異世界で僕…。

ゆうやま

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2章37話

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ビヒモスに着いた僕達はまず現在の状況を把握する為メディアさんに会いに行った。

中央の拠点周りには亜人さん達が公務館を優先に建ててくれて、まだ施工を始めたばかりだが事務室は出来ていた。

その中からメディアが出迎い来た。

「おお!お帰りになられましたか!女神バルトゥール様!オニイチャン領主様!」

ん?……………はっ?

オニイチャン?何それ?おちょくってるの?

「あはは…メディアさんオニイチャンって…何ですか?」

「えっ?領主様のお名前ではないですか?」

はっ?

妹にお兄ちゃんと呼ばれるなら死んでも本望!

だが、名前がそれなら…痛々しくて生きていけないわ!

これは…きっとやつの仕業に違いない!

犯人らしき人物に目を向けると僕から背中を向けている。

「バルちゃん、どう言う事かな?」

「ごめん、お兄ちゃん…つい癖でな…皆んなの前でオニイチャンっと言ってしまったの」

絶対人前に出ない!領主やめる!

「オニイチャン様、それより至急会って欲しい方が居ますが…」

「ハルトです!シムラハルト!名前の訂正を要求…いや命令します!」

「えっ?…は、はい…ハルト様?でも…領民達にはバルトゥール様が宣言したので申し訳ないですが変更は不可能です…女神のお言葉を撤回することは威厳に関わります」

「お、お兄ちゃん…あ、あたし、サンチュアリーの状態を見に行かないと…ちょっと行って来るね」

バルちゃんはサンチュアリーを言い訳にして僕から逃げるように去った。

まあ、その事は無理やりでも変えると決めた。

それにしても会って欲しい人か…手紙に書いてあった鍛冶屋…どんな人かどう対応するか悩んだが目の前に勇敢な元聖女がいるので心配は要らないと安心した。

しかし、現在鍛冶屋は一人でも欲しい所で僕のエコーでみんなをここに呼びかけたので自分なりに…少しでも頑張ろうと思った。

「では、連れて来ますので執務室で少々お待ちください」

メディアは鍛冶士の所に行ってその間に僕と双子は執務室から外を眺めた。

「へぇ…皆んな頑張ってるね」

「ねぇ…ハルト」

「ん?どうしたのイリヤ」

「ハルトのお家はいつ建てるの?」

「そうですよ!領主の館が無いと…」

「領主の館?今は皆んな忙しいし、物資も不足してるからそんなの後でいいよ」

今はそれどころじゃないから後回しにしようと考えた。

「いけません!それは一大事です!いい場所があります!館の件はこの私にお任せを!」

バムは僕の居住処の建設に名乗り出た。

正直、フカフカなベッドと布団さえあれば洞窟でも僕は構わない…むしろ、薄暗くて狭い方が落ち着く。

しかし、バムの意欲に断れなかった僕はそれを承認した。

「う、うん、それはバムにお願いする、あまり無理はしないでね」

「お任せあれ!行くぞレヴィ!主様に相応しい城を作るぞ」

「私も行く行く!よぉし!がんばるぞ!」

うん?……城?館から城になったよ?

まあ、建築はそう甘くないからいくらバム達でもそう簡単には建てられないと、しばらく大人しくなるんじゃないかと思って安心した。

「あの…バハムートさん、私達も一緒に連れて行ってくれませんか?」

「私達もお手伝いをさせて下さい」

何故か双子も興味を持って手伝したいと言い出した。

「主様のお仲間の頼みなら勿論!良いですよ」

「ありがとう!バハムートさん」

「ありがとうございます」

「愛の巣♪愛の巣♪主様との愛の巣♪」

おい!双子の前で誤解を招くようなもの歌うなよ…。

双子とバム、レヴィは僕の居住処の建設の場所に出ていた。

皆んな…やる気があるのはいい事だけど…僕はボッチになった。

これから面談なのに一人で相手しなかんの?引きこもり卒業してアチアチホヤホヤの僕が?

それは無いわ…怖い爺さんとかだといやだな…。

まあ、メディアがいるからいいけど…。

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