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39話 その3
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そのあとすぐ、ルル姉はバルトゥールはどうでもいいように放置してまた、僕に抱きついた。
「ルル姉…旧友との出会いの喜び、ちょっと短過ぎない?」
「お、女の友情ってこんなもんだよ?ねぇ?バルトゥール?」
「そ、そうだよ…あまり理想を求めないで」
それはこの二人のみな気がするが、バルちゃんも見つかってよしとした。
今はルル姉にまた会えた事を素直に喜ぼう。
「ハルト君…良く頑張った」
「やっと会えたね、ルル姉」
「ハイ!ストップ!あの…お兄ちゃん?このおん…じゃなくて、ルナファナリールッカとどいう関係なの?」
バルトゥールによって邪魔されて再会の感動の雰囲気はぶち壊された。
それにいきなりのその質問…心の準備が出来てないのに…。
「ルル姉?えへへ…僕の…大切な人?なんだったりして…へへ…」
「もう…♪ハルト君たら……♡そこは…男らしくシャキンと言わないと!うふふ」
歯切れが悪いが僕としては上出来な返事でルル姉も嬉しそうにしている。
「うわああああああああああ!お兄ちゃん!この女だけはせぇぇたい!ダメェェェェェェ!」
バルトゥールの壮絶な叫びのあと、急に泣き出してドッスンと座り込み肩を落とした。
「お、お、お兄ちゃん…今なら間に合う、考え直して!人生棒に振る事になるよぉーうううう」
「えっ?なに?バルちゃん?」
その一片の曇りが無い切実な願いの顔にルル姉はブッチと切れたような顔だ。
「ねぇ…バルトゥールよ、ちょっと二人で話そう……あそこに静かな場所がある」
「えっ、い、いやだけど…」
ルル姉はバルトゥールを引き摺り洞窟のような暗い場所に連れて行った。
「ああぁぁぁぁぁぁ!!お兄ちゃん!お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
バルちゃんは怪獣に捕まって食糧としてその巣に引き摺られて行くような恐怖に満ちた顔をした。
ルル姉は本気で怒っている様子で止めようかとうか迷った。
しかし、お兄ちゃんという言葉の魅力に抗えない僕はルル姉を止める事にした。
いざ!姉キラーモード!マクシマム!
「ルル姉、ルル姉…怒らないで!僕が大好きなルル姉のそんな顔するのはいやだよぉー」
僕は下腹にぐっと力を入れて顔を赤くしてルル姉に抱きつき顔をそっと触った。
「は、ハルト君?」
「せっかく会えたのにもうちょっと僕も構ってよ…」
そしてちょっと拗ねてみた。
「う…うふ…ほ…ふ、ふ、ふーーん、命拾いしたな…バルトゥール」
顔を赤くしてちょっとツンデレ的に照れたルル姉はバルトゥールを離してあげた。
よっしゃー!!僕は今!森羅万象の頂点に立ったぁぁぁ!!
怪獣の手から逃れた顔でバルトゥールはまた僕の背後に隠れた。
「しかし、バルトゥールよ…何故ハルト君を兄と呼ぶ?」
「お、お兄ちゃんはお兄ちゃんだもん…ヒクヒク…」
(確かにこいつは魂を感じ取る不思議な力を持っている…しかし、ハルトは人の子、それに異界の住民だ!よく分からんな…)
また考え込んでいるルル姉の前にラズリックさんとレイラさんが来た。
「探しましたよ…ルナ様!一つ報告し忘れた事が…」
ラズリックさんがルル姉の耳元でコソコソ何が喋った。
「大丈夫ですか?あまりに多く加護や祝福を与えるとその反動で良くない副作用の恐れが……」
「その事は私も知ってる!おかしい!私が与えたのは悲願と破壊の加護のみだぞ?という事だ?」
「えっ?そんな…」
「調べる必要がありそうだ」
僕は泣いているバルトゥールを頭を撫でながら慰めていた。
きっと昔、ルル姉に相当な目に遭ったんだろうな…。
四人の神とこの凶悪な邪神すら怯えるルル姉……。
僕はどんでもない方を好きになったようだ。
「ハルト君!ちょっとこっちへ来てくれるかな?大事な事だ」
「大事な事ってなに?」
僕はルル姉に呼ばれてに戻った。
「ちょっと調べたい事があるのよ…邪眼を使うからじっとしてて…」
「ええーー!あれを使うの?いやだな…あの感じ…」
邪眼はマジ苦手だ…思い出すだけで鳥肌が立つ!
「すぐ済む!万物を覗く邪目よ、我が望みを聞き入れ、この者の真実を妾に見せよ…」
問答無用で邪眼を発動した…またその悪感に襲われて意識が朦朧としてきた。
「ルル姉…旧友との出会いの喜び、ちょっと短過ぎない?」
「お、女の友情ってこんなもんだよ?ねぇ?バルトゥール?」
「そ、そうだよ…あまり理想を求めないで」
それはこの二人のみな気がするが、バルちゃんも見つかってよしとした。
今はルル姉にまた会えた事を素直に喜ぼう。
「ハルト君…良く頑張った」
「やっと会えたね、ルル姉」
「ハイ!ストップ!あの…お兄ちゃん?このおん…じゃなくて、ルナファナリールッカとどいう関係なの?」
バルトゥールによって邪魔されて再会の感動の雰囲気はぶち壊された。
それにいきなりのその質問…心の準備が出来てないのに…。
「ルル姉?えへへ…僕の…大切な人?なんだったりして…へへ…」
「もう…♪ハルト君たら……♡そこは…男らしくシャキンと言わないと!うふふ」
歯切れが悪いが僕としては上出来な返事でルル姉も嬉しそうにしている。
「うわああああああああああ!お兄ちゃん!この女だけはせぇぇたい!ダメェェェェェェ!」
バルトゥールの壮絶な叫びのあと、急に泣き出してドッスンと座り込み肩を落とした。
「お、お、お兄ちゃん…今なら間に合う、考え直して!人生棒に振る事になるよぉーうううう」
「えっ?なに?バルちゃん?」
その一片の曇りが無い切実な願いの顔にルル姉はブッチと切れたような顔だ。
「ねぇ…バルトゥールよ、ちょっと二人で話そう……あそこに静かな場所がある」
「えっ、い、いやだけど…」
ルル姉はバルトゥールを引き摺り洞窟のような暗い場所に連れて行った。
「ああぁぁぁぁぁぁ!!お兄ちゃん!お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
バルちゃんは怪獣に捕まって食糧としてその巣に引き摺られて行くような恐怖に満ちた顔をした。
ルル姉は本気で怒っている様子で止めようかとうか迷った。
しかし、お兄ちゃんという言葉の魅力に抗えない僕はルル姉を止める事にした。
いざ!姉キラーモード!マクシマム!
「ルル姉、ルル姉…怒らないで!僕が大好きなルル姉のそんな顔するのはいやだよぉー」
僕は下腹にぐっと力を入れて顔を赤くしてルル姉に抱きつき顔をそっと触った。
「は、ハルト君?」
「せっかく会えたのにもうちょっと僕も構ってよ…」
そしてちょっと拗ねてみた。
「う…うふ…ほ…ふ、ふ、ふーーん、命拾いしたな…バルトゥール」
顔を赤くしてちょっとツンデレ的に照れたルル姉はバルトゥールを離してあげた。
よっしゃー!!僕は今!森羅万象の頂点に立ったぁぁぁ!!
怪獣の手から逃れた顔でバルトゥールはまた僕の背後に隠れた。
「しかし、バルトゥールよ…何故ハルト君を兄と呼ぶ?」
「お、お兄ちゃんはお兄ちゃんだもん…ヒクヒク…」
(確かにこいつは魂を感じ取る不思議な力を持っている…しかし、ハルトは人の子、それに異界の住民だ!よく分からんな…)
また考え込んでいるルル姉の前にラズリックさんとレイラさんが来た。
「探しましたよ…ルナ様!一つ報告し忘れた事が…」
ラズリックさんがルル姉の耳元でコソコソ何が喋った。
「大丈夫ですか?あまりに多く加護や祝福を与えるとその反動で良くない副作用の恐れが……」
「その事は私も知ってる!おかしい!私が与えたのは悲願と破壊の加護のみだぞ?という事だ?」
「えっ?そんな…」
「調べる必要がありそうだ」
僕は泣いているバルトゥールを頭を撫でながら慰めていた。
きっと昔、ルル姉に相当な目に遭ったんだろうな…。
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僕はどんでもない方を好きになったようだ。
「ハルト君!ちょっとこっちへ来てくれるかな?大事な事だ」
「大事な事ってなに?」
僕はルル姉に呼ばれてに戻った。
「ちょっと調べたい事があるのよ…邪眼を使うからじっとしてて…」
「ええーー!あれを使うの?いやだな…あの感じ…」
邪眼はマジ苦手だ…思い出すだけで鳥肌が立つ!
「すぐ済む!万物を覗く邪目よ、我が望みを聞き入れ、この者の真実を妾に見せよ…」
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