異世界で僕…。

ゆうやま

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2章44話

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バルちゃんとバム、レヴィは財宝を素早く詰め込み着々と外に運び出した。

その手際がいい作業に関心している僕の前からプァプニールは黙ってロープを出して高い位置に縛っていた。

「ああ……もう生きたくない」

「な、何してるの!辞めろ!」

「離せ!死なせろーーーー!」

プァプニールは首を吊って死のうとして僕は慌てて阻止した。

「裸で財宝の中を泳いで寝るのも、冒険者を誘ってふんどるのもいいから母の姿で首吊りだけはやめろぉぉー!」

「ちょ、ちょっと!どさくさに紛れてどこ触ってんの!」

「お兄ちゃん、その程度で竜は死なないよ?ほっといてほっといて…バム、レヴィあとちょっとだ…頑張れー♪」

「おう!」

「あいあい♪」

「えっ?そうなの?」

問題児トリオはこの自殺の現場を気にもせずに作業を進めている。

でも死なないのはどうあれ首を吊ってる姿は見たくない!

「うううう…誰か殺してくれ」

それでこれ以上何をするかわからないプァフニールに先考えた提案をした。

「プァプニールさん…ちょっと提案があるんですが…聞いてくれます?」

「あ?提案?他人の財宝をぶん取りながら何を言ってる?ひやかしてるのか?」

くっ…言い返す言葉も無い…。

「あの、落ち着いて聞いてください…今取られた財宝よりたくさん儲かる話しです」

「……た、たくさん?」

僕の話しを聞いたプァフニールは興味を持ったようで首吊りをやめてくれた。

「僕達は今このビヒモスを開拓しています…それでプァフニールさんは街の投資家として理事長に推任して貰います」

「トウシカ?リジチョウ?何それ?」

「街が繁栄するほど沢山の配当金が貰えて長い目で見ると元の何十倍は増えますよ」

「詳しく言ってみろ」

プァプニールの目が急に光って完全に食いついた。

プァプニールの財宝で街を繁栄させて利益を生み出す…その利益の一部をプァプニールに払うっと簡単に説明した。

「本当にそんな事出来るの?」

「はい!この街は絶対栄えますよ!損をさせたりはしませんから…もうその首吊りはやめて下さい!」

「わかった!そのリジチョウとやらになる」

「良かった!引き受けてくれて嬉しいです」

「うん…君を信用しよ!どうせ、あいつらのあの悪どい顔を見る限り抵抗しでもぶん取られて終わりなのは確実だ…その話しに乗ろう!」

それはとても賢明な判断だ…。

財宝を運んでるバル、バム、レヴィの張り切っている顔は正に悪党の顔だった!

そして…問題児トリオの頑張りがあってあっという間に財宝を全て外に運び終わった。

「パクッ!」

外に運び込まれた財宝を元の姿になったバムの口の中で収納した。

プァプニールは金貨がどっか落ちてないか隅々まで確認してからバムの背中に乗った。

凄い執着…本当に母が生き返ったような姿だった。

プァフニールも街つくりに参加すると言って、これから一緒に暮らす事になった。

投資家として街の繁栄に貢献して更に取り分を増やしたいらしく、仲間か増えた気がしてちょっぴり嬉しかった。

プァフニールはどう儲けようか考えているようでニヤニヤしている。

「おい!バハムート!小銭一枚でも飲み込んだら呪うからな!」

「黙れ!この金の亡者…ゴックリ…」

「………」

「今…すんげーやばい音がしなかった?」

間違いなく飲み込む音がした。

「あ、主様、言い難いですが…ぜ、全部飲み込んでしまいました」

えっ…これってどうなるの?溶けて…うxこ?

「うわーーーーーん!ばかぁぁ!今すぐ吐き出せ!」

「や、やめろ!暴れるな!痛い痛い!」

焦ったプァフニールはバムの背中を叩いたり踏んだり蹴ったり、噛み付き始めた。

「お兄ちゃん、バムの腹切って取り出そうか?」

「バルちゃん!それ私がやるわ!やらせて♪」

「お前らな!」

こいつら本当に仲間なのか?

どう財宝を取り出すか悩む最中、僕達は拠点に戻った。

そしてバムが飲み込んだ自力で財宝を吐き出させる準備をした。

もし、だめだったらバルちゃんとレヴィに手伝うように頼んだ。

勿論…腹を割る事は禁止て…。

「オエエェェェーーー!」

凄い吐き出す声だった…ビヒモスの全土に響いたと言っても過言ではないほどだった。

「うxこになったらまじ呪うからな!早く吐き出せ!」

涙目のプァプニールは竜に戻ってバムの背中を踏んでいた。

「うるさい!努力してるから黙ってろ!オエエェェェーーー!」

「やっぱ腹を割るのが一番だと思うけどな…まぁ、吐き出せ無かったら…うふふふ♪」

レヴィは自分の鱗で作ったデッカイ包丁二本を持って待機していた。

「仕方ないな…ちょっと手伝ってあげる」

見てられなかったか、暇だったのか…あるいは悪意があったか…バルちゃんがバムの前に来てストレッチを始めた。

「せーーの!内臓破裂アッパー!」

バルちゃんはバムの腹に強力なスクリューアッパーを入れた。

「うえっーーーー!ゲロゲロゲロ」

「おぉ!ちょっと出たよ!これちょっと楽し…いや効いてる!」

「バル!貴様…今楽しいって言いかけたな!…ゲロゲロゲロゲロ」

内臓破裂アッパーって……破裂したら吐き出せないよ…。

しかし、この調子なら全部吐き出せるようだ

任せたのは僕だが、さすがに見ていられなくてその場から離れ、レガリア大陸に行く支度をした。

レガリア大陸からこっちに来てそんなに立って無いのに凄く懐かしく感じた。

フィリア姉とマリーヌさん…元気にしてるかな?

早く会いたいと思った。





拠点からちょっと離れ場所で忘れられて放置された二人がいる…

それは…双子のイリヤとリリヤだった。

「リリヤ…この怪声はなに?」

「この声…バハムートさんじゃない?」

「全然戻って来ないと思ったら…なにやってるんだか……」

「ふぅ…大体の準備は終わったから後はあの二人に任せて私達も戻ろう、お姉ちゃん」

「だな…行こうリリヤ」

バハムートとリヴァイアサンが巨大な山を一つ丸ごと切り取って地面に差し込んであった。

そのダイナミックなやり方でハルト達の拠城の基礎工事は終わっている。

その周りを双子は石を片付けて、雑草を刈り取り綺麗にした。

「あの二人、本当に無茶苦茶過ぎて言葉も出ないわ」

「うん……あまり深く考えないようにしよう」

双子はハルトの居城になる山を呆然と見ていた。
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