異世界で僕…。

ゆうやま

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40話その2

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「ルナ様?何が分かりましたか?」

「まぁ…た、大したことない!ちょ、ちょっと女難の相の呪いがかけられただけだ…」

ルルはその詳細を黙って正直に言えずラズリックを誤魔化した。

「女難の呪い?…まぁ!よかったです!呪いは無効になりますからね!」

(解除不可のextraなんちゃら呪いだが…黙っておこう…)

(ルナ様、何か誤魔化してますね…ハルト君の周りに女性が次々と現れる事を考えると只の呪いでは無さそうです…)

それにすぐ勘付いたラズリックだった。

「あとはルナ様が完全回復してから調べるしかありませんね…」

「だな…ハルト君にどんな才が秘められたか分からない現状、天界に知り渡ると面倒になるから黙って置くように…」

「分かりました…それは本人にも?」

「ああ…主命で秘密厳守だ!」

「承りました」

(当たり前だろ!私のせいにされてハルト君に嫌われたらたまったもんじゃないわ!)

ルル達がハルトの状態に悩む時、ガランディアの侵攻を阻止したラーズ軍と聖魔戦争を勝利して終結した魔王軍から勝利に喜ぶ雰囲気は

「魔王様…勝ち鬨はどうしようか?」

「この現状で勝鬨はちょっと無理があるだろ…」

「ですよね…」

「後の事は任せた!我らの女神様に謁見してくる…」

「はい…お任せを…」

ラーズ軍と魔王軍もレイラの超高速飛行に巻き込まれて、飛ばされた者や砂大量の砂に埋められた者など多大な被害を受けている状態で救助に全力を尽くしている有り様であった。

フィリアもその悲惨な状況に呆然と見て、神々の恐ろしさを実感した。

「将軍、怪我した兵と行方不明者の捜索及び救助を頼みます、私は破壊の女神様にご挨拶と…御助力に礼を言って参ります」

「はっ!女王陛下!お気をつけて下さい」

「……はい」

そして、女王フィリアと魔王テスラはルルの前に跪き感謝の言葉を捧げた。

「我が女神ルナファナリールカ様!我々魔王国一同!貴女様のご帰還に大変嬉しく思って存じます!」

「此度、我が国ラーズを代表してカランディアの侵攻にご助力をいただき感謝至極で存じます」

「うむ!あのペタンコのブスと三馬鹿が迷惑かけた、これで宣言する!聖魔戦争を引き起こした主犯創造の女神は倒した!故に私!破壊の女神と魔王国の勝利となった!」

「おおぉ!ルナファナリールカ様!これで我々亜人達にもまた希望が!!無念に散った母も安らかに眠れるでしょう…」

「そうか…お主はレナードの娘だったか!奴の死は残念である」

「その御言葉だけで母も大変喜ぶと存じます」

「これから魔王国をよい国に導いて見せろ、期待しておる」

「ははっ!」

初代魔王レナード…母の無念を晴らしたテスラは感激で我慢出来ず涙を流した。

ルルが両国の女王達と話している隙にバルトゥールがハルトのところに来た。

「お兄ちゃん…お兄ちゃん?あれ?目を覚まさない?」

バルトゥールは意識を失ったハルトの頭を膝に置きじっと見つめていた。

(ふむ、こいう時は人工呼吸だったっけ?ふぁふぁ…そうね…そうだな!間違い無いわ!むしろそれしか無いでしょー!)

バルトゥールは鼻息を荒くして目を瞑ってハルトの唇に自分の唇を重ねようとした。

(ん?なんか…カサカサして硬い?)

目を開けたバルトゥールの唇は誰かの足に阻まれていた。

「な、なんだ!ぷっ!ぷっ!」

「ちょっと!そこの白髪だらけの老婆…今何しようとしました?」

「油断も隙も無いな…こいつ」

「また、お前らか!毒虫!糞虫!邪魔すんな!って…それに誰が老婆だ!!」

双子はハルトの唇を死守した。

双子とバルトゥールは益々険悪な関係になって睨み合いが始まった。
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