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2章23話
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魔王城に思わぬ援軍が到着した。
その援軍はカストイーラを中心とした小領主達だった。
テスラはいつもタグマイと一緒に自分を否定していたカストイーラの援軍に少し戸惑っていた。
「カストイーラ、まさか其方が妾に付くとは思ってなかったが……」
「ほほほ…正直言って悩みましたが、これが最善の選択だと判断したまでです」
カストイーラはハルトの報告を聞いてテスラに付く方が最善と判断したようだ。
「正直過ぎて清々しい…だが助かる、皆の力、借して貰うぞ」
「はっは!仰せのままに…」
「女神様のお使い様の力添えがあるとしても負けては話にならない、それでは戦略会議を始める!」
テスラとカストイーラ…そして少領主達は軍議を始めた。
魔都の一帯は広い平原で伏兵も遠距離攻撃の弓兵、魔法兵も起動力が早いタグマイ軍には活かす事が出来なかった。
「これは我々がかなり劣勢ですな…」
「起動力と肉弾戦に特化したタグマイの兵…どう対処するか…防衛線を突破されたら一瞬で敗北だな…」
「籠城しか手はなさそうですね…」
色々戦略を変えて議論してもあまりいい答えは出なく、暗い風囲気が漂う。
「おはようございますー♪テスラ姉…いや魔王様」
その時、ハルトと双子は軍議中と知らずに入って来た。
「おお、ハルト殿!もうお体は大丈夫ですか?」
「はい!快調ですよー♪二人のおかげでピンピンしてます!」
「当然の事だわ!」
「えへへ」
二人が何時間も寝たフリして僕に取っては生殺しだった。
「本当にイリヤ殿とリリヤ殿には顔が上がりません!ハルト殿の顔の血色も凄くいい感じです!安心しました」
血色か…二人のおかげでムラムラして欲求不満のせいかと…。
「お初にお目にかかり光栄です…カストイーラと申します」
「初めまして、シムラハルトといいます、テスラ姉さん?この方は?」
「援軍として駆けつけてくれた魔王国元老の一人で翼人達を束ねております」
翼人のおじさんが僕の前に来て挨拶をした。
長い髭に丸めの顔…ニコニコ笑っているその笑顔を見て僕は思った。
この爺さん…腹黒そう。
このタイプは僕はちょっと苦手だが…害はなさそうで挨拶を交わした。
「よろしくお願いします」
「あのアラミティアの噂を聞いてどんな方かと思いましたが…中々お若く愛らしい方ですな」
どんな噂が立ってるか凄くきになるがろくな噂じゃいのはまちがいないから聞かなかった。
「ハルト殿、申し訳ないですが…今軍議の最中でして…いい作戦が思い浮かばない状況です」
「あっ!ごめんなさい」
テスラさんは作戦が中々決まらず焦っている様子だった。
「ほほほ…この際、ハルト殿のご意見も聞いて頂くのも…」
このじっちゃん…やはり腹黒の匂いがプンプンする…試されてるような気がする。
それで…テスラさんから今の現状と両軍の構成を説明してもらった。
魔王国は魔人族とカストイーラの翼人兵が主力で肉弾戦に強い獣人は総数の2割しかいなかった。
テスラさん達は平原の戦いには自分達が劣勢だと思っているようだが平原で隠れる場所がないのはこっちが有利である。
「こんなに空軍力があるからこの戦いは楽勝ですね!僕の意見など必要ないと思いますが…」
「はい?翼人は起動力はいいですが…肉弾戦には弱く、攻撃をする為接近すると弓の的になります…」
「えっ?何故接近します?そんな必要など無いけど…」
「うん?ならどうやって攻撃しますかな?」
「空爆ですよ?…ああ、ここは火薬があるかわからないから…この際石で随分かな?」
そう…100メートルの高さで落ちて来る石でも大きさによってはすごい威力を持つ。
更に高い上空から落ちた石はその高さと重力によって恐ろしい殺傷力を持つ強力な空爆になる。
その高さから石が当たるとどんな頑丈な鎧も無いに等しい程の凄い衝撃で普通に……死ぬほどだ。
幸い結界があるから大事に至る前に離脱し医務班に移動されるから大丈夫と思うが…でもちょっと心配になる!
「そ、そうか!なるほど!これならタグマイは手も足も出せない…凄いですぞ!ハルト殿!」
この世界は空軍の概念がないようだ。
見晴らしがいい場所まで敵を引きつけて防御ラインを死守…その後に空爆を開始して敵を包囲と殲滅…その順番で僕は詳しい戦術を提示してテスラさんは兵の配置を決めた。
「素晴らしい!これならいけますぞ魔王様!」
「作戦は決まった!全軍に通達しろ!」
「はっ!」
これで魔王軍の作戦支度は終わった…。
後はテスラ姉さんの踏ん張りに賭けるしかない。
負けて欲しくないが僕はこれ以外手を貸せない…その方がテスラ姉さんと亜人達の未来の為にだと思った。
数時間後…魔王軍はタグマイ軍に向かって出兵し、
テスラとイルヨラスが先頭を切って二人はなにかを話していた。
「ほう!報告通り…凄い結界ですな!」
「うむ…さすが我らの女神様の寵愛を賜る方である」
「魔王様は女神様にお見えになられたのですが?」
「ああ、お美しく威風堂々な方であった…それに魔王国の未来を託すとのお言葉を賜わった」
「なるほど…そうでしたか…ならこのカストイーラ…先代…初代魔王さまと同じくこれからはテスラ様に忠誠を誓いますぞ…」
「ああ…期待しておる」
カストイーラはテスラに忠誠を誓って魔王の政権と影響力は更に強くなった。
その援軍はカストイーラを中心とした小領主達だった。
テスラはいつもタグマイと一緒に自分を否定していたカストイーラの援軍に少し戸惑っていた。
「カストイーラ、まさか其方が妾に付くとは思ってなかったが……」
「ほほほ…正直言って悩みましたが、これが最善の選択だと判断したまでです」
カストイーラはハルトの報告を聞いてテスラに付く方が最善と判断したようだ。
「正直過ぎて清々しい…だが助かる、皆の力、借して貰うぞ」
「はっは!仰せのままに…」
「女神様のお使い様の力添えがあるとしても負けては話にならない、それでは戦略会議を始める!」
テスラとカストイーラ…そして少領主達は軍議を始めた。
魔都の一帯は広い平原で伏兵も遠距離攻撃の弓兵、魔法兵も起動力が早いタグマイ軍には活かす事が出来なかった。
「これは我々がかなり劣勢ですな…」
「起動力と肉弾戦に特化したタグマイの兵…どう対処するか…防衛線を突破されたら一瞬で敗北だな…」
「籠城しか手はなさそうですね…」
色々戦略を変えて議論してもあまりいい答えは出なく、暗い風囲気が漂う。
「おはようございますー♪テスラ姉…いや魔王様」
その時、ハルトと双子は軍議中と知らずに入って来た。
「おお、ハルト殿!もうお体は大丈夫ですか?」
「はい!快調ですよー♪二人のおかげでピンピンしてます!」
「当然の事だわ!」
「えへへ」
二人が何時間も寝たフリして僕に取っては生殺しだった。
「本当にイリヤ殿とリリヤ殿には顔が上がりません!ハルト殿の顔の血色も凄くいい感じです!安心しました」
血色か…二人のおかげでムラムラして欲求不満のせいかと…。
「お初にお目にかかり光栄です…カストイーラと申します」
「初めまして、シムラハルトといいます、テスラ姉さん?この方は?」
「援軍として駆けつけてくれた魔王国元老の一人で翼人達を束ねております」
翼人のおじさんが僕の前に来て挨拶をした。
長い髭に丸めの顔…ニコニコ笑っているその笑顔を見て僕は思った。
この爺さん…腹黒そう。
このタイプは僕はちょっと苦手だが…害はなさそうで挨拶を交わした。
「よろしくお願いします」
「あのアラミティアの噂を聞いてどんな方かと思いましたが…中々お若く愛らしい方ですな」
どんな噂が立ってるか凄くきになるがろくな噂じゃいのはまちがいないから聞かなかった。
「ハルト殿、申し訳ないですが…今軍議の最中でして…いい作戦が思い浮かばない状況です」
「あっ!ごめんなさい」
テスラさんは作戦が中々決まらず焦っている様子だった。
「ほほほ…この際、ハルト殿のご意見も聞いて頂くのも…」
このじっちゃん…やはり腹黒の匂いがプンプンする…試されてるような気がする。
それで…テスラさんから今の現状と両軍の構成を説明してもらった。
魔王国は魔人族とカストイーラの翼人兵が主力で肉弾戦に強い獣人は総数の2割しかいなかった。
テスラさん達は平原の戦いには自分達が劣勢だと思っているようだが平原で隠れる場所がないのはこっちが有利である。
「こんなに空軍力があるからこの戦いは楽勝ですね!僕の意見など必要ないと思いますが…」
「はい?翼人は起動力はいいですが…肉弾戦には弱く、攻撃をする為接近すると弓の的になります…」
「えっ?何故接近します?そんな必要など無いけど…」
「うん?ならどうやって攻撃しますかな?」
「空爆ですよ?…ああ、ここは火薬があるかわからないから…この際石で随分かな?」
そう…100メートルの高さで落ちて来る石でも大きさによってはすごい威力を持つ。
更に高い上空から落ちた石はその高さと重力によって恐ろしい殺傷力を持つ強力な空爆になる。
その高さから石が当たるとどんな頑丈な鎧も無いに等しい程の凄い衝撃で普通に……死ぬほどだ。
幸い結界があるから大事に至る前に離脱し医務班に移動されるから大丈夫と思うが…でもちょっと心配になる!
「そ、そうか!なるほど!これならタグマイは手も足も出せない…凄いですぞ!ハルト殿!」
この世界は空軍の概念がないようだ。
見晴らしがいい場所まで敵を引きつけて防御ラインを死守…その後に空爆を開始して敵を包囲と殲滅…その順番で僕は詳しい戦術を提示してテスラさんは兵の配置を決めた。
「素晴らしい!これならいけますぞ魔王様!」
「作戦は決まった!全軍に通達しろ!」
「はっ!」
これで魔王軍の作戦支度は終わった…。
後はテスラ姉さんの踏ん張りに賭けるしかない。
負けて欲しくないが僕はこれ以外手を貸せない…その方がテスラ姉さんと亜人達の未来の為にだと思った。
数時間後…魔王軍はタグマイ軍に向かって出兵し、
テスラとイルヨラスが先頭を切って二人はなにかを話していた。
「ほう!報告通り…凄い結界ですな!」
「うむ…さすが我らの女神様の寵愛を賜る方である」
「魔王様は女神様にお見えになられたのですが?」
「ああ、お美しく威風堂々な方であった…それに魔王国の未来を託すとのお言葉を賜わった」
「なるほど…そうでしたか…ならこのカストイーラ…先代…初代魔王さまと同じくこれからはテスラ様に忠誠を誓いますぞ…」
「ああ…期待しておる」
カストイーラはテスラに忠誠を誓って魔王の政権と影響力は更に強くなった。
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