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2章31話
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タグマイとイルヨラスは戦場にから無事に逃げた。
タグマイは自分の全ての兵を置き去りにしてイルヨラスの少ない私兵と共に自領地に向かった。
暗い顔の二人は黙々と進めていたが目的地の着く前にイルヨラスが口を開けた。
「タグマイ…これからどうする?魔王軍に対抗出来る兵力はもう無いぞ?」
「し、心配するな…傭兵なら金でいくらでも雇える!それにグラトニがいる!奴が戻って来たら全てひっくり返せるはずだ」
「グラトニか…ワシはやつがどうも信用出来ないな…上手く行ったとしても次にはきっと儂らに牙を向くと思うぞ…」
「う、うむ…」
魔王軍に大敗した二人はグラトニに頼るしかない状況であったが、彼を信用出来ずにイルヨラスはなにか悩んでいる様子だった。
「タグマイ、魔王に降伏する手もある…今降伏すればあの魔王は命までは取らないだろう…」
イルヨラスは静かにタグマイに降伏を提案した。
「ならん!あんな小娘に跪くなら死んだ方がマシだ」
「なら、致し方ない」
急にイルヨラスが馬を止めて距離を取るとタグマイは伏兵に囲まれた。
「な、なんの真似た!」
「戦の前に魔王様から密約書が届いた…降伏するならいつでも受け入れて寛大な処置を約束するとな…」
「裏切りおって…恥知らずが!」
「時代が変わったのさ…儂らから若い魔王の時代が来た…それを今になって気付いた訳よ」
「あの無能な小娘に何が出来る!」
「タグマイ…お主はその無能な小娘に負けたんだよ」
「貴様ぁぁ!イルヨラスーー!」
タグマイはイルヨラスに討ち取られた…。
そして…イルヨラスはその亡骸を持って魔王城に向かい、これで魔王国の内乱は終結した。
、
、
、
ハルトはまだグラトニと勝負が着かず戦いが長引いていた。
「猛毒をがぶ飲みしてピンピンしてるとは…やはり貴様は化け物よ!」
「失礼な!せめて未知の生命体と言ってくれよ!」
地が割れる程の強力な力の打ち合いが始まってから1時間ほど経ったがそれでもグラトニは疲れた様子は見えなかった。
グラトニと接近戦は本当に厄介だった。
全ての攻撃は鋭く重く、正確に急所を狙ってきている。
僕が反撃をすると避けずに先読みして必ずカウンターが入って来る…。
腕力と敏捷性を強化しなかったら今頃僕の体は穴だらけになっていた。
「小僧…まだ遊び足りないのか?そろそろ本気を出す方がいいぞ?」
僕が全力で戦ってないと見抜かれた。
確かに…本気を出さないと勝てる相手ではないとわかっている。
でも…僕はグラトニとの決着に迷っていた。
「グラトニ…どうしても決着をつけるつもり?」
「正直…俺もミレナの命の恩人と命のやり取りはしたくないが…奴との契約がある」
「そうか…わかったよ」
邪神との契約…簡単に放棄出来るものではないだろう…。
それにグラトニはアホだが…武人だ。
都合が悪くなったら…ほいっと約束を放棄する男ではない。
これ以上戦いをやめるように説得しても無駄と判断した僕は決着をつけると決めた。
「イリヤ、リリヤ、手を出さないでくれ…」
「ハルト…」
「ハルトさん、勝つと信じてます!」
双子は後ろに下がって僕の勝利を祈るように両手を重ねて見守ってくれた。
「来い…小僧!」
「勝負だ!グラトニ!」
グラトニには全身に力を溜めて突進して来た。
「くわぁぁ!」
「うおー!」
僕も渾身の力を振り絞って一撃をグラトニに向けて放った。
キーーーン!
オゥカスとグラトニの爪が当たって耳が痛くなるほど鋭い金属音が響いた。
そして…地面にはグラトニの爪が切り落とされて刺さっている。
「見事だ…小僧」
グラトニは脇腹から大量の血が出て…地に肘を付いた。
僕は首を引っ掻かれて深い切り傷が出来た…避けきれなかったら首が飛んだはず…。
それに毒の耐性がなかったら…きっと僕の負けだった。
「み、見事だ」
「グラトニ…貴方も強かった」
「ふふふ…所詮嫉妬など…愛には勝てないか…本当に憎たらしい小僧だ…さあ!トドメをさせよ」
武人らしい最後…情けをかけると激怒するだろうな…。
僕は歯を食いしばってその生き様を汚さない為に彼の決心に応じる事にした。
「わかった、グラトニ…君の事は忘れないよ」
「………チッ、薄情なやつ、そこは死んだら悲しむ人がいるから諦めないで!とか説得して来るところだろに…」
「……」
一片曇りなく開き直った命乞いだった。
うん!やっぱ…こいつは最高だ。
「そうだな…もうやめにしよう?」
「だな…完敗だ!死力を尽くして負けた…これで義理は果たした…しかし悪くない敗北だ…あははは!」
グラトニは清々しく負けを認めて笑った。
これで…一件落着か…。
「しかし、あのチビは大丈夫か?邪神に狙われているぞ?」
その邪神が心配だ…酷い目に合わなきゃいいけど…。
「うん…きっと大丈夫だよ」
「そうか?まあ…あのチビを思い出すと腹が立つが…もう関係な……くはっ!」
「グラトニ!」
グラトニは歪な姿から元に戻って苦しそうに体を抱えて耐えていた。
「グラトニ!待ってろ!蠢く命の脈動、唸れ生命の波動、ヒスメディカ」
僕はまた自然回復魔法をかけた。
「はぁはぁ……く、苦しい」
でも体力が急速に落ちて怪我も治らなかった。
「どいう事だ…ヒスメディカが効かない…」
「やはり、不完全だったみたいだな…」
「不完全?」
「ああ…あの邪神が言ってた…完全に使徒になるのは自分の運任せとな…失敗したら死ぬか人じゃなくなるらしい…」
「何故…そんな危険な事を…」
「俺は孤児だった…頼る人もいない俺は生きる為に戦場に立って…体を張って何百回も死の危機を乗り越えた…そして獣人将にまで成り上がった…そう易々人生を諦められるかよ…」
孤独に耐えて死にものぐるいで生きてきたグラトニを見ると…なんか自分が恥ずかしくなった。
「でももう全て御陀仏だ…あははは!…すまんが…死なずに魔物になったら…頼んだぞ」
「グラトニ!諦めるな!」
僕はヒスメディカをかけ続けた。
「もう…いい…敵だったやつにそんな顔されるとは…自分が情け無く感じる……でも悪い気分ではないな」
「グラトニ…」
「小僧…ありがとうよ…最後の…俺の頼みを聞いてくれないか?」
「ああ…出来る事なら」
「ミレナからどんな香りがしたか詳しく教えてくれ」
ああー!グラトニ…お前とは友達になりたかった!
「ああ…わかった…ミレナ姉さんは春に日向に干した布団のような…グ、グラトニィーー!!」
グラトニは……最後まで聴けずに安らかな顔で息を引き取った…。
「バカやろ…最後まで聞いてから行けよ…」
そして、体が溶け液体の塊に変わって、その中から何が動いてるのが見えた。
魔物に変異する最悪の事態になってしまったようだ。
グラトニ…本当に面白いやつで嫌いじゃなかった…。
液体が漏れて中身が少しずつ見えた。
「かぅ…ん」
小さい生き物…猫?…いや!子虎だった。
「グ、グラトニ…?」
「きゅ…きゅ♪」
甘えてるように顔で僕の足にスリスリして来た
か、か、か、可愛い過ぎるだろ!
「なんだ?このブサイクは…」
「魔獣には間違いなさそうです…危険な成体になる前に始末しましょう」
イリヤとリリヤは僕を怪我させたグラトニが気に食わない顔で殺気をプンプン出した。
「待って!待って!」
僕はグラトニを抱き上げて体を撫でた。
ああ…今まで…このモフモフの為に苦労したのね…。
この感触、最高だ!全身の毛がハゲるまで撫で尽くして肉球がすり減るまで触ってやる!
「えへへ♪一緒に帰ろう♪」
「まさか…ハルト」
「それを飼うつもりですか?魔獣ですよ?」
「構わない!絶対飼う!」
「その顔は何言っても聞かない顔ね…」
「仕方ありません…しかし、魔獣をどう飼えばいいかわかりますか?」
「……わからん!」
魔獣の飼い方が分からない僕は魔王城に戻ってテスラさんに聞く事にした。
タグマイは自分の全ての兵を置き去りにしてイルヨラスの少ない私兵と共に自領地に向かった。
暗い顔の二人は黙々と進めていたが目的地の着く前にイルヨラスが口を開けた。
「タグマイ…これからどうする?魔王軍に対抗出来る兵力はもう無いぞ?」
「し、心配するな…傭兵なら金でいくらでも雇える!それにグラトニがいる!奴が戻って来たら全てひっくり返せるはずだ」
「グラトニか…ワシはやつがどうも信用出来ないな…上手く行ったとしても次にはきっと儂らに牙を向くと思うぞ…」
「う、うむ…」
魔王軍に大敗した二人はグラトニに頼るしかない状況であったが、彼を信用出来ずにイルヨラスはなにか悩んでいる様子だった。
「タグマイ、魔王に降伏する手もある…今降伏すればあの魔王は命までは取らないだろう…」
イルヨラスは静かにタグマイに降伏を提案した。
「ならん!あんな小娘に跪くなら死んだ方がマシだ」
「なら、致し方ない」
急にイルヨラスが馬を止めて距離を取るとタグマイは伏兵に囲まれた。
「な、なんの真似た!」
「戦の前に魔王様から密約書が届いた…降伏するならいつでも受け入れて寛大な処置を約束するとな…」
「裏切りおって…恥知らずが!」
「時代が変わったのさ…儂らから若い魔王の時代が来た…それを今になって気付いた訳よ」
「あの無能な小娘に何が出来る!」
「タグマイ…お主はその無能な小娘に負けたんだよ」
「貴様ぁぁ!イルヨラスーー!」
タグマイはイルヨラスに討ち取られた…。
そして…イルヨラスはその亡骸を持って魔王城に向かい、これで魔王国の内乱は終結した。
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ハルトはまだグラトニと勝負が着かず戦いが長引いていた。
「猛毒をがぶ飲みしてピンピンしてるとは…やはり貴様は化け物よ!」
「失礼な!せめて未知の生命体と言ってくれよ!」
地が割れる程の強力な力の打ち合いが始まってから1時間ほど経ったがそれでもグラトニは疲れた様子は見えなかった。
グラトニと接近戦は本当に厄介だった。
全ての攻撃は鋭く重く、正確に急所を狙ってきている。
僕が反撃をすると避けずに先読みして必ずカウンターが入って来る…。
腕力と敏捷性を強化しなかったら今頃僕の体は穴だらけになっていた。
「小僧…まだ遊び足りないのか?そろそろ本気を出す方がいいぞ?」
僕が全力で戦ってないと見抜かれた。
確かに…本気を出さないと勝てる相手ではないとわかっている。
でも…僕はグラトニとの決着に迷っていた。
「グラトニ…どうしても決着をつけるつもり?」
「正直…俺もミレナの命の恩人と命のやり取りはしたくないが…奴との契約がある」
「そうか…わかったよ」
邪神との契約…簡単に放棄出来るものではないだろう…。
それにグラトニはアホだが…武人だ。
都合が悪くなったら…ほいっと約束を放棄する男ではない。
これ以上戦いをやめるように説得しても無駄と判断した僕は決着をつけると決めた。
「イリヤ、リリヤ、手を出さないでくれ…」
「ハルト…」
「ハルトさん、勝つと信じてます!」
双子は後ろに下がって僕の勝利を祈るように両手を重ねて見守ってくれた。
「来い…小僧!」
「勝負だ!グラトニ!」
グラトニには全身に力を溜めて突進して来た。
「くわぁぁ!」
「うおー!」
僕も渾身の力を振り絞って一撃をグラトニに向けて放った。
キーーーン!
オゥカスとグラトニの爪が当たって耳が痛くなるほど鋭い金属音が響いた。
そして…地面にはグラトニの爪が切り落とされて刺さっている。
「見事だ…小僧」
グラトニは脇腹から大量の血が出て…地に肘を付いた。
僕は首を引っ掻かれて深い切り傷が出来た…避けきれなかったら首が飛んだはず…。
それに毒の耐性がなかったら…きっと僕の負けだった。
「み、見事だ」
「グラトニ…貴方も強かった」
「ふふふ…所詮嫉妬など…愛には勝てないか…本当に憎たらしい小僧だ…さあ!トドメをさせよ」
武人らしい最後…情けをかけると激怒するだろうな…。
僕は歯を食いしばってその生き様を汚さない為に彼の決心に応じる事にした。
「わかった、グラトニ…君の事は忘れないよ」
「………チッ、薄情なやつ、そこは死んだら悲しむ人がいるから諦めないで!とか説得して来るところだろに…」
「……」
一片曇りなく開き直った命乞いだった。
うん!やっぱ…こいつは最高だ。
「そうだな…もうやめにしよう?」
「だな…完敗だ!死力を尽くして負けた…これで義理は果たした…しかし悪くない敗北だ…あははは!」
グラトニは清々しく負けを認めて笑った。
これで…一件落着か…。
「しかし、あのチビは大丈夫か?邪神に狙われているぞ?」
その邪神が心配だ…酷い目に合わなきゃいいけど…。
「うん…きっと大丈夫だよ」
「そうか?まあ…あのチビを思い出すと腹が立つが…もう関係な……くはっ!」
「グラトニ!」
グラトニは歪な姿から元に戻って苦しそうに体を抱えて耐えていた。
「グラトニ!待ってろ!蠢く命の脈動、唸れ生命の波動、ヒスメディカ」
僕はまた自然回復魔法をかけた。
「はぁはぁ……く、苦しい」
でも体力が急速に落ちて怪我も治らなかった。
「どいう事だ…ヒスメディカが効かない…」
「やはり、不完全だったみたいだな…」
「不完全?」
「ああ…あの邪神が言ってた…完全に使徒になるのは自分の運任せとな…失敗したら死ぬか人じゃなくなるらしい…」
「何故…そんな危険な事を…」
「俺は孤児だった…頼る人もいない俺は生きる為に戦場に立って…体を張って何百回も死の危機を乗り越えた…そして獣人将にまで成り上がった…そう易々人生を諦められるかよ…」
孤独に耐えて死にものぐるいで生きてきたグラトニを見ると…なんか自分が恥ずかしくなった。
「でももう全て御陀仏だ…あははは!…すまんが…死なずに魔物になったら…頼んだぞ」
「グラトニ!諦めるな!」
僕はヒスメディカをかけ続けた。
「もう…いい…敵だったやつにそんな顔されるとは…自分が情け無く感じる……でも悪い気分ではないな」
「グラトニ…」
「小僧…ありがとうよ…最後の…俺の頼みを聞いてくれないか?」
「ああ…出来る事なら」
「ミレナからどんな香りがしたか詳しく教えてくれ」
ああー!グラトニ…お前とは友達になりたかった!
「ああ…わかった…ミレナ姉さんは春に日向に干した布団のような…グ、グラトニィーー!!」
グラトニは……最後まで聴けずに安らかな顔で息を引き取った…。
「バカやろ…最後まで聞いてから行けよ…」
そして、体が溶け液体の塊に変わって、その中から何が動いてるのが見えた。
魔物に変異する最悪の事態になってしまったようだ。
グラトニ…本当に面白いやつで嫌いじゃなかった…。
液体が漏れて中身が少しずつ見えた。
「かぅ…ん」
小さい生き物…猫?…いや!子虎だった。
「グ、グラトニ…?」
「きゅ…きゅ♪」
甘えてるように顔で僕の足にスリスリして来た
か、か、か、可愛い過ぎるだろ!
「なんだ?このブサイクは…」
「魔獣には間違いなさそうです…危険な成体になる前に始末しましょう」
イリヤとリリヤは僕を怪我させたグラトニが気に食わない顔で殺気をプンプン出した。
「待って!待って!」
僕はグラトニを抱き上げて体を撫でた。
ああ…今まで…このモフモフの為に苦労したのね…。
この感触、最高だ!全身の毛がハゲるまで撫で尽くして肉球がすり減るまで触ってやる!
「えへへ♪一緒に帰ろう♪」
「まさか…ハルト」
「それを飼うつもりですか?魔獣ですよ?」
「構わない!絶対飼う!」
「その顔は何言っても聞かない顔ね…」
「仕方ありません…しかし、魔獣をどう飼えばいいかわかりますか?」
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