!]
「まあー♪この声はお兄様!まあまあ♪」
「うううう…気色悪い!」
「や、やめて!全身が痒くなった!」
バム、レヴィは鳥肌が立ってその肌をかいている。
「チビ…やっと来たか」
「あら?なになに?」
ルル姉は指を鳴らして手のストレッチをしながらバルちゃんの頭に手を置いた。
きっとアイアンクローでプレスだ…。
しかし、その状況にも拘わらずバルちゃんはヘラヘラしている
それを見たルル姉は一旦手を止めた。
「ん?この昇天しそうな表情……まさか!お前…ハルト君のアレを受けたのか!」
げっ!完全にバレてしまった。
「あら?あらまあ~♪貴女は牛チチの…力バカのくっそルナじゃないか♪」
頭が可笑しくなってもルル姉の呼び方は間違えないバルちゃんだった。
「ふんっ!」
くっちゃっ!
トマトの刑が1回目が実行されて…バルちゃんの潰れた頭からすごい湯気が出て来た。
「うわっ!アチっ!こ、こいつの頭の中…オーバーヒートしてるじゃない!」
「………」
「ハ、ハルト君?一体どのレベルでやったの?」
「あの…それが…ゴットバスターモードで…リミッター解除しちゃった…てへっ!」
「ああ…なるほどね」
「破壊の女神が言っていた事は本当だったな…」
「すごい…」
オーバーヒートしているバルちゃんの潰れた頭をバムとレヴィが凄く興味深々に見ている。
「うう…ここは?お兄ちゃんと会ってから記憶がないや…」
バルちゃんの潰れた頭はサンチュアリーの効果ですぐ再生して…その影響で正気に戻ったようだ。
くっちゃっ!
「あと98回……ククク」
あの容赦ない握り方!ルル姉は本気で100回やるつもりのようだ。
また…バルちゃんはすぐ再生して起き上がって何が起きたか分からないようなキョトンとした顔をした。
「うう…なんか目の前が急に真っ黒になって…」
「うふふ…サンチュアリーって便利だね!」
「げっ!牛チチ!もう戻って…あれ?」
「よう…チビ!これが何か分かるかい?」
「その手に持っているのは…まさか!」
「そのまさかだよ!さあ!トマトの収穫の時間…いや加工の時間だ!ククク!」
ルル姉…それは廃棄だよ。
「うそだろ!何かの間違いよ!きっとイカサマだ!」
「往生祭が悪いな!諦めて頭の中身ぶち撒けろ!あははは!」
機嫌が悪いルル姉は手がつけられない。
「やめてやめて!いやーー!」
「逃げんなよ!」
バルちゃんはその小さい体を利用してちょこまかと逃げ回った。
[[ハ、ハルト!済まないが…バルを助けてやってくれないか…問題ばかり起こすどうしょもない悪戯っ子だが…私には一人しかいない妹なんだ…」
ナイア兄さんの切実な声に僕はルル姉を止めるしかなかった。
「ルル姉…もう…許してあげてよ…」
「ふんっ!私よりあのチビの味方するのか?」
心にもない事を言ってるのは分かっているし…拗ねてるルル姉を見たのは始めてでちょっと新鮮な感じだ。
「ルル姉、それよりね…はいこれ!」
「ん?」
僕はミョルニルをルル姉に見せた。
「ルル姉が前から欲しかった事は知ってたよ…」
「こ、これを私に?」
ミョルニルを見たルル姉の手が震えていた。
「実はあの約束したデートの時に渡したかったけど…こめんね」
「…お、おほぉ…ミョルニル!」
…これは手応えありの表情だ。
「もう~ハルト君たら…そうだねー!デートの前にこんな血生臭いのは良くないわね!ちょっと体洗って来るから待っててねー♡」
機嫌が直った。
ていうか…超ご機嫌になった。
「うふふっ!そうだな…それより…まず!」
「ん?」
「お風呂入る前にちょっと汗を掻きたくなったから…試し打ちしてくるか♪」
そう言ってルル姉は天界に戻った。
……やばい!
僕は鬼に金棒を渡してしまった事に気付いた。
しかし…最早手遅れだ…。
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