異世界で僕…。

ゆうやま

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2章14話

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ハルトがいる場所に着いたバハムートとリヴァイアサンはバルトゥールを見つけた。

「あれ!バルトゥールだよ!」

「あやつ…なぜか隠蔽結界を張ってるようだ、レヴィ、状況を確認したい!急げ!」

「わかった!」

急いでバルトゥールに向かって飛んで行った場所に主の気配がする少年が戦っている姿が見える。

「バルトゥール!!これはなんの事だ?」

「あのオーラは…主様に間違いない!…なんかキモイ奴と戦っている!おのれぇ!」

「バムとレヴィか…手を出すな!結界が破れる!」

バルトゥールは加勢しようと飛び込もうとした怪獣達を止めた。

「はぁ?何を言ってる?主様が戦っているんだぞ!ただ見ていろてんのか!」

「バルちゃん…頭大丈夫なの?」

「こいつ!言わせておけば!…今のお兄ちゃんは完全な状態ではない…そんな状態で奴らに気づかれるとどうなるかわかるだろ!」

「あいつらか……くそ!くそ!くそがぁぁああ!」

いつも脳天気な風囲気のリヴァイアサンが悔しそうに汚い言葉を連発しながら激しく怒った。

バハムートも必死に堪えている様子で歯を食いしばって怒りに体が震えている。

ハルトとバーグリサールの戦いが始まって数分が経った。

激化していた戦いの最中…ハルトはため息をしてつまらないように虚しい表情になった。

「そろそろ意識が戻る時間だな…遊びはここまでにしようか…」

「なに訳分からん事を言ってる?楽しみはこれからであろう?」

「はぁ…楽しんでいるのは君だけだ…私は退屈でね…」

「なんだと?」

「中々の再生能力だが…それだけだ、君では弱すぎて興が醒めた…そろそろ終わりにしよ!」

「あははは…言ってくれるじゃないか!」

そして…ハルトの体から黒いオーラが猛烈に拡散し一帯は闇に包まれた。

その闇からゾッとするほどの様々な悲鳴が聞こえた。

それを見たバルトゥールは急に慌てて結界を重ねて更に固めた。

「こ、こ、混沌の裁き!!バム!レヴィ!力を貸せ!私一人じゃアレに耐えられない!」

「混沌の裁き…久しぶりに見るな…」

「いや~ん♪私は初経験だわ♪」

「いやらしい言い方するな!」

バハムートとリヴァイアサンもバルトゥールの結界に力を注いで強化した。

「うはははは!なんだか知らんがゾクゾクして来たぞ!!来いよ!盾をかざす偉大なる巨人の征服者フリュムよ!」

バーグリサールは前に表すた黄金の盾をもって防御の態勢をとった。

「……Funisvinctum(捕縛せよ)」

闇の空間から黒い鎖が現れてバーグリサールを盾ごと縛って激しく締め付け始める。

高速で回転しながら締め付ける鎖によって火花を飛び散った。

フリュームの盾は鎖の力に耐えられずに砕けて全身を締め付けられたバーグリサールは肉が剥がれて血塗れになった。

「くあああ!バカな!フリュームの盾が!!」

「heirasmose(平伏せよ)」

「ぐぁぁぁああ!!!!」

鎖の締め付けに足掻いているバーグリサールに数十回の稲妻が頭上から叩きつけられると力が抜けたように両膝と頭は地面に付けた。

「scelus iudecare(断罪せよ!)」

闇の空間から目玉のようなものが続々と現れて空間を埋め尽くした。

そして、武器を持った怨霊達が現れ霊の続々とバーグリサールにしがみつき肉体を噛み千切る。

「ぐぁぁぁああああ!!この世の物と思えない禍々しい怨霊達…」

「Perditio(滅せよ)」

「わはははは!我輩の敗北よ…地獄でまた会おう」

目玉に埋め尽くされた闇の空間かバーグリサールを包み飲み込んだ同時に爆発を起こしてチリも残さず消滅した。

その爆発に三人が強化した結界も耐えきれず吹き飛んでしまった。

「お、お兄ちゃん!やり過ぎーーー!」

「きゃーあ♪主様!」

「主様ぁぁぁああ!」

バルトゥール達も飛ばされてビヒモスの背中に落ちて衝撃に巻き込まれた聖女も飛竜と共に落下して来た。

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