異世界で僕…。

ゆうやま

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2章45話

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財宝をなんとか全て吐き出す事が出来たバムは疲れたように巨体のままぐったりしていた。

内臓破裂アッパー…おそろべし。

その隣でバムの胃液まみれの財宝をプァフニールが鼻歌を歌いながら丁寧に拭いていた。

その表情は本当に幸せな顔で黄金の呪いのせいか…元からお金が好きか疑問に思ってきた。

「何これ!!」

「ええっ!一体どこからこんなに?」

戻って来た双子は財宝を見て驚いていた。

「おかえりイリヤ、リリヤ」

「ただいま…何なの?これ?」

「凄い量のです…」

「うん…でも触るなよ、お金の亡霊に襲われるからな…」

「はっ?何それ?」

「呪われた財宝ですか?」

「財宝は大丈夫だけど…あの人がね」

双子を見たプァフニールは既に警戒して威嚇をした。

二人がいない間に出来事を説明してこれからラーズ国に行く事を伝えた。

「本当にあんたってやつは…じっとしていられないの?」

「…すんません」

「んじゃ!私達も支度しないと!急いでリリヤ」

「うん!お姉ちゃん」

何故か怒られたが…双子も楽しそうに支度を始めた。

今回はフィリア姉さんに会いに行って買い物しに行くだけだったので危険はないと思ってちょっとした旅行に行く気分になった。

それで双子も連れて一緒に買い物しながら久々に気分転換でもしようと思った。

「ハルト様…ラグレシア様からこれを渡すようにと…」

メディアさんが来て巻物を渡されて、その内容は鍛冶に使う設備の購入リストで一つ一つの値段が半端なく高い…。

僕がイビルゲートに潜って得た収入では100年以上かかりそうな金額だった。

それにこの領地の代表として会いに行くから正装して行くようにと言われた。

フィリア姉さんなら別にいいと思うけと…メディアさんに領主として自覚を持つようにとか散々言われて仕方なく従った。

正装なんか持って無いから前にテスラさんから貰った…あの幼稚園児の制服を着る事になった。

「お、お兄ちゃん…可愛…いや似合ってるよ」

「言い直さなくていい」

双子に支度に少し時間がかかりそうと言われて少し時間が空いた。

女の子って何かしら準備に時間かかるね…。

バムは財宝を吐き出すのにかなり疲れた様子で少し休ませてからダークエルフ達とラプス達の様子を見に行った。

まず一番近いダークエルフ族の住処に行った。

「は、ハルト様!」

「おお!ハルト様!お帰りになられたですか!」

「ただいま、エムライ族長、ヴィーゼさん」

「その顔だと魔王国の事は上手くいった見たいですな」

「ええ、魔王国はもう安泰かと」

「さすがハルト様ですわ」

ダークエルフ達も新しい住処の作りに張り切っていた。

「どうですか?新しい住処の建設具合は?」

「それが…資材も不足して困ってますが…それより、人手が足りないのが一番厳しいですね」

ダークエルフ達は元々人数が少ない。

そのせいでまだ住処の完成の目処が立たないと族長は苦笑いした。

でもプライド問題で人間の手は借りたくないらしい。

皆んな仲良くなるまではまだ時間が必要みたい…。

「手が空いてる亜人さんをこっちに回せないか相談して見ます」

「おお…助かります!」

「あと、物資は魔王国から支援が来るのでしばらく待って下さい」

「おお!有難い話しですな!」

しかし…ダークエルフ達は地下で生活しているのでかなりの労働力が必要になる…。

それに今はラグレシアの事もあるから増員はあまり期待出来そうではない。



「この地層は硬くて中々骨が折れますな…出来上がったら頑丈なので安心して過ごせると思いますか…」

「へぇ…」

ダークエルフの生活に興味が湧いた僕は地下居住処の設計図を見せてもらった。

以外とがかなりシンプルなつくりで入り口からロビーだけは広く各部屋はそんなに広くなかった。

「この辺りの穴を深く掘ればいいですか?」

「ええ…それさえ出来れば後は我々のみでも問題ありません」

「なるほど…わかりました」

「は…はい?」

それで一つ思い付いた僕はレヴィに念話を送った。

[[レヴィ、ダークエルフ達の住処にちょっと来てくれる?]]

「はい!主様!お呼びですか?」

いつの間に後ろに居た!

「は、速いな…」

「いいえ!主様が拠点から出た時からずーっと付いて来てましたよ?」

「そ、そうなんだ」

こいつも忍者ストーカーか?

「レヴィ、今穴を掘る為に電撃の竜巻を起こして欲しいんだ…出来るかな?」

「オホホ…容易いですぅ♪」

僕がやろうとしてる事をレヴィに伝えて、竜巻に巻き込まれないようにダークエルフのみんなを工事現場から離れるようにした。

「レヴィ!行くぜ」

「主様との愛の共同作業!行きますー!」

またまた愛ね…はいはい。

「超電磁トルネード」

レヴィは電磁を纏った強力な竜巻を穴を掘ってた場所に放った。

「よし!行くぜ!超電磁ースピンドル!」

そして僕は両手を重ねてその竜巻の中に飛び込んだ。

めっちゃビリビリして雷獣のあの感覚がフラッシュバックしてきた。

しかし、僕を信じて付いて来たダークエルフのみんなのために耐えた。

手先には電磁波を収束し、竜巻の回転を利用して穴を掘った。

電磁波の力で硬い地層が豆腐のように掘られてあっという間に設計図通りの穴を掘り終わった。

「とぉっ!超電磁人間ハルトラV」

そして地上に出た僕は決めポーズをした。

「わーい♪主様、格好いい!」

「おおおー!こんなに綺麗な地下トンネルをあっさりてきるとは!さすがハルト様!ありがとうございます」

ダークエルフ達はみんな喜んでいた。

体を張った技は役に立ったようで嬉しかった。

まあ…パクリだけどな…。

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