異世界で僕…。

2章65話

ルルは部屋から出てティルナノーグを歩き回った。

「はぁ…妬けるな…この私がこんな嫉妬をするとは…散歩でもして気分転換しよ…」

ルルはぶつぶつ独り言を言いながら歩き回ってダークエルフの住処に入った。

「そこのおなごよ…ここは我らスヴァルトの住処だが…ここには何の用だ？」

「あ？」

エムライ族長とダークエルフ達がルルを人間と勘違いして里に入れないように止めた。

「今私は機嫌が悪い…退け」

双子に嫉妬し、不機嫌なルルは破壊の女神の覇気を放った。

その覇気はあまりも凄まじく、ルルの気迫に怯えたエムライは悲鳴をあげた。

「うわぁぁぁぁー化け物だぁぁ！」

それを聞いたルルはオデコから血管が破裂して血が吹き出た。

「んだとごらー！お前ら！血祭りにあげてやろうか！」

「ハルト様ぁぁぁぁ！」

エムライは思わずハルトの名を叫んでそれを聞いたルルはぐっとこらえた。

「そいえばこいつらハルト君の領民だったな」

エムライもその話を聞いて聞いてルルがハルトの関係者と勘付いた。

そして、深呼吸をして必死に恐怖に耐えながらルルに尋ねた。

「さ、さ、さ、先は取り乱して失礼した、ハルト様の所縁がある方と見受けるするが…わ、私はスヴァルトの族長エムライだ…そ、そ、其方は？」

エムライの自己紹介を聞いたルルは笑顔で自己紹介をした。

「破壊の女神ルナファナリールッカでーす♪趣味は滅殺♪特技は撲殺♪好きな事は殴殺で…最近ハマってるのは虐殺デス♪」

可愛い顔と声で血生臭い匂いがプンプンする自己紹介を聞いたエムライはビックとも動かなかった。

「ほぇ……器用な奴だな、泣きながら気絶してる」

ルルはダークエルフ達の里には入らずまた歩き出して大きい城のような建物がある場合に着いた。

「ほぅ！これがハルト君の居城か！」

そこにはバムとレヴィがハルトの城を建てていた。

「レヴィ！外観工事はほぼ終わったから内部をやるぞ」

「わかった！主様との愛の巣♪」

工事中の城にルルが入ると異常な気配に気付いたバムとレヴィはルルの前に現れた。

「ん？破壊の女神…ルナじゃない？」

「おひさー！ルナちゃん」

「あら…バハームトとレヴィヤタン…とこに行ったと思えば…ハルトの居城を君達が作っていたのか」

バムは作業を止めて休憩に入った。

「まあ…あんな事があったからな気を紛らすには丁度いいと思った」

「そうか…」

「しかし…君と話すのは久しいな」

「何が飲みながらはなそうよ！それに話したい事もあるしね」

「話したい事？」

バムとレヴィはルルを歓迎していて、二人は意外と親近感ある雰囲気だった。

「君達を私の神獣にしようとして戦った時が懐かしいな」

「そんな事もあったな」

「ルナちゃん…本当にしつこくて大変だったよ」

「すまん！あの時、君達には既に主人がいると知らなくて」

バムが真っ赤な液体が入った綺麗な金の盃を出した。

「おー！これはアムリタじゃないか…こんな希少な飲み物を…さすがセレブ女王と呼ばれる意味がわかったわ」

「なんだそれは？」

「あれぇ？ばーーちゃん知らないの？みんなばーーちゃんをそう呼んでるよ？」

「好き勝手に呼びやがって…」

「って私に話したい事ってなに？」

「うむ…主様に惚れてしまう気持ちはわかるが…ストーカーのように付き纏うのは良くないな」

「ぷぅーーーーーーっ！」

「ルナちゃん…アムリタが勿体無いよ」

それを聞いたルルは飲んでいたアムリタを吹き出した。

「なんだそりゃ！あ、私がストーカー？」

「ん？バルトゥールから聞いたぞ？主様の周りをしつこくストーキングしてると…主様の寝室に侵入して布団と枕の匂いを嗅ぎながら身悶えた事とか…トイレに侵入して天井に貼り付いてじーと見ていたとか…」

「あいつ…まじで死なす！！」

「ルナちゃん、そんな事したらメッだよ…」

「お前らバカか！バルトゥールの話しを本当に信用してるの？」

「………じょじょ冗談だ！あははは！そんな話し信じる訳ないだろ！あははは」

「そ、そうだよ！ば、バカじゃあるまいし」

二人は騙された事に気付いて怒りを込めて拳をぐっと握っていた。

「んじゃー休憩も終わったし…続きをやるか！」

「そ、そうだね！早く完成させて褒めて貰おう」

「休憩して2分も経ってないわ！」

二人は逃げるように作業に戻った。

ルルもハルトの返事待ちと二人と同じく気を紛らす為に内部工事を手伝った。