異世界で僕…。

ゆうやま

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2章40話

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どこも門前払いされ最後にビヒモスの背中で住み着いた創造の女神はバムとは面識がありそうだった。

「バムは創造の女神と知り合いだったの?」

「はい…ちょっと昔、色々ありまして…最後に会ったのは確かに…私の爪が必要だから取りに来た!っと言って襲ってきまして…」

バハムートを襲うとはなんと勇敢な女神!

「そ、そんな事もあったわね…」

ラグレシアは何故か気まずそうな顔になった。

「まぁ…死なない程度ボコって返したが…それが諦めが悪くしつこくて」

やはりそうなるか、さすがバムだな…。

「創造の門を作るために必要だったのよ」

創造の門?トルゥーガが出て来たゲートをラズリックさんが創造の門と言った事を覚えている…。

「まさか!創造の門が出来たって事は!」

この女神…凄い!バムに勝ったのか!

「……まぁ、まあねぇ…」

でも彼女は何故か僕から顔を逸らしていた。

「それがあまりもしつこく、46回目でさすがにうっとしくなって息の根を止めようかと思ったんですが、土下座して泣きながら切実にお願いして来たので…仕方なくあげました」

……まじか。

「……言うなぁぁ!」

ラグレシアは恥ずかしいか顔を手で隠したが耳まで赤くなっている。

しかし…この神、凄い執念だな。

「ちょっと!ばーーちゃん!いきなり居なくなって怪しいと思った!やっぱりここだった………あら?ラグレシアちゃん?」

また厄介なやつが戻って来た…。

「レ、レ、レヴィヤターン!まさか!」

ラグレシアの表情を見るとレヴィとも知り合いのようだ。

「レヴィも知り合いだった?」

「はい!ちょっと昔…色々ありまして…」

はいはい…オチが見えた!

「私の鱗が必要だからって襲って来た事がありまして…」

「うん…ボコって返したがしつこく何回も来て最後は泣きながらお願いして来て鱗をあげたところか?」

「主様…すこーーい!なんで分かったんですか!」

やっぱりか……。


「うううう…」

創造の女神は恥ずかしくて顔が真っ赤になって泣いていた。

「お兄ちゃん!ただいま!サンチュアリーは順調に進んで……ラグレシア?」

「ディシーポネー!!何故邪神の貴様がここにいる!!またのまさか!」

今度はバルちゃん、厄介トリオが揃ってしまった。

「一応聞くけど…知り合い?」

「うん…昔しね…色々あってね…」

この女神…もう呆れた。

「まぁ…一応聞くけど…泣きながらお願いされて何をあげたの?」

「ん?何の話し?」

なに!今度は違うのか!

「昔…天界にこっそり上がり込んだ時があったのよ…まあ常習犯だったけどね!てへっ!」

天界の警備…問題あり過ぎるだろ!

「ある日…一人で気持ち悪く笑いながら何かを作っていたこいつを見つけてな…ちょっとボコってそれを取り上げた事があってね」

「……」

「本当しつこくてね…丸一日殴っても諦めなくて返してあげたの」

ほぼ同じだった。

それでよくもルル姉に喧嘩売ったな…。

「もう…誰でもいい…殺してくれ」

「ら、ラグレシア様!気をしっかり持って下さい!過去の事はどうでもいいではないですか」

「黙れバカ!うわぁーん!」

口下手なトルゥーガが慌てて慰めようとしたが逆効果だった。

創造の女神の号泣きする姿を見て哀れすぎてルル姉の事と僕の命を狙って来た事を責めたい気持ちもなくなった。

それに体を張ってプライドまで捨てた物作りの執着…是非!このビヒモスに欲しい人材だと思った。

それでラグレシアと交渉に応じる事にした。

「まあ…泣き止んで下さい…ラグレシア様」

「うううう……」

「交渉したい話しがあると聞きましたが」

「どうせ、前の事で根に持って断るに決まってる!もういい!帰る…ヒクヒク」

泣きながら席に立とうとするラグレシアの姿は本当に可哀想だった。

「帰る場所はありますか?」

「うううう」

つい…考えずに言ってしまってトルゥーガが怒った。

「我が主をこれ以上苦しめると許さん!」

トルゥーガはひやかしてると思って僕に殺気を放った。

「バム、レヴィ!待って!」

バムとレヴィの手がトルゥーガの頭と首の皮一枚の距離で止まった。

僕に殺気を放った瞬間…こうなると予想してすぐ止めなかったらトルゥーガはもう死んでいた…。

本当にこの二人は油断出来ん!

「ラグレシア様…誤解しないで頂きたいです」

「誤解?」

「はい…確かに僕の命を狙った事もあったんですが……」

あっ!

「待て待て待って!バム!レヴィ!」

バムの足はラグレシアの頭の上で止まった…危機一髪だった!

でも………。

レヴィの指先はラグレシアの眼球を思いっ切り突いてしまった…。

「きゃあああ!目が…目が!」

もう…この狂龍は!

「ブハッ!」

「えっ!トルゥーガさん!!」

トルゥーガは何故か急に鼻と耳…そして首からも血を吹き出して倒れた。

………?

バルちゃんが倒れたトルゥーガを指で突きながら苦笑いした。

「これは先の衝撃波のせいだな…この程度でくだばるとは情けない」

ああ…最初に止めたあの寸止めか!

ああ…もう終わったな…交渉終了!

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