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2章42話
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メディアさんにまずラグレシア達の工房を優先的に作るように人員配置を頼んで施工が始めるようにした。
それを見たラグレシアは喜んでいたが急に深刻な表情に変わった。
「ハルトよ…ちょっと困ったことがあるのよ」
「なんですか?」
「この大陸の道具と設備は雑で脆くてね…いい物が作れないのよ…見てわかると思うけど…妾の神力はかなり衰えているからそれを改良してもそこそこしか出来ない」
「ってことは…良品の設備があればラグレシアさんが満足する程の設備を改良出来るって事ですか?」
「うむ…ハルトは中々頭がいいね」
ラグレシアさんの元縄張りのレガリア大陸にはどの大陸より鍛治が栄えているらしくてそこの設備を購入して欲しいと言われた。
それを聞いたメディアは困った顔で僕に話しかけた。
「ハルト様、残念ながら…そんな高価な設備を購入する余裕は今の我々にはありません」
メディアから財政のピンチを長々と聞かされた。
今からみんなが自立出来るまで大量の食料と生活必需品が必要となる…。
魔王国けら支援物資が来ても…長く持たない。
それに魔王国も内乱が終わったばかりなのにバルちゃんの脅迫に沢山の支援物資まで送る羽目になってる…人がいいテスラさんなら喜んで支援してくれると思うがこれ以上負担をかけられない。
それもそうだが…そもそも物を買うお金がない!
何処かに援助してもらう手しかない。
「お兄ちゃん!私に任せて!」
それを聞いたバルちゃんが資金の調達すると言っだ。
「本当に?どうやって?」
「魔王にちょっと追加の話し付けて来るから待ってて~♪いくぞ!バム!レヴィ!」
「おう!本来の姿でちょいと威嚇するか?」
「私は派手に津波に乗って大量の落雷を落としながから行くよ♪」
インパクトありすぎのすんーごい演出になるだろうね…。
「バルちゃん…バム、レヴィ…やめなさい」
「えー?なんで?」
「わ、わかりました」
「残念…」
こいつら…テスラさんをいいカモと思ってるな…。
しかし…資金は必要だ。
「そうだ!ラーズ国!フィリア姉さんがいる!」
きっとフィリア姉さんなら資金を貸してくれるはずだ。
「ああ…ラーズ国か…いいね!たんまり絞って来るか!いくぞ!バム!レヴィ!」
「おう!」
「あいあい♪」
「やめなさい!それに絞らない!ちゃんと見返りも用意しないといけない!メディアさん我々が用意出来る物って何かありますか?」
「今の所把握しているのは良質な鉱石…それぐらいしか無いですが…それだと採掘にかなり時間がかかると…」
まだ住処も出来てない状況で採掘しろって言えない。
「開拓を始めたばかりでそんな都合がいい話しがある訳が無いか…はぁ~」
僕は厳しい現状にため息しか出なかった。
「主様…役に立つかわかりませんが金銭的な事で悩みがあるなら北の山に行ってみませんか?」
「北の山?何かあるの?」
「1000年程前住み着いたドラゴンが居まして…確かにやつの名はプァプニールでした」
都合のいい話しはあった!
プァプニール…呪われた黄金に惑わされてその黄金を守る欲に落ちたドラゴンとなった元はドワーフの話しだったっけ?
「よしゃー!お兄ちゃん!ぶん取りに行こう!いくぞ!バム、レヴィ!」
「おう!」
「あいあい♪」
「借りるだけだから!」
…この問題児達は本当にブレないな。
僕達は資金問題を解決する為に北の山に住み着いたドラゴン…プァプニールに会いに行った。
、
、
、
破壊の大神殿は祈りを捧げに来た冒険者の訪問で賑やかになっている。
それと破壊の女神の神殿を取り壊して商会やほかの施設を立てた各国の領主達も破壊の女神の怒りに触れないうちにお詫びにぞろぞろ来ている
それだけではなく今までどこの神殿にも所属出来ず野良で活躍していた亜人達がの聖職者が司祭志望で来てイッセリナ司祭長は彼等を積極的に雇った。
今まではラネース一人を雇う事すら精一杯だったイッセリナ司祭長は毎日入る莫大な寄付金で金庫に入れる空間がない状態を見て爆笑している。
「オホホホ!あらまあ~新しい大金庫を10個ほど発注しないとね」
「はい!発注しておきます」
「みんな~♪今日も人間の冒険者の皆様の財布を搾り尽くしましょう♪ざぁー!みんなお勤めに励んでちょーだい」
「はい!」
司祭長の命令に司祭達は祈りに来た者の迎える準備を始めた。
「イッセリナ司祭長!ただいま戻りました」
「あら…ラネースおかえり…その顔を見る限り魔王国は大丈夫みたいですね」
「聞いて下さいよ!ハルト様が大活躍をしましたよ♪」
ラネースは大結界を張って兵を一人も死なせず魔王の勝利を導いた事を司祭達に話すると司祭達は破壊の女神の像を更に尊敬の目で眺めていた。
その時…天の柱の光からゲートが開いた。
「こ、これは!みんな!跪きなさい!」
「げっ!まさか…このゲートは!」
イッセリナとラネースがゲートの前で慌てて跪くと司祭達は何が起きたか分からず戸惑いながら跪いた。
「あらまあ!前に来た時より随分華やかになったわね」
「うむ…主様にもっと相応しくしろ…しかし、あの状態からここまでするとはよくやった」
「お褒めの言葉ありがとうございます!ラズリック様…レイラ様」
その名を聞いた司祭達は感動して体震えていた。
司祭として神や使徒に会える事は生涯一回あるかないかで、一番光栄な事であり…みんなその日を夢見ていた。
「司祭長…」
「はい!」
「今から指示する場所に至急に司祭達を派遣してルナ様の神殿を建てなさい」
「ここはマムンティア大陸…」
ラズリックが示した場所はビヒモスの中央部だった。
「そうよ…今ハルトちゃんがそこを治めているのよ…しかし!あのペタンコのブスが先に神殿を建てるつもりらしいから…それは嫌でしょ?」
「なんですと!」
「うむ…ルナ様の為に尽力を尽くせ!これはルナ様の望みである」
「ははっ!あのペタンコ神に比べられないほどの立派な神殿を建てますので!ご安心くださいませ!」
「頼んだ」
「はっ!」
「あと…ハルトちゃんが今色々困っているから力になってあげなさい」
「はい!尽力を尽くします」
それを伝えたラズリックとレイラは天界に戻ってから神と使徒を初めて会った司祭達は興奮して燥いでいた。
「イッセリナ司祭長!」
「あら…メリアナ大司祭ではございませんか…何しにきました?暇で遊びに来た訳ではなさそうですし…目障りですから早く帰ってくれませんかね…」
主神の神殿に勤めている司祭達の長であり全ての司祭長を管理する…それが大司祭だ。
その大司祭に向けたイッセリナの言葉は刺々しかった。
「冒険者の皆様に神の祝福を与える対価として寄付金を頂くのはいいですが!金貨5枚って…高過ぎます!」
「あ?相変わらずうるさいな…要らないなら他に行けばいいのに…それでもこっちに来るから別にいいんだよ…」
「先輩…これは横暴です!」
「横暴ね……お前がそれを言うか!」
「私が何をしたと言うんですか?」
「この神殿に予算配布会と神々の祭り事に除外!亜人達の差別を黙認!言うなら数え切れないわ!」
大司祭とイッセリナは先輩後輩関係でイッセリナは首席で聖職学院卒業してメリアナは次席で卒業した。
普通は首席のイッセリナが大司祭になるはずだったが…彼女は人間でありながら大の人間嫌いで亜人達と仲良くしていた。
その上に言動も荒く司祭達とトラブルも多かった彼女は主神の神殿ではなく破壊の女神の神殿に配属された。
「それは…私のせいではないじゃないですか!…先代から…」
「黙れ!お前が大司祭になってから8年も過ぎているが何も変わってないじゃないか!お前も奴らと同じなんだよ!」
「そ、それは…私一人で決められる事では…」
「何を言う?やろうとした事もないくせに!」
メリアナは大司祭となってから他の司祭長達と不仲になる事を恐れ、それでイッセリナの状況と破壊の女神の神殿の扱いを改善しようと言い出せずに8年も過ぎてしまった。
「でも…それとこれは別の問題です!すぐ寄付金の値段を下げて下さい」
「あい…わかった…それじゃ…2000間支払われてないこの神殿の予算を払って貰おうか」
「えっ?…そ、そんな…それは無理です!時効切れです!」
「あ?…貴様はこれの前でよくその言葉が言えるね…よく見ろ!」
メリアナの頭の上にはこの神殿に勤めた代々の司祭長の絵が飾られていた。
との司祭長も痩せて老け顔だった。
「ひ、卑怯です!」
「うん…仕方ない…なら!破壊の女神様に今までの不当な差別を受けた事を詳しく報告しよ」
「はい?」
「きっと…大神殿3つや4つ…吹っ飛ぶだろうな…ククク」
「そ、そんな脅しは通用しないです!」
「脅し?ああ…お前は神様どころか使徒様にも会った事ないもんな…」
「えっ?せ、先輩はあると言うのですか?」
「おうよ!ラズリック様とレイラ様…そしてルナ様の新たな使徒様のハルト様まで!」
「そんな見え見えな嘘を…」
破壊の女神が異界に飛ばされてから2000年の間…神も使徒も神殿に現れた事はなかった。
それでメリアナは信じられずに脅しと思っている。
「あの…嘘ではありませんよ、つい先までラズリック様とレイラ様がいらしゃったです…我々聖職者が神の事で嘘は言えません」
「え?ほん、本当に?あー…もうちょっと早く来たら…」
メリアナはラネースの話しを聞いて羨ましいような表情をした。
その時…またゲートが開いてラズリックとレイラがまた出てきた。
「言い忘れたわ…邪魔する者はぶっ潰していいわよ」
「ルナ様はどの神より…主神様より高位の方だ…逆らう者はなかろう…もしいるとしたら私が天誅を下す!」
「ははっ!ラズリック様、レイラ様!承りました!」
「えーー!」
その名を聞いたメリアナも慌てて跪いた。
「じゃねー♪」
「頼んだぞ」
それを言って二人はまた天界に戻った。
「先輩…主神様より高位って…どいう意味ですか?」
「オホホホ!アナタは知らなくていい事よ」
「ムキーっ!」
その命を受けたイッセリナはラネースを副司祭長に任命して司祭達と一緒にビヒモスに向かわせた。
「ふぅ…それにしても今冒険者達に何かあったの?こんなに行列が出来たら普通諦めて他の神殿に行くのに…」
「今この聖都のイビルゲートに異常なほど魔物が湧き出しています」
「それは大変ね…イビルゲートに何があったの?」
「わかりません…この騒ぎはその対処を為かと…」
「なるほどね…」
数日前から聖都のイビルゲートでは魔物の発生が早すぎて冒険者達も対処に困っていた。
それで各司祭長はこの原因を調べ解決する者には神殿から代々受け継けた三つの神の剣一つを与えると発表し、みんな張り切っている。
その時…破壊の女神の神殿に天の柱を見て冒険者達はその戦いに特化した祈りの効果を求めて集まっている。
最高難易度を誇るこのイビルゲートの異変で下界はおろか天界まで危機になる危険な者が眠っていると誰も予想出来なかった。
それを見たラグレシアは喜んでいたが急に深刻な表情に変わった。
「ハルトよ…ちょっと困ったことがあるのよ」
「なんですか?」
「この大陸の道具と設備は雑で脆くてね…いい物が作れないのよ…見てわかると思うけど…妾の神力はかなり衰えているからそれを改良してもそこそこしか出来ない」
「ってことは…良品の設備があればラグレシアさんが満足する程の設備を改良出来るって事ですか?」
「うむ…ハルトは中々頭がいいね」
ラグレシアさんの元縄張りのレガリア大陸にはどの大陸より鍛治が栄えているらしくてそこの設備を購入して欲しいと言われた。
それを聞いたメディアは困った顔で僕に話しかけた。
「ハルト様、残念ながら…そんな高価な設備を購入する余裕は今の我々にはありません」
メディアから財政のピンチを長々と聞かされた。
今からみんなが自立出来るまで大量の食料と生活必需品が必要となる…。
魔王国けら支援物資が来ても…長く持たない。
それに魔王国も内乱が終わったばかりなのにバルちゃんの脅迫に沢山の支援物資まで送る羽目になってる…人がいいテスラさんなら喜んで支援してくれると思うがこれ以上負担をかけられない。
それもそうだが…そもそも物を買うお金がない!
何処かに援助してもらう手しかない。
「お兄ちゃん!私に任せて!」
それを聞いたバルちゃんが資金の調達すると言っだ。
「本当に?どうやって?」
「魔王にちょっと追加の話し付けて来るから待ってて~♪いくぞ!バム!レヴィ!」
「おう!本来の姿でちょいと威嚇するか?」
「私は派手に津波に乗って大量の落雷を落としながから行くよ♪」
インパクトありすぎのすんーごい演出になるだろうね…。
「バルちゃん…バム、レヴィ…やめなさい」
「えー?なんで?」
「わ、わかりました」
「残念…」
こいつら…テスラさんをいいカモと思ってるな…。
しかし…資金は必要だ。
「そうだ!ラーズ国!フィリア姉さんがいる!」
きっとフィリア姉さんなら資金を貸してくれるはずだ。
「ああ…ラーズ国か…いいね!たんまり絞って来るか!いくぞ!バム!レヴィ!」
「おう!」
「あいあい♪」
「やめなさい!それに絞らない!ちゃんと見返りも用意しないといけない!メディアさん我々が用意出来る物って何かありますか?」
「今の所把握しているのは良質な鉱石…それぐらいしか無いですが…それだと採掘にかなり時間がかかると…」
まだ住処も出来てない状況で採掘しろって言えない。
「開拓を始めたばかりでそんな都合がいい話しがある訳が無いか…はぁ~」
僕は厳しい現状にため息しか出なかった。
「主様…役に立つかわかりませんが金銭的な事で悩みがあるなら北の山に行ってみませんか?」
「北の山?何かあるの?」
「1000年程前住み着いたドラゴンが居まして…確かにやつの名はプァプニールでした」
都合のいい話しはあった!
プァプニール…呪われた黄金に惑わされてその黄金を守る欲に落ちたドラゴンとなった元はドワーフの話しだったっけ?
「よしゃー!お兄ちゃん!ぶん取りに行こう!いくぞ!バム、レヴィ!」
「おう!」
「あいあい♪」
「借りるだけだから!」
…この問題児達は本当にブレないな。
僕達は資金問題を解決する為に北の山に住み着いたドラゴン…プァプニールに会いに行った。
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破壊の大神殿は祈りを捧げに来た冒険者の訪問で賑やかになっている。
それと破壊の女神の神殿を取り壊して商会やほかの施設を立てた各国の領主達も破壊の女神の怒りに触れないうちにお詫びにぞろぞろ来ている
それだけではなく今までどこの神殿にも所属出来ず野良で活躍していた亜人達がの聖職者が司祭志望で来てイッセリナ司祭長は彼等を積極的に雇った。
今まではラネース一人を雇う事すら精一杯だったイッセリナ司祭長は毎日入る莫大な寄付金で金庫に入れる空間がない状態を見て爆笑している。
「オホホホ!あらまあ~新しい大金庫を10個ほど発注しないとね」
「はい!発注しておきます」
「みんな~♪今日も人間の冒険者の皆様の財布を搾り尽くしましょう♪ざぁー!みんなお勤めに励んでちょーだい」
「はい!」
司祭長の命令に司祭達は祈りに来た者の迎える準備を始めた。
「イッセリナ司祭長!ただいま戻りました」
「あら…ラネースおかえり…その顔を見る限り魔王国は大丈夫みたいですね」
「聞いて下さいよ!ハルト様が大活躍をしましたよ♪」
ラネースは大結界を張って兵を一人も死なせず魔王の勝利を導いた事を司祭達に話すると司祭達は破壊の女神の像を更に尊敬の目で眺めていた。
その時…天の柱の光からゲートが開いた。
「こ、これは!みんな!跪きなさい!」
「げっ!まさか…このゲートは!」
イッセリナとラネースがゲートの前で慌てて跪くと司祭達は何が起きたか分からず戸惑いながら跪いた。
「あらまあ!前に来た時より随分華やかになったわね」
「うむ…主様にもっと相応しくしろ…しかし、あの状態からここまでするとはよくやった」
「お褒めの言葉ありがとうございます!ラズリック様…レイラ様」
その名を聞いた司祭達は感動して体震えていた。
司祭として神や使徒に会える事は生涯一回あるかないかで、一番光栄な事であり…みんなその日を夢見ていた。
「司祭長…」
「はい!」
「今から指示する場所に至急に司祭達を派遣してルナ様の神殿を建てなさい」
「ここはマムンティア大陸…」
ラズリックが示した場所はビヒモスの中央部だった。
「そうよ…今ハルトちゃんがそこを治めているのよ…しかし!あのペタンコのブスが先に神殿を建てるつもりらしいから…それは嫌でしょ?」
「なんですと!」
「うむ…ルナ様の為に尽力を尽くせ!これはルナ様の望みである」
「ははっ!あのペタンコ神に比べられないほどの立派な神殿を建てますので!ご安心くださいませ!」
「頼んだ」
「はっ!」
「あと…ハルトちゃんが今色々困っているから力になってあげなさい」
「はい!尽力を尽くします」
それを伝えたラズリックとレイラは天界に戻ってから神と使徒を初めて会った司祭達は興奮して燥いでいた。
「イッセリナ司祭長!」
「あら…メリアナ大司祭ではございませんか…何しにきました?暇で遊びに来た訳ではなさそうですし…目障りですから早く帰ってくれませんかね…」
主神の神殿に勤めている司祭達の長であり全ての司祭長を管理する…それが大司祭だ。
その大司祭に向けたイッセリナの言葉は刺々しかった。
「冒険者の皆様に神の祝福を与える対価として寄付金を頂くのはいいですが!金貨5枚って…高過ぎます!」
「あ?相変わらずうるさいな…要らないなら他に行けばいいのに…それでもこっちに来るから別にいいんだよ…」
「先輩…これは横暴です!」
「横暴ね……お前がそれを言うか!」
「私が何をしたと言うんですか?」
「この神殿に予算配布会と神々の祭り事に除外!亜人達の差別を黙認!言うなら数え切れないわ!」
大司祭とイッセリナは先輩後輩関係でイッセリナは首席で聖職学院卒業してメリアナは次席で卒業した。
普通は首席のイッセリナが大司祭になるはずだったが…彼女は人間でありながら大の人間嫌いで亜人達と仲良くしていた。
その上に言動も荒く司祭達とトラブルも多かった彼女は主神の神殿ではなく破壊の女神の神殿に配属された。
「それは…私のせいではないじゃないですか!…先代から…」
「黙れ!お前が大司祭になってから8年も過ぎているが何も変わってないじゃないか!お前も奴らと同じなんだよ!」
「そ、それは…私一人で決められる事では…」
「何を言う?やろうとした事もないくせに!」
メリアナは大司祭となってから他の司祭長達と不仲になる事を恐れ、それでイッセリナの状況と破壊の女神の神殿の扱いを改善しようと言い出せずに8年も過ぎてしまった。
「でも…それとこれは別の問題です!すぐ寄付金の値段を下げて下さい」
「あい…わかった…それじゃ…2000間支払われてないこの神殿の予算を払って貰おうか」
「えっ?…そ、そんな…それは無理です!時効切れです!」
「あ?…貴様はこれの前でよくその言葉が言えるね…よく見ろ!」
メリアナの頭の上にはこの神殿に勤めた代々の司祭長の絵が飾られていた。
との司祭長も痩せて老け顔だった。
「ひ、卑怯です!」
「うん…仕方ない…なら!破壊の女神様に今までの不当な差別を受けた事を詳しく報告しよ」
「はい?」
「きっと…大神殿3つや4つ…吹っ飛ぶだろうな…ククク」
「そ、そんな脅しは通用しないです!」
「脅し?ああ…お前は神様どころか使徒様にも会った事ないもんな…」
「えっ?せ、先輩はあると言うのですか?」
「おうよ!ラズリック様とレイラ様…そしてルナ様の新たな使徒様のハルト様まで!」
「そんな見え見えな嘘を…」
破壊の女神が異界に飛ばされてから2000年の間…神も使徒も神殿に現れた事はなかった。
それでメリアナは信じられずに脅しと思っている。
「あの…嘘ではありませんよ、つい先までラズリック様とレイラ様がいらしゃったです…我々聖職者が神の事で嘘は言えません」
「え?ほん、本当に?あー…もうちょっと早く来たら…」
メリアナはラネースの話しを聞いて羨ましいような表情をした。
その時…またゲートが開いてラズリックとレイラがまた出てきた。
「言い忘れたわ…邪魔する者はぶっ潰していいわよ」
「ルナ様はどの神より…主神様より高位の方だ…逆らう者はなかろう…もしいるとしたら私が天誅を下す!」
「ははっ!ラズリック様、レイラ様!承りました!」
「えーー!」
その名を聞いたメリアナも慌てて跪いた。
「じゃねー♪」
「頼んだぞ」
それを言って二人はまた天界に戻った。
「先輩…主神様より高位って…どいう意味ですか?」
「オホホホ!アナタは知らなくていい事よ」
「ムキーっ!」
その命を受けたイッセリナはラネースを副司祭長に任命して司祭達と一緒にビヒモスに向かわせた。
「ふぅ…それにしても今冒険者達に何かあったの?こんなに行列が出来たら普通諦めて他の神殿に行くのに…」
「今この聖都のイビルゲートに異常なほど魔物が湧き出しています」
「それは大変ね…イビルゲートに何があったの?」
「わかりません…この騒ぎはその対処を為かと…」
「なるほどね…」
数日前から聖都のイビルゲートでは魔物の発生が早すぎて冒険者達も対処に困っていた。
それで各司祭長はこの原因を調べ解決する者には神殿から代々受け継けた三つの神の剣一つを与えると発表し、みんな張り切っている。
その時…破壊の女神の神殿に天の柱を見て冒険者達はその戦いに特化した祈りの効果を求めて集まっている。
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