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2章39話
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メディアさんが連れて来た凄腕の鍛冶屋って創造の女神ラグレシアだった。
創造の女神ラグレシア…ここで会うとは思ってもなかった。
「まさかここの領主がお主だったとは!これは何の冗談なんだ!」
「成り行きで領主になりましたが…本当の事です」
「あの…領主様?お知り合いの方でした?」
メディアさんが僕と創造の女神との関わりがあると見て質問して来た。
「領主様の周りは把握して置く必要があるので…身の振る舞いを見てただの鍛冶屋には見えませんが…一体何者ですか?」
「うーん…今更驚かないと思うですが…この方は創造の女神ラグレシア様とその使徒トゥルーガさんです」
「な、なんですと!天界の16柱の大神であり…あの天界の厄災、破壊の女神を封印したラグレシア様ですか!」
「うむ、如何にも妾が創造の女神である」
驚いたメディアさんは慌てて跪つくと創造の女神は鼻を高くしていい気分になってた…。
ルル姉に怯えて天界から逃げたくせに!
「はっは!今までの数々の無礼!お許しを!」
メディアさんはラグレシアの前に跪いてお詫びを入れた。
「うむ!構わぬ…許そう!」
「この慈悲深さ…正に女神の鏡、ありがとうございます」
「うむ!しかし、いいのか?そんな事言って…お主はこ奴の配下であろう?」
「はい…そうですが何か…?」
メディアさんはラグレシアの話の意味をわからずキョトンとした顔をしていた。
「知らないのか?こ奴はその天界の厄災と呼ばれてる女の腰巾着だぞ?」
「はい?…………えっ?」
なんとまあ厄災とか腰巾着とか言いたい放題…。
「……あの…冗談ですよね?ほ、本当に?」
メディアさんは冷や汗をダラダラ流しながら顔をこっちに向けて来た。
「腰巾着は違うけど…まぁそんなところですね…破壊の女神様は僕の大切な女神様です」
「ああああっ!お許しを!お許しを!」
知らなかったと言え…ルル姉を貶した事はさすがに不愉快だ。
たから…ちょっとイタズラしようと思った。
「本当に知りませんでした、神に仕える者として神を貶した罪、どんな罰でも喜んでうけますのでお許し下さい」
「どんな罰でも?」
「はい…」
「では切腹3回で許します」
「切腹?…腹切りですか?」
あら?この世界にも切腹ってあるんだ。
「あの…一回で普通に死にますが…」
まあ…普通はそうだろうけど、メディアさんが死んだら僕も困る。
それで、僕はニコッと笑ったあと真顔で言った。
「大丈夫です、死にそうになったら回復魔法をかけますので!」
「お、お主、顔に似合わずエゲツないな」
「……」
それを聞いたラグレシアとトルゥーガはドン引きした顔で僕を見ていた。
「ううう…一回!一回で負けてくれませんか?お願いします…」
ほぇ、本当にやるつもりなんだ。
さすが勇敢な元聖女だと関心してその切実な表情を見て僕は満足して許した。
「まぁ…冗談です、でも今後は気をつけて下さい」
「はっは!肝に銘じます!有難う御座います!有難う御座います!!」
「それとこの事は他の方々にも伝えて下さい」
「承りました…至急に通達します」
メディアさんは僕が破壊の女神の関係者であることを知らせに急ぎ出て行った。
しかし、創造の女神が何故ここにいるか、この偶然に僕も戸惑った。
「はぁ~~」
創造の女神はなぜか凄く苦痛な表情で深いため息をした。
「どうしました?女神とあろう方がため息などして…」
「妾をおちょくってるのか!そんなの当たり前だろが!天界を出てからあらゆる所を転々と回ってやっと根を降ろす場所を見つけたと思ったのに…まさかこうなるとは…もう疲れた!」
……なるほど。
どこもルル姉が帰って来た事でラグレシアを受け入れると目つけられるんじゃないかと怖くて門前払いされたところだな…なるほどなるほど。
「いっそのことこ奴を殺してこの恨み晴らしてくれよう!もうどうでもいい!トルゥーガよ!力の解放を許す、やつを懲らしめろ!」
「はっ」
「ちょ!待って待って!いきなりエンカウントかよ!」
しかし、トルゥーガは力を出すところかビックとも動かなかった。
「ラ、ラグレシア様…何故か力の解放が出来ません!」
「はっ?なに?」
ああ…そうだ!
これはサンチュアリーのせいだとすぐ気付いた。
しかし…落ちても女神とその使徒。
それに今この周辺は街の建設中だ。
戦いになったら住民達が巻き込まれて怪我人が出て、建設の多大なる支障を起す可能性が高く、出来れば戦いは避けたい。
その時、運がいいか悪いか…水爆級の危険人物であるバムが戻ってきた。
「主様、少し宜しいですか?お聞きしたい事が…」
こんな状況で……これはやばい!
「ん?ラグレシアじゃないか?主様の客人って君だったのか?」
「はっ?ん?……バ、バ、バ、バ、バ、バ、バハームト!!ってこ奴が主様?」
「おい!こ奴って失礼であろう!それになんだこの状況は?」
バムはトルゥーガが僕に向かって攻撃的な構えをしている姿を見て怖い顔をしてラグレシアに問い詰めた。
「おい…ラグレシア…貴様の使徒が何か物騒な気配を出してるが…まさか我が主様に向けているではないだろうな?もしそうならそやつとお前も生きて返さんぞ…どうなんだ?早く言えよ…」
「オ、オ、オホホ…まさか!ト、トルゥーガよ、その寒い一発芸はもう辞めなさい…オホホ」
「一発芸って…さき、殺して恨みを晴らすと…うぷぷぷー!」
「オホホホ!お願いだから…黙ってくれ、頼む!」
ラグレシアは僕の口を塞いで続きを言わせてくれなかった。
僕もバムが暴れてこの一帯が吹っ飛ぶ事は望んでないから頭を頷くと手を離してくれた。
「主様…殺して恨みを晴らすとはなんの話ですか?」
「いや…なんでもないんだ…独り言だよ」
「は、はい…」
「ありがとう…ありがとう…うう」
落ちぶれたと言え大神だった彼女がここまで怯えるとは……バムはやはり…怖い。
創造の女神ラグレシア…ここで会うとは思ってもなかった。
「まさかここの領主がお主だったとは!これは何の冗談なんだ!」
「成り行きで領主になりましたが…本当の事です」
「あの…領主様?お知り合いの方でした?」
メディアさんが僕と創造の女神との関わりがあると見て質問して来た。
「領主様の周りは把握して置く必要があるので…身の振る舞いを見てただの鍛冶屋には見えませんが…一体何者ですか?」
「うーん…今更驚かないと思うですが…この方は創造の女神ラグレシア様とその使徒トゥルーガさんです」
「な、なんですと!天界の16柱の大神であり…あの天界の厄災、破壊の女神を封印したラグレシア様ですか!」
「うむ、如何にも妾が創造の女神である」
驚いたメディアさんは慌てて跪つくと創造の女神は鼻を高くしていい気分になってた…。
ルル姉に怯えて天界から逃げたくせに!
「はっは!今までの数々の無礼!お許しを!」
メディアさんはラグレシアの前に跪いてお詫びを入れた。
「うむ!構わぬ…許そう!」
「この慈悲深さ…正に女神の鏡、ありがとうございます」
「うむ!しかし、いいのか?そんな事言って…お主はこ奴の配下であろう?」
「はい…そうですが何か…?」
メディアさんはラグレシアの話の意味をわからずキョトンとした顔をしていた。
「知らないのか?こ奴はその天界の厄災と呼ばれてる女の腰巾着だぞ?」
「はい?…………えっ?」
なんとまあ厄災とか腰巾着とか言いたい放題…。
「……あの…冗談ですよね?ほ、本当に?」
メディアさんは冷や汗をダラダラ流しながら顔をこっちに向けて来た。
「腰巾着は違うけど…まぁそんなところですね…破壊の女神様は僕の大切な女神様です」
「ああああっ!お許しを!お許しを!」
知らなかったと言え…ルル姉を貶した事はさすがに不愉快だ。
たから…ちょっとイタズラしようと思った。
「本当に知りませんでした、神に仕える者として神を貶した罪、どんな罰でも喜んでうけますのでお許し下さい」
「どんな罰でも?」
「はい…」
「では切腹3回で許します」
「切腹?…腹切りですか?」
あら?この世界にも切腹ってあるんだ。
「あの…一回で普通に死にますが…」
まあ…普通はそうだろうけど、メディアさんが死んだら僕も困る。
それで、僕はニコッと笑ったあと真顔で言った。
「大丈夫です、死にそうになったら回復魔法をかけますので!」
「お、お主、顔に似合わずエゲツないな」
「……」
それを聞いたラグレシアとトルゥーガはドン引きした顔で僕を見ていた。
「ううう…一回!一回で負けてくれませんか?お願いします…」
ほぇ、本当にやるつもりなんだ。
さすが勇敢な元聖女だと関心してその切実な表情を見て僕は満足して許した。
「まぁ…冗談です、でも今後は気をつけて下さい」
「はっは!肝に銘じます!有難う御座います!有難う御座います!!」
「それとこの事は他の方々にも伝えて下さい」
「承りました…至急に通達します」
メディアさんは僕が破壊の女神の関係者であることを知らせに急ぎ出て行った。
しかし、創造の女神が何故ここにいるか、この偶然に僕も戸惑った。
「はぁ~~」
創造の女神はなぜか凄く苦痛な表情で深いため息をした。
「どうしました?女神とあろう方がため息などして…」
「妾をおちょくってるのか!そんなの当たり前だろが!天界を出てからあらゆる所を転々と回ってやっと根を降ろす場所を見つけたと思ったのに…まさかこうなるとは…もう疲れた!」
……なるほど。
どこもルル姉が帰って来た事でラグレシアを受け入れると目つけられるんじゃないかと怖くて門前払いされたところだな…なるほどなるほど。
「いっそのことこ奴を殺してこの恨み晴らしてくれよう!もうどうでもいい!トルゥーガよ!力の解放を許す、やつを懲らしめろ!」
「はっ」
「ちょ!待って待って!いきなりエンカウントかよ!」
しかし、トルゥーガは力を出すところかビックとも動かなかった。
「ラ、ラグレシア様…何故か力の解放が出来ません!」
「はっ?なに?」
ああ…そうだ!
これはサンチュアリーのせいだとすぐ気付いた。
しかし…落ちても女神とその使徒。
それに今この周辺は街の建設中だ。
戦いになったら住民達が巻き込まれて怪我人が出て、建設の多大なる支障を起す可能性が高く、出来れば戦いは避けたい。
その時、運がいいか悪いか…水爆級の危険人物であるバムが戻ってきた。
「主様、少し宜しいですか?お聞きしたい事が…」
こんな状況で……これはやばい!
「ん?ラグレシアじゃないか?主様の客人って君だったのか?」
「はっ?ん?……バ、バ、バ、バ、バ、バ、バハームト!!ってこ奴が主様?」
「おい!こ奴って失礼であろう!それになんだこの状況は?」
バムはトルゥーガが僕に向かって攻撃的な構えをしている姿を見て怖い顔をしてラグレシアに問い詰めた。
「おい…ラグレシア…貴様の使徒が何か物騒な気配を出してるが…まさか我が主様に向けているではないだろうな?もしそうならそやつとお前も生きて返さんぞ…どうなんだ?早く言えよ…」
「オ、オ、オホホ…まさか!ト、トルゥーガよ、その寒い一発芸はもう辞めなさい…オホホ」
「一発芸って…さき、殺して恨みを晴らすと…うぷぷぷー!」
「オホホホ!お願いだから…黙ってくれ、頼む!」
ラグレシアは僕の口を塞いで続きを言わせてくれなかった。
僕もバムが暴れてこの一帯が吹っ飛ぶ事は望んでないから頭を頷くと手を離してくれた。
「主様…殺して恨みを晴らすとはなんの話ですか?」
「いや…なんでもないんだ…独り言だよ」
「は、はい…」
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