異世界で僕…。

ゆうやま

文字の大きさ
上 下
159 / 250

2章36話

しおりを挟む
魔王城から出た僕達はバムさんに乗ってビヒモスに向かった。

「瞬間移動して帰ると思ったんだが…」

「ごめんね…お兄ちゃん。今ビヒモスには私の名を刻めたサンクチュアリーが発動してる最中でな…周りには霊力の乱れが激しくてね…瞬間移動は出来ないの」

「サンクチュアリー?」

「神域というか聖域?簡単に言うと…今ビヒモスは神都みたいな状態になっている、まあ、ちょっと劣化版みたいなものだが」

「神都!そんなの簡単に出来るの?」

「膨大な神力が必要だけど、邪神二人丸ごと使ってるから楽々だぜ!ヒヒヒ」

襲いに来たあれか…本当に可哀想に…。

聖域(サンチュアリー)が完成になるとビヒモスから周辺一帯にはバルちゃん以外の魔法や神術まで制限出来るらしい。

「サンチュアリーが完成したらどんな外敵が来ても大丈夫!あの牛ちちが来ても大丈夫!ククク」

牛ちちって…ルル姉の事か…まさかその為に聖域を立てた訳ではないよね?

どんだけルル姉に酷い目にあったか…ちょっとわかる気がする。

「あんたと一緒にいると飽きないわな…」

「あはは…こんな経験誰もが出来る訳ないです」

さすがの双子もバハームトに乗ってから顔色が悪い。

しかし、バムさん…デカすぎるだろ!

元の姿になった時、魔都の皆様は大パニックになってるし…。

普通に歩いて背中に乗ったら丸一日かかりそう!

「バム…大きな…」

つい口から出てしまった…。

「そうですか?大きさはかなり小さめにしたのですが…。」

かなり小さめでこれ?あ…だよな、天界を支える柱だったもんな…。

ポー~おぉぉんー♪

「…お、お兄ちゃん…」

「あ、主様!」

「……ゴホン!」

「…は、ハルト?」

「……」

オナラの音がした…しかもめっちゃ臭くて皆んなドン引きしている。

「ちゃうわ!僕じゃないから!」

鎧の中に寝ていたマトニーを出して皆んなに見せた。

「マトニーだよ!皆んなも可愛がってくれよ」

「あははは!なんだ…こいつだったの!本当に…」

「うふふ、投げ捨てます?」

「……おい」

双子は未だにマトニーが気に食わないようでいい加減許して欲しいと切実に頼んだら考えておくと言ってくれた。

「何?お兄ちゃんのペット?ゴルジィガ…ん?こいつは自然な魔獣じゃないね」

バルちゃんがマトニーをじっと見つめて何か思い出そうとした。

「ああ!こやつ…私にボコられたグラ…何ちゃらってやつじゃん!」

「ええー!なんでわかったの?」

「なるほど…メイガラが言ってたやつか…使徒化に失敗して魔獣になったってところだな…うける!」

凄い…全部当てやがった。

寝てるマトニーの肉球を触りながら可愛がってるとレヴィが急に不機嫌になってマトニーに殺気放ってぶつぶつ呟いた。

「私もまだ主様にナデナデして貰ってないのに新入りの分際で…」

ごめん!ビリビリ系はトラウマ背負ってるんで…撫でるのは無理だ!

「まあ…レヴィはマトニーのお姉さんになるから…仲良くしてくれよ」

「え?私がお姉さん……」

レヴィは急に殺気が消えて機嫌が良くなった。

「んじゃ…レヴィにマトニーのしつけを任せようかな?」

「わかりました!任せて下さい!マトニーちゃん!私がお姉ちゃんですよー♪」

レヴィは姉になったのがすごく嬉しいようでマトニを抱きついて燥ぎ出した。

そんなレヴィの姿は新鮮で微笑ましいと感じた。

「お兄ちゃん…あやつにしつけを任せるとは…あやつの命の灯火もそのうち…」

しまった!つい…その場凌ぎでレヴィに任せると言ってしまったが、海の狂龍にしつけを任せるとは…僕の一生の不覚!

既にレヴィはマトニを猫掴みしてブンブン回したり空の果てまで投げてキャッチして遊んでいた。

ごめん、マトニー…強く生きるんだぞ。

バムのお陰でビヒモスまですぐ到着した。

「お兄ちゃん。メディアは公務館にいるから案内するから付いて来て…あと早くここの名前決めてちょーだい♪」

「わかった、考えておくよ」

僕はビヒモスの新たな名を考えながら拠点の公務館に向かった。

…それにしてもここの名前って…何がいいかな?

名付けのセンスがない僕としてはこれは至難の任務だった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

空間使いは暴虐の使徒

火魔人
ファンタジー
気が付くと異世界の森にいた。空間使いという異能(高性能です)。異能を成長させ、森を脱出し、異世界の人族と遭遇。不幸?な巡り合わせで、暴虐キャラに。俺の邪魔をする障害物は全て叩き壊す! ただし、その暴虐には使徒としての役割があった。主人公はこの先どうなっていくのやら。暴虐の限りを尽くしつつも、スッキリ楽しく人生を謳歌します!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

約束の子

月夜野 すみれ
ファンタジー
幼い頃から特別扱いをされていた神官の少年カイル。 カイルが上級神官になったとき、神の化身と言われていた少女ミラが上級神官として同じ神殿にやってきた。 真面目な性格のカイルとわがままなミラは反発しあう。 しかしミラとカイルは「約束の子」、「破壊神の使い」などと呼ばれ命を狙われていたと知る事になる。 攻撃魔法が一切使えないカイルと強力な魔法が使える代わりにバリエーションが少ないミラが「約束の子」/「破壊神の使い」が施行するとされる「契約」を阻む事になる。 カタカナの名前が沢山出てきますが主人公二人の名前以外は覚えなくていいです(特に人名は途中で入れ替わったりしますので)。 名無しだと混乱するから名前が付いてるだけで1度しか出てこない名前も多いので覚える必要はありません。 カクヨム、小説家になろう、ノベマにも同じものを投稿しています。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

処理中です...