異世界で僕…。

ゆうやま

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2章8話

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どーーん!!!!!どーーん!!!!

マムンティア大陸の地上が激しく揺れて凄い数の生き物達が狂ったように逃げ出している。

その理由は巨大と言っても足りない程の広い大地そのものが動いていたからであった。

その動く大地は超巨体生命体ビビモス。

その上に寝っ転がっている人がいる。

人化したリヴァイアサンだった。

「ねぇーばーーちゃん?そのまま行くと人間の王都を踏み潰す事になるよ?」

「知るか…ってその呼び方すんなーー!」

ビビモスの足一つは一国の王都より大きくてその図体は動く国…そのままだった。

「しかし…昔みたいに飛べないの?ばーー…ムちゃん」

「いくらジズの力を取り込んだとしてもこの図体は無理だ…後先考えずにちょっと大きくし過ぎたな…」

「ジズちゃん……」

リヴァイアサンは悲しそうにビヒモスの体を眺めている。

神々にも古い太古の時代から現在まで色々な事件と出来事の歴史をこう語っている。

原始の神の時代…万物が誕生する前に存在していた始めの神々がいた太古の時代…。

原始の神々は謎が多く…あまりにも古い時代でほとんどどんな事があったのか分からない謎の時代である。

そして…その後、混沌の時代…原始の神から生まれた様々の神々が争う時代…ここで神々と邪神達に分かれて長い戦いが始まった。

その原因で怒った原始の神々は姿を消してしまう。

その次が天地開闢の時代…神々と邪神達が長き争いをやめて平和が訪れた時代…。

様々な生き物が誕生して空に海に地上も誕生した。

生命体の進化が活発になって様々な動物、植物が世界に溢れ出た。

そして…創世の時代…地上が活発に動き出す時代…神々の信仰が劇的に広がって様々の国々が誕生した。

この時代から知性が高い人間が地上の頂点に立ち文化も発達させた。

だが…ある事件により生命の起源地で世界の始まりの地でもあるこのアールゥケーミュス以外…全ての神界が滅んでしまった。

そして今、現在となる。

天地開闢の時代から下界に生きていた三つの巨大生物が居た。

空帝、ジズ…空を支配した巨鳥。

陸帝、ビヒモス…陸の頂点に君臨した巨大陸竜

海帝、リヴァイアサン…海で自由に気ままに生きていた巨大海龍。

その三の最強生物は互いの領域を守って侵さず力の均衡を保ち生きていた。

特にリヴァイアサンとジズは姉妹と呼ぶ程仲が良かった。

だが…ある日、邪神達が地上を支配しようと魔物達を使ってイビルゲートを作り出した。

それを見過ごす天界の神々ではないが…混沌の時代の過ちを繰り返さない為に邪神達と直接争いを避ける為に神々はある計画を立てた。

それは、三の最強生物を戦わせて最後に生き残りの血肉を使って地上を管理する人造神…神々の代行を誕生させる計画。

その代理を使って邪神達に牽制しようと企んだ神々は三つの生物に戦うように命じた。

しかし、あっさり拒否された。

力で言う事聞かせようとした神々にその巨大生物達は抵抗した。

それにその生物達は神々すらも手に負えないほど強かった。

特にビヒモスに返り討ちにされて数多くの神が器に戻る大参事までとなり、意地になった神々はビヒモスに禁忌の呪いをかけて戦わせる事に成功した。

まずジズとビヒモスを戦わせるが…予想外の事が起きる。

誰もが空を舞うジズの勝利を疑わなかったが陸のビヒモスの圧勝で終わった。

何故かビビモスは空も飛べて空と陸の力を持つビヒモスにジズはなす術なしにあっさり負けて食われてしまった。

驚いた神々は何故陸のビヒモスがなぜ飛べるか、何故あれほど強いのか…焦って戦いの痕跡からビヒモスを調べた結果、とんでもない事を知った。

ビヒモスは原始の時代から天界を支える為に生まれた最古で最強の神獣バハムートだと判明された。

時が流れ安定した天界は自力で維持できるようになり、役目を終えたバハムートは下界に降りてから長い時を過ごして神々にも忘れられる。

それをあとから知った神々はこれ以上バハムートが強くなると完全に手に負えない存在になると慌てて計画を変更しようとしたが何者によって邪魔されて人造神計画は完全破棄することになった。

.
.
.

巨大な陸帝ビヒモスはハルトを探す為に前進している。

「ねぇーバムちゃん…ジズちゃんの最後はどうだった?」

「嫌味か?」

「うううん、じゃなくて…」

「わかってる…奴は死ぬ前まで、お前の事を心配してた、お前とは絶対戦わないで…とな…」

「そうか………」

リヴァイアサンは黙々と空を見上げていた。








マムンティア大陸の中央に位置するアラミティア帝国は今大騒ぎになっている。

今までビクとも動かなかったビヒモスが動き出してアラミティア帝国を通過しようとしているからである。

「皇帝陛下!緊急事態で御座います!ビ、ビヒモスが我が帝都に向かって真っ直ぐに移動中で御座います!」

「騒がしいな…あ?ビヒモス?誰だそれ?……え?…何ぃ!!!!」

皇帝は驚き過ぎて飲んでいた盃を落としてしまった。

「あの規格外の化け物が…2000年以上ビッグとも動かなかったあれが…何故今になって…」

「皇帝陛下…あと数時間で帝都はビヒモスに踏まれ跡形もなくなります!避難するべきだと思います」

臣下達も対策が思い付かないようで規格外の化け物に挑もうとする愚かな人もいなかった。

その時、皇帝は何か思い付いたように玉座から立ち上がった。

「そうだ!今までビヒモスを管理していた聖女なら…聖女に使いを出せ!何としてもビヒモスを帝都に近づけさせるなと伝え!」

「はっ!」

使いは大聖堂に至急に向かって皇帝は避難の準備に急ぎ始めた。

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