異世界で僕…。

ゆうやま

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一章 最終回

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ルル姉を助ける為に創世神の一人である無の神を封印した事で、いつか天界に災を齎らす危険な存在になるではないかと思ったボルグランは僕を殺そうとした。

闘志の神ボルクラン…天界の元老でありながら大神の一柱。

その勇敢で無欲な性格に主神も信頼して相談役まで勤めている。

「ハルトやらよ、破壊の女神と天界、世界の危機を救ってくれた事は感謝している」

「どういたしまして!礼には及びません…ですから…その感謝(殺気)に溢れる拳を下ろして貰えませんかね…」

「コホン………だが、お主は危機過ぎる…恨んでも構わん、来世は良い人生を過ごせるように計らうと約束しよう」

「ひ、人でなし!!」

「わしは神なんだが…」

「あっ!そうでしたね、神様でしたねもう!神なんかうんざりだぁぁ!」

「すまぬ…」

ボルグランは拳に凄まじ闘気を込めて構えて、その力は言うまでもなく、掠っても終わると確信した。

どうする?どうする?

ボルグランの闘気を見る限り…絶対敵わないし防げない事は目に見てわかる。

しかし、ここで死ぬ訳にはいかない!

この危機を乗り越える方法を頭から湯気が出るように考えたが…これがまた方法はないんだね…。

誰か助けてよ!恩知らず!神でなし!

ボルクランの肉重な拳が僕に向けて突いて来た…。

あーこれは死んだわ。

その時…ボルグランの拳を受け止めた僕を守った神がいた。

「待ちたまえ!ボルグラン!」

「お主…なんのつもりだ?」

あの極限まで込めた闘気の一撃をあっさり止めたその神は…芸の神、グランデだった。

えーーー!こいつモブキャラじゃなかったの?

「ちょっとお待ちになって!」

「脳筋バカ、待機要求!」

「お主ら…」

美と虚無の女神もボルグランの前に出て彼を止めてくれた。

「我々三大神がその少年の身元を保証する!」

「そうね…この坊やに借りがあるしね」

「手出し無用!越権行為!」

「う、うむ…三名の大神の保証か…仕方ない」

この三馬鹿達が大神だったの?信じられない!

ボルクランは三馬鹿の言葉に素直に拳を下ろし、息をする事すら辛かったボルクランの殺気もあっさり消えた。

ルル姉に怯える只の雑魚だと思ったのに意外と大物で本当に助かった。

三馬鹿達がボルクランの前に立って不満気に話を始めた。

「ボルグランよ!この少年を殺した後のことを考えての行動か?」

「ルナファナリールッカがこの子になにかあったらどう出るか!目に見えるわ!ああああぁぁ考えるだけでシワが増える!」

「火の海、死体の山……」

三馬鹿神の話に周りの神々も顔が真っ青になった。

ボルグランは僕とルル姉の関係を知らなかったようでその話を聞いてキョトンとしていた。

「あのさぁーボルグランよ、あの破壊の女神がこの少年の一言で我々に和解を受け入れてくれたよ」

「あの殲滅バカが…信じられる?アンタに出来る?出来る?」

「もう疲れた!平穏に暮らしたい!余計なことすんな脳筋バカ!」

いつも片言しか言わない虚無の女神がまともに喋って少し驚いた。

「あの破壊の女神が?嘘だろ…しかし、お前らにに好き勝手言われると……死にたくなるんだが…」

三馬鹿神に責められてボルグランは落ち込んで心に大きい傷が付いたようで肩を落としてどこかへ行ってしまった。

「やっと穏やかに芸術に励むことができる!やっとこの日が来たのだ!」

「今まカサカサになった肌とストレス太りした体を全力でケア出来るわ…ううう…」

やっと平穏な日常に戻れると思い芸と美の神は嬉い涙を流していた…。

「へへへへ…これから私も暗い部屋で引きこもって?うん、まぁ…別に変わってないね…」

虚無の神様は昔の僕と同じような感じがして…何故か親近感を感じた。

「ひょっとしてキリシュー様は闇属性と無属性?」

「うん、なんで知ってるの?」

「いや…何となくそんな気がしただけです」

虚無の女神は何故か僕に近付いてジロジロ見ていた。

今までフードに隠れて顔がわからなかったけど凄く可愛い顔をしていた。

「ふーん?クンガクンガ…ん?君から同士の香りがする、ふふふ…」

「あはは…」

引きこもりの匂いってカビ臭いイメージがして何故か嫌なきがする。

だが、僕はもう引き篭もりは卒業している。
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