異世界で僕…。

ゆうやま

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一章39話

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ルル姉は大量に被った砂ホコリを払って身形を整いながら楽しそうに笑った。

「ふっ!三馬鹿は後でじっくり痛ぶってやるとしようか……ふふふ」

そんなルル姉を見てどうも不可解な疑問が頭から離れなれない。

ルル姉は喜怒哀楽が激しい感情的な性格だ。

しかし、異界に飛ばして寂しい思いと消滅の不安感を長年を苦しんだはずだが、それでも憎しみの感情は感じない。

そんなルル姉を見て…何故かホッとした。

トルゥーガを圧倒して勝ったレイラさんは青ざめた顔で空から降り、震えながらルル姉に向かった。

「おー!戻ったか、レイラよ…中々爽やかなそよ風じゃったな…」

「はひ!主様!お許しを…お許しを……」

そして…レイラさんは土下座して謝罪をした。

ルル姉とラズリックさんは面白く笑いを堪えていた。

「う、うむ!まぁ、お主のその目も当てられない…残酷な戦いぶりに免じて許そう!」

「あ、主様ぁぁぁ!一生付いて行きます!うわぁぁぁぁん!」

「うむ、頼りにしてるぞ……クク」

「ぷっ!これだからこやつを揶揄うのはやめられないですね…」

「は、はい?」

全てラズリックさんの手の内で踊らされてる事をレイラさんはそれに気付いてないようだ。

「ハルトちゃん、ルナ様と大事な話があるからちょっと席を外してくれないかな?」

「はい、わかりました」

それで僕はどこにも見当たらないバルトゥールが探しに行った。

あんな子をこの下界に野放しにしたら…この下界はとんでもない事になるに違いない。

「おーい!バルちゃん?どこ?こっちから微かに気配が感じるが…うっ!う、ふ、む、む!」

「シーッ!お兄ちゃん!静かに!危ないよ!」

バルトゥールは僕の口を手で塞ぎ小さい声で喋った。

「ぷはっ!はぁはぁ…一体どうしたバルちゃん?危ないってどういう事?」

「静かにして…本当危ないから…」

戦いは片がついた状態で危険はないはずだ。

ても、この無敵凶悪邪神バルトゥールが怯えて岩の隙間に隠れている様子を見て何かどんでもない事が起きてるかと心配になた。

「とんでもなく危険で邪悪なやつがいる…あれは本当にやばいよ!お兄ちゃん!近づいたらダメ!」

邪神の口からその言葉を聞くと思わなかった!

「やっとあそこから解放されたのに今度はあんなのと出くわすとは災難だよ…」

邪神のバルちゃんが怯える相手…バルちゃんを封印した邪神の親玉でも来ているのか思った。

この事を早く皆んなに知らせないといけない…。

「バルちゃん!そいつはどこにいる?」

「あ、あそこにいる、急に現れて心臓止まるかと思ったよ」

バルトゥールはブルブル震えながらその危険で邪悪な者に向けて指を差した。

「ル、ル、ルナファナリールッカ…あの禍々し女!こんなところにいるとは…早く逃げなきゃ…」

「はっ?」

そこには…ラズリックさんと何か深刻な話をしている人物…我が最愛の女神、ルル姉だった。
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