異世界で僕…。

ゆうやま

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2章11話

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邪神界のとある集会場で次々と邪神達が集まっていた。

「みんな来たか?」

「我々を再び呼び出した要件を聞こう」

集まった邪神達は無気力な顔と不満そうな表情で召集をかけた邪神を見つめている。

「ふふふ…そう釣れない事言うでない、今から言うことを聞いて驚くなよ」

「焦らさずに早よ言え」

召集をかけた邪神は大きく息を吸って叫んだ。

「皆の者!心して聞くがいい!我々のアイドル!ルナ様がお戻りになられたぁぁぁああ!」

それを聞いた邪神達は…先まで不満そうな表情が一気に歓喜に変わった。

「何だ…と!噂は本当だったか!」


「おおおおーー!」

「ルナ様!ルナ様!ルナ様!ルナ様!」

邪神達は密かに胸に閉まっていたルナ様グッズを取り出して騒ぎ出した。

「ずっと待ってましたー!ルナ様!」

「さすが我らのアイドル!そのしぶとさはランジュールより格上だ!」

「うおぉぉおおおー!」

彼等もまたルルの帰還を内心諦めてなかったようだ。

「静まれい!!」

「…………」

招集をかけたファンの会長のような邪神の号令により邪神達は瞬時に静まった。

「ルナ様のご帰還早々にまた新たな伝説が刻まれた」

邪神達は興奮と歓喜に溢れる表情でそわそわしながらその会長を注目した。

「また新たな武勇伝を発表する!第61万2091の巻」

(ゴックリ……)

どれだけの話があるか想像が付かない…。

「あの、見すぼらしいペタンコの創造の女神ラグレシアを聖地ごと葬る!!」

ルルがラグレシアの胸を踏みつけて火あぶりして笑う姿の絵と…その内容が書かれたビラを会長は撒き散らした。

「おおおおおおおお!!」

「さ、さすが、ルナ様!胸が熱く萌える!」

「ルナ様!ルナ様!ルナ様!ルナ様!」

騒ぐ過激派邪神達を見ると…バルトゥールの話は本当だったようだ。

現在、邪神君主ランジュールから神々との衝突を厳禁すると主令が出ていた。

それで力を持って余した彼らは別の事でベクトルを働たいていた。

ルルが別世界に飛ばされてからしおらしくなった彼等だったが…また活気溢れる表情に戻った。

「ばっかじゃ無いの?」

「はぁ…邪神界の未来が心配だわ…」

二人の女邪神がそれを見て呆れた表情をしている。

「ねぇねぇ?聞いた?アレークトー(止まらぬ者)イビルゲートに封じられたディーシポネー(殺戮の復讐者)が出て来たと言う噂!!」

邪神名ディシーポネー…真名はバルトゥール。

邪神達はそれぞれ邪神名がある。

「本当らしいよ…メガイラー(嫉妬する者)それに神々に寝返って下界で住んでると聞いたわ」

「下界か…ああ、いいな…邪魔したくなるわ…」

嫉妬のメガイラーと止まらぬ者アレークトーはバルトゥールとは仲が悪くてよく絡んで、揉め事が絶えない仲だった。

「しちゃう?神々との戦いは禁止されてるが…邪神同士は言われて無いもんねー」

「あははは!!いいね!いいね!」

二人の邪神がバルトゥールに悪さをしようと企らんだ。








僕がラプス族の里に来てから4日目になった。

今まで栄誉不足で痩せたラプス族の為に沢山食べさせて何とか健康的な身体になりつつある…。

しかし、思ったより食料は備蓄出来ずその日暮らしになっている。

このまま取り尽くしたあとはどうなるか心配だ。

このままじゃいつまでもここから離れる事が出来ない。

いい方法はないか悩んだがやはり農業ができる場所に移住する方法しか思いつかない。

「ハルト様!おはようございます!!」

僕が泊まっている客室にラシュトルニは笑顔でお茶を出してくれた。

うーん!異世界のお茶……麦茶ぽい味だ

ラプス族の古くからの伝統茶らしい…お茶も作るほど気持ちに余裕がてきたようだ。

「さて…今日も食料採取に行くか…」

「皆さん朝早くスヴァルトさん達と採取に出たみたいですよ?」

「そうなんだ!皆んな頑張ってるね、んじゃ…ちょっとゆっくりして手伝いに行こう」

「はい!」

幸せそうに笑ってるラシュトルニを見てちょっと照れ臭くなった。

隣に座って同じお茶を啜るラシュトルニ……。

他人から見ると初々しいカップルと誤解するような雰囲気…。

そんな幸せそうなラシュトルニを見ると、もうちょっとここに居てもいいんじゃないかと思ってしまう…。

ウサミミ最高!巫女姿万歳!

「ハルト様ーーおはようっす!」

元気で活発なレーイミがその雰囲気をぶち壊した。

「………」

「へっ」

レーイミを睨んでいるラシュトルニ…そしてレーイミの口が微かに笑ったようにみえた。

「レーイミ、おはよう!朝早々にどうしたの?」

「えーー?ハルト様!忘れたの?今日一緒に食料探しに連れててくれると約束したじゃん!」

「うーん…そ、そうだったね…」

子供の強請り見たいにワンワン泣きながら頼まれまれて仕方なく約束してしまった。

「ハルト様、まだラプス族も行ってない場所が何ヶ所ありますので、私もご案内します」

「そうなのか?それはいいね!」

「このお邪魔肉…」

レーイミは不満そうにラシュトルニの胸元をじっと見た。

「な、なんといったの?今肉って言ったよね!」

「おのれぇ…この肉が憎い!」

「いや…やめて!…痛い痛い痛いから!やめてー!」

レーイミはラシュトルニの胸をモキモキぱちんぱちんした…。

もうこれは挨拶のようになっている…。

この二人を見ると何故か…双子達を思い出す。

元気にしてるかな?

テスラさんが付いているから危険は無いと思うけど…やっぱ心配だ。

双子の事が心配になった僕はラプス族とダークエルフ達の自立の為にまた食料採取場を探しに出た。








一方で双子達はハルトの捜索に出ていた。

「まず流れて着いたと想定して海沿いの道から探すのが賢明かな?」

「うん、そうね…皆様…道案内宜しくお願いします」

イリヤはハルトが流れ着きそうな場所を地図を見ながら想定してテスラの親衛隊の案内で探し始めた。

「ハルトさん…無事でかな?心配で息が詰まりそうだよ……」

「ハルトならきっと大丈夫だよ…あのバァバァと戦って生き抜いたやつだよ」

リリヤはハルトが心配で眠れなかったせいで目の下にクマが出来ていた。

「だといいけど……でも」

「心配要らないわ…ピンピンしてるに決まってる!大好きな亜人の女に囲まれて…あっ!」

「囲まれてねぇ………続きは?」

「あちゃ…」

リリヤはまたスイッチが入った。

「冗談だよ!あははは」

「……風の精霊よ…我が身に纏え…」

リリヤはいきなり風の精霊の力を使った。

「我が求める物、走り回る風よ!エッバイドベンタース」

リリヤは風を使い周辺を捜索する精霊術を使った

「何ぼうっと立てるのお姉ちゃん?」

「う、うん…分かった…」

イリヤも風を使い捜索を始めた。

「この辺は違うみたいですねー移動します」

テスラの親衛隊もリリヤの豹変に驚き戸惑った。

「何モタモタしてます?グズグズするとちょん切りますよ?」

(ど、どこを?)

リリヤはハルトのムスコの天敵から男性のムスコ達の天敵となった。
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